辻堂ゆめのレビュー一覧

  • 君といた日の続き(新潮文庫)

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    ある日男性が出会ったのは、1980年代から来たという小さな女の子。
    ふたりの不思議な時間の中で、少しずつ心がほどけていく様子に、じんわりと温かい気持ちになりました。
    物語にはたくさんの小さなヒントが散りばめられていて、最後には全てがつながっていく。
    その伏線の回収が本当に見事で、読み終わったあとに「そういうことだったんだ!」って感動しました。
    切なさと優しさが静かに重なっていて、タイトルの意味がふわっと心に届く、優しい物語。
    大切な人との記憶や過去への想い、そして希望を感じられる、とても素敵な一冊でした。

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    2025年08月01日
  • 二重らせんのスイッチ

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    ネタバレ

    一気読み!辻堂さんの作品は初めてだったけど他の作品も読みたいと思えるような気持ちになった。
    双子×ミステリーってだけでドキドキするのに、色々な展開が繰り広げられて次はどうなるんだろうって考えながら読めた。
    ミステリーでドキドキするのに、最後ほっこり終われるのは新鮮でよかった。
    奈美が底抜けに良い彼女でほんわか。みんな幸せになって欲しい。
    (ナガノ(仮)のその後も気になるところ)

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    2025年07月31日
  • 答えは市役所3階に~2020心の相談室~

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    コロナ禍のカウンセラーのお話。カウンセリング受ける人は自分のことを全て開示しているとは限らないんよなあ。至る所にヒントは散りばめられているけど、毎回わっとおどろく展開。素晴らしい構成。また読みたい。

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    2025年07月21日
  • サクラサク、サクラチル

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    教育虐待を受けている染野とネグレクトや虐待など受けている星
    親に復讐しようと考えられたのは自分1人ではない
    孤独じゃないと思えたからしんどい環境でも最後の一年乗り越えられたのだろう

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    2025年07月19日
  • トリカゴ

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    とても良かった。ミステリというよりも、この社会にある重いテーマにきちんと向き合っている物語だった。

    女性刑事というと、若い熱意だけがある新人のようなイメージだったけれど、この森垣という主人公は育休明けの落ち着いた感じの人物で好感が持てた。彼女が少し無戸籍者たちに肩入れしがちな分、本庁の羽山という刑事がバシバシと捜査を進めていて、いいバランスだった。
    この羽山は終盤になるまでずっといけ好かない感じだったのに、真相が見えてきたある瞬間、めちゃめちゃカッコ良くなったところがあって唸らされた。これはずるい。
    そして、その羽山に押されることなくきちんと主役を張っていた森垣は、女性刑事として男性作家が描

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    2025年07月12日
  • トリカゴ

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    無戸籍問題については知っていたけれど、その生活を具体的に想像することは今までなかった。理解はしていても、当たり前のように、自分が見る世界を当たり前だと思って生きてしまう。きっと私ができることなんてないし、とても浅はかで自分勝手だけれど、色々な社会問題を勉強していきたいし、このような作品がきっかけで、社会問題が世の中に広く知られ、苦しむ人が救われる正しい支援が行われるようになってほしい。

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    2025年07月09日
  • ダブルマザー

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    凄かった。
    母親視点だといい家族な印象だけど、娘視点だと色々問題がある家庭だとわかる。
    結末に驚いた。
    ある意味ハッピーエンドなのかな。

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    2025年07月08日
  • 卒業タイムリミット

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    めっちゃ楽しめました!
    文体が合うのかな。

    次を期待させる文章と、
    高校生の若さ故の正義感、まじで先が気になり読み進めずにはいられなかった。

    高校のストーリーで、
    まさかの人気先生が誘拐されちゃうってゆーね。

    最後もすごい清々しい、卒業おめでとー!

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    2025年06月29日
  • 二重らせんのスイッチ

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    ストーリーに大波はないけれど、常に波があり、終始読者を飽きさせない感じがした。
    途上人物もあまり多くなく、とても読みやすい。
    何よりも、よく考えられた設定とストーリーで記憶に残る物語でした。オススメです。

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    2025年06月29日
  • ダブルマザー

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    最初から最後まで面白かった!娘が誰なのかは、早めに分かってしまうけど、1番最後のオチは分からなくて、伏線回収された会話におぉーってなった。

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    2025年06月22日
  • あの日の交換日記

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    ネタバレ

    読み進めると、パズルのピースが1つずつはまって全体像が見えてくる、というところにミステリーさがあって面白かった。
    お話ひとつひとつの内容も胸を打つ。交換日記は小学生の頃に友達としていたし、宿題でも日記があって、先生からのコメントがあったなぁ…と思い出せた。想像もしやすいし、懐かしい雰囲気を楽しみながら、そして他者の日記を覗かせてもらっている気持ちでドキドキしながら読んだ。
    字を書くこと、文章を書くことをしたくなるお話だと思った!人の字はその人の思いが詰まっていて、面白い。

