金子浩のレビュー一覧

  • 隣の家の少女
    なんだこれ。狂騒とスリルがのしかかってきて、体が重圧を受ける。けれど、読む手を止められなかった。
    強烈なパワーが渦巻く一冊だった。久しぶりの感覚に陥った読書体験だった。えげつない。
  • 無伴奏ソナタ〔新訳版〕
    「エンダーのゲーム」が気になって読み始めたが、宇宙を舞台としていないわりと現実に則した短編も多く、読んでいてダレることがなかった。友人や家族との何気ない会話や出来事をきっかけに、これほど多様な物語にまで膨らませて作品に仕上げる作者の力量に驚かされる。「エンダーのゲーム」の長編も読んでみたいと思えた。
  • オリバー・ストーンが語る もうひとつのアメリカ史1 2つの世界大戦と原爆投下
    ここに書いてあることの全てが真実かどうか、僕には分からない。
    けれど、これが事実であると考えた方が、対戦後のアメリカの振る舞いが、あるいはアメリカに対する他国との反発が、あるいはロシアの西側諸国に対する言動が、説明しやすくなるような気がする。

    そういう意味で興味深い本だと思う。
    翻訳本ならではとい...続きを読む
  • 第六ポンプ
    これぞディストピア・オブ・ディストピアって感じ。「こんな未来は嫌だ」の大喜利のような暗い設定ばかり。絶対にこんな世界で生きたくはないが読み物としては好みだ。
    特に『イエローカードマン』の世界が一番暗くて嫌だったなー。
    『ポップ隊』の設定は映画化されそう。

    特に“科学技術による生命倫理への挑戦”みた...続きを読む
  • われらはレギオン1 AI探査機集合体

    AIの感情表現とその周辺技術

    AIはもし感情を持ったらという表向きのストーリー設定とその展開もさることながら、もしシンギュラリティポイントを超えた場合どんな科学的技術がそれを支えることになるのかかなり面白い想像力が発揮されてます。そして、それはないだろうと思えない点ばかりなのが恐ろしい気持ちにもさせます。続編を読み続けたいと思う...続きを読む
  • 隣の家の少女
    これは本当に読むのがしんどくて、途中までは数ページずつ細切れにしか読むことができなかった。
    文章が難しいわけではなく、逆に文章は読みやすく、クリアに状況がイメージできてしまうからこそ、辛くてしんどくて読み続けることができなかったのだ。

    語り手は12歳の少年。
    自然に囲まれた郊外で、近所に住む友達と...続きを読む
  • 地下室の箱
    1998年6月、サラとグレッグは病院へ向かっていた。サラは妻子あるグレッグとの子供を中絶することを選んだ。病院まで一人で歩いて向かうほんの一瞬のことだった。サラは何者かに車で連れ去られた。意識をとりもどしたサラがいたのはどこかの家の地下室。やがて姿を現した男女二人。彼らはサラに何をさせようというのか...続きを読む
  • われらはレギオン1 AI探査機集合体
    なんだか「今」と似ていないかい?

    今、お互い画面の中の「画像」でコミュニテーションを取って仕事している在宅ワークの様子は、主人公の「ボブ」同士が、VR空間の中で相談してそれぞれの「課題」に対処する様子と……。
    会社が望むものは睡眠も食事も不要で時間の感覚すら自由に調整できる「ボブ」。
    まあ、そのと...続きを読む
  • 隣の家の少女

    誤字、脱字があまりに多すぎる。

    全体的に割と良くできていて、リョナ耐性が備わってさえいればそこそこ楽しめる作品です。主人公の計画力の無さや登場人物のモラルの欠如具合等、設定があまい部分は作中所々見受けられますが、ギリギリ読み手の自己解釈で何とかなる程度なので、作品を楽しむ上では邪魔にならないです。しかし…誤字脱字、翻訳ミス等があま...続きを読む
  • 隣の家の少女
    こんな衝撃的な本を読んだのは初めてです。
    デイヴィッドを通して事細かに語られる物語は、実話なのかと思うほど生々しく痛々しく、顔を顰めながら読んでしまうほどでした。

