辻堂ゆめのレビュー一覧
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読み終わりに近づくにつれ、涙腺が緩む感覚があり泣けてきました。突然現れた、10歳の女の子ちぃ子との温かくて楽しい一か月は、読んでいて堪らなく愛おしくて、物語の展開上、いつかこの可愛いちぃ子がいなくなってしまうんだと思うと、寂しさが湧いてきました。そして、最後の伏線回収。ある程度予想はついたので驚きはそんなになかったですが、愛する人と共に過ごす時間の大切さを想うと温かい涙がでました。それから、妻との最期の会話。胸がいっぱいになりました。私は、主人公の譲と同じ年齢の男性なので、余計に感情移入出来たのかもしれませんが、とても温かくて泣ける小説でした。
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夏っぽい作品が読みたいと思い表紙買い。辻堂ゆめさん多分初読みの作家さん。
表紙の可愛らしいイラストからライト的な物と思い軽く読めるかなと思っていたら、何で今まで読んでなかったんだろうと思うくらい揺さぶられた。
タイムトラベル物で一夏の疑似親子体験。楽しい日々が続くが終わりの迫る切ない時間だ。夏の終わりで、ちぃ子は消えてしまうんだろうな、悲しい結末を予想していたんだが。
後半、次々と衝撃がくる。鳥肌がたった。脳がバグる。今まで一体どんな気持ちで、あの人はいたんだろう。想像すると苦しくなった。
ちぃ子の正体が分かるとまた始めから読み直したくなった。
読み終わり改めて表紙をみてアフターストーリーと一致してまた泣きそうになった。いや泣いてた。
人生悲しいだけじゃない。同じアラフィフとして沢山の元気をもらえた気がする。まだこれから。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み始めから泰介が酷い発言ばかりするので嫌な気持ちで読み進めた。東洋の魔女の時代、ADHDという言葉も認知もされていない中、田舎で親族からも見放されどんなに大変なことだっただろう。読者でこちらからみていても泰介にイライラ、とてもじゃないけど育てる自信がない。
子ども2人を連れ上京し育てる事で故郷にいるよりはいい人生を歩めたのだろう。
万津子が泰介にバレーボールを教えたのは選手にしたいためではなく落ち着かせるためだった。母親の深い愛情を感じる。そして泰介の妻の由佳子、こちらも愛情あふれる人で、素敵すぎる。泰介はふたりの愛情に支えられてきたのだ。もちろん本人にしかない魅力もあるだろう。
万津子と本当のところは語り合えなかったのも、現実はそうだろうな、と。
弟の徹平目線のパートがあってもよかったな。
素晴らしく読み応えがあり、いい本に会えてよかった。
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Posted by ブクログ
ネタバレ思ってもみない方向で感動させられた。
子供の頃から癇癪もちで社会人になってからも周囲の人とうまくやっていけない泰介。
あぁ、これは発達障害だな、昔は誰にも理解されないから大変な苦労だったろうな、、、。
と思って読んでいたら、その発達障害もこの小説のテーマの一つだった。
てっきり認知症の母の秘め事と、萌子のバレーボールの話だと思っていたので、泰介自身が発達障害と向き合っていく流れになったのには驚いた。
しかもそれを萌子が父親を傷つけないように、悩み抜いた末に、何度も頭の中でリハーサルした言葉を伝える場面はもう号泣だった。
当たり前がうまくできずに苦しんでいる人にとっても励まされる、刺さる内容だったと思う。
そして萌子の春高決勝戦は、ありがちな展開で予想通りだけど、緊迫感がありドキドキして、やはり感動して泣いた。
母は東洋の魔女ではなかったけど、苦しかった人生の中で救いになった息子をバレーボールの選手にするという願いが、孫の活躍へと続いてよかった。
何か自分が必死になって追い求めたものが、形にならなかったとしても、自分以外の誰かの血と肉になり、自分の預かり知らぬところでもしかしたら後世に身を結ぶこともあるのかもしれないなと知って、とても素敵なことを教わった気持ち。
泰介が伝えた感謝と、萌子の活躍と、ヨシタカ君を押して殺したわけではないことは、母に伝わっていて欲しい。
母の反応がよくわからず、リアリティはあるけど、個人的には理解して歓喜する描写を読みたかった。
前半は若干単調ではあるけど、読みやすく、後半一気に涙腺を壊しにくる一冊。