あらすじ
大停電の夜、
玄関で倒れていた見知らぬ青年。
意識朦朧の彼は何者なのか?
招き入れたのは誰?
桜石一家には、全員裏がある。
「あなた」も「私」も、みんな嘘をついている。
「ふつうの家族」に隠された秘密。暗闇の中、照らし出される「過去の記憶」。
湘南の地に一戸建てを構える桜(さくら)石(いし)家。何か特別なところがあるわけではない、絵に描いたような「ふつうの家族」の、はずだった。ある嵐の夜、桜石家に現れたのは一人の若い男。高熱をだして倒れ込んでいた男は家族の誰かが引き入れたに違いない。誰が、なんのためにこんなことをしたのか? 家族が互いに疑念を募らせていくうちに、それぞれ家族には言えなかった「秘密」があぶり出されていく――。
四国新聞、大分合同新聞、愛媛新聞、神奈川新聞、千葉日報、沖縄タイムス、山梨日日新聞、秋田魁新報、北日本新聞、福井新聞に連載され、多くの読者の心をつかんだ、令和の家族のカタチ。
読み終えたとき、あなたも私も、みんな家族に秘密を打ち明けたくなる!
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
この作品に登場するのは「普通の家族」です。仲が良いからといって家族の全てを知っていると言えるでしょうか?私自身も全てを知っている、知られているとは言えません。だからこそこの家族一人一人の物語はとてもリアルでした。嵐の夜に現れた謎の青年。彼を通して明らかになる家族の秘密。この本のタイトルは「ふつうの家族」です。漢字ではない「ふつう」にこの小説の温かみを感じ大好きです。
Posted by ブクログ
嵐の夜、息子と娘が帰ってきてひさびさに家族四人がそろった桜石家の玄関に、高熱の男が倒れこんでいた。彼は誰なのか、そして家族の誰が彼を引き入れたのか。一見「ふつうの家族」であるはずの桜石家の面々がそれぞれに抱えている秘密が徐々に明らかになっていく群像劇ミステリです。
順調に出世を重ねた会社員の父、完璧に家事をこなす母、お調子者の明るい兄と自分の道を突き進む妹。まったく瑕疵のない理想の家族のように思える桜石家ですが、もちろんそんなはずはありません。とはいえ家族にも言えない秘密を抱え悩みを持つ彼らの姿は、それこそが「ふつう」なのではないかと思いました。謎の青年の正体に思いを巡らせる中で、自らの過去に思いを馳せる家族四人の姿には、誰かしら共感を覚えてしまう気がします。ままならない人生に倦み、あのとき選ばなかった道を悔やむ思い、それは誰でも多少なりとも持っているものなのではないでしょうか。
それぞれに危うい面を抱えた家族たちが、徐々に本心を吐き出し状況を打開していくのが爽快で心温まります。そこに謎の青年・ミナトが果たす役割もあまりに素敵。雨降って地固まるという言葉を表すような物語でした。
個人的には和則の物語にとても安心させられました。彼は決して悪人ではないし悪意がないこともわかっているけど、相手からはとんでもなく恨まれてたりするんじゃないかとひやひやしてたので。彼らの間にちゃんと信頼関係があったのがわかって本当に良かった……!
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嵐の日のたった一晩の話で、
結構分厚いのに一気読みできる。
登場人物、それぞれに人生があって、
どれかには共感できるやろう。
私はやっぱり母親の冴子が一番分かる。
最後、ちょっと泣ける
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読みにくい。長編じゃなくて、短編連作の形の方が読みやすかったんじゃないなと思う。最後はわりと面白く読めた。
関東全域にすごい暴風雨が到来。鉄道は計画運休し、桜石家では家族全員集合した。父和則は電機会社に勤めていて、母冴子は専業主婦。兄の海は鉄道会社勤務、妹舞花は体操大学の大学生。
玄関に男が倒れて発熱している。こんな環境下だからべしょべしょに濡れている。基地局が倒れてしまったのか携帯電話は繋がらない。アンテナごあさっての方向に向いたのだろうかテレビも映らなくなっている。ミナトと名乗った男を着替えさせて、お布団に入らせる。
結論から言うと、海は鉄道会社を辞めていて、そのあと別会社に勤務したもののいまは無職、舞花は体操はやめていて資格を取るため頑張っていた。
停電、懐中電灯の灯りでトランプなどをして暇を潰す。ミナトくんがいるため、家族全員で眠りこけるのも難しい気がしてしまう。と、ミナトくんはトイレに行くと言って嵐の中外に行ってしまったので、海が連れ戻す。
結局1時間ごとのシフト制で夜の番をして、みんなかわりばんこで寝ることになる。みんな落ち着かないながらも、うとうとする。
風で何かが飛んできて窓が破れたのをお父さんが修復する。そしてお隣のヤシの木が我が家の窓を狙って倒れかかってくる。みんなで力を合わせてヤシの木を切る。
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辻堂ゆめさんの新作。
大ボリュームで、少し間延び感はありますが、読み進めていくと面白くなっていくところは、さすがの一言。辻堂ゆめさんらしい家族の在り方が描かれており、ラストは心温まる内容です。
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一見「ふつうに見える家族」でも、家族にも言えないことを一人ひとりが抱えて悩んでいる。4人家族の中には、誰もが感情移入できそうな人物が描かれており、そのためか460ページもある小説だが、一気に読むことができた。
私自身は、父親の立ち位置で読んだが、途中は息子を思い出しながら、長男の「海」の思いも考えさせられた。ライトな感覚で全編描いているが、実は家族の在り方、将来への希望など深く、深く読めることに気づいた。
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ミステリはあまり触れたことがないのですが、469ページもある割にサクサク読み終わりました!
