辻堂ゆめのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
この著者、初読み。上手いなぁ、この人。東大法学部出身なの⁈短編でこんなに読み応えあるのすごいわ。短編っていっても設定は繋がってて、ある街で起きた新聞の3面記事でよく見るようなちょっとした殺人事件や死亡記事の裏にある家庭事情が描かれる。一見穏やかで善良そうな人の心の深いところに押し込められた苦悩とかその奥底でうごめく黒い闇とか隠された過去とかに翻弄される近しい人の驚愕だったり哀しみが引き起こしたありふれた日常の延長にある事件。どんな人やどんな家庭にも傍からは見えない想像もつかない事情があり、何かのきっかけでそれが新聞に載るような事件になりかねない、でも一面にデカデカと載る国内や国際記事にはみんな
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Posted by ブクログ
とんでもない本を読んでしまった。よくある構成?ノンノン。ミステリを愛す方々に、想像を超えた読書体験をお約束します。
各章の始まりは新聞ベタ記事。女児が死に逮捕された母の交際相手、乳幼児を遺棄した若い女性、中学生を轢いて死なせた高齢女性。また虐待か嫌な事件だ、若者が子供できて親に言えなかったのかな、やっぱり高齢者の運転か。
どれも定型化した感想をもってしまう報道の裏側の真相が、生きた人々が精緻に描かれます。
いやいや、とはいえ大体予想がつくよ、と思うかもしれません。なんなら、そう思いながら読み進めましたが、ぜひそうした方にこそ手に取っていただきたい。
角田光代先生の三面記事小説とも味わいが異 -
Posted by ブクログ
一言でいえば、「無戸籍」という現代社会の盲点に光を当てた、極めて濃密な社会派ミステリです。
しかし、重いテーマとは裏腹に、その読後感は驚くほど澄み渡っています。
物語の軸となるのは、二十数年前に起きた凄惨なネグレクト――通称「鳥籠事件」です。
過去の悲劇と現在の事件が交錯し、孤立や偏見や差別といった重苦しく、深刻なテーマが読者に突きつけられます。
しかし、著者の筆致は驚くほど優しく、柔らかく、端正で読みやすいのです。
だからこそ、そのギャップが、物語の切実さをより際立たせているようにも感じます。
兄妹の正体、鳥籠事件の真相、刺傷事件の犯人……など、散りばめられた謎が解き明かされていく、ミス -
Posted by ブクログ
昼と夜があるように、
表の顔と、裏の顔があるように、
本音と建前があるように、
誰しも相反した二面性を持っている。
ドロドロとした汚い心を胸の奥にしまっていながら、
世間体や、よく思われたいため、相手を思いやるため、
理性が働いてこそ社会生活が送れる。
事故や事件、あるいは大きなショックで、
二つのバランスが壊れれば、病名が付くことにもなるかも。
加害者と被害者としての相反する関係も、
ストーリーの中で、考えさせられる。
「昼のはなし」で心温まる話から、
「夜のはなし」での、ある意味どんでん返しの数々。
王道の辻堂作品とコメントがあるのが、納得!
咲子の立場の気持ちも痛いほどわかるし、