金子浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
圧倒的に過去一胸糞悪い作品だった。
胸糞悪いで有名な本作だが、噂以上に想像を遥かに超えてきた。
ひっどい話だよ…これは。。。
読んでてここまで救いがなく、胸糞悪い読書体験は初めてだった。目も当てられない仕打ち……
暴力描写、精神攻撃、拷問、脅迫などなどの、ありとあらゆる残虐非道な行為が読み進めるたびにエスカレートしていく。読みやすいが故にスルスルと内容が頭に入ってきて読むに耐えない。。。
1958年の夏。わたし(デイヴィッド)は隣の家に引っ越してきた美しい少女メグと出会う。両親を亡くしたメグとその妹は叔母のルースの家に預けられる。しかし、次第にルースによる残虐な虐待が始まり、それはどんどんエスカレートしていく一方で……。
ルースを軸にその取り巻きの登場人物全員に不快感を覚える。当の主人公はメグに対する同情を覚えつつも、ルースの支配下の中では集団心理が働き、事態は一向におさまらない。傍観しているようで、加担してしまっているような状態があまりにも自然でリアルすぎる。
罪から逃れてるようで、"傍観"という行為もどれだけ罪が大きいのかを思い知らされた。
実際にあった事件をベースにしており、この世界のどこかであったり、過去に起こった有名な事件の背景には、今作のように残虐な行為が行われていたのだと思うと、読後に深く考えさせられた。。。
軽い気持ちで人にはお勧めできないが、間違いなく実際に起こっている事でもあるため、鬱耐性がある人は読んでみるべきだろう。
しばらく読後の喪失感が消えない、、、
名作ではあると思うが、もう二度と読みたくない!! -
Posted by ブクログ
ネタバレ日米ハーフの女性作家によるSFミステリー。ミステリーの要素の方が強め。
・地球温暖化が進み、沿岸部は水没、第三次世界大戦後の一時的平和の時代に、80人の女性クルーを乗せた植民宇宙船が舞台。突然の爆発により船長らが死亡、日米ハーブの代替要員の女性が原因・犯人探しに取り掛かる。
・デジタル拡張現実DARが24時間実装され、船のAIが操作。さらにAIが個人の介入してくるので、2001年かと思ったら、半分ほどでAIが犯人との説が出され、AIではないと判明。
・地球での対立、米/中、レーシスト、過激環境主義者等はそのまま船内にも持ち込まれる。
・12歳程度の少女800人が選抜され、10年間の教育・選抜の中で80人が選ばれる。この過程が交互の入るが、10年間の過程や主人公の葛藤はよくできている。
・謎ときにはなっているが、動機は不十分。 -
Posted by ブクログ
パオロ・バチガルピの短編集、ディストピア詰め合わせ。様々なタイプの「いやーな近未来」を集めた10編。
資源は枯渇し食糧は汚染され、明るい未来は想像できなそう。でも、この世界観が好きな人にはたまらないですね。
10編それぞれに考えさせられるポイントがあって(「やわらかく」だけちょっと毛色が違うけど)、なんか落ち込むけど嫌いじゃない。特に印象に残ったのは
「砂と灰の人々」
のっけから疾走感、なんか楽しい話始まったと思ったら。ゾウムシと共生し砂や石を食べ怪我をしてもすぐ再生する人類。そんな人々が初めて本物の「犬」と出会って大騒ぎ。
「パショ」
学問をおさめて故郷に帰ってきた青年、そんな彼を受け入れないおじいちゃん。これはどこでもありそう、なんかわかる。
「第六ポンプ」
舞台は出生率の低下と痴呆化が進んだニューヨーク。主人公は下水ポンプ施設の職員。これは何回かゾッとするポイントがあって、今後なくはないぞ!と身につまされてしまった。
積んでる「ねじまき少女」も早く読みたくなりました。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ強く強く心に残ったけれど、名作だと思うけど、もう読み返したくない。
ヒロインを虐待するチャンドラー一家も少年達も、ほとんどが(一人の悪ガキを除いて)「おかしくなってしまった、普通だった人たち」なのだということをしっかり描かれてるのがまた怖い。
理解不能なサイコパスたちの凶行じゃなくて、今まで普通の一家&そこに集まる友達グループだった人たちが、ほんのちょっとの「ムカつく」「生意気」って感情から道を踏み外していく様子を、まさに一緒に道を踏み外しかねない少年の視点で見る胸糞悪さ。