    日に日に残虐さを増していくメグへの虐待を見ることから逃げ出したい・助け出したい気持ちと見ることを辞めたくない気持ちが葛藤して、全てが終...続きを読む
  • われらはレギオン1 AI探査機集合体
    ハードSFということですが、イーガン作品のような難解なものはなく、カバーイラストのとおりエイリアンとの艦隊戦があったりで、最後まで楽しませてくれました。コピーされたAIが別人格となり、それぞれの個性に合わせてストーリーが展開していくのも面白かったです。
  • シンギュラリティ・トラップ
    なかなか面白かったです。
    自分が消される危険に身を置きながら、コンピュータを欺くなんて、痛快すぎる❗
    論理的にしか考えられないコンピュータからしたら、直感ともいえる人間の感性的な思考と表現は理解しがたいのだろう。
  • 黒い夏
    やっと終わったって感じです
    約600ページの作品
    過去の殺人を犯した男
    当時の被害者で生き残った一人の女性も4年後の
    現在死んでしまう
    あとは刑事が男をどのように追い詰めるかの
    展開なのかなと思ったがそうではなかった
    終盤の展開はやっぱケッチャム でした

    にしても読むのに長くかかってしまいました
  • 隣の家の少女
    壮絶な話。女児虐待の話と言えばそれだけなのだけど、主人公に感情移入してみると余計にきつい。
    実際にその家を支配している昔から知っている大人が、美しい少女を「好きにして良い」と許可したら、みんな抗えるものなのだろうか。
    少女が最後まで強く気高い女の子だった事が余計ルースを惨めにさせていたのだろうな、と...続きを読む
  • 隣の家の少女
    実際あったシルヴィア・ライケンス事件をモデルにしたフィクション
    言葉を選ばずに言えば胸糞悪いなんてものじゃないし、数日頭から離れないし、事実と知れば尚のこと
    この事実をうまく処理できない
  • マザーコード
    安定して面白い作品が多いと感じる人類破滅物
    破綻後世界の希望となる子供たちを救おうとする努力が気持ち良く読み進められる
  • 老人と犬
    ホラー小説界の異端児ケッチャムは、稀代の問題作「隣の家の少女」(1989)で精神的加虐性を極限まで抉り出し、読み手の度肝を抜いた異能の作家だ。1995年発表の本作は、そのイメージを引き摺ると肩透かしを食らう。結論から述べれば、実に余韻の深いノワール・タッチの小説で、この作家の底知れなさに驚嘆した。他...続きを読む
  • 隣の家の少女
    後味悪い本で検索して出会った本でした。もうこれは何とも言えません…。とてもじゃないけど、私は一気読みできませんでした。これ程までに読んでいて痛々しい本はありません。

    実話に基づいてるとの情報も聞き、その事件についても調べるキッカケとなりました。被害者の気持ちを思うと言葉が出ません。ですが、このよう...続きを読む
  • 隣の家の少女
    凄いものを読んだ。
    3回休憩を挟まなければいけなかった程度胸糞で、多分数日はこの小説の事を考え続けるんじゃないかと思う。精神不安定な人は絶対に読んではいけない。


    物語自体は本当に胸糞だが、面白かったと思う点は多くある。
    自分が一番よかったと思う点は、メグとの最初の絆を深め合う描写、折檻描写、更に...続きを読む
  • 隣の家の少女
    スティーヴンキングおすすめってだけあって、途中で休めないほど集中して読んだけど、、
    すごーくモヤモヤを抱えてしまった。。
    日本の洗脳系サイコ事件の実話に基づいた本とか、監禁系の本とかも興味深く読んでたのに。
    被害者が少女1人だったからかなぁ。姉妹揃って健気だったからかなぁ。

    それくらいジャック・ケ...続きを読む