辻堂ゆめのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ爽快感のある読後感!4.2
あらすじから面白そうだったが案の定。
生徒たちからの人望も熱い人気教師の水口が拉致監禁されるミステリーで、その鍵を握るのが水口、はたまたお互いに関係の薄い4人の男女。
なぜ、がたくさん詰まった青春ミステリで大変面白く読ませてもらいました。
告白カードなる独自のアイデアが現実的ではなく、どうしてそんなものに誰にも話せないような心根の告白を書くの?とは思ったが、その懸念を払拭するストーリーで心地よかった。
犯人と動機を予想しながら読んではいるものの、これは全く当たらなかった。
容疑者になった候補や被害者に向けての憎悪で集められた3人と、教師全体を恨むーー理事長の隠し子の可能性の高い黒川が良い塩梅に隠されていて、読む手が止まらなかった。
最後に黒川がお母さんを許す場面で、自分がお母さんから生まれた、とのニュアンスのセリフがやられたと思った。すごい。
黒川の告白カードと思わせておいてのミスリードも無事ひっかかったので、やられた〜となった。
オススメしたい小説。 -
Posted by ブクログ
ドキドキが止まらない、サラッと読める恋愛!?短編集
浅倉秋成「糸の人を探して」 合コン×人狼ゲーム
⇒長年日陰の人生を歩んできた主人公河瀬倫義の舞い込んだ合コン。その中に自分に好意を寄せている人が参加するとのことだったが…なんとそこにいたのは自分に好意を寄せている?5人の女性を交えた合コンだった!!果たして倫義は、自分に思いを寄せている「糸の人」を見つけることができるのかー。
日部星花「ダイヤモンド・ダストの約束」
恋愛リアリティショー×心理戦
⇒昔からの想い人で、人気の俳優の優斗が参加するということで恋愛リアリティショーに参加することになった女優あいり。あいりと優斗の恋の行方と、ショーに隠された思惑に目が離せない。
織守きょうや「彼と彼女の穴」 気になる人×夢診断
⇒付き合い始めた彼女が登場する不思議な夢に疑念を抱く有馬。その夢は大きな穴の縁の前にスコップを持つ彼女がいるというもの。この夢は何かの予知夢なのか…一気読み必至。
辻堂ゆめ「運命はかく扉を叩く」
運命の人探し×論理パズル
⇒夕方の体育館倉庫に閉じ込められた茉莉と愛。そこをとある男子学生が助けてくれたのだが、彼は鍵を開けて足早に去ってしまった。愛はそんな顔の見えない男子学生に恋をしてしまい、助けてくれた彼を声だけで絞り捜索していくが…。茉莉と愛がコミカルに彼を探して当てていく様は、微笑ましく甘酸っぱかった。
どれも読みやすく、同シリーズもまた読みたい! -
Posted by ブクログ
夫志木島(ふしぎじま)という離島に小6の一年間、離島留学することになった星野涼。コンビニもスーパーもファミレスもなく、学校まで3kmほど歩き、全校生徒30人くらいの複式学級に戸惑いながらも島の生活に慣れていく。島には多くの留学生がいる。そして、どうしてそういう態度を取るのか?という謎が発生し、それを6年の島民である才津と涼が解いていくというストーリー。なので、大人にとってはミステリー薄めです。でも、自分が島に留学したような感覚で読めるし、謎の一つ一つは短いので、小学生はやや長いかな?という本だけど、読みやすいと思います。ルビは中学年以上向け。
第一話 ようこそ夫志木島へ
島での生活がわかるようなお話。
第二話 体験なんてしたくない
歓迎遠足で実施する自然体験アクティビティを決める時、シーカヤックになったら奈々が泣き始めた。なのに、カヌーならいいみたい。なんで?
第三話 消灯時間は夜九時です
涼は寝つきが悪い。だから、出口寮の消灯を過ぎて起き出し、ランドセルを背負ってどこかに行こうとした5年の陽斗に気づいてしまった。あいつ、なんでそんな行動とったんだ?
