宙の復讐者

宙の復讐者

小説・文芸
4,180円 (税込)

20pt

4.0

ヒューゴー賞受賞の本格宇宙SF大作! アスタウンディング賞受賞著者の第一長篇

人類最後の生き残り〈ガイア・ステーション〉の子として、キアは日々厳しい戦闘訓練を続けてきた。胸に抱くのは、地球を滅亡させた異星人とその時空を操る装置への復讐のみ。だが、ガイア司令部の嘘を知って、彼女は旅立った……地球が滅亡しなかった世界に!

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宙の復讐者 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    時空を歪曲するシャドウスペースの技術を応用したシャドウエンジンを手に、人類は宇宙へ拡大し、異種文明と接触して戦いを挑み、地球を破壊された。
    残された人類は異星人への復讐のみを目的に拠点を確保し、そのためだけの生活を築き上げていた。

    その戦士の一人、体制に疑問を持たず鍛え上げられた若い主人公が、ある事件をきっかけに本のわずか体制から逸脱する。

    そのちょっとした傷が大きな歪みになり、新たな世界を再構築するきっかけとなっていく。

    いや。面白かった。

    異文明と接触してほぼ滅ぼされた人類。それがいかに復讐を果たしていくのかと思っていたらかなり違った。知性化戦争的な文明への挑戦かと思ってたんだよな。

    全体主義的な軍事最優先の体制に疑問を抱かず、そこで能力を発揮することに全力をあげている主人公。
    ディストピアからの脱出というテーマといえばそうだし、多次元宇宙ものといえばそうなのだがきちんとケリをつける結果になっていたし、主人公の内面の変化が必然であってそれもよかった。

    異星人側の文明があまり描かれていないのが不満。なぜ、人類を滅ぼしたのかは、言及あったしそこもポイントだったが。

    シャドウスペースとか、本編の最大のポイントである「ウィズダム」という全能の紙的な機械知性というか、それの原理とか機能の説明が定義づけられてないのも不満。
    お約束的に理解してよねというところであまり説明必要ないと判断してのことだろうけど、そういうところの理屈を聞きたいのだわ。

    お約束だけではファンタジーになってしまうと思うし。SFのルールがわからん人には何が何だか分からないまま話が進むのではないか。

    何にしろ、展開が逆転逆立ち垂直落下的で、手が止まらん感じだった。
    ラストもちゃんと決まってて、ヨシ。

    0
    2026年05月19日

    Posted by ブクログ

    著者の第一長篇にして、ヒューゴー賞長篇部門を受賞した作品だ。
    銀河系に進出した人類は、異星種族連合体〈マジョダ〉と出会う。だが、彼らの超AI〈ウィズダム〉により危険と判断されたせいで、地球は140億の人々と共に破壊されてしまう。わずかに残った人類は〈ガイア・ステーション〉を拠点にして軍事訓練を続けていたが……。
    主人公となる女性兵士キアの目線から描かれる物語は二転三転し、複雑な世界の構造が明らかになっていく。その過程で人間として大きく成長していくキアが素晴らしい。
    大興奮の1冊。

    0
    2025年08月31日

    Posted by ブクログ

    遥かなる未来。人類は時空を歪曲する“シャドウスペース技術”を開発し、銀河系へと進出した。そして異星種族連合“マジョダ”と出会う。マジョダの創設者マジョ•ジ人により地球は140億人の住民とともに滅亡させられた。
    最後の生き残り“ガイア•ステーション”の女戦士•ヴァルキアは、仲間とともにマジョダへの復讐のため、厳しい訓練を続けてきた。チームリーダーとして最強の戦士に成長したヴァルキアだったが、彼女は思いもよらない部署に配属されることになって…。

    久しぶりに“SFらしいSF”を読み、一気読みでした【ヒューゴー賞受賞作】
    主人公ヴァルキアが、過去の自分の独白ではヴァル、今の自分キアと(書き分けられて)対話したり、マジョダの時空転移装置•ウィズダムの絶対存在性(A Iの究極形を通り越してもはや“神”の領域)とか、SF初心者にはちょっとハードルが高そうです。

    著者はイギリス出身の女性で、これが初の長編。ケンブリッジ大学で古代ギリシャ•ローマについて学んだということで、登場人物の名前はこのあたりの時代と北欧神話からとっているようです。

    なお、タイトルは原題『Some desperate glory』(絶望的な栄光)の直訳の方が内容に合っていてよかったように感じます。
    イギリスの詩人ウィルフレッド•オーエンの反戦詩『絶望的な栄光とやらを夢見る子らに、祖国のために死ぬのは甘美で名誉なことだなどという古い嘘をつくな』という一節からとっているみたいですから。

    0
    2025年12月10日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

     地球が銀河諸種族連合体に滅ぼされた後、艦隊から離脱した過激派が小惑星を基地にスパルタ風の軍事独裁国家をつくり復讐を果たそうとする。そこで育ち優秀な攻撃能力と復讐への信念を持つヴァルキアが子供を産む装置となるナーサリーに配属されることになり、小惑星を脱出。徐々に真実を認識し始める。
     始祖的な種族であるマジョ・ジ人の作った時空支配装置ウィズダムを乗っ取って、地球滅亡前に戻り宇宙を改変しようとする。
     途中までは今のアメリカを投影したディストピアだが、最後はタイムリープを繰り返し、昔ながらのスペースオペラ。

    0
    2026年08月29日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    スペースオペラバリバリのSFを読んだのは久しぶりのような気がする(映画ではヤマトやらつい最近もマンダロリアン&グローグーを観ているのだが)

    宇宙活劇だけではなく転生モノ、AI暴走系、ディストピアモノでもある。多様性や民主主義の勝利もテーマ、そういえば作者はイギリス出身。今のアメリカ人やユダヤ系の作家が民主主義と多様性を扱うのはちょっとばかり説得力がないのかもなぁ。

    失敗した→リセットして多元宇宙でやりなおした…の繰り返しは中だるみの元で、500Pはちょっと冗漫のようにも感じたが、後半メリハリ効いている展開になって、盛り返した感じ。

    もう少しこなれたら、面白い小説家になるだろうなという予感。

    0
    2026年06月14日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    いわゆるリプレイもの。人類を滅ぼした異種族への復讐を目指す教練のなか、独裁者の真の姿を知りえた主人公が、あるべき未来の再構築に葛藤・奮闘する物語。クィアなどジェンダーの取扱いは今一つ効果的でなくしっくりこないし、最初のリプレイまでが詳細で、もたつき感を感じさせるかもしれないが、やり直し人生でも、前世の刷込みから脱却できてないところが新鮮。リプレイのお約束であるご都合主義もあるけれど、最後までしっかり読ませる推進力がある。まずは、オーソドックスなガジェットを活かした新世代SFとして良作と感じた。

    0
    2025年09月24日

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