辻堂ゆめのレビュー一覧
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辻堂さんのデビュー作ということで読んでみました。2015年…いまから10年前の作品。
学生時代に書いていたとあり、少しあら削り感や突っ込みたい点は様々あるけど、お話としては楽しめました。
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●あらすじ
主人公(上条梨乃)は有名なシンガーソングライター。ある朝、知らないごみ捨て場で目覚め、誰にも自分を自分と認識して貰えなくなっていた。
世間では自分は自殺したと報道されており、一人の少年だけが主人公に気づく。
自分が存在しているのに、死んだことになっているのは何故か?…を探っていくミステリー。
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●設定はSFミステリーっぽい。
ただ結論 -
Posted by ブクログ
傷害事件で逮捕した被疑者を取り調べていたところ、その人には「戸籍がない」ということが発覚。
名前も、住所も、親も、一つも情報を証明する手段を持たない「無戸籍」の被疑者が暮らしていたのは、同じように戸籍を持たない人々が共同生活を送る「ユートピア」でした。
なぜ、「ユートピア」で彼らは暮らすようになったのか、彼らの出自はどのようなものなのか。
過去に起きた児童誘拐事件とのつながりや、現在の傷害事件の捜査と合わせて、無戸籍という社会問題についても焦点を当てて考えさせられる、とても重厚な読みくちのミステリです。
事件解決への展開は、一つひとつの捜査を積み上げてゆく様子が丁寧に描かれていて、「ひょん -
Posted by ブクログ
虐待であるということをこころのどこかでわかっていながら、家族という鎖から抜け出せず、この鎖が外れたらこの世が終わるようにしか感じられ無くなってしまう感情は人を苦しめます。誰かに自分の環境がおかしいと認めてもらいたい気持ちと、同情されたくなくて恥ずかしくて誰にも言えないが同じ仲間を見つけて安心したい気持ち、真反対のように見えても苦しい環境に置かれたこども達に共通するものだと思います。わたしは、染野や星さんほど辛い環境ではありませんが、家族に精神病を抱えた人がおり、死んでやると一日中叫ばれ寝れない夜を過ごしたり、世話をするにに疲れた母が包丁を持ち出し心中をしようとしてきたり、暴力が酷くて警察のお世