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    2025年06月20日
  • 十の輪をくぐる

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    ネタバレ

    読み始めから泰介が酷い発言ばかりするので嫌な気持ちで読み進めた。東洋の魔女の時代、ADHDという言葉も認知もされていない中、田舎で親族からも見放されどんなに大変なことだっただろう。読者でこちらからみていても泰介にイライラ、とてもじゃないけど育てる自信がない。
    子ども2人を連れ上京し育てる事で故郷にいるよりはいい人生を歩めたのだろう。
    万津子が泰介にバレーボールを教えたのは選手にしたいためではなく落ち着かせるためだった。母親の深い愛情を感じる。そして泰介の妻の由佳子、こちらも愛情あふれる人で、素敵すぎる。泰介はふたりの愛情に支えられてきたのだ。もちろん本人にしかない魅力もあるだろう。
    万津子と本

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    2025年06月10日
  • 答えは市役所3階に~2020心の相談室~

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    コロナはホントに忌々しい。
    当時みんな疲弊していたね。
    こんな世の中になるなんて想像していなかった。
    1章からズッシリきた。
    未知のウイルスのせいで理不尽に夢も希望も吸い取られた人達の葛藤を思い出した。
    辻堂ゆめさん、やっぱりいい作家さんだなぁ。

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    2025年06月07日
  • サクラサク、サクラチル

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    今年1番かもしれない。めっちゃ楽しめました!
    東大合格の為に家族の優しさだと思ってた事が、外からみると虐待なんじゃないかと気づき始める高3男子。
    ネグレクト環境で育った事を自覚はしてるけど、それでもお母さんの為に頑張らなきゃと思ってる高3女子。
    お互いに気付きあって、親への復讐が始まる!!
    読後感はとても良かったです!

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    2025年06月01日
  • あの日の交換日記

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    辻堂ゆめさんの作品は「トリカゴ」に続き2作目でした。
    こちらは短編連作でしたが、ほのぼのしたり、驚いたり、感動したりで素敵なストーリーでした。
    交換日記をこっそり見てしまったようで、ちょっとドキドキ感もありですが。
    文字に起こすことで、なかなか言いにくいことも書くことが出来るし、嘘をつくことも出来ます。だけど読み手のことを考えるとどこまで書いていいのか、本当に自分の気持ちが伝わっているのかなど考えます。
    7話それぞれの個性が出ていて読み応えがありました。
    お薦めです!

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    2025年05月18日
  • あの日の交換日記

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    文章を書くことで、自分の気持ちがわかったり、整理出来たりする事がよくわかるお話たち。あたたかくて、それぞれのお話が伏線となって、最後には感動的でした。こんな先生たちであふれたら、学校も楽しくなるんだろうな。

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    2025年05月15日
  • あの日の交換日記

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    心が温まるいい作品でした。
    スタバでのんびり読んでいたにも関わらず何度もウルっときてしまいました。
    今の子は交換日記なんてしないかもだけど、交換日記ドンピシャな世代なので、何だか懐かしくもなりました。

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    2025年04月19日
  • 十の輪をくぐる

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    ネタバレ

    思ってもみない方向で感動させられた。
    子供の頃から癇癪もちで社会人になってからも周囲の人とうまくやっていけない泰介。
    あぁ、これは発達障害だな、昔は誰にも理解されないから大変な苦労だったろうな、、、。
    と思って読んでいたら、その発達障害もこの小説のテーマの一つだった。
    てっきり認知症の母の秘め事と、萌子のバレーボールの話だと思っていたので、泰介自身が発達障害と向き合っていく流れになったのには驚いた。
    しかもそれを萌子が父親を傷つけないように、悩み抜いた末に、何度も頭の中でリハーサルした言葉を伝える場面はもう号泣だった。
    当たり前がうまくできずに苦しんでいる人にとっても励まされる、刺さる内容だっ

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    2025年04月18日
  • ダブルマザー

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    全員が自分本位に生きたらこうなるのか…
    2人の母親はそれに気づいて後悔して、少しずつ変わっていったけど、報われないのが苦しい

    娘たちの会話にあった「自由を一番感じられるところ…」の最後の伏線回収にゾッとした
    闇が深すぎる

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    2025年04月17日
  • あの日の交換日記

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    読者の思い込みをうまく利用した、小さな驚きがちりばめられた、やさしい物語。

    小学校の先生を中心に、交換日記を通じて紡がれる7つの連作短編集。
    入院患者と見舞客、教師と児童、姉と妹、母と息子、加害者と被害者、上司と部下、夫と妻——。
    それぞれが思い思いに綴る心のキャッチボールには、喜怒哀楽のさまざまな感情が込められていて、それだけでも十分に読み応えがある。
    けれど、一話ごとに物語が積み重なるたび、やがてすべてが一つの大きな物語へとつながっていく緻密な構成に気づき、ラストには深い感動が待っていた。

    誰かにそっと勧めたくなる、素晴らしい一冊。

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    2025年04月11日