辻堂ゆめのレビュー一覧
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一言でいえば、「無戸籍」という現代社会の盲点に光を当てた、極めて濃密な社会派ミステリです。
しかし、重いテーマとは裏腹に、その読後感は驚くほど澄み渡っています。
物語の軸となるのは、二十数年前に起きた凄惨なネグレクト――通称「鳥籠事件」です。
過去の悲劇と現在の事件が交錯し、孤立や偏見や差別といった重苦しく、深刻なテーマが読者に突きつけられます。
しかし、著者の筆致は驚くほど優しく、柔らかく、端正で読みやすいのです。
だからこそ、そのギャップが、物語の切実さをより際立たせているようにも感じます。
兄妹の正体、鳥籠事件の真相、刺傷事件の犯人……など、散りばめられた謎が解き明かされていく、ミス -
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昼と夜があるように、
表の顔と、裏の顔があるように、
本音と建前があるように、
誰しも相反した二面性を持っている。
ドロドロとした汚い心を胸の奥にしまっていながら、
世間体や、よく思われたため、相手を思いやるため、
理性が働いてこそ社会生活が送れる。
事故や事件、あるいは大きなショックで、
二つのバランスが壊れれば、病名が付くことにもなるかも。
加害者と被害者としての相反する関係も、
ストーリーの中で、考えさせられる。
「昼のはなし」で心温まる話から、
「夜のはなし」での、ある意味どんでん返しの数々。
王道の辻堂作品とコメントがあるのが、納得!
咲子の立場の気持ちも痛いほどわかるし、
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短いニュース記事が冒頭にあり、そのニュースの当事者たちの姿を描く構成の短編集。
引きこもりの息子が高齢の両親を殺す、マンション女児転落死 母親の交際相手を逮捕、出産直後に赤子を殺す母、中学生を轢き殺してしまった高齢女性、高齢夫婦が熱中症で死亡
全てよく聞くニュース。記事だけ読むと単純なストーリーを想像し、高齢なのに車運転するなんて、まだ子どもを産めるような女じゃなかったんだろと考えてしまうが、実際そんな単純なものじゃない、色んな裏側があるんじゃないの??ととにかく考えさせられる作品の数々。
とくにマンション女児転落死を描いた「そびえる塔と街明かり」、高齢夫婦の熱中死「四角い窓と室外機」の2編が -
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第一章では都を取り巻く家族の物語だと思った。でも第二章へ。さらに第三章へ読み進めると物語は壮大になっていく。
第三章の最初は別の物語なのかと錯覚した。しかしここからが物語の重要な部分だった。
都の祖母であり雅枝の母でもある佳代は戦争を経験している。出征した幼馴染の男の帰りを待ちながら故郷の瑞ノ瀬を守っていた。そして無事に生きて帰って来た孝光と夫婦になってさらに一生懸命働いた。
その瑞ノ瀬がダムの底に沈むことになってしまう。
孝光と佳代は反対運動を起こす。しかし途中で夫の孝光は失踪してしまう。そして反対運動は分解してしまうが、佳代は一人になっても夫の帰りを信じてダム建設の反対を貫いていく。
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嵐の夜、息子と娘が帰ってきてひさびさに家族四人がそろった桜石家の玄関に、高熱の男が倒れこんでいた。彼は誰なのか、そして家族の誰が彼を引き入れたのか。一見「ふつうの家族」であるはずの桜石家の面々がそれぞれに抱えている秘密が徐々に明らかになっていく群像劇ミステリです。
順調に出世を重ねた会社員の父、完璧に家事をこなす母、お調子者の明るい兄と自分の道を突き進む妹。まったく瑕疵のない理想の家族のように思える桜石家ですが、もちろんそんなはずはありません。とはいえ家族にも言えない秘密を抱え悩みを持つ彼らの姿は、それこそが「ふつう」なのではないかと思いました。謎の青年の正体に思いを巡らせる中で、自らの過去に