辻堂ゆめのレビュー一覧

  • トリカゴ

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    辻堂作品は初読。
    気にはなっていた作家だが
    青春ミステリーのイメージがあり
    少し苦手だと思っていた。

    しかし、無骨さ、力強さ
    そして優しさ。
    文章の粒度が
    非常に高い位置にあると感じた。

    また読んでみたい作家が増えた。

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    2025年11月17日
  • 君といた日の続き(新潮文庫)

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    ネタバレ

    ひとめぼれ。
    こんなひとめぼれなら、されてみたい。
    途中、ストーリーが平坦で冗長に感じる部分もあった。
    しかしながら、最後はよく考えられた伏線回収だった。

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    2025年11月14日
  • 今日未明

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    5篇を収録した短篇集。ほかにプロローグとエピローグが付く。どの作品も冒頭に短い新聞記事が提示され、本文でその事件の詳細が語られていくスタイルだ。そして真相はイヤミス系である。そのため特に好きな作品はなかったけれど、どれもうまいなあとしみじみ思う。三面記事の片隅にちょこっと載った事件が気になり、どういうことなんだと考え続けた思考実験の成果のようにも思えた。
    「新聞によりますと……」で始まるあのテレビ番組の再現ドラマを思い出したのは、昭和おっさんの証か(笑)。

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    2025年11月13日
  • 今日未明

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    事件記事の内容から始まるので、ある意味結末が先に提示されているということ。そこに至るまでの経緯が物語の中心。予想を裏切る幸福な物語が、途中から一転、最悪で胸糞が悪い物語に変わる。2話目からこの流れが分かっているので、最悪を予想しながら読み進めることに。あと味はとても悪いが、この流れが中毒性になるほど面白い。

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    2025年11月12日
  • 今日未明

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    ネタバレ

    最初のところで、誰が亡くなって誰が犯人かわかるのに
    読みはじめていくと、何故事件が起きるのかわからないところからスタートしていく。

    そこからじわりじわり、家族関係が壊れていって
    心がズタズタにされて事件が起こる。

    でもきっと
    世の中で起きている殺人事件もこうやって起こるのかな?って
    変にリアルさを感じる。こわい。

    あの時もっと話せばよかったのかな?
    って帯にあるけれど
    本当にその通りで。
    世の中、自分の想いってみんな理解していると思いすぎてるし。
    自分の常識イコールみんなの常識って認識している人が多すぎる。
    対話って大事。

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    2025年11月12日
  • サクラサク、サクラチル

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    高学歴高収入の家庭に生まれ、世間的には恵まれた経済環境で育つ主人公の染野高志。
    彼は「絶対に東大に合格しなくてはならない」という大命題のもと日々勉強に勤しんでいる。

    ある日、クラスメイトの星愛璃嘉に「染野って、同じ匂いがするんだよね」と声をかけられる。
    実は、星はシングルマザーの母親からネグレクトを受けているのだった。

    星との接触を機に、自分を取り巻く生活環境の異常さに、次第に気付き始めていく染野。
    やがて2人は親への復讐計画を立て始めるのだが・・・


    染野が親から教育虐待を受けるシーンが何度も出てくるので読んでいてとても辛かった。親の庇護下でしか生きられない子どもが、親の都合だけで自由

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    2025年11月09日
  • 今日未明

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    三面記事によくある事件の実のところ、という形式の短編集。
    2話までで読むのをやめましたが、つまらないからではなく逆で、なんかもう辛くって読んでられなくなりました。
    事件の記事のあとにそこに至るまでの経緯が記されていきますが、絶望しか感じないというか、底の見えない転落の果てにこの事件か…という辛さ。特に2話目の、冴えないけど善良には違いないはずの男がどうしてこうなったかという落ちっぷりが私は堪えてしまいました。

    そんなわけでとても良い作品と思います。良すぎて無理でした。

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    2025年11月07日
  • 答えは市役所3階に~2020心の相談室~

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    舞台は市役所の3階に開設された「2020こころの相談室」。コロナ禍による心の不調と悩みを相談するため、その場所を訪れた「どこかにいた、誰かの物語」でした。

    相談室の二人は雰囲気がよく、間合いも絶妙でした。誰かに話を聞いてもらいたいという気持ちを、しっかりと受け止めてくれていました。何よりも臨床心理士の観察力のすごさに驚きました。共感力、受容力があり、的確なアドバイスにも感心しました。

    コロナ禍の犠牲になった高校三年生、医療従事者、一人で出産した母親、ホームレス、浪人生。それぞれの理不尽な思いは、コロナ禍できっと誰かが感じていたことだと思いました。

    相談室にいったことで物事がうまくいき、ま

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    2025年11月07日
  • ダブルマザー

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    飛び込み自殺をはかった娘は、顔がそっくりな別人だったのか?というミステリー。
    毒母は読み飽きた、もういいよ、と思うけど今作は一味違ってた。
    絡んだ糸がスルスルと解けて行くような最終章が秀逸。わりをくった彼女が可哀想。

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    2025年11月06日
  • 君といた日の続き(新潮文庫)

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    心があたたまるファンタジーだった

    父にお勧めされた本。今まで10冊以上父にお勧めされた本があったが初めて読み終えることができた笑

    運命は本当にあるんだなと思える内容の本で、読み終わったらポカポカした

    私の家族は離れて暮らしているため、誰かがもし辛くて潰れそうな気持ちを抱えていてもすぐに気づいてあげることができない。
    今の自分にできることはマメに連絡を取りたい家族を気にかけることを忘れないことだなと思った。

    やはり血が繋がった家族というのはどこか不思議なもので、考えていることがわかるというような薄っぺらいものではなく神秘的な何かを感じるときもある。
    世界の中の私たち4人だけのこの不思議な

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    2025年11月05日
  • ダブルマザー

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    ネタバレ

    最初のシーンから衝撃的で、一気に物語に引き込まれた。その後の展開も思い切った設定で、最後まで飽きずに読める。前半は親のあまりの酷さにうんざりしたが、後半のどんでん返しには本当に驚いた。娘たちの恐ろしさがじわじわと浮かび上がってくる。
    最終章での鈴の父・国保の行動には、思わず笑ってしまった(本来は笑う場面じゃないけれど)。
    登場人物の誰もがどこか壊れているように感じた。最初から最後のページまで、緊張感を持って楽しめた!

