金子浩のレビュー一覧

  • 黄金の人工太陽 巨大宇宙SF傑作選

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    巨大宇宙SFってなんだ? と思っていたら、スペオペでした。あとがきではスペース・オペラを連呼しているんで、禁句と言うことはないと思うが、背表紙や帯の惹句には、どこにもスペオペとは書いてない。なんとなく不思議。
    で、中身の方はニュー・スペース・オペラ以降の、アクションSFが主軸。一昔前のスペオペ・アンソロジーなら、もう少しB級感というか、やさぐれた感じを出してきたような気がするが、これはこれでいい。ただ、これはお約束なのか、どれほどとんがったSFガジェットをてんこ盛りにしていても、人情とか、家族関係なんかは今と変わっていない設定のお話がほとんど。多少の違和感はある。

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    2022年06月20日
  • 隣の家の少女

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    ネタバレ

    実際の凄惨な事件を元にしているらしいですね。
    登場人物の心理描写が巧みで、文章としては読みやすかった。
    被害者だと思って読み進め、途中で傍観者から加害者に。最後は何とか「これはおかしい」と気付いたけど、時すでに遅し結末は最悪。
    子供がいるので教育や洗脳の部分でとても考えさせられた。「あなたのため」なら何をして良いわけではない。
    読んでいる間はじわじわ喉から重い物が落ちていくような不快感、でも続きが気になるので一気に読んでしまいました。辛かった。

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    2021年11月14日
  • 隣の家の少女

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    子は親に似るって言うけど、悪びれもなく虐めができる周りの悪ガキにイラつくし、デイビッドに感情移入しちゃうし、忙しい話

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    2021年11月06日
  • ねじまき少女(上)

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    複数巻を平行に読破月間。

    遺伝子改変とハックが当たり前になり、他国の作物をジーンハックゾウムシによって壊すことで、エネルギー機器に陥らせる時代。独自の種子バンクを持つタイでは西洋由来のカロリー(エネルギー)企業に負けない食文化を構築した。そこで藻類を研究するアンダーソン、通産省で闇カロリーを駆逐するジェイディー、日本製の遺伝子改変"ねじまき"少女のエミコの人生が交錯していく…。

    クールなアンダーソン、自分がうまく制御できないエミコ、熱く衝動的なジェイディーに、得体のしれないホク・センと、サイバーパンクというか、アニメ的な登場人物の視点でそれぞれ進む序盤。状況の説明と、や

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    2021年08月25日
  • 火星無期懲役

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    生徒(中学生)が推薦していた図書。
    息子にドラックを売りつけていた売人を射殺した罪で懲役120年を宣告されたフランクは、刑務所で無為に過ごすのではなく、新しい環境で「働き、生甲斐を感じることができる」場所への移動を承諾して契約書にサインします。
    その場所とは火星。民間企業が宇宙開発を担うなか、NASAの宇宙飛行士が火星に降り立つ前に、彼らが使う基地を組み立てるのが、フランクたち長期服役囚の仕事になりました。

    自主性や自由はある程度認められているものの、火星というどこにも逃げ場のない環境、少人数の閉ざされた人間関係など、正常な精神を保つことに困難を伴う状況の中で、次々にクルーが死亡するという事

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    2021年04月17日
  • 襲撃者の夜

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    ネタバレ

    衝撃を受けた「オフシーズン」の続編。

    メイン州のリゾート地で11年前に起きた身の毛もよだつ凄惨な殺戮事件。

    多くの被害者が出たが、当時の地元警察署署長ピーターズと部下達により、事件は解決したはずだったのだが、過去の事件を彷彿させる惨劇が再び。

    当時全員が死んだと思われていた「食人族」の内、1人が生き残り、一族を率いて戻って来た。

    襲撃を受けた家の家主デイヴィッドと妻のエイミー、最愛の娘である赤ん坊のメリッサ、遊びに来ていた友人のクレアと息子ルークの運命は!

    2Fの窓からクレアと息子のルークはメリッサを抱いて飛び降り、危機一髪で森の中へ逃げ込む。

    果たして奴らから無事に逃げ切れるのか

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    2020年08月31日
  • われらはレギオン2 アザーズとの遭遇

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    ついにアザーズと邂逅する。アザーズは惑星をまるごと侵食し、食糧として蹂躙する。宇宙すべてを食いつくすかのような、まあ一般的に言えば“悪者”である。ボブたちは宇宙の平和を守るため、アザーズと交戦する。一矢を報いるものの、排除するには至らず、その続きは次巻でのお楽しみとなる。登場人物(人工知能を含む)がある多く、混乱しがちだが、巻末にボブ一族の家系図や登場人物の一覧があるので、それを参照しながら読み進めると、迷子になりにくいのではないだろうか。若干、だらだらした感じはあるが、次への期待に胸が膨らむ。

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    2020年03月24日
  • オフシーズン

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    ゴアな描写が凄まじくてウッ……っとなった。でも、そういうところよりも、誰だったか、家の二階から飛び降りて着地した時の描写に苦しくなってしまって印象に残っている。

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    2020年03月07日
  • 物体E

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    軍人上がりのバキバキの女性警備主任が、若い男に一目惚れ、入れあげた挙句に自分も含めた周りを、多分この先地球そのものも破滅に追い込んで行く。それだけの話。無茶と言えば無茶。

