辻堂ゆめのレビュー一覧

  • 十の輪をくぐる

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    1964年と2020年。それぞれの時代で東京オリンピックを迎えようとしていた華やかさが時代の陽だとしたら、その陰で生きる人の生きづらさと、そこからの解放を描いたのがこの小説だと思います。

    話は二つの時代を並行して描きます。2020年のパートは高校生の娘と認知症の母を持つサラリーマンの泰介が語り手となります。

    この泰介がまあ、好きになれない(笑)。認知症の母親に対する態度も、お義母さんを介護している妻に対する態度も横暴だし、仕事も60手前にして慣れない部署に異動させられたのは同情するけど、そこでの勤務態度も褒められたものじゃない。
    今時の困ったおじさん、そのものというか、こんな語り手で読み進

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    2024年03月07日
  • 十の輪をくぐる

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    小説自体が規範的な主張をすることはないのだが、(少なくとも私には)そのまま受け入れることが困難な台詞や考え方が登場している。例えば、男女の在り方や結婚観について、スポーツと部活動の存在意義について。小説内におけるこれらの記載と私が求める理想との差異が明らかになることで、小説が描いているであろう現実と私との距離が明らかになる。私はどうしてもこの差異を縮めるべきだと思ってしまうから、この小説が何か規範的な主張をしているのでないかと読んでしまう。しかし、筆者の真意は明らかでない。筆者はただ、淡々とある女性とその息子の成長過程を記述的に追っていく。特に、過去から現在の日本に温存されている女性蔑視を、肯

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    2024年03月02日
  • ようこそ来世喫茶店へ~永遠の恋とメモリーブレンド~

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    死んだ人が訪れる喫茶店というファンタジーな設定。かわいい少年ウェイターとイケメンマスター。
    死が絡むとはいえ、かなり軽い雰囲気の物語だけれど、さすが辻堂ゆめさん、いろんな仕掛けがあって、なかなか楽しかった。

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    2024年02月22日
  • 十の輪をくぐる

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    同じく三世代を描いた最新刊「山ぎは少し明かりて」とは好対照な親子関係。とんでもない逆境にある母の、息子を思う気持ちの強さに胸が熱くなった。現在と過去が交互に語られ、母親が隠していた「秘密」が少しずつ明らかになっていくのだが、万津子視点の過去パートの方が断然面白い。解説の荻原浩さんも褒めているように、平成生まれの20代で、昭和30年代という時代の空気をリアルに描けているのは驚き。非ミステリー系人間ドラマでも才能を発揮しつつある著者の今後がますます楽しみに。

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    2024年02月09日
  • いなくなった私へ

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    自分をまわりの人から認識してもらえなくなった世界。その世界で自分を認識してくれる人の存在は大きいですね。

    まわりの人から認識されなくなり、名前を変えて生きていくことは辛いけど、それでも前を向いて生きていこうとする主人公が素敵でした。

    途中日常的な感じの描写が長く、読み飽きそうになりましたが、なんとか読み終えました。

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    2024年01月15日
  • 二重らせんのスイッチ

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    01月-03。3.0点。
    SEの主人公、突然強盗殺人の罪で逮捕される。現場に主人公のDNAがあり。。。

    題材としてはありがちだが、冒頭の分けのわからなさ感からのスピード感は流石。ラストの主人公の推理が、少しクドかったかな。

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    2024年01月12日
  • 君の想い出をください、と天使は言った

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    急性の脳腫瘍で倒れた夕夏。目覚めると二年間の記憶を失っていた。
    2年間の記憶を失った夕夏が元の職場に復帰してからの話、一卵性双生児の妹星羅の話、謎の悪魔水上の話と3つの話が平行して進む。
    それぞれ進展があって面白い。

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    2023年12月18日
  • 二重らせんのスイッチ

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    ネタバレ

    まあまあ面白い。表紙の絵が絶妙すぎて全てネタバレ。
    序盤は主人公雅樹の行動が頭がおかしすぎてイライラする。理系の賢い人間が、双子の弟の存在に気付いたにも関わらず、奈美と遊んでいるなんてありえない。奈美や周りの人間に危害が及ぶことを考えて、一刻も早く警察に伝えるはず。不自然すぎるので、もう少し他のストーリー展開の仕方があったような気がする。
    ナガノも実は血が繋がっているような展開を予想したが、まったく無関係で残念。
    ところどころに、もっとスピード上げてテンポよく進んで欲しいのに描写がまどろっこしいと感じた場面があった。
    基樹が、本当は実はもっと非常に賢くて極悪人という展開も期待したが、ナガノと立

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    2023年12月10日
  • 二重らせんのスイッチ

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    ネタバレ

    双子の存在は最初の時点で気付いた。
    ストーリー自体はよくある感じだが、国際養子などについて知れたのはよかった。
    最後もう一回くらいどんでん返しがあるとよかったな。

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    2023年12月08日
  • 二重らせんのスイッチ

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    タイトルからフーダニットは割と簡単に予想がつくし、あっさり種明かしもされたけど、ホワイダニットが丁寧に書かれていて楽しめました。
    終盤のくるくる変わる推測も嫌いじゃないです。

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    2023年11月18日
  • ようこそ来世喫茶店へ~永遠の恋とメモリーブレンド~

