あらすじ
大停電の夜、
玄関で倒れていた見知らぬ青年。
意識朦朧の彼は何者なのか?
招き入れたのは誰?
桜石一家には、全員裏がある。
「あなた」も「私」も、みんな嘘をついている。
「ふつうの家族」に隠された秘密。暗闇の中、照らし出される「過去の記憶」。
湘南の地に一戸建てを構える桜(さくら)石(いし)家。何か特別なところがあるわけではない、絵に描いたような「ふつうの家族」の、はずだった。ある嵐の夜、桜石家に現れたのは一人の若い男。高熱をだして倒れ込んでいた男は家族の誰かが引き入れたに違いない。誰が、なんのためにこんなことをしたのか? 家族が互いに疑念を募らせていくうちに、それぞれ家族には言えなかった「秘密」があぶり出されていく――。
四国新聞、大分合同新聞、愛媛新聞、神奈川新聞、千葉日報、沖縄タイムス、山梨日日新聞、秋田魁新報、北日本新聞、福井新聞に連載され、多くの読者の心をつかんだ、令和の家族のカタチ。
読み終えたとき、あなたも私も、みんな家族に秘密を打ち明けたくなる!
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Posted by ブクログ
読みにくい。長編じゃなくて、短編連作の形の方が読みやすかったんじゃないなと思う。最後はわりと面白く読めた。
関東全域にすごい暴風雨が到来。鉄道は計画運休し、桜石家では家族全員集合した。父和則は電機会社に勤めていて、母冴子は専業主婦。兄の海は鉄道会社勤務、妹舞花は体操大学の大学生。
玄関に男が倒れて発熱している。こんな環境下だからべしょべしょに濡れている。基地局が倒れてしまったのか携帯電話は繋がらない。アンテナごあさっての方向に向いたのだろうかテレビも映らなくなっている。ミナトと名乗った男を着替えさせて、お布団に入らせる。
結論から言うと、海は鉄道会社を辞めていて、そのあと別会社に勤務したもののいまは無職、舞花は体操はやめていて資格を取るため頑張っていた。
停電、懐中電灯の灯りでトランプなどをして暇を潰す。ミナトくんがいるため、家族全員で眠りこけるのも難しい気がしてしまう。と、ミナトくんはトイレに行くと言って嵐の中外に行ってしまったので、海が連れ戻す。
結局1時間ごとのシフト制で夜の番をして、みんなかわりばんこで寝ることになる。みんな落ち着かないながらも、うとうとする。
風で何かが飛んできて窓が破れたのをお父さんが修復する。そしてお隣のヤシの木が我が家の窓を狙って倒れかかってくる。みんなで力を合わせてヤシの木を切る。
Posted by ブクログ
辻堂ゆめさんの新作。
大ボリュームで、少し間延び感はありますが、読み進めていくと面白くなっていくところは、さすがの一言。辻堂ゆめさんらしい家族の在り方が描かれており、ラストは心温まる内容です。
Posted by ブクログ
台風で停電した夜。
湘南の家に住む「ふつうの家族」桜石家に、高熱を出した若者、ミナトが現れます。
ミナトを家に入れたのは家族の内の誰か…?
そして家族4人の父和則、母冴子、兄の海、妹の舞花は他の家族に言えない秘密をそれぞれ持っていました。
それぞれの秘密はそのまま書くとストーリーのネタバレになるので、P434より引用します。
※
ふつうの家族はなぁ、と父は考える。
まあ、家では男の生々しい姿を晒さないようにしてきたからな。
※
ふつうの家族ねぇ、と母は考える。
そう見えていたのだとしたら、努力の甲斐があったというものかしら。
※
ふつうの家族かぁ、と兄は考える。
確かに、崖っぷちの俺以外は、真人間だもんな。
※
ふつうの家族って、と妹は考える。
お互いに言えない秘密があるくらいが、実は一番ちょうどいいのかもしれない。
※
前作の『今日未明』でとても怖いミステリーを書かれた辻堂ゆめさんなので、みんなの持っている「秘密」が何なのかとドキドキしながら読みました。
前作とは全く違うタイプの作品でお話としてはとてもよくできていますが、私の期待とは少し違ったので星はひとつ減らしました。
なんか、もっと凄い秘密が隠されているのかと思いましたが、やっぱり「ふつうの家族」ですから。
心温まるお話でした。
Posted by ブクログ
ふつうの家族だけどみんな隠していることがあって、それでもやっぱりそこもひっくるめてふつうの家族なんだろうな
やや長めだが、先が気になる展開で読みやすく、温かい気持ちになる小説
Posted by ブクログ
大雨の夜、桜石家の玄関にずぶ濡れで倒れていた見知らぬ若い男。
この男は、家族の誰が入れたのか…わからないままに高熱で倒れ込んでいた男を家に入れてしまう。
家族4人が互いに疑念を募らせているうちに…。
それぞれが、「過去」に思いを巡らせていく。
新卒で入った電気メーカーに63になっても勤務している父。
香川の高校を卒業後に東京の大学に入り、広告業界の総合職でバリバリ働いていたが、子ども2人を産んでから思うように働けず辞めて主婦となった母。
大学卒業後転々と職を変えて、盆や正月でもないのに帰省してきた25歳の息子。
体育大学で厳しい競技生活を過ごしていた娘が、怪我のあと幾分表情が和らいだ大学生の娘。
最後には、突然現れた若者の正体がわかるのだが、嵐のような夜と停電という通常とは違うなかで、それぞれが回想することで、徐々に若者が誰なのかを想像するという…。
静かな夜だからこそ、想像力が増すのか…
過去と今の自分を冷静に考えることができるのか…
若者=広中湊斗にとっては、桜石家はふつうの家族であり、憧れであったのかもしれない。
ふつうとは、それぞれの考えているふつうであって、いろんなふつうがあるのだろう。
Posted by ブクログ
いつもの辻堂ゆめさんのどんでん返しを期待してしまうといまいちかと思います。ただ家族への接し方やそれぞれが家族に期待することなど一人の青年を通してそれぞれが思い出していくストーリーになっていると思います。
Posted by ブクログ
毎日泣きながら仕事をしていた頃を思い出した。
何を頑張っているのか、どこまで頑張ればいいのか、わからなくなっていた頃。
現在、そんな日々から脱出して、お暇をいただいている身にすごく沁みて涙が出た。
家族小説でもあるけど、お仕事小説でもある。
沢山刺さる言葉があって、救われた気持ちになった。
自分も心が死なないものを選んでいきたい。
『今日未明』に続いて、辻堂ゆめさんとても好きです。
Posted by ブクログ
誇張気味の昭和の価値観、理解できない令和の価値観がわかりやすく並んでいる。確かにあの時代そうだった、全てが悪とは思わないけど今は○○ハラスメントが怖いので、何も言えなくなってるのもどうだろうと感じる。家族が家族でいられるのは信頼だった、ふつうも何がふつうかわからない時代だな。ミナトの気持ちや家族間の感情が嘘っぽく、誰にも共感できなかった。新聞連載という媒体にも関係するのかな。
Posted by ブクログ
- 一言:「家族とは何か?」を考えさせられる本。
- 総評:物語の展開の面白さが際立っていた。以前は短編を読んだが、今回は長編ということで、後半から前半の布石を回収し始めているところが特に良かった。そして、何より、「何者なのか?」という状態では信用や信頼は得られない。この本書では家族が家族のことを知ることの大切さについて描かれているところに魅力を感じた。