辻堂ゆめのレビュー一覧
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前作から、10年ぶりの復活となる本書は、創元推理文庫から2020年に発売された、「書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー」の第二弾で、全て1990年代生まれの作家が書かれているのが特徴ですが、どちらかというと、その若さはあまり気にならず、バラエティに富んだ多種多様な作風を、一冊で体感できた喜びが強かったです。
武田綾乃 「その爪先を彩る赤」
演劇部の失くなった靴を捜索する話で、犯人や動機は分かりやすいものの、その後の探偵に絡む、謎解きの細やかな伏線が見事だと思いましたし、そこに潜んでいたのは、探偵と「僕」との間における、稀少な価値観の共有で、こうした自分を認めてくれるような喜びは、学園生活で -
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サラリーマンの光弘と専業主婦の咲奈は、だれもが羨む幸せな夫婦。だがある日、気づいてしまった。光弘は咲奈の不貞に、咲奈は光弘の裏切りに。
その日から、彼らは良い夫婦の仮面をかぶったまま、互いの殺害を計画し始める。
『今からあなたを脅迫します』シリーズなどが代表作の藤石波矢さんと、『いなくなった私へ』などの辻堂ゆめさんの共著で、夫パートが藤石さん、妻パートを辻堂さんが書いています。
共著の小説というと、著者が変わる際に違和感を覚えて没入感が覚めてしまうことがよくあるのですが、この本はそういったこともなく、自然な文章で楽しめました。
あとがきを読むに、自分の書くパートで相手を殺すトリックを仕掛け -
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学校で人気のある綺麗な先生が監禁されネットに期限(死亡予定)があげられる。そんな中、主人公(不良)、学年一番の美人、一番優等生、サッカー部の有名人に君たちだけが先生を救えますと手紙が届く。何の関わりもなかった四人が監禁された先生を探し始めるのだがそこにはやはり因縁めいた関係が含まれていた。
謎解きを進めるように話が展開していき、因縁が明らかになっていく。真犯人に共感できなかった以外は面白く読めた。そこが共感できていたら★5だったけどなぁ。
経過から犯人は自然と絞られていくのだけど、なぜその人なのかとか、少し仕掛けられていたある種のトリックとかが最後に解けていくところは一気読みになります。 -
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ネタバレ急性の脳腫瘍で入院している夕夏は、医師の態度から最悪の結果を察し、絶望していた。
その夜、目の前に男が現れて言う、「君の命を助ける代わりに、大切な物を奪う」と。目が覚めると夕夏は、ここ2年間の記憶を失っていた……。
不運ではありながら、優しく幸せでドラマチックな恋愛小説。
2年間の記憶がない夕夏は、任されていた仕事も思い出せず、最近の人間関係もリセットされてしまっており、最初は戸惑いながら手探りで何とかしようとするのですが、記憶を消した男や、疎遠だった家族、職場の仲間と交流を深めるうちに徐々に立ち直っていきます。
恋愛・親愛・家族愛と、様々な愛に溢れたラストシーンは素敵でした。
また、”彼” -
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狭い世界だなあ。
裕福な子供達が通う小学校に女王のように君臨し、
30歳前になっても当時の友達というか手下とだけつるみ、
その中の男子三人と三股。
最近やけに危険な目にあうのは、小学校時代に酷い苛めをした男の復讐か?
たどり着いた犯人もやはりこの狭い世界の人だった。
真木が言っていたように、めぐみは悪女に及ばない小物。
思春期に家庭環境や嫉妬で中身が歪んでしまって、大人になってもそのまま引きずっている。
変わらずにいられたのはすごいなと思え、痛いけどあっぱれで、そこまで憎めなかった。
逆に真木の方が、あれだけのことをされているのにすっかり立ち直っているのが不思議。
友達不信や家か