【感想・ネタバレ】宙の復讐者のレビュー

あらすじ

ヒューゴー賞受賞の本格宇宙SF大作! アスタウンディング賞受賞著者の第一長篇

人類最後の生き残り〈ガイア・ステーション〉の子として、キアは日々厳しい戦闘訓練を続けてきた。胸に抱くのは、地球を滅亡させた異星人とその時空を操る装置への復讐のみ。だが、ガイア司令部の嘘を知って、彼女は旅立った……地球が滅亡しなかった世界に!

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Posted by ブクログ

ネタバレ

いわゆるリプレイもの。人類を滅ぼした異種族への復讐を目指す教練のなか、独裁者の真の姿を知りえた主人公が、あるべき未来の再構築に葛藤・奮闘する物語。クィアなどジェンダーの取扱いは今一つ効果的でなくしっくりこないし、最初のリプレイまでが詳細で、もたつき感を感じさせるかもしれないが、やり直し人生でも、前世の刷込みから脱却できてないところが新鮮。リプレイのお約束であるご都合主義もあるけれど、最後までしっかり読ませる推進力がある。まずは、オーソドックスなガジェットを活かした新世代SFとして良作と感じた。

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2025年09月24日

Posted by ブクログ

著者の第一長篇にして、ヒューゴー賞長篇部門を受賞した作品だ。
銀河系に進出した人類は、異星種族連合体〈マジョダ〉と出会う。だが、彼らの超AI〈ウィズダム〉により危険と判断されたせいで、地球は140億の人々と共に破壊されてしまう。わずかに残った人類は〈ガイア・ステーション〉を拠点にして軍事訓練を続けていたが……。
主人公となる女性兵士キアの目線から描かれる物語は二転三転し、複雑な世界の構造が明らかになっていく。その過程で人間として大きく成長していくキアが素晴らしい。
大興奮の1冊。

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2025年08月31日

Posted by ブクログ

遥かなる未来。人類は時空を歪曲する“シャドウスペース技術”を開発し、銀河系へと進出した。そして異星種族連合“マジョダ”と出会う。マジョダの創設者マジョ•ジ人により地球は140億人の住民とともに滅亡させられた。
最後の生き残り“ガイア•ステーション”の女戦士•ヴァルキアは、仲間とともにマジョダへの復讐のため、厳しい訓練を続けてきた。チームリーダーとして最強の戦士に成長したヴァルキアだったが、彼女は思いもよらない部署に配属されることになって…。

久しぶりに“SFらしいSF”を読み、一気読みでした【ヒューゴー賞受賞作】
主人公ヴァルキアが、過去の自分の独白ではヴァル、今の自分キアと(書き分けられて)対話したり、マジョダの時空転移装置•ウィズダムの絶対存在性(A Iの究極形を通り越してもはや“神”の領域)とか、SF初心者にはちょっとハードルが高そうです。

著者はイギリス出身の女性で、これが初の長編。ケンブリッジ大学で古代ギリシャ•ローマについて学んだということで、登場人物の名前はこのあたりの時代と北欧神話からとっているようです。

なお、タイトルは原題『Some desperate glory』(絶望的な栄光)の直訳の方が内容に合っていてよかったように感じます。
イギリスの詩人ウィルフレッド•オーエンの反戦詩『絶望的な栄光とやらを夢見る子らに、祖国のために死ぬのは甘美で名誉なことだなどという古い嘘をつくな』という一節からとっているみたいですから。

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2025年12月10日

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