金子浩のレビュー一覧
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巨大宇宙SFってなんだ? と思っていたら、スペオペでした。あとがきではスペース・オペラを連呼しているんで、禁句と言うことはないと思うが、背表紙や帯の惹句には、どこにもスペオペとは書いてない。なんとなく不思議。
で、中身の方はニュー・スペース・オペラ以降の、アクションSFが主軸。一昔前のスペオペ・アンソロジーなら、もう少しB級感というか、やさぐれた感じを出してきたような気がするが、これはこれでいい。ただ、これはお約束なのか、どれほどとんがったSFガジェットをてんこ盛りにしていても、人情とか、家族関係なんかは今と変わっていない設定のお話がほとんど。多少の違和感はある。 -
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複数巻を平行に読破月間。
遺伝子改変とハックが当たり前になり、他国の作物をジーンハックゾウムシによって壊すことで、エネルギー機器に陥らせる時代。独自の種子バンクを持つタイでは西洋由来のカロリー(エネルギー)企業に負けない食文化を構築した。そこで藻類を研究するアンダーソン、通産省で闇カロリーを駆逐するジェイディー、日本製の遺伝子改変"ねじまき"少女のエミコの人生が交錯していく…。
クールなアンダーソン、自分がうまく制御できないエミコ、熱く衝動的なジェイディーに、得体のしれないホク・センと、サイバーパンクというか、アニメ的な登場人物の視点でそれぞれ進む序盤。状況の説明と、や -
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生徒(中学生)が推薦していた図書。
息子にドラックを売りつけていた売人を射殺した罪で懲役120年を宣告されたフランクは、刑務所で無為に過ごすのではなく、新しい環境で「働き、生甲斐を感じることができる」場所への移動を承諾して契約書にサインします。
その場所とは火星。民間企業が宇宙開発を担うなか、NASAの宇宙飛行士が火星に降り立つ前に、彼らが使う基地を組み立てるのが、フランクたち長期服役囚の仕事になりました。
自主性や自由はある程度認められているものの、火星というどこにも逃げ場のない環境、少人数の閉ざされた人間関係など、正常な精神を保つことに困難を伴う状況の中で、次々にクルーが死亡するという事 -
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ネタバレ衝撃を受けた「オフシーズン」の続編。
メイン州のリゾート地で11年前に起きた身の毛もよだつ凄惨な殺戮事件。
多くの被害者が出たが、当時の地元警察署署長ピーターズと部下達により、事件は解決したはずだったのだが、過去の事件を彷彿させる惨劇が再び。
当時全員が死んだと思われていた「食人族」の内、1人が生き残り、一族を率いて戻って来た。
襲撃を受けた家の家主デイヴィッドと妻のエイミー、最愛の娘である赤ん坊のメリッサ、遊びに来ていた友人のクレアと息子ルークの運命は!
2Fの窓からクレアと息子のルークはメリッサを抱いて飛び降り、危機一髪で森の中へ逃げ込む。
果たして奴らから無事に逃げ切れるのか -
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ネタバレコストの関係から、地球に戻って来られなくても構わない人、としてMB1(火星ベースワン)建設計画のメンバーに選ばれた、建設、農業、医療などのスキルを持つ、囚人のフランクたち。しかし、仲間たちが1人ずつ一見事故のように見える状況で死んでいき、彼らは疑心暗鬼に駆られていく…
SFとしては、細部の考察がしっかりしていて、引っかかる所はなかったと思う。一つ気を抜けば死ぬという緊迫感の中で話が進む。とても面白く読めた。しかし、ミステリとしては正直イマイチ。というのは、最初から誰が一番自由に動け、優位な立場にあるのかは明らかだから。フランクたちが、なぜいつまで経っても「彼」そして「彼ら」のことを疑おうとも -
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エネルギーが枯渇して社会構造が激変した近未来のバンコクが舞台のSF小説。
遺伝子操作技術と、その根幹になる無傷のオリジナルの遺伝子が物語を回す主軸になっている。
遺伝子操作によって人工的に作られた歪な生物たち。
その技術とオリジナルの遺伝子を巡っての利権抗争と、遺伝子操作された生物を取り締まる人たちの努力がドラスチックに描かれている。
利権抗争も遺伝子組み換えも、すでに存在している技術の延長に過ぎないところが物語にリアリティを与えているようでだ。
遺伝子操作しなくても、交配によって自然に手を加え続けてきた人類に守るべき自然とは何なのか、進化とは何なのかを問いかけてる作品です。 -
Posted by ブクログ
石油が枯渇し、エネルギー構造が激変した近未来のバンコク。
遺伝子組換動物を使役させエネルギーを取り出す工場を経営するアンダースン・レイクは、ある日、市場で奇妙な外見と芳醇な味を持つ果物【ンガウ】を手にする。
ンガウの調査を始めたアンダースンは、ある夜、クラブで踊る少女型アンドロイドのエミコに出会う。
彼とねじまき少女エミコの出会いは、世界の運命を大きく変えて行った。
(あらすじより)
このタイプのSF小説にありがちな事として、物語の前半を使って世界観や独自の文化を説明する手法がある。
最初は物語に入り込めず忍耐が必要だが、ここをしっかり読まないとその後の話にもついていけなくなるので、重要な