    SFとしての仕立ては、薄い。つか、蓋開けてみればしょうもない。

    一人称の文章も読み辛くて、多分日本の読解力が落ちた中には俺も入ってるんだろうなと思わせられた。

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    2019年12月04日
  • 時空のゆりかご

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    結局、面白いのかどうかも分からず読み終わってしまった、というのが正直な感想。
    仮想とか、起こり得ない比較だとか、ちょっと凝り過ぎの感じ。その辺が、物語の中にすんなり入っていけない。
    もう一度最初から読み直せば、もっとある程度理解できて楽しめるのかもしれないけど、そこまでするほどのものではない。

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    2019年11月29日
  • シンギュラリティ・トラップ

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    エイリアン、ブラッド・ミュージック、劇場版ダブルオー、…

    まぁ、愚か者どもの群像劇、ってとこですかね。
    超ウラン元素を「素手」で触ろうとする阿呆の名前が「アイヴァン」だってのが象徴的ですな。

    ♪イワン、ばかん、フフン、そこはドツボなの…

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    2019年11月21日
  • 火星無期懲役

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    ネタバレ

    コストの関係から、地球に戻って来られなくても構わない人、としてMB1(火星ベースワン)建設計画のメンバーに選ばれた、建設、農業、医療などのスキルを持つ、囚人のフランクたち。しかし、仲間たちが1人ずつ一見事故のように見える状況で死んでいき、彼らは疑心暗鬼に駆られていく…

    SFとしては、細部の考察がしっかりしていて、引っかかる所はなかったと思う。一つ気を抜けば死ぬという緊迫感の中で話が進む。とても面白く読めた。しかし、ミステリとしては正直イマイチ。というのは、最初から誰が一番自由に動け、優位な立場にあるのかは明らかだから。フランクたちが、なぜいつまで経っても「彼」そして「彼ら」のことを疑おうとも

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    2019年11月17日
  • ねじまき少女(下)

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    やっと読み終わった…。
    ヒューゴー・ネビュラで、石油が枯渇し遺伝子操作のあげく疫病と飢餓が蔓延するバンコクにて、日本製美少女アンドロイドが…って、なかなかのディストピアぶりで傑作なのだが、こう…共感できるキャラがいなくて…ちと置いていかれた私でした。

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    2019年09月12日
  • 襲撃者の夜

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    ネタバレ

    オブシーズンほどB級ドタバタ感は無くなり、無難なB級スプラッターホラーという印象。
    ケッチャム特有の乾いた表現というか、淡々とした殺戮描写は健在。
    続編ものの宿命というべきか、奴らが出てくることがわかっているために、いきなりズンドコに落とされる感覚というのは薄い。
    それでも読ませる文章力、そして翻訳の方に感謝である。

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    2019年09月07日
  • ザ・ウーマン

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    ネタバレ

    まさかのウーマンが味方!
    ウーマン無双ヒャッハー!!

    まだまだ食人族シリーズは続いて欲しかったが、ケッチャムが亡くなられたことが悔やまれる。

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    2019年09月07日
  • われらはレギオン1 AI探査機集合体

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    面白かった。けど続きはもういいや
    「宇宙ヒッチハイクガイド」的な嫌な予感がする
    出オチ感がすごい(←賞賛

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    2019年07月23日
  • 火星無期懲役

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    ネタバレ

    「火星の人(オデッセイ)」ブームに乗っかって書かれたってハッキリ言っちゃう潔さ。火星で基地作りに従事させられる受刑者たちが次々と謎の死を!というキャッチーな内容だが、基地作りは淡々と順調だし気がつけば植物までわさわさしてるし、悪人がやっぱり悪人だしでちょっとがっかり。もっとこう、火星の極限状態を生かせなかったかなあ。
    続編があるそうで、そっちのほうが状況的に楽しいかもという期待で星ひとつプラス。

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    2019年07月01日
  • 火星無期懲役

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    原題は「ONE WAY」(片道切符)、で、この邦題が妥当なのかどうか…

    安心の金子浩訳、しかもSFというよりはNV寄りなので読み辛さはないものの、無駄にボリュームがある海外SFゆえ4日もかかってしまう。
    感動の無い「宇宙兄弟」みたいな内容で、オチもまぁそんなとこだろうとは思うが、読後感としては「徒労」の2文字しかなく…

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    2019年04月13日
  • ねじまき少女(下)

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    エネルギーが枯渇して社会構造が激変した近未来のバンコクが舞台のSF小説。

    遺伝子操作技術と、その根幹になる無傷のオリジナルの遺伝子が物語を回す主軸になっている。

    遺伝子操作によって人工的に作られた歪な生物たち。

    その技術とオリジナルの遺伝子を巡っての利権抗争と、遺伝子操作された生物を取り締まる人たちの努力がドラスチックに描かれている。

    利権抗争も遺伝子組み換えも、すでに存在している技術の延長に過ぎないところが物語にリアリティを与えているようでだ。

    遺伝子操作しなくても、交配によって自然に手を加え続けてきた人類に守るべき自然とは何なのか、進化とは何なのかを問いかけてる作品です。

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    2018年12月30日
  • ねじまき少女(上)

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    石油が枯渇し、エネルギー構造が激変した近未来のバンコク。
    遺伝子組換動物を使役させエネルギーを取り出す工場を経営するアンダースン・レイクは、ある日、市場で奇妙な外見と芳醇な味を持つ果物【ンガウ】を手にする。
    ンガウの調査を始めたアンダースンは、ある夜、クラブで踊る少女型アンドロイドのエミコに出会う。
    彼とねじまき少女エミコの出会いは、世界の運命を大きく変えて行った。
    (あらすじより)

    このタイプのSF小説にありがちな事として、物語の前半を使って世界観や独自の文化を説明する手法がある。

    最初は物語に入り込めず忍耐が必要だが、ここをしっかり読まないとその後の話にもついていけなくなるので、重要な

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    2018年12月08日