辻堂ゆめのレビュー一覧
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本選びに悩む10代に送るアンソロジーということで、ターゲット的には若年層向けっぽいけど、誰が読んでも楽しむことができると思った。
今回は四作品が収録されていて、どの作家さんも割と有名。まあだからこそ買ったわけだけど、内容も良かったです。
特によかったのが織守きょうやさんの「彼と彼女の穴」という作品。織守さんといえばホラーのイメージがあって、今作も恋愛といいつつもミステリー&ホラーテイストでなかなかいい味が出ていた。
物語のあらすじとしては、主人公はたびたび不思議な夢をみるようになる。夢の中ではひとつの穴があって、その傍に誰かが立っている。そんななか、主人公は一人の少女に出会って付き合うことになる。
穴、というちょっと不気味な連想と、恋愛というハッピーな雰囲気のギャップが面白い。
普通に読んでいくと、まあまあなバッドエンドを予想してしまうわけだけど、ラストは、、という展開もよかった。
文量はやや少なめで、かつ内容的にもとても読みやすい。読書初心者の人でも気負わずに読み切れるいい作品だと思った。というわけで⭐︎三つ。 -
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ネタバレ梅雨明けを待つある日、娘を亡くし一人で暮らす譲は小学生の少女と出会った。昭和59年からやってきた「ちい子」と名乗る少女は娘と同じ10歳だという。ちい子が元の時代に帰るそのときまで、娘としたかったことをして2人で夏の思い出を作ることに…。
ちい子の正体はわりと早々に予想が付いたけれど、途中で譲が思い出したエピソードから違う人物ではないかと当たりをつける展開があり、あれやっぱり違うのか?と最後まで楽しめた。最後の最後に気づいていなかった真実が明かされて、この出会いがあってよかったんだなと思わされる。タイトルどおり、「君」といた日の続きが続いていく。前向きに進んでいくラストがよかった。 -
Posted by ブクログ
タイトルそのまんまですが、ミステリ作家をしてる著者が妊娠出産するエッセイ。
あんまりこの手の話読まないし、エッセイ自体も久しぶりなんだけど・・・なんか普通だな、と。あまり話に起伏がないというか。まあフィクションじゃないんだしそんな劇的な事件なんか起こったりはないんだろうけど。「ミステリ作家」というタイトルに惹かれて読んでみたけど別に作家ならではみたいな話がそれほどあるわけでもなく。
家事育児をGoogleスプレッドシートで進捗管理という部分が少し興味深いかなというくらいで・・・いや素敵な家庭を築かれてるというのはとてもよくわかりますしとてもよいことだと思うんですが、外に発信するほどのなにかがあるわけでもないな、と。 -
Posted by ブクログ
普段恋愛ものは読まないけど、短編集でということもあり読んでみました。
一つ一つの物語が個性的で、恋愛×○○の部分でそれぞれの著者の色が出ていて面白かったです。
元々浅倉先生が好きで、今回この本を手に取ったきっかけもそうだったのですが、やっぱり伏線回収?オチが上手な方だと再認識しました。こういう学生の物語で私は変に現実的に考えてしまい、名前を知らずに紹介されることや、全員が訳ありなことある?と自分の中で要らないノイズが入るのですが、話の流れや途中の主人公のツッコミが面白くて、忘れていました。せっかく恋愛ができるチャンスだったのに「不憫だなあ、、笑」と思わず口に出してしまいそうなくらい私も物語の中に没頭してしまいました。
ダイアモンド・ダストの約束は、恋愛リアリティショーをテーマにした物語で、今の時代だからこそ書ける作品だと思いました。恋リアの醍醐味である誰が誰を好きか、この行動は誰への牽制なのか、本当はどう思っているのかということがそのまま心理戦の描写になっていて、すごくリアルに描かれているなと思いました。主人公は、かつてライバルと言われていた相手との実力差に負い目を感じながらも、自分なりに努力し続けているというところで勇気を貰えました。
彼と彼女の穴。今回の4つの短編作品の中で1番面白いと感じた作品でした。主人公の穴に関する夢の描写から始まり、現実に戻る。しかしまた穴の夢の描写に、、と最初は何が何だか分からなかったのですが、最後にはその夢の理由や、途中で調べた夢占いの結果が伏線になっていって満足感のある物語でした。誰しもが心に秘めておきたい事がありながらも、その秘密を知ってもらいたい、でも知られて失望されたくないという様々な方向の葛藤が文字だけでこんなにも表すことができるんだ、、と感心しました。また、主人公の健気さに胸をうたれました。10代に読んで欲しいという意味がわかった物語でした。
最後の運命はかく扉を叩くは、学生の行動を色々な形でよく表せているなと感じる作品でした。同じ行動でも、人によって動機は違い、また見栄を張るための嘘でもあったり、、と本来なら嘘をついて行動している人を見ると、嫌な気持ちになるのですがこの作品ではユーモアにかつ、共感できるような内容で書かれているため、ポップに読むことができました。最終的に、理想の2人がくっつくことが出来ていて、個人的にそこがとても嬉しかったポイントです。
どの作品も恋愛が主でありながらも、たくさんの状況や描写を用いて描かれているものなので、飽きずにすぐ読むことができました。面白かったです。