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    2025年11月05日
  • 今日未明

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    最初に記事として端的に纏められた事件が書かれている構成のため”Why”の部分を特に印象深くした展開となっていて、改めて最初の記事を見た時に様々な思いがでてくる話だった。

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    2025年11月05日
  • 今日未明

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    全五話の短編集。ハッキリ言って読み心地最悪です。でも、面白くない訳じゃなくて…。どれも最初に小さな三面記事ニュースが貼られていて、読み始めると、あれ?ニュースとはちょっと違う展開じゃない?と思ってるとガツンと落とされます。毎回落とし穴あって、まーこれが胸糞悪いこと悪いこと。
    殺人だのなんだのあるので、中学校以上。高校位からが推奨かな。
    「プロローグ・エピローグ」この糞な内容を更に深淵にしてくれるツマ。
    「夕焼け空と三輪車」 71歳の男性が息子に刺される。息子と父の間にあった出来事とは?
    「そびえる塔と街明かり」 マンションから虐待跡のある女児転落死。同居の男性が犯人なのか? この話が一番こたえ

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    2025年11月04日
  • 昨夜は殺れたかも

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    ラブコメ的サスペンス小説!

    夫 藤堂光弘と妻 咲奈の隠し事からお互いを憎み、殺害計画を練って実行するのだが…。

    この小説は藤石波矢さんと辻堂ゆめさんの共作なのだ。藤石波矢さんが光弘、辻堂ゆめさんが咲奈という風に殺害計画を仕掛けては回避策を考えるといったやり取りを繰り返し完成した小説なのです。全く共作とは思えない、全く違和感のない仕上がりになっているので楽しめる作品です。
    この1作品だけでは惜しい、ベストな共作者だと思います。もし次があるなら必ず読みます。

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    2025年11月04日
  • 今日未明

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    読むごとに、先が知りたくない話になっていく、でも気になって先に進んじゃう。
    そんな話ばかり5話からなる短編集。
    どの話も切なくて苦しくて、しんどかった。
    新聞やニュースの短い報道からは知りようもない、小さな事件の真相。この事件の被害者、または加害者、実はこうだったんです……。事件の背景に実は何があったのか、裏の裏まで考えてしまいそう。
    もう、表面だけ見て勝手に誰かを悪者にするのはやめよう。きっとそう思うはず。

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    2025年11月03日
  • 二重らせんのスイッチ

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    社会問題や身近な人とのつながりなど、色んなテーマに触れられてるミステリー。
    とても読み応えがあった。

    あらすじ自体も面白いけれど、登場人物たちの心理描写が繊細で、感情移入しやすかった。
    他の作品も読んでみたい。

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    2025年10月29日
  • ダブルマザー

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    のっけから見るも無残な鉄道自殺とかいきなり殺しちゃうところが容赦ないかんじでした。
    自殺した娘に二人の母親が名乗りでるとかとんでもない設定でした。どちらの母親も自殺したのは自分の娘の方だと主張するあたりが滑稽で、どちらかが娘に成りすまして2年間も二重生活をしていたのに実の娘を見抜けなかったところとか無関心すぎし、自分の娘のほうは生きていると考えないところにも愛情のなさを感じました。
    一方の母親は見栄と欲の塊で常にマウントとりたがるし、もう一方は性欲の塊のような、なし崩し的な暮らしをしてるとか。
    でも、終盤に差し掛かり母親2人が登山するところから変化が見られ良かったです。やっぱり登山は素晴らしい

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    2025年10月28日
  • サクラサク、サクラチル

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    一生懸命必死にやってきたことは結果がどうであれ無駄にならない。たとえ結果が伴わなくても、その過程が経験として自分に残って、楯となるはず。
    幸せってなんだろう?って考えることもあるけど、「明日が楽しみだと思えること」これに尽きて、案外シンプルなのかもね。

    親に支配され続けるのではなく、自分の足で歩き出したところがよかった。頑張れ、2人とも。

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    2025年10月26日
  • 君といた日の続き(新潮文庫)

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    話の展開や情報開示のタイミングはとてもよかったが、設定がイマイチかなと思った。

    特に、成年が未成年と認識している子どもを自宅に招き入れるという点に少し嫌悪感を覚えました。
    ニュースなどでもこのような行為は犯罪として扱われていて、実際逮捕者を目にすることも少なくないので敏感になっているのでしょうか。。
    (もちろん物語の流れ上、この設定は必要不可欠なのかなとも思うし、そんな事言ってたら物語なんて作れなくなっちゃうとは思うのですが…)

    あとは、自分ができなかったことを変わりの誰かを通してやった気になって満足している主人公だと感じたので、その点も話にあんまり共感ができなかったポイントかも。

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    2025年10月13日
  • トリカゴ

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    ネタバレ

    いい結果にはなったと思うが
    鳥かご事件の兄弟が可哀想すぎる……

    ユートピアの人たちも色々試した結果ここが正しい、ここしかないと言う思考になってしまっていて可哀想だった。
    あの人たちのせいではなく取り残される環境を作った社会のせいだと思う。

    でも最終的にはいい方向になってよかった。


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    2025年10月13日