辻堂ゆめのレビュー一覧
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辻堂ゆめさん、4作目です。
私には丁度よい感じのミステリーで面白いです。もちろん、この作品も面白かったです。
交換日記が小道具(!?)的な役割をしていました。
色んな人の組み合わせで交換日記をします。
入院患者と見舞客
教師と児童
姉と妹
母と息子
加害者と被害者
上司と部下
夫と妻
そして、この交換日記には2人の教師の関わりがあります。でも、始めのうちは2人いるとは分からなかった。
私は「加害者と被害者」の章が好きです。「さすが、先生!」と思ってしまいました。
交換日記
中学生の時に友達としたことがあります。が、クラスの担任教師ともしたことがあります。残念ながら本書のような先生では -
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教育虐待を受けていた染野とネグレクトを受けていた星さんの二人が出会うことて、親への復讐を計画し実行するという物語。
プロローグでいきなりの修羅場の描写に圧倒された。そしてエピローグを読むとこれからの二人の明るい未来が想像できてホッとする。
染野や星さんが日常的に受けている教育虐待やネグレクトが生々しく描かれていて、読んでいて重苦しかった。実際にこういう環境で生きている中高生もいるんだろうなと思うとやりきれない気持ちになる。
あれほど両親から罵倒され殴る蹴るの暴力を受けながらも、染野が親に抵抗しないのが歯痒かったが、それだけ親に洗脳されていたということがわかった。
自分自身の虚栄心を満 -
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地元蒲田を舞台にした小説で、思わず手にとってしまった。
率直な感想を言うと、結末が読めなくて、非常に面白かった。
この小説のメインのテーマとなる鳥籠事件。
長年未解決だったこの事件が、偶然蒲田で起きた殺人未遂事件をきっかけに、操作が動き出す。
警察官の執念や、取り調べ、事情徴収など、警察の仕事を理解することにもつながる内容だった。
そして、「無戸籍者」という分類の話を初めて聞いて、いろいろ考えさせられた。自分は普通に生まれて、戸籍もあり、両親もいた。ただ実際いろいろな事情があって、無戸籍者という人たちも、今自分の周りにいると思うと、自分自身はとても恵まれた環境で生活ができていると改めて -
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作品紹介・あらすじ
長い雨の切れ間に女の子を拾った。「ここ、どこ?」ちぃ子と名乗るその少女はどうやら1980年代からタイムスリップしてきたらしい。ちぃ子はなぜ僕の前に現れたのか、はたして元の時代に戻れるのか、封印された記憶に隠された真相は。娘を亡くした父親と、両親のいない少女の、奇妙な「夏休み」がはじまる。すべての伏線が繋がったとき、時空を超えた愛の物語が浮かび上がる号泣必至ミステリー。
*****
タイムスリップとミステリーが合体したような内容。ただSFっぽさは皆無。
全部で第7章+アフターストーリーからなる長篇。
第5章までは少し否定的な印象を受けていたのだけれど、第6章を読んでがら -
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辻堂ゆめさん、2冊目。
仕事が忙しく、なかなかまとめて本を読む時間を取れなかったのだが、それでも頭に残るような語り口で、とても面白く読めた。
蒲田署の刑事・森垣里穂子が、ある事件の容疑者ハナを尾行する中で、無戸籍者が隠れ住むコミュニティを発見したところから始まる物語。
そこからは、コミュニティに住む人たちの現在と過去、社会における無戸籍者に関する課題、職務の過程で知ってしまったコミュニティとの関わり方についての里穂子の葛藤などが丁寧に語られていき、重たい話ではあるが謎解き要素にも満ちた展開でズンズンと読ませる。
里穂子や過去の事件の専従捜査員・羽山だけでなく、コミュニティのメンバーや養護施設 -
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「女教師は、ベッドに横たわったまま、
一心不乱に文字を書いている。彼女は思う。
文章とは、無限大だ。紙の上では、何にだってなれる」
—プロローグより
スマホやSNS、PCメールで言葉を交わすのが当たり前になった今、手書きの文章は時代遅れと感じる人もいるかもしれません。
気が向いた時だけ、気軽に送れる言葉。もし面倒になれば、すぐに辞められる。そんな便利さの中で、すっかり姿を消してしまいました。けれど、物語は、そんな “古くて不便”な手段にこそ、心を通わせる力があることを教えてくれます。
本作は七話で構成されており、それぞれ異なる関係性の二人が交換日記を通じて対話を重ねます。
交換 -
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面白かった。
読み応えがあり、それぞれのキャラクターが魅力的で、ページをめくる手が止まらなかった。
殺人未遂事件から始まり、社会派ミステリーとして無戸籍問題にどっぷり浸かっていくが、語りが軽快で飽きず、読みやすい。
アレルギーのくだりなど、鳥籠事件の真相に近づくにつれて鳥肌が止まらなくなる。
そして、あまりに残酷な真実に、その場面だけは呼吸を落ち着けてため息をつきながらでないと読み進められなかった。
失った命、時間は戻ってはこないが、ユートピアは無駄ではなかったという言葉に心が救われる。
不完全な社会でも、少しずつセーフティネットが出来ていること、希望を感じられるラストになっていてよかっ -
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読み終わりに近づくにつれ、涙腺が緩む感覚があり泣けてきました。突然現れた、10歳の女の子ちぃ子との温かくて楽しい一か月は、読んでいて堪らなく愛おしくて、物語の展開上、いつかこの可愛いちぃ子がいなくなってしまうんだと思うと、寂しさが湧いてきました。そして、最後の伏線回収。ある程度予想はついたので驚きはそんなになかったですが、愛する人と共に過ごす時間の大切さを想うと温かい涙がでました。それから、妻との最期の会話。胸がいっぱいになりました。私は、主人公の譲と同じ年齢の男性なので、余計に感情移入出来たのかもしれませんが、とても温かくて泣ける小説でした。
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ネタバレ物語のあちこちに伏線があり、読みながらページを遡っていくのが楽しかった。譲は過去からきた紗友里(ちぃ子)に出会い、自殺をやめて生きていく勇気を取り戻した。妻が自分のことを10歳の頃から愛してくれていたことに気づき、自分の優しさも認められた。紗友里は10歳の頃に大人になった譲に出会ったことで、大切な友人を亡くしたあとも、心を壊さずに生きてこられた。こうやって過去と未来の中でお互いを救いあえているのが素敵。もしも、私が自分の生んだ子どもが10歳で亡くなってしまうことを出産時に知ったら、亡くなる未来を変えることに必死になり、与えられた時間を精一杯大切に生きていくことはできないと思う。紗友里は優しくて