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    スターツ出版文庫
    辻堂ゆめさんの本が読んでみたかったのと、題名に惹かれて!
    突拍子も無い設定かなと思ったけれど、ストーリーも楽しいし、人物も魅力的でサラサラ一気読み。

    この作家さんの他の本も読んでみようと思う。

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    2023年10月24日
  • 二重らせんのスイッチ

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    辻堂ゆめさんお初。

    双子って本当不思議な存在。自分とそっくりな人が目の前にいるって、どんな感じかなぁ。
    ましてや自分だけ養子に出されて、もう1人は親元で幸せに暮らしてるってなったら、やっぱり恨んでしまうかも。とか色々考えてしまう。

    両親が1人だけ養子に出してしまった本当の理由や、二千万円の行方等がわかって、最後はわりとスッキリ。

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    2023年10月14日
  • またもや片想い探偵 追掛日菜子

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    推しへのパワーがすごく、とてもコミカルでさらっと読んだ。
    このペースで熱して冷めるのは大変だなあ。。

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    2023年09月16日
  • 非日常の謎 ミステリアンソロジー

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    コロナ前の日常と比べると、今は非日常。でも、非日常の毎日は日常になりつつある。そんな非日常の日常のなか、この6つの物語を読む。視点を変えると見える何かがある。一筋縄ではいかない作家たちの短編がまとめて読めて面白い。

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    2023年09月01日
  • 非日常の謎 ミステリアンソロジー

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    色々な作家さんの短編集なので好きなものとそうで無いものと分かれてしまったけど、凪良ゆうさんの作品はすみれ荘ファミリアのスピンオフになっているようで、読んだのもだいぶ前だし文庫本になって内容が変わっている部分もあると聞いたので、改めて読み直したいなぁと思った。

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    2023年07月14日
  • ようこそ来世喫茶店へ~永遠の恋とメモリーブレンド~

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    ネタバレ

    【収録作品】プロローグ/第一話 メモリーブレンド/第二話 相席カフェラテ/第三話 マスターのカウンセリングティー/第四話 ホットスカウトチョコレート/エピローグ

    未桜の事情が軽すぎて、幸せに生きてきたんだなあと思う。裏表紙の粗筋はネタバレだけどミステリじゃないと考えればいいのか。

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    2023年07月06日
  • またもや片想い探偵 追掛日菜子

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    女子高生探偵の日常の謎ですね。
    「片思い探偵」の二作目です。
    「片思い」と言っても、恋愛物語では無く。「推し」の熱烈な、異常な程の「推しごと」から、何故か事件に巻き込まれる、エンターテイメント・ユーモアミステリーですね。

    前作同様に、次々と「推し」が変わる日菜子に、日菜子の行き過ぎた「推し」ぶりに危機感を抱く大学生の兄が織り成すドタバタミステリーです。
    五話の短編連作です。

    今回も、辻堂さんの筆は冴えまくり、スピード感あふれる、圧倒される情報収集力で、瞬く間に事件を解決に奔走する。

    辻堂さんの取材力とキャラクターの絡みに、思わずうなってしまいますね。
    物語作りの妙舞いに、感心しきり。本当

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    2023年06月17日
  • 放課後探偵団2 書き下ろし学園ミステリ・アンソロジー

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    ▶履く靴によって人格が切り替わる女子高生多重人格探偵が紛失した赤い靴探しを依頼される。シチュエーションがおもしろい。
    ▶高校文芸部で殺人事件。全員にアリバイがあるが・・・。キャラが強い。
    ▶校内合唱コンクールのための、クラス全員分の楽譜が黒く塗りつぶされていた。挙動不審な女子生徒が犯人か? ちゃんとしたミステリ。
    ▶《穏やかで飄々としている割に、残酷な性格をしている》高校美術部の先輩が大震災で行方不明になってから五年、祖父の最後の場所を探す人に同行すると・・・。ミステリではないように思えましたがかなしいミステリなのでした。
    ▶格技場裏に吸殻を捨てたのは誰だ? 風ヶ丘高校が舞台。ですが今回探偵は

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    2023年04月29日
  • 君の想い出をください、と天使は言った

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    ネタバレ

    ヒロインの夕夏が復職後、直近2年間の記憶を失っているために職場で味わう辛さが身につまされる。自分の頭では仕事を教わっている新人のつもりなのに、実際の職場ではすでに後輩の指導役というのはきついだろう。何より、おそらく必死で勉強して得た資格も、学んだ内容をすっかり忘れているのだから覚え直さなければならないわけで。2年分の経験がチャラというのはなかなか恐ろしいことだ。
    そして2年間に得た人間関係もチャラ。その間に大切な人と出会っていたなら、相手の絶望感はどれほどだろう。それをふまえた本作はいろいろと考えさせてくれた。
    記憶喪失ものは、ためにする感が強くて嫌いなのだが、これはこれ自体がテーマになってい

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    2023年04月20日
  • 卒業タイムリミット

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    ミスリードに見事に引っ掛かった~。これが事件に繋がっていくのか。
    警察が最後まで犯人を見つけられなかったのには違和感ですが、犯人良い人じゃん。
    やり方は酷いけれど。
    伏線もいっぱいあって面白かった。
    4人とも卒業しても友達だといいなあ。特に黒川とあゆみ、この2人はずっと良い関係でいてほしいです。

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    2023年04月09日