辻堂ゆめのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
高学歴高収入の家庭に生まれ、世間的には恵まれた経済環境で育つ主人公の染野高志。
彼は「絶対に東大に合格しなくてはならない」という大命題のもと日々勉強に勤しんでいる。
ある日、クラスメイトの星愛璃嘉に「染野って、同じ匂いがするんだよね」と声をかけられる。
実は、星はシングルマザーの母親からネグレクトを受けているのだった。
星との接触を機に、自分を取り巻く生活環境の異常さに、次第に気付き始めていく染野。
やがて2人は親への復讐計画を立て始めるのだが・・・
染野が親から教育虐待を受けるシーンが何度も出てくるので読んでいてとても辛かった。親の庇護下でしか生きられない子どもが、親の都合だけで自由 -
Posted by ブクログ
舞台は市役所の3階に開設された「2020こころの相談室」。コロナ禍による心の不調と悩みを相談するため、その場所を訪れた「どこかにいた、誰かの物語」でした。
相談室の二人は雰囲気がよく、間合いも絶妙でした。誰かに話を聞いてもらいたいという気持ちを、しっかりと受け止めてくれていました。何よりも臨床心理士の観察力のすごさに驚きました。共感力、受容力があり、的確なアドバイスにも感心しました。
コロナ禍の犠牲になった高校三年生、医療従事者、一人で出産した母親、ホームレス、浪人生。それぞれの理不尽な思いは、コロナ禍できっと誰かが感じていたことだと思いました。
相談室にいったことで物事がうまくいき、ま -
Posted by ブクログ
心があたたまるファンタジーだった
父にお勧めされた本。今まで10冊以上父にお勧めされた本があったが初めて読み終えることができた笑
運命は本当にあるんだなと思える内容の本で、読み終わったらポカポカした
私の家族は離れて暮らしているため、誰かがもし辛くて潰れそうな気持ちを抱えていてもすぐに気づいてあげることができない。
今の自分にできることはマメに連絡を取りたい家族を気にかけることを忘れないことだなと思った。
やはり血が繋がった家族というのはどこか不思議なもので、考えていることがわかるというような薄っぺらいものではなく神秘的な何かを感じるときもある。
世界の中の私たち4人だけのこの不思議な -
Posted by ブクログ
全五話の短編集。ハッキリ言って読み心地最悪です。でも、面白くない訳じゃなくて…。どれも最初に小さな三面記事ニュースが貼られていて、読み始めると、あれ?ニュースとはちょっと違う展開じゃない?と思ってるとガツンと落とされます。毎回落とし穴あって、まーこれが胸糞悪いこと悪いこと。
殺人だのなんだのあるので、中学校以上。高校位からが推奨かな。
「プロローグ・エピローグ」この糞な内容を更に深淵にしてくれるツマ。
「夕焼け空と三輪車」 71歳の男性が息子に刺される。息子と父の間にあった出来事とは?
「そびえる塔と街明かり」 マンションから虐待跡のある女児転落死。同居の男性が犯人なのか? この話が一番こたえ -
Posted by ブクログ
のっけから見るも無残な鉄道自殺とかいきなり殺しちゃうところが容赦ないかんじでした。
自殺した娘に二人の母親が名乗りでるとかとんでもない設定でした。どちらの母親も自殺したのは自分の娘の方だと主張するあたりが滑稽で、どちらかが娘に成りすまして2年間も二重生活をしていたのに実の娘を見抜けなかったところとか無関心すぎし、自分の娘のほうは生きていると考えないところにも愛情のなさを感じました。
一方の母親は見栄と欲の塊で常にマウントとりたがるし、もう一方は性欲の塊のような、なし崩し的な暮らしをしてるとか。
でも、終盤に差し掛かり母親2人が登山するところから変化が見られ良かったです。やっぱり登山は素晴らしい -
Posted by ブクログ
話の展開や情報開示のタイミングはとてもよかったが、設定がイマイチかなと思った。
特に、成年が未成年と認識している子どもを自宅に招き入れるという点に少し嫌悪感を覚えました。
ニュースなどでもこのような行為は犯罪として扱われていて、実際逮捕者を目にすることも少なくないので敏感になっているのでしょうか。。
(もちろん物語の流れ上、この設定は必要不可欠なのかなとも思うし、そんな事言ってたら物語なんて作れなくなっちゃうとは思うのですが…)
あとは、自分ができなかったことを変わりの誰かを通してやった気になって満足している主人公だと感じたので、その点も話にあんまり共感ができなかったポイントかも。