金子浩のレビュー一覧
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さすが古典SF作家の短編集と思わせる一冊!
作品の多彩さもそうなのですが、最近のSFの傑作たちに通じるアイディアも随所に見られ、普遍的なSFの血脈を感じました。
もっとも印象的だった短編は表題作の「無伴奏ソナタ」
音楽を愛した天才が、国家から音楽をはじめ多くのものを奪われていく姿を描いた短編。
国に逆らうと分かっていながらも音楽を創ろうとする主人公の静かな熱意と過酷な人生に思いをはせるとともに、ラストシーンの素晴らしさが強く印象に残ります。文章が主人公から距離をとった冷静な語り口なのですが、その分深く静かな感動がゆっくりと押し寄せてきました。
SF作品でありながらもホラーの雰囲気を感じる -
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やっぱり地球って大切だなぁ~。
空気も水も大地の恵みも、「有る」ということは奇跡なんだ。
「火星の人」の小説・映画の成功に触発された出版社が、作家にオファーしてできた小説、と、訳者あとがきに記されている。
そのせいか、どちらかというとミステリーやサスペンスといった要素の強い、比較的わかりやすい筋立てのSF小説で、80年代ハリウッドのアクションパニック映画を見ているよう。
章ごとにフォントを変えて記録されたXO社関連の記事や社内メモ等には、本筋を補完する情報に溢れているが、時間経過がバラバラなため、読書中は少し理解しにくい(読み終わってからその部分だけ再読すると、もう少し理解できた)。
原 -
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J・J・アダムズ / チャーリー・ジェーン・アンダーズ / トバイアス・S・バッケル / ベッキー・チェンバーズ / ヴィラル・カフタン / ジョゼフ・アレン・ヒル / アダム=トロイ・カストロ&ジュディ・B・カストロ / キャロリン・M・ヨークム / アラン・ディーン・フォスター / カール・シュレイダー / A・マーク・ラスタッド / ショーニン・マグワイア / アリエット・ド・ボダール / リンダナガタ / ユーン・ハ・リー / カット・ハワード / ジャック・キャンベル / カメロン・ハーレイ / ダン・アブネット / 赤尾秀子 / 新井なゆり / 市田泉 / 大島豊 / 小野田和子 / 金子浩 / 小路真木子 / 中原尚哉 / 原島文世 / 細美遙子3.3 (3)
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巨大宇宙SFってなんだ? と思っていたら、スペオペでした。あとがきではスペース・オペラを連呼しているんで、禁句と言うことはないと思うが、背表紙や帯の惹句には、どこにもスペオペとは書いてない。なんとなく不思議。
で、中身の方はニュー・スペース・オペラ以降の、アクションSFが主軸。一昔前のスペオペ・アンソロジーなら、もう少しB級感というか、やさぐれた感じを出してきたような気がするが、これはこれでいい。ただ、これはお約束なのか、どれほどとんがったSFガジェットをてんこ盛りにしていても、人情とか、家族関係なんかは今と変わっていない設定のお話がほとんど。多少の違和感はある。 -
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複数巻を平行に読破月間。
遺伝子改変とハックが当たり前になり、他国の作物をジーンハックゾウムシによって壊すことで、エネルギー機器に陥らせる時代。独自の種子バンクを持つタイでは西洋由来のカロリー(エネルギー)企業に負けない食文化を構築した。そこで藻類を研究するアンダーソン、通産省で闇カロリーを駆逐するジェイディー、日本製の遺伝子改変"ねじまき"少女のエミコの人生が交錯していく…。
クールなアンダーソン、自分がうまく制御できないエミコ、熱く衝動的なジェイディーに、得体のしれないホク・センと、サイバーパンクというか、アニメ的な登場人物の視点でそれぞれ進む序盤。状況の説明と、や -
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生徒(中学生)が推薦していた図書。
息子にドラックを売りつけていた売人を射殺した罪で懲役120年を宣告されたフランクは、刑務所で無為に過ごすのではなく、新しい環境で「働き、生甲斐を感じることができる」場所への移動を承諾して契約書にサインします。
その場所とは火星。民間企業が宇宙開発を担うなか、NASAの宇宙飛行士が火星に降り立つ前に、彼らが使う基地を組み立てるのが、フランクたち長期服役囚の仕事になりました。
自主性や自由はある程度認められているものの、火星というどこにも逃げ場のない環境、少人数の閉ざされた人間関係など、正常な精神を保つことに困難を伴う状況の中で、次々にクルーが死亡するという事 -
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ネタバレ衝撃を受けた「オフシーズン」の続編。
メイン州のリゾート地で11年前に起きた身の毛もよだつ凄惨な殺戮事件。
多くの被害者が出たが、当時の地元警察署署長ピーターズと部下達により、事件は解決したはずだったのだが、過去の事件を彷彿させる惨劇が再び。
当時全員が死んだと思われていた「食人族」の内、1人が生き残り、一族を率いて戻って来た。
襲撃を受けた家の家主デイヴィッドと妻のエイミー、最愛の娘である赤ん坊のメリッサ、遊びに来ていた友人のクレアと息子ルークの運命は!
2Fの窓からクレアと息子のルークはメリッサを抱いて飛び降り、危機一髪で森の中へ逃げ込む。
果たして奴らから無事に逃げ切れるのか -
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ネタバレコストの関係から、地球に戻って来られなくても構わない人、としてMB1(火星ベースワン)建設計画のメンバーに選ばれた、建設、農業、医療などのスキルを持つ、囚人のフランクたち。しかし、仲間たちが1人ずつ一見事故のように見える状況で死んでいき、彼らは疑心暗鬼に駆られていく…
SFとしては、細部の考察がしっかりしていて、引っかかる所はなかったと思う。一つ気を抜けば死ぬという緊迫感の中で話が進む。とても面白く読めた。しかし、ミステリとしては正直イマイチ。というのは、最初から誰が一番自由に動け、優位な立場にあるのかは明らかだから。フランクたちが、なぜいつまで経っても「彼」そして「彼ら」のことを疑おうとも