辻堂ゆめのレビュー一覧
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その計画に無理があるから集中できない - 辻堂ゆめ「二重らせんのスイッチ」★★★☆☆
タイトルの螺旋はDNAで、それが二重ってことでもうわかりますね。ただその点は序論なので、ネタバレうんぬんじゃないですね。出会ってからが本論だな。スイッチはボタンのほうじゃなくて、スイッチヒッターのほうか。
そもそもの計画に無理があるよね。やっぱり。ホクロがあるほうが”カナ”だし、シュッとしてるほうが”かずや”だもの(幽体離脱ー)。ということでそこが無理だって思っちゃうので以降が急につまらなくなります。
違和感のある書き方なのでアレ系だろうと予想したらやっぱりだった。それを超える勢いで最終章を、展開させたのは -
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ネタバレ『非日常の謎』をテーマにしたアンソロジー。
凪良さん目当てで読んでみました。で、あ、知ってるお話だった。という感じ。
でも他の作家さんの作品にもふれることができて良かった。
好きだったのは「これは運命ではない」シリーズの中の一つなので、物足りなかったが、他の作品が読みたくなった。
「この世界には間違いが七つある」はユニークな発想だった。間違い探しの中のくまちゃんの独白。
「この世界には間違いが七つある」芦沢 央
「成人式とタイムカプセル」阿津川辰海
「どっち?」木元哉多
「これは運命ではない」城平 京
「十四時間の空の旅」辻堂ゆめ
「表面張力」凪良ゆう -
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辻堂ゆめさんのデビュー作となるオカルトミステリー。
「このミステリーがすごい!」大賞応募作品。選には漏れたが大幅に改編し、隠し玉として出版。
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「輪廻転生」をモチーフにした作品は少なくありませんが、死亡時と同じ時期・場所で同年齢の別人に転生するという発想が斬新で面白かった。作者のチャレンジ精神には敬意を表したいと思います。
けれど新機軸には課題がつきまとう。作者はそこに蓋をしているため、拭いがたい違和感が残りました。
例えば転生した梨乃や樹は死亡が確定した人間であり、社会的には存在しないことになっています。おまけに転生した新たな身には生家はおろ -
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新しい校長の着任により、なんらかの部活に所属しなければならなくなった私立向日葵高校。帰宅部だった春香は、なんとか回避しようとペーパーカンパニーならぬ建前だけの部・初恋部を作ることになった。誰も入ってこないと思っていたが、一人二人と入ってきて、結果三人加入することになった。消極的な春香とは対照的に恋愛について学んでいこうとする部員たち。そんな時、学校内では奇妙な出来事が発生する。
恋をしようと奔走するのですが、全体的にライトなミステリーになっています。
告白した人は誰なのか?
幽霊騒動の真相
ラブレターの筆者は誰?
後ろから声をかけられた人は誰?
といった恋に絡んだミステリーの連作短編集 -
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凪良ゆうさんの短編を読みたくて手に取った本。
日常の中にひっそりと潜む謎の世界を6人の作家が綴る短編集。
どれもちょっと怖いお話ばかり。
それぞれ面白いけれど、やはり凪良さんの短編が好き。
表面上は何の変哲もない平和な日常。
登場する人物はごく普通の人たち。
下宿の管理人と、作家の弟。
かつてその下宿に住んでいた女性。
お寺の長男と よくできた嫁。
そして、お寺の次男は幼稚園の園長。
下宿を取り壊す過程で発見された謎のお札が軸になって話が進む。
お札の発見以外、特に何かが起こるわけではない。
ところが、それぞれの人物の独白を読み進めるうちに、
そこはかとなく怖いものが迫って来る。
最後の -
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非日常をテーマにしたアンソロジー。
『十四時間の空の旅』は飛行機が舞台。
主人公は、小学五年生で親の都合によりアメリカに渡り、また高校一年の途中で日本に戻る…。
これは思春期の子供には辛いことだろう。
私が通った学校にも帰国子女と呼ばれる子はいて、仲の良かったギャルは英語が得意だった記憶がある。
でも、みんな小学生で日本に戻ってきてから受験しているから、英語を褒めても「使わなきゃ忘れる」と、ちょっとうんざりした顔をしていたような。
本作の主人公は、中途半端な語学力、日本式の発音で辛い思いをした。
アメリカではガイジン、日本では垢抜けて英語が得意なことを期待され、しかし仲良しグループはすでにで