辻堂ゆめのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
読書備忘録889号。
★★★★★。
いやぁ~良い物語だったです。
作品紹介にもある通り、1964年と2020年(実際には2021年になりましたけど)の2つの東京オリンピックを通して親子三代の姿を描く感動小説です!
物語の舞台は佐藤家。
スミダスポーツで働く佐藤康介は58歳。
妻の由佳子、高2の娘萌子、そして康介の母、万津子と暮らす。
80歳の万津子はくも膜下出血の後遺症で脳血管性認知症を患い、症状の起伏が激しい。
康介は会社ではお荷物社員。いわゆる老害社員。
昔はああだった!とか、俺は企画部門で活躍した!とか。
今は顧客データの管理をするアドミニストレーター部門に身を置き、エクセルも使え -
Posted by ブクログ
シンプルに目頭が熱くなってツーーと
泣いてしまった本作『いなくなった私へ』
はじめて小説で泣きました。
泣ける要因としては、本書さいだいの
魅力でもある500ページにわたる濃密で豊かな
その『物語』にあります。
500ページもあるの?と
思うかもしれませんが秒で溶けます。
人気絶頂の歌手 梨乃がある日 目を覚ますとそこは、渋谷のゴミ捨て場。起き上がりニュースに耳を傾けるとそこには自分が死んでいるニュースが報道されていた。さらに周囲の人間は自分のことを国民的歌手 梨乃とも認識しておらず行き場もない。とある青年と小学生だけが自分のことを梨乃と理解でき、3人は梨乃の自殺の理由と、その背景にあ -
Posted by ブクログ
ネタバレ事前情報をあまり入れずに読み始めたので、最初はファンタジー作品なのかと思いながら、悪魔の正体についてさまざまに想像を巡らせていました。
たとえば、「双子の妹が夕夏を幸せへと導くために、男性の姿で彼女の前に現れたのでは?」など、いろいろ考えながら読み進めていました。
しかし、悪魔の正体が明かされてからの展開は、涙なしには読めませんでした。
夕夏が記憶を取り戻せるように、周囲の人々がそっと手を差し伸べていたこと――その温かさに心を打たれた、とても素敵な物語でした。
また、作中ではずっと「悪魔」とされていたのに、なぜタイトルでは「天使」なのか不思議に思っていましたが、読み終えたとき、その意味