辻堂ゆめのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「こんなはずじゃなかった」。進路を断たれた高校生、恋人と別れたばかりの青年、ワンオペで初めての育児に励む女性……。市役所に開設された「2020こころの相談室」に持ち込まれたのは、切実な悩みと誰かに気づいてもらいたい想い、そして誰にも知られたくない秘密――。二人のカウンセラーが、あなたなりの答えを見つけられるよう、じっくり話を聞き、推理します。
就職先に悩む17歳
婚約者に去られた29歳
ワンオペに苦しむ38歳
ホームレス生活に限界を感じる46歳
生きる気力を失う19歳
それぞれの悩みを、ふとした事から辿り着いた相談室で吐露する5人。
2人の心理士が、それをさりげなく解決する。
と思いきや、実は相談の奥に隠された秘密があって…。
という進め方。
最初と最後をうまく繋げたいのだと思うのだけれど、お守りでリレーする意味がやや弱いかな?
でもコロナ流行時の閉塞感をうまく描き出していて、そうそう!そうだった!と自分のエピソードを思い起こす1冊でした。 -
Posted by ブクログ
小学六年生の一年間を、離島留学という制度?を利用して島に来た涼という男の子視点で進むお話。
島という土地の自然、田舎でしか味わえないのでは?と思うほどの自由な校風や生活が散りばめられていて、虫が苦手だから嫌だけど、羨ましくなる( ゚ー゚)ウ ( 。_。)ン
ミステリは弱めで、事件だッ!みたいな感じではなく、なんであんなこと言ったんだろ〜って思ってたら、親友が解き明かしてた!みたいな感じが主流、かな?
割とそこかしこにヒントもあるので、比較的分かるようになってたばい←
それにしても、実はこの本を手に取った時、何故かめちゃくちゃどす黒い?感じの?話だと思っていた、まじでなんでなんやろ( ´・ω・`)
青春キラキラな感じでしたฅ(*´꒳`*ฅ)ꪆ -
Posted by ブクログ
やっぱりどういった書き方がされているかが気になって考えながら読んでいた。で、王道というか、保守派というか、そういったふうな書き手の印象を受けたのだけれど、そういった書き方でシンプルに実力をつけていこうとした時期に書いたのかな、とも思いながら読み進めていった。やがて気づいたのは、この書き方は書き手による「エンタメ的親切」なのだということ。
横に流れていくスピードが速く、ページはどんどん消化されていく。わかりやすい言葉を用いて、簡便な文章で語られるミステリ。どういった人たちが本書を手に取るかというターゲット層がしっかり把握されていて、そこに作家の力が凝集されているふうだった。
淡々とした筆致でも、クライマックスではぐっと心をつかまれ、ほろほろとさせられるところもあった。描かれているキャラクターたちの、人間としての熱さ、枠いっぱいまで広がった気持ち、そこに読み手の心理が繋がるからなのかもしれない。感動は、文章術の所産でもあるけれど、その文章が意味しているところの中身にもっと注目するべきなのだ。キャラクターたちに、しっかりと「人間」を感じたとき、感動が生まれている。紙の上の文字から「人間」を感じさせるには、言語化力や文章術がもちろん必要なのだけれども、それ以前、言語化の根源にあるまだ言葉を与えられず分節化されていなくて深いところに漂っているようなものをどのくらい心の眼で視認できているかが大切なのかもしれない。そういってふだん、意識化できるかできないかみたいな気持ちを紙の上の文字を読むという客観的な体験を読者にしてもらうことで、読者は「あっ!」と良い意味で不意を突かれ、揺さぶられるのだろう。
主人公黒川と、荻生田、澪、あやねとの即席でできた4人の仲間たちの謎解き青春は楽しかった。また、黒川を助ける新米教師・伊藤のキャラクターは、最後まで読んでみると、なかなかの微笑ましいタイプの人物で好きになった。
どこまでリアリティを小説に持ち込むか、という点を僕は考えがちだ。本作はところどころ、フィクション性が強いというか、文字ならではと感じられるセリフ回しがあった。それはそれで、「いっとき、世間や社会から離れていられる読書体験」としての効果のある技巧であるとも考えることができる。わずらわしい日常から離れられる時間は貴重だ。小難しくなく、作品世界に没入することでリフレッシュすることを小説作品を選ぶ意味として上位に置く人には相性が良さそうだと思った。またそのうち、辻堂ゆめさんの作品を手に取ってみよう。 -
Posted by ブクログ
驚異の執筆スピードの裏側に、3児の母の日常あり。
私が追いかけている作家さんの中でも、群を抜いて刊行ペースが早い辻堂ゆめさん。その裏側を覗いてみれば、なんと3人のお子さんを育てながらの執筆というから驚愕の一言です!
「えっ、そのペースで出し続けていて、いつ育児してるの!?」という疑問への答えがここに。
子育てを経験した人なら「あるある!」と膝を打つ懐かしさがあり、これからの方には「作家業と育児の両立」というリアルな戦記として参考になるはず。
■引用
子育てに限らず、人は簡単に、過去の出来事を忘れていく。エピソードとしては覚えていても、感触や匂い、温度、痛み、音、大きさ、色――そうした感覚はいつの間にか失われ、記憶から抜け落ちている。旅行先の海辺で風に吹かれているとき。展望台から息を呑むような景色を眺めているとき。”今しか感じられないもの"を感じている瞬間というのは、とても贅沢だ。