金子浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
非常に読み応えがあって面白かった。
最初は「石油枯渇後の近未来でバンコクを舞台に、遺伝子操作された生物が主役となる話」という設定に惹きつけられて手にとったのだが、実際に読み進めてみると、設定と世界が深く作りこまれているだけでなく、人間同士のドラマが複雑に織り成されていて、こちらも見事だった。
うん、バンコクか……。アメリカ人の作者があえてアジアの一国を物語の舞台として選び、欧米人を侵略者として描くやり方が興味深い。もちろんこれは、作者が大学で東アジアについて学び、実際に中国で暮らした経験もあるからこそ可能になったのだろうけど、でも仏教を中心とした文化の理解は相当なものだと思うし、アメリカ的資 -
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スピード感が出てきたと思ったら、物語が一気に流れて行く下巻。説明不足や伏線の投げっ放しがあるようにも感じますが、それを無視して十分に楽しむことのできる作品でした。決してきれいなストーリーではないですが、混沌とした社会の中で、それぞれの立場で精一杯に生きる人々の物語に圧倒される。
外国バイオ企業の手先であるアンダーソンの行動原理や内面描写はもっと欲しかった。確実にいやなやつなんだけど、彼なりの正義がどこかにあったのかなぁと気になる。広い意味での作品世界の中では中心的勢力に属するはずのアンダーソンなのに、情勢に振り回されて寂しいかぎり。
没落した華僑老人のホク・センはずっと応援してました。ほん -
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田舎町に住む老若男女の群像劇。そして猫。それから、お約束の阿鼻叫喚の地獄絵図。
ただ、食人族シリーズとは違う渋味が臓腑にじくじくと染みる。
暴発しやすい不良少年レイが起こした惨劇、それを隠す幼なじみのジェニファーとティム。
惨劇の被害者家族を気にかける、家庭に問題を抱える刑事チャーリー。
恐ろしい悲劇から逃れるため引退した元刑事のエドと、若く聡明なサリー。
精神を病んだ母親との関係に苦しむキャサリン。
日々の暮らしの中、それぞれの行動が少しずつレイを刺激していき、そして突然、暴力の雪崩を呼ぶ。
もちろん、レイの行いには何一つ褒められたものはない。ナルシストで傲慢で独りよがりであまりにも無 -
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昨今の社会情勢から、てっきり自主規制がかかったのかと思っていた、
ケッチャムの久々の新刊!
なんの理由もなく、キャンプ場に来ていた二人の少女を撃ち殺したレイ。
刑事のチャーリーとエドは、最初から彼を疑っていたが、証拠がなく逮捕できなかった。
4年後。
レイは麻薬とセックスに明け暮れるだけで、特に何も起こさない。
チャーリーは、レイがボロを出すようにプレッシャーをかけるが……
あらすじだけだと、割とおとなしめ。
……いやー、やっぱり初っ端から狂ってました。
後味も悪いし(いいのないけど)
今までと比べて、登場人物が多い。
全体の3分の2くらいまでは、それぞれの生活や、
暗い過去も含めて、キャラク -
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S寄りのSFかと思いきや意外とF寄り、それもクローズドサークル・ミステリーとかサスペンスとかそっち系。裏のあらすじで「次々と命を落とすクルーたち、果たして…」とか言われて、そのくせ半分読むまで一向に誰も死なないのでどういうネタバレだよと思ったけど、今思うと需供を一致させるためのニクい配慮だったのかもしれない。原題はSF感だいぶ弱めな『One way』。
設定的にどうしてもチラついてしまうアンディ・ウィアーの『火星の人』と比べると、ミッションの全貌が把握できず決定権もない無期懲役の囚人クルーという独特の閉塞感・絶望感は新鮮な一方で、エンジニア的問題解決の面白さはだいぶ弱め。結局は素人集団だから