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匿名
タイムスリップしてきた理由があるのは、わかって読んでたから考察しながら読んでたけど、違和感なく伏線を張ってるところも多くて、良質なミステリーだったと思う。
本編とは関係ないけど、解説ってあれ必要なんだろうか?
こっちで解釈して読んでんだから、蛇足がすぎる。いらん。
Posted by ブクログ
作品紹介・あらすじ
長い雨の切れ間に女の子を拾った。「ここ、どこ?」ちぃ子と名乗るその少女はどうやら1980年代からタイムスリップしてきたらしい。ちぃ子はなぜ僕の前に現れたのか、はたして元の時代に戻れるのか、封印された記憶に隠された真相は。娘を亡くした父親と、両親のいない少女の、奇妙な「夏休み」がはじまる。すべての伏線が繋がったとき、時空を超えた愛の物語が浮かび上がる号泣必至ミステリー。
*****
タイムスリップとミステリーが合体したような内容。ただSFっぽさは皆無。
全部で第7章+アフターストーリーからなる長篇。
第5章までは少し否定的な印象を受けていたのだけれど、第6章を読んでがらりと印象が変わった。
それはそれとして……ちょっとだけ徒然なるままに。
2021年、娘を病気で亡くし離婚したばかりの男性の前に、1984年からタイムスリップしてきたちい子と名乗る女の子が出現する。
2021年はコロナ禍の時代、1984年はバブル直前の時代。本作の中には、この二つの時代を比べる描写が出てくるのだが、それがなかなか面白い。ささやかな文明批判みたいな意図も込められているように思える。
地の文がちょっとくどい、というか説明過多な印象を受ける。もう少し簡素にまとめてもよかったように思う。
そしてこれが一番気になった部分なのだけれど、ちい子という10歳の女の子の言動。なんかあざとい。作者として可愛さを「表現」するのではなく、言葉で「説明」してしまっているように受け取れてしまう。しかもそれをちい子本人の口からセリフとして語らせてしまっている。これがとても気になった。
ところが……。
第6章を読んでその印象が180度ひっくり返ってしまった。この章は伏線回収に当てられている。ネタバレになる恐れがあるので詳しくは書けないのだけれど、「ああ、そうだったのか。ちい子は演技をしていたのかもしれない」と思った。作者の意図とは全く関係ないかもしれないけれど、僕の中では「全てを理解していないけれど、ある程度理解しているちい子は、無意識なりに演技をしていた」と受け取れた。そうなると「なんかあざとくていやらしいな」と思えたちい子の言動が「なんていじらしくて切ないのだろう」とまさにコペルニクス的転換をしてしまった。それが証拠にこの章を読み終えた後、前に戻っていくつかの場面を読み返したのだけれど、全ての場面が「あざとい」から「いじらしい」に変わった。もしかしたら僕の誤読がそんな結果を導いたかもしれない。他の人はそんな読み方をしていないかもしれない。でも読書ってそんな「勘違い」の積み重ねなのかもしれない、と自分に言い聞かせて納得。
伏線回収は第7章へも続いている。この連続した伏線回収が読んでいて心地よかった。なんか意図していなかった「おまけ」をもらったみたいで得した気分。文庫版にのみ収録された「アフターストーリー」もいい感じに本編の余韻を助長してくれているようで好感が持てた。
それにしても……。
僕が辻堂ゆめさんの作品を読むのは2冊目。初めて彼女の本を読んだのは「今日未明」という短編集。僕はこの作品をきちんと読むことが出来なかった。5編のうち最初の2編はなんとか読んだのだけれど、あまりにも読後感が不快だったので、残りは読むことなくほっぽってしまった。時間を割いてまで不愉快な気持ちになりたくなかったから。
そんな作品を書いた人が、この「君といた日の続き」というとても素敵な作品を書いていたとは……。「今日未明」での僕の辻堂ゆめさんの印象は「最悪」だったのに、この「君といた日の続き」を読んだ後は「もっと他のも読んでみたい興味深い作家」に変わっていた。これもまたコペルニクス的転換。
Posted by ブクログ
読み終わりに近づくにつれ、涙腺が緩む感覚があり泣けてきました。突然現れた、10歳の女の子ちぃ子との温かくて楽しい一か月は、読んでいて堪らなく愛おしくて、物語の展開上、いつかこの可愛いちぃ子がいなくなってしまうんだと思うと、寂しさが湧いてきました。そして、最後の伏線回収。ある程度予想はついたので驚きはそんなになかったですが、愛する人と共に過ごす時間の大切さを想うと温かい涙がでました。それから、妻との最期の会話。胸がいっぱいになりました。私は、主人公の譲と同じ年齢の男性なので、余計に感情移入出来たのかもしれませんが、とても温かくて泣ける小説でした。
Posted by ブクログ
夏っぽい作品が読みたいと思い表紙買い。辻堂ゆめさん多分初読みの作家さん。
表紙の可愛らしいイラストからライト的な物と思い軽く読めるかなと思っていたら、何で今まで読んでなかったんだろうと思うくらい揺さぶられた。
タイムトラベル物で一夏の疑似親子体験。楽しい日々が続くが終わりの迫る切ない時間だ。夏の終わりで、ちぃ子は消えてしまうんだろうな、悲しい結末を予想していたんだが。
後半、次々と衝撃がくる。鳥肌がたった。脳がバグる。今まで一体どんな気持ちで、あの人はいたんだろう。想像すると苦しくなった。
ちぃ子の正体が分かるとまた始めから読み直したくなった。
読み終わり改めて表紙をみてアフターストーリーと一致してまた泣きそうになった。いや泣いてた。
人生悲しいだけじゃない。同じアラフィフとして沢山の元気をもらえた気がする。まだこれから。
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