辻堂ゆめのレビュー一覧
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どの作品も、それぞれ趣向が凝らされていて面白かった。特に芦沢央さんの短編には衝撃を受けました。普段は手に取らない人の小説を読めるのがアンソロジーのいい所ですね。
辻堂ゆめ「十四時間の空の旅」
ほろ苦く心温まるストーリー。主人公の不安や苛立ちが丁寧に描かれていて、共感しやすい内容でした。
凪良ゆう「表面張力」
すみれ荘ファミリアを先に読みたかった。あと少しでコップの水が溢れてしまうような、ギリギリの関係性。不穏な空気を感じるストーリー。作中で、作家が編集者に話した一言が、この話の全てを表している。
城平京「これは運命ではない」
虚構推理を読んでいない為、説明が欲しい部分があって少し残念。読後感はスカッとしてよかった。
木元哉多「どっち?」
イヤミス。細かい仕掛けが面白かった。登場人物が全員嫌な人で、もやもやする。
阿津川辰海「成人式とタイムカプセル」
青春ミステリー。日景が完璧な存在だったりと、リアリティは薄いけれど、予想外の展開でほのぼの。
芦沢央「この世界には間違いが七つある」
遊びを効かせたサイコスリラーで面白かった。まさかの展開にやられました!世界観も狂気を感じる。 -
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大学の屋上に佇む医学生の僕。そんなとき、大学を見学しに来たという彼女。ひょんなことから、僕は彼女に勉強を教えることに。いつしか、彼女に恋をするのですが・・・。
辻堂ゆめさんということで、どんな伏線回収?どんなミステリー?と期待しながら読んでいました。
しかし、最初の段階では、ドラマチックな恋愛小説でした。たまたま出会って、彼女の天真爛漫な性格に翻弄され、いつしか恋をするのですが、ミステリーの「ミ」の字もないので、どういう展開?と疑問ばかりでした。
ところが、僕の過去あたりから、どこかミステリーの展開になります。彼女が行方不明?や彼女の謎の行動といったそれまでの恋愛小説とは違ったテイストになるので、ちょっと期待が膨らんできました。
そして、彼女の正体や今までの謎が明らかになるにつれ、切なさや感動がグッと広がってきました。彼女の行動に隠された秘密だけでなく、僕の隠された秘密も明らかになるので、想像以上に話の奥行き感が広がっていました。
僕が抱える過去のトラウマや彼女の抱える悩みが、段々と集約されていき、そこから新たなる一歩へと前向きに表現していくので、二人にエールを送りたいなと思いました。
最後の最後まで、色んな発見や驚きがあり、もう一度最初から読んでみたいと思いました。 -
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三股をかけている女性が、小学生の頃に行った虐めを模した被害を受けるお話
犯人は誰なのか?
実は付き合っている三人は小学校の同級生で、他にも同級生の女友達や、当時虐めていた相手も現れ……
虐めていた相手が一番怪しいが、本人は否定した上でやけに自分を守ることに協力的
誰もが怪しく、決定的な証拠はない……
悪女だなー
しかも、小物の(笑)
一歩間違えれば結婚詐欺師じゃね?
虐めた方は内容を覚えていないけど、やられた側はしっかり覚えているというね
ま、そんなもんだよなー
監禁、塩酸、塗りつぶし、毒、冬の池に突き落とすとか、犯罪っすよ?
よく生きてたなぁ
所々差し込まれる小学校の頃の描写の視点が誰なのかは想像がつく
なので犯人も自ずとね
ただ、辻堂さんの作品だけあって最終的な読後感はそんなに悪くはない
悪くはないけど、いじめっ子が当時の事をそんな風に消化するのもなんか気に入らないけどね
不幸になれとは思わないけど、やはり思いを軽く感じてしまう
ってか、女優の娘で学校でやりたい放題って、めぐみのモデルは黒木瞳の娘か?(笑) -
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ネタバレ☆「その爪先を彩る赤」(武田綾乃)
生徒会でこき使われてるボクっ娘が、多重人格と言い張る理事長の娘とともに、演劇部の小道具(赤い靴)盗難事件の謎を追う。
☆「東雲高校文芸部の崩壊と殺人」(斜線堂有紀)
文芸部の部室で部員が殺された謎を、奇人の部長が解く。ほのぼの系が多い中で、オチの付け方など、かなり異質。
☆「黒塗り楽譜と転校生」(辻堂ゆめ)
合唱コンクール用の楽譜が黒塗りにされた理由を、語り手の少女の、幼馴染である変わり者の男子が解く。リア充滅せよ。
☆「願わくば海の底で」(額賀澪)
これもトーンが重い。3.11で消息を断った祖父の足跡を追う青年を、手伝うことになった語り手。彼の美術部での先輩もまた、震災で行方不明となっていた……。これミステリになるのかな、と思ってると。
☆「あるいは紙の」(青崎有吾)
裏染天馬シリーズのスピンオフ。本来ブレーキ役の新聞部副部長が、彼なりに探偵役を務める。このシリーズ食わず嫌いで読んでなかったけど、読んでみようかな。
以上5作。学園モノだからか、探偵役のキャラが濃い話が多い。そのせいでシリーズ物の第一話みたいだな、と感じた。実際にシリーズ物なのは、「あるいは紙の」だけのようだが、案外このキャラで別の話が書かれるかも知れない。 -
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五人の作家達が、高校生の青春をテーマにしたミステリーです。
初めてアンソロジーという作品を読みましたが、それぞれの作家さんの色が出ていて、面白かったです。今までの作品から出てくる雰囲気や構成が滲みながらも短編に仕上がっていて、1つで5つの味を味わえました。
「その爪先を彩る赤」 武田綾乃
演劇部で使われていた赤い靴が行方不明。果たして何処へいたか?
主に女子高生を中心に描いていて、生き生きとした表現にアニメを見ているような雰囲気や元気さが伝わってきました。
「東雲高校文芸部の崩壊と殺人」 斜線堂有紀
軽度な犯罪かと思いきや、殺人事件が発生。果たして犯人は?
サスペンスを得意としている斜線堂さん。ガッツリと本格的で、短編集ながらもドンデン返しや高校生たちの繊細な心理描写が描かれていて、満腹感がありました。
「黒塗り楽譜と高校生」辻堂ゆめ
合唱の練習中、途中の譜面から黒塗りになっているのを発見。果たして誰がやったのか?
伏線の回収が絶妙な辻堂さん。今回も何気ない行動が、後に大きな意味を持っていることに実力発揮されている印象でした。「負」の状況になりながらも、前に明るく踏み出そうとしている表現や雰囲気が良かったです。
「願わくば海の底で」 額賀澪
東日本大震災から5年後。あの日の祖父の足取りが知りたいという三浦。色んな所で証言を聞いていると、ある隠された事実が見えてきます。
この作品の中では印象深くて、心に刺さり、さらに重い気持ちながらも良かった作品でした。登場人物の心理描写が丁寧で、思いの丈をぶちまけるシーンが読者の心を揺さぶりました。
「あるいは紙の」 青崎有吾
最近何度か見かける高校内での吸殻。誰が吸っているのか、あの探偵が登場します。
「〜の殺人」シリーズの裏染天馬の推理が華麗で、披露する人は異なっていますが、着々と犯人に追い詰めていく過程が面白く、短編では短すぎる。もう少し読みたいと感じてしまいました。
一人一人の作者さんの特色が詰まった作品で、軽いものから重めな話まで面白かったです。