側から見たら普通に見える家族が、実は普通じゃない→普通の家族とは?という問題提起を含んだ作品だと思われますが、描かれている家族が、確かに色々と抱えていることがあるものの、私が思う普通の枠組みの中にあると感じたので、もう少しパンチが欲しかったところ。
ただ、最近、人生の分岐点に立たされて大きな選択をしたため、
「選ぶということは、何かを終わりにすることだ」
という言葉は結構刺さりました。
女性の人生って何かと分岐点が多いと思いますが、自分で主体的に選ぶことと、選んだ道を正解に持っていく努力が大切だと再認識しました。
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台風で停電した夜。
湘南の家に住む「ふつうの家族」桜石家に、高熱を出した若者、ミナトが現れます。
ミナトを家に入れたのは家族の内の誰か…?
そして家族4人の父和則、母冴子、兄の海、妹の舞花は他の家族に言えない秘密をそれぞれ持っていました。
それぞれの秘密はそのまま書くとストーリーのネタバレになるので、P434より引用します。
※
ふつうの家族はなぁ、と父は考える。
まあ、家では男の生々しい姿を晒さないようにしてきたからな。
※
ふつうの家族ねぇ、と母は考える。
そう見えていたのだとしたら、努力の甲斐があったというものかしら。
※
ふつうの家族かぁ、と兄は考える。
確かに、崖っぷちの俺以外は、真人間だもんな。
※
ふつうの家族って、と妹は考える。
お互いに言えない秘密があるくらいが、実は一番ちょうどいいのかもしれない。
※
前作の『今日未明』でとても怖いミステリーを書かれた辻堂ゆめさんなので、みんなの持っている「秘密」が何なのかとドキドキしながら読みました。
前作とは全く違うタイプの作品でお話としてはとてもよくできていますが、私の期待とは少し違ったので星はひとつ減らしました。
なんか、もっと凄い秘密が隠されているのかと思いましたが、やっぱり「ふつうの家族」ですから。
心温まるお話でした。
Posted by ブクログ
ふつうの家族だけどみんな隠していることがあって、それでもやっぱりそこもひっくるめてふつうの家族なんだろうな
やや長めだが、先が気になる展開で読みやすく、温かい気持ちになる小説
Posted by ブクログ
大雨の夜、桜石家の玄関にずぶ濡れで倒れていた見知らぬ若い男。
この男は、家族の誰が入れたのか…わからないままに高熱で倒れ込んでいた男を家に入れてしまう。
家族4人が互いに疑念を募らせているうちに…。
それぞれが、「過去」に思いを巡らせていく。
新卒で入った電気メーカーに63になっても勤務している父。
香川の高校を卒業後に東京の大学に入り、広告業界の総合職でバリバリ働いていたが、子ども2人を産んでから思うように働けず辞めて主婦となった母。
大学卒業後転々と職を変えて、盆や正月でもないのに帰省してきた25歳の息子。
体育大学で厳しい競技生活を過ごしていた娘が、怪我のあと幾分表情が和らいだ大学生の娘。
最後には、突然現れた若者の正体がわかるのだが、嵐のような夜と停電という通常とは違うなかで、それぞれが回想することで、徐々に若者が誰なのかを想像するという…。
静かな夜だからこそ、想像力が増すのか…
過去と今の自分を冷静に考えることができるのか…
若者=広中湊斗にとっては、桜石家はふつうの家族であり、憧れであったのかもしれない。
ふつうとは、それぞれの考えているふつうであって、いろんなふつうがあるのだろう。
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いつもの辻堂ゆめさんのどんでん返しを期待してしまうといまいちかと思います。ただ家族への接し方やそれぞれが家族に期待することなど一人の青年を通してそれぞれが思い出していくストーリーになっていると思います。
Posted by ブクログ
毎日泣きながら仕事をしていた頃を思い出した。
何を頑張っているのか、どこまで頑張ればいいのか、わからなくなっていた頃。
現在、そんな日々から脱出して、お暇をいただいている身にすごく沁みて涙が出た。