助けたいけれど堂々と立ち向かっていくことはできない、虐待されるメグを見ることを心のどこかで楽しんでしまう……っていう主人公の行動にはイライラするけど、果たして自分が主人公の立場だったら勇敢に立ち向かえるのか?私だったらきっと、怖くて堂々と戦えないと思う(さすがに虐待を楽しむとかは、ありえないと思いたい……)
「主人公がヒーローの精神を持っている」ということ自体がお話に都合のいい奇跡で、そんな奇跡はこの作品の中では起こらないのだということを見せつけられた。 -
Posted by ブクログ
残酷描写といえば、で、もうひとつ。
オーソン・スコット・カードの短編集。ジャンルはSF。
作者自身があとがきで「これらの短篇すべてで繰り返されているモチーフがある──残酷なまでの苦痛と、グロテスクなまでの醜悪さだ」というだけあって、そういった描写はかなり多いです。
一方、1970年代までに書き上げられた作品群(寄稿の序文が1980年)は、心理的に歪んだところが少なく、凄惨であってもどこか素直で、不思議と読みやすい。複雑なコード進行やアレンジに頼らなくても名曲は名曲、そんな感じ。
好きな作品
「エンダーのゲーム」
良く出来てる!同じタイトルの長編もある(映画にもなった)のは知ってるけどまだ読んでません。この短編で十分完璧じゃない?と思えるくらい好き。
「王の食肉」
羊飼いの造形がうっとりするほど美しい。でも、その対岸に際立つ残酷さ。彼がすることの、そしてその運命のおぞましさ。「Kingsmeat」という原題も「Kingsmen」を下敷きにしたであろうオシャレ感で、その洗練がまた、酷い。
「無伴奏ソナタ」
それがなくては生きられないものを求めて、求める度に罰される。それでも幸福だと言わなければいけない。そんな人生、そんな社会。
作中に響く音や歌の美しさと、次々に降りかかる残酷さ。対比の中で主人公の一生が描かれる。
悲しい話だけど、最後の一ページにわずかな救いがあり、そして、かすかな響きに耳をそばだてるような息遣いだけを残して、終わり。
珠玉です。
目新しくてカッコいいSFはどんどん出てくるけど、こういう、ある種ノスタルジックなものも、かなり好きです。 -
Posted by ブクログ
ケッチャムのいろんな面をたっぷりと味わえる短編集。
一話一話は短いのに長編と変わらないずっしりした読後感。
ケッチャムを読むのは我慢大会か耐久レースに似ていて、なんでわざわざお金払ってメンタル痛めつけてるんだろう、と首を捻ることもあるのですが、この本も読み終わるのにすんごい時間がかかった。
ジャンルを超えた多種多様な物語が満載で、ケッチャム世界の奥行きの深さに恐れ入る。
読み終わって改めて本当にすごい作家だったんだなぁと感嘆。まだまだ新作読みたかったなぁ…(合掌)
以下、自分の忘備録のための読書メモ。
・冬の子
「オフシーズン」と「襲撃者の夜」の間に当たる話だそうな。「オフシーズン」大好き。
・オリヴィア:独白
日々耳にする殺人事件のニュースの向こう側には、こんな恐怖と絶望が存在するのか、と想像したらめっちゃ怖くなった。
・歳月
残酷とやさしさがきれいに混ぜ合わされたお話。ハッピーエンドでよかった。
・未見
これ、コメディだよね?
・帰還
動物飼っている人ならババ泣きするの間違いなし。なんでそんなクソみたいな女と付き合っていたんだよ(怒)
・箱
…の中身はなんじゃな。キング(バックマン名義)の「痩せ行く男」のように、アップルパイでも入っていたのかな…(そういえば昔これ読んで無性にアップルパイ食べたくなった)
・「二番エリア」「暴虐」
どちらもケッチャムっぽいお話。
・行方知れず
これも、ああケッチャムだなあと思うお話。読み終わって胸が痛くなった…相変わらず残酷。
・母と娘
最後の波は呪縛に対する暗喩なのか、それともただの偶然か。本当に恐ろしいのはこういう状況に陥っている母娘が結構現実にもいるってことかもしれない。映像で観たらまた違ったダメージくらいそう。
・永遠
”死と腐敗こそが命を生み出す”このワンフレーズで、Endマークの後の展開が想像できる気がします。切ない…。
(これを読んでいる途中でなぜかケン・リュウの「円弧」が無性に読みたくなった。どちらもテーマが永遠の命についてだから?)
・見舞い
どんな切ないゾンビ話だよ!!!
・蛇
こんな話も書くんだ~(驚)ちょっとキングっぽい印象。
・炎の舞
最後の最後まで不穏な空気が抜けなくてびくびくして読んだ。多分ケッチャムだから…っていうイメージのせい。こういうオチもありなのか!!