辻堂ゆめのレビュー一覧
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嫌いではないものの、あまりエッセイを読まない私ですが「今日未明」を読んで辻堂さんに興味を持ったのでこの子育てエッセイを読んでみました。
いや、すごい。面白い!始まりは娘さん1人でしたが、終わりには長男さん、次女さんが産まれてて面白エピソードも満載です。結婚率も低くなり、物価は高いし子供育てるのにはお金がかかる…と言われ少子化が問題視されてますよね。確かにお金はかかるし、人を育てるのが楽なわけありません。
でも子供を持つことを躊躇ってる人にぜひこの本を読んでもらいたい。子供が成長するにつれて様々なイベントがあります。もちろん親も関与するので色んな体験をすることができます。何より昨日できなかったことが今日できた、ほんとに成長していく様子は感動します。それを辻堂さんが読みやすい文でまとめてくれてます。この一冊と言わず、またお子さん達の成長を読みたいなぁと思いました。 -
Posted by ブクログ
辻堂ゆめさん、4作目です。
私には丁度よい感じのミステリーで面白いです。もちろん、この作品も面白かったです。
交換日記が小道具(!?)的な役割をしていました。
色んな人の組み合わせで交換日記をします。
入院患者と見舞客
教師と児童
姉と妹
母と息子
加害者と被害者
上司と部下
夫と妻
そして、この交換日記には2人の教師の関わりがあります。でも、始めのうちは2人いるとは分からなかった。
私は「加害者と被害者」の章が好きです。「さすが、先生!」と思ってしまいました。
交換日記
中学生の時に友達としたことがあります。が、クラスの担任教師ともしたことがあります。残念ながら本書のような先生ではなくて、返された日記に書かれた言葉に傷ついて、二度と悩みを相談するのはよそうと思った記憶があります。
まぁ、担任教師は一生懸命に考えてくれたのでしょうがಠ_ಠ -
Posted by ブクログ
作品紹介・あらすじ
長い雨の切れ間に女の子を拾った。「ここ、どこ?」ちぃ子と名乗るその少女はどうやら1980年代からタイムスリップしてきたらしい。ちぃ子はなぜ僕の前に現れたのか、はたして元の時代に戻れるのか、封印された記憶に隠された真相は。娘を亡くした父親と、両親のいない少女の、奇妙な「夏休み」がはじまる。すべての伏線が繋がったとき、時空を超えた愛の物語が浮かび上がる号泣必至ミステリー。
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タイムスリップとミステリーが合体したような内容。ただSFっぽさは皆無。
全部で第7章+アフターストーリーからなる長篇。
第5章までは少し否定的な印象を受けていたのだけれど、第6章を読んでがらりと印象が変わった。
それはそれとして……ちょっとだけ徒然なるままに。
2021年、娘を病気で亡くし離婚したばかりの男性の前に、1984年からタイムスリップしてきたちい子と名乗る女の子が出現する。
2021年はコロナ禍の時代、1984年はバブル直前の時代。本作の中には、この二つの時代を比べる描写が出てくるのだが、それがなかなか面白い。ささやかな文明批判みたいな意図も込められているように思える。
地の文がちょっとくどい、というか説明過多な印象を受ける。もう少し簡素にまとめてもよかったように思う。
そしてこれが一番気になった部分なのだけれど、ちい子という10歳の女の子の言動。なんかあざとい。作者として可愛さを「表現」するのではなく、言葉で「説明」してしまっているように受け取れてしまう。しかもそれをちい子本人の口からセリフとして語らせてしまっている。これがとても気になった。
ところが……。
第6章を読んでその印象が180度ひっくり返ってしまった。この章は伏線回収に当てられている。ネタバレになる恐れがあるので詳しくは書けないのだけれど、「ああ、そうだったのか。ちい子は演技をしていたのかもしれない」と思った。作者の意図とは全く関係ないかもしれないけれど、僕の中では「全てを理解していないけれど、ある程度理解しているちい子は、無意識なりに演技をしていた」と受け取れた。そうなると「なんかあざとくていやらしいな」と思えたちい子の言動が「なんていじらしくて切ないのだろう」とまさにコペルニクス的転換をしてしまった。それが証拠にこの章を読み終えた後、前に戻っていくつかの場面を読み返したのだけれど、全ての場面が「あざとい」から「いじらしい」に変わった。もしかしたら僕の誤読がそんな結果を導いたかもしれない。他の人はそんな読み方をしていないかもしれない。でも読書ってそんな「勘違い」の積み重ねなのかもしれない、と自分に言い聞かせて納得。
伏線回収は第7章へも続いている。この連続した伏線回収が読んでいて心地よかった。なんか意図していなかった「おまけ」をもらったみたいで得した気分。文庫版にのみ収録された「アフターストーリー」もいい感じに本編の余韻を助長してくれているようで好感が持てた。
それにしても……。
僕が辻堂ゆめさんの作品を読むのは2冊目。初めて彼女の本を読んだのは「今日未明」という短編集。僕はこの作品をきちんと読むことが出来なかった。5編のうち最初の2編はなんとか読んだのだけれど、あまりにも読後感が不快だったので、残りは読むことなくほっぽってしまった。時間を割いてまで不愉快な気持ちになりたくなかったから。
そんな作品を書いた人が、この「君といた日の続き」というとても素敵な作品を書いていたとは……。「今日未明」での僕の辻堂ゆめさんの印象は「最悪」だったのに、この「君といた日の続き」を読んだ後は「もっと他のも読んでみたい興味深い作家」に変わっていた。これもまたコペルニクス的転換。 -
Posted by ブクログ
「女教師は、ベッドに横たわったまま、
一心不乱に文字を書いている。彼女は思う。
文章とは、無限大だ。紙の上では、何にだってなれる」
—プロローグより
スマホやSNS、PCメールで言葉を交わすのが当たり前になった今、手書きの文章は時代遅れと感じる人もいるかもしれません。
気が向いた時だけ、気軽に送れる言葉。もし面倒になれば、すぐに辞められる。そんな便利さの中で、すっかり姿を消してしまいました。けれど、物語は、そんな “古くて不便”な手段にこそ、心を通わせる力があることを教えてくれます。
本作は七話で構成されており、それぞれ異なる関係性の二人が交換日記を通じて対話を重ねます。
交換日記という静かな舞台が置かれ、そこに綴られる言葉が、時に優しく、時に鋭く、相手の心に触れていきます。最終話で全てが繋がる構成には、静かな驚きと深い感動があります。
字の上手さではなく、心の温度が宿ります。
けれど、駆け引きのない言葉の遣り取りに、真実が滲み出る。人はどこまで本音を伝えられるのか。
そして、言葉はどこまで人を救えるのか。
そんな一冊でした。
読書は楽しい。