家族小説でもあるけど、お仕事小説でもある。
沢山刺さる言葉があって、救われた気持ちになった。
自分も心が死なないものを選んでいきたい。
『今日未明』に続いて、辻堂ゆめさんとても好きです。
Posted by ブクログ
嵐の夜、謎の青年の出現により
ふつうに見えていた家族の
隠されていた裏側があらわになり
それぞれ自分自身を見つめ直すことで
ほんとうの家族にまとまっていく過程が
丁寧に描かれていた。
家では父、母、兄、妹でも
社会の中では
いろんな悩みをかかえ
家族にも言えない小さな隠し事があり
ひとりの男や女だったりする。
謎の青年の存在が
ちょっと都合が良すぎたり
不自然さが気になったけれど
家族というもののあたたかさを感じた。
Posted by ブクログ
湘南に一戸建てを構える桜石家。
大嵐の夜、息子と娘が帰省し、久々に家族4人が揃ったその日、玄関には意識が朦朧とした若い男性が倒れていた。
彼を家に招き入れたのは誰なのか。
469頁に渡る長編の中で、父・母・息子・娘、それぞれが抱える秘密が明かされていく。
誰にでも秘密の一つや二つはあって、一番知られたくない相手が家族だったりする。
物語では、4人が過去と向き合う場面が随所に挟まれ、同時に謎の青年との接点も浮かび上がってくる。
家族ならではの信頼と疑念、その揺れ動く感情がリアルで、家族の数だけ物語があることを実感した。
Posted by ブクログ
台風が近づいた夜、桜石家の玄関で倒れていた一人の青年。この男は誰なのか?誰が家の中に引き入れたのか?家族が互いに疑心暗鬼になる中、停電が襲う。
全員が家族に言えない秘密を抱えながら過ごす夜。「ふつうの家族」に隠された秘密とは。そして青年の正体とは?
という話なんだけど、家族それぞれの隠し事?が停電の夜のリビングと時を行き来しながら描かれていくんだけどあまりにもメリハリがなくて、冗長で読んでいて疲れた。
ミナトの正体も早くから推測されるんだけど、諸々あまりにも偶然が重なりすぎてなんだかな〜だし、これだけ引っ張った割にそれぞれの隠し事も大したことなくて、ふつうの家族じゃんって思うし。物語としてはもっとコンパクトに仕上がらなかったのかな〜という印象。
Posted by ブクログ
見知らぬ青年から家族の隠し事が明かされるという設定は面白いけれど、読んでいて家族の秘密が案外普通というか、そこまで隠す程でもない気がしてしまった。(特に女性陣)
もっとハラハラする物語を期待してしまった。
Posted by ブクログ
嵐の夜に突如現れた青年をトリガーとして、理想的なふつうの四人家族それぞれの隠していた秘密が明らかになっていくライトなミステリ。家族という纏まりは強い繋がりを持ってはいるけれど、最も近い他者の集合である事実は覆しようもなく、その矛盾の距離感ゆえに事実が秘匿されるというのは、誰もが一度は経験したことのある事柄なのではないでしょうか。輪の中にいる人間でさえ見通すことの出来ない個々が抱えたネガフィルムを踏まえて家族を捉えることなど、第三者には土台無理な話なのだから、羨望、憐憫、義憤その他諸々の感情を一方的によそへ向けるのは意味がないし止めた方が良いよねと、この“大詮索時代”に生きる私は思ったりもするのです。
Posted by ブクログ
誇張気味の昭和の価値観、理解できない令和の価値観がわかりやすく並んでいる。確かにあの時代そうだった、全てが悪とは思わないけど今は○○ハラスメントが怖いので、何も言えなくなってるのもどうだろうと感じる。家族が家族でいられるのは信頼だった、ふつうも何がふつうかわからない時代だな。ミナトの気持ちや家族間の感情が嘘っぽく、誰にも共感できなかった。新聞連載という媒体にも関係するのかな。
Posted by ブクログ
- 一言:「家族とは何か?」を考えさせられる本。
- 総評:物語の展開の面白さが際立っていた。以前は短編を読んだが、今回は長編ということで、後半から前半の布石を回収し始めているところが特に良かった。そして、何より、「何者なのか?」という状態では信用や信頼は得られない。この本書では家族が家族のことを知ることの大切さについて描かれているところに魅力を感じた。