第四話 先生はしょうゆまみれ
5月の土曜日に行われた郷土料理教室で家族留学制度を利用し母と妹の3人で島に来ている桐山愛莉が担任の松園先生に醤油をかけるという事件が発生した。
第五話 どこ行った、名探偵
これまでの事件を解決に導いた才津がある日ランドセルを置いていなくなった。涼は前日の行動などから、どこに行ったか必死で考える。
第六話 悩み事は背中合わせ
涼が推理した場所に才津はいるのか?そして、この日を選んでそこに行った才津の本当の理由は?才津と涼がお互い隠していること推理し合う。
第七話 だから、ここにいる
夏休みに行われる島の神社祭で、太鼓を叩いて盛り上がる子どもたち。涼も久しぶりにあった父とこの島に留学させた本当の理由を話し合う。 -
Posted by ブクログ
最初はどこらへんがミステリーか全然わからなかった。
でもそれくらい、コロナ禍を生きる人たちの苦しさや孤独に引き込まれた。
読んでいる間ずっと、ざらつくコンクリートの上を裸足で一人歩くような痛みがあった。
どこにも感情をぶつけられず、ただ抱え込むしかない苦しさがひりひりと伝わってくる。
この作品に出てくるのは、コロナによって人生や計画を狂わされ、怒りや不安や孤独を抱えきれなくなった人たち。
でも同時に、そんな状況でも立ち上がろうとする強さや逞しさが描かれていた。
本編だけでも「コロナに苦しめられた人々の再生譚」としてとても良い作品だったけれど、ネタバラシパートで印象が一気に塗り替えられるのがお見事。
読みながらふんわり感じていた違和感が全部繋がって、「日常の謎ミステリー」をこんなに自然に成立させるのかとゾクッとした。
自分の知っている事実だけで人を判断することの危うさも強く感じた。
特にコロナのような予測不可能な状況では、自分から見えているものが全てとは限らない。
カウンセラーのあかりのように、全てを見抜くことはできなくても、「見えているものだけで決めつけない」という意識は持っていたい。
そんなふうに、人や物事をもう少し優しい目で見たいと思わせてくれる作品だった。 -
Posted by ブクログ
初めて読む作家さん。
東京の蒲田署管内で殺人未遂事件が発生する。
その事件の容疑者は、戸籍を持たない無戸籍者であることが判明するが、警察としてはどうすることもできない。
その容疑者は容疑否認のまま釈放されるのだが、尾行した刑事は無戸籍者が隠れ住むコミュニティを発見する。
そのコミュニティでは、無戸籍者を個人的に支援する社長の元、食品工場で仕事をしながら生きている。
そのコミュニティで生活する兄妹がある別の事件の関係者である疑いから色々な物事に繋がっていく。
コミュニティをユートピアと表現する年長者や刑事とのやりとりも法律的な背景もあるがわかりやすく描かれている。
戸籍を持たない者がどのように生まれるのか、どのように生活するのかなどの説明はわかりやすいが、辛すぎる内容。
結局、子供を産んで育てるということは国民の義務ということがわかりやすく描いてある印象。
勉強になりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ新時代のハイテンション子育てエッセイ!
ロジック強めな夫婦の家庭内タスク振り分けや子育て議論。子どもを育てたかった生徒が選んだ進学先とその理由。3人の子どもを預けるための保活。成長が見える言動と対応する親の心得。何もかもが面白く、またほろりとする場面も。
子どもがいることで人生が何倍も充実すると思えるのはいいことだ。そう思えないから子どもが少ないんじゃないか、この国。特に子育てについては経験者も未経験者もこぞって〜べきを唱える。著者のように自分の大切なことは何なのか、優先順位とロジカルな思考で適切な方法を選べたらいいのに。そんなことをふと思ってしまった。