辻堂ゆめのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
新型コロナウイルスの流行でこれまでの生活が一変した2020年、とある市役所に開設されたこころの相談室。
二人のカウンセラーが相談者の悩みや苦しみにそっと寄り添うハートフルなお悩み救済物語⸺だと思って読んでいたんです、途中までは。
カウンセラーだけが気付いた相談者の抱える誰にも言えない秘密とは?
これまで語られてきた印象を一気に反転させるような2段構えの構成に痺れた…!
コロナ禍はもう随分前のことのようにも思えるけど、読みながら異様な閉塞感と絶望感で不安でいっぱいいっぱいだったあの頃を思い出して心が痛んだり。
短編集ながらも各話少しずつ繋がりがあり、巡るキーアイテムの存在が明るくはない題材の中 -
Posted by ブクログ
父親を刺殺した引きこもりの40歳の息子、マンションから転落した7歳女児、中学生を轢き殺した75歳女性、猛暑日の中エアコンを使わずに熱中症で亡くなった老夫婦、乳児の遺体を遺棄した23歳女性。新聞の片隅にしか載らない小さな事件や事故、その裏側にあるかもしれないです驚くべき真相を描き出す5つの短編。
かなりのイヤミスです。
どれもがどこかで見たことのある事件や事故。この手の記事を目にするたび、ステレオタイプの解釈を施し、勝手に決めつけては心の中で断罪しニュースを消費してしまう自分を咎められているかのようで居心地が悪い。
確かに、三面記事の短い文章では伝わらない、当事者にしかわからない本当の事情があ -
Posted by ブクログ
自殺したひとりの娘と、ふたりの母親。
自殺した娘は本当はどちらの娘だったのか?もうひとりの娘はどこに行ってしまったのか?続きが気になって一気に読んだ。途中から二人グループに加わったくるみが出てきたが、現在は二人ともと疎遠らしい。ラストは思いもよらなかったです。ふたりの母が山に登りながら話すところで、娘の正体がわかり、ふたりの母も考えも改められ、娘はどちらもいなくなってしまったけどバッドエンドではないな、と思っていたら衝撃のラスト。全く予想できませんでした。世間的に見れば、ラストはよくないものなのかもしれないけど、私はとってもいいと思う。羨ましい。