金子浩のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
これぞディストピア・オブ・ディストピアって感じ。「こんな未来は嫌だ」の大喜利のような暗い設定ばかり。絶対にこんな世界で生きたくはないが読み物としては好みだ。
特に『イエローカードマン』の世界が一番暗くて嫌だったなー。
『ポップ隊』の設定は映画化されそう。
特に“科学技術による生命倫理への挑戦”みたいなテーマが好きな作家さんっぽい。
人格をデータ化して小さなキューブに保存したり、楽器のように改造したり、遺伝子操作で不死身にしたり。
環境破壊のせいで新たな格差社会が生じたり、人々が痴呆化したり。科学技術が部族間の争いに繋がったり。
各短編の翻訳を中原尚哉さんと金子浩さんの2人が別々に担当されて -
購入済み
AIの感情表現とその周辺技術
AIはもし感情を持ったらという表向きのストーリー設定とその展開もさることながら、もしシンギュラリティポイントを超えた場合どんな科学的技術がそれを支えることになるのかかなり面白い想像力が発揮されてます。そして、それはないだろうと思えない点ばかりなのが恐ろしい気持ちにもさせます。続編を読み続けたいと思うかなりの傑作だと思います。
-
Posted by ブクログ
なんだか「今」と似ていないかい?
今、お互い画面の中の「画像」でコミュニテーションを取って仕事している在宅ワークの様子は、主人公の「ボブ」同士が、VR空間の中で相談してそれぞれの「課題」に対処する様子と……。
会社が望むものは睡眠も食事も不要で時間の感覚すら自由に調整できる「ボブ」。
まあ、そのとき経営者は真っ先に「人間」個体じゃないでしょうけどね。
AI(人工知能)とは違った「レプリカント」
それも記憶と思考回路のみ機械に移植することで、“AI“の限界を超える“ヒラメキ”の能力が期待され、気の遠くなるほどの期間を要する宇宙船の「船長」となる。
どの場合も成功するとは限らず「僕は人間なの -
購入済み
誤字、脱字があまりに多すぎる。
全体的に割と良くできていて、リョナ耐性が備わってさえいればそこそこ楽しめる作品です。主人公の計画力の無さや登場人物のモラルの欠如具合等、設定があまい部分は作中所々見受けられますが、ギリギリ読み手の自己解釈で何とかなる程度なので、作品を楽しむ上では邪魔にならないです。しかし…誤字脱字、翻訳ミス等があまりにも多く、感情移入の妨げになります。エディターは本当に仕事をしているのでしょうか?どうであれ、読んでいて気持ちの良い物では無いので、早く直す事をお勧めします。
-
Posted by ブクログ
ホラー小説界の異端児ケッチャムは、稀代の問題作「隣の家の少女」(1989)で精神的加虐性を極限まで抉り出し、読み手の度肝を抜いた異能の作家だ。1995年発表の本作は、そのイメージを引き摺ると肩透かしを食らう。結論から述べれば、実に余韻の深いノワール・タッチの小説で、この作家の底知れなさに驚嘆した。他の作品で顕著な不快感を煽る過激且つ過剰なサディズム嗜好は抑えられており、暗流にあった屈折した抒情性をストレートに表出している。私見だが、これこそケッチャムの本質なのではないかと感じた。
老いた男は、町外れの川で釣りを楽しんでいた。傍には長年連れ添った愛犬。そこへ見知らぬ少年三人が近付く。最年長と -
Posted by ブクログ
スプラッター映画や食人族などのカニバリズムが好きな人なら楽しめる小説。しかし、内容が内容だし変態と思われる可能性も大いにあるので大きな声でお薦めなどはしにくい小説でもある。またこの手の表現に慣れていない人が読むにはハードすぎる。
作者自身があとがきで70年代のホラー映画の影響を受けてると語っている通り若者が旅行先で襲われるアメリカ映画にありがちな設定。序盤は状況説明などが続くので若干退屈に感じた。中盤以降は前半は何だったのかと言わんばかりに一気に話が進む、いやむしろ展開が早すぎて戸惑う。しかも、まさかの主役だと思われたカーラの早すぎる退場、ここの描写で一気に世界観が加速する。グロすぎる表現に -
Posted by ブクログ
ネタバレ何か技術を持った死刑囚たちが、地球ではなく火星で、無期懲役のように死ぬまで働き続ける話。
火星に行くまでの展開で「友達」ではないけれど「上手くやっていける人たち」として希望のある気持ちにさせての火星に着いてからの展開は本当にしんどかった。
それらを踏まえた上で、フランクが最後の相手に向けた言葉、どんな思いで発せられたものだったんだろう。
『星を継ぐもの』の時も思ったけど、SFで専門用語がめちゃ出てきて謎解きをするくだりはとても苦手だ。目が滑るし、説得力のあるミステリは求めていないので。
そもそもミステリの要素いるか?感だった。
「なんと!あいつは!!ヤク中だったのだ!!!」みたいな -
Posted by ブクログ
迫り来るアザーズの侵略にボブたちが対抗する。宇宙での緊迫した戦いが繰り広げられる。地球人は他の星系に移住することになるのだが、その戦略は今も昔も変わらず、山のような調整作業をボブたちが考える。そして、様々な星系での物語もバラエティに富み、アンドロイドとその星の原住民との交流など、より人間臭くなるボブたち(元は生身の人間だけどね)に感情がシンクロする。
200年以上先の未来の物語であるが、現代と変わらずメールを使っていたり、例えが古くさかったりと、古き良きものを懐かしんでいるととらえるか、興醒めととらえるかは評価が分かれるところだ。SF好きであれば、オタクっぽい物事が出てきているので、心をくす -
Posted by ブクログ
ずーーっと気になってた作品。
印象的な装丁と期待高まる表題(これは春樹の「ねじまき鳥クロニクル」が好きだからでもあるが)で、一体どんな作品なんだろうと思いつつ、以前読んだ著者の短編がそこまでヒットしなかったので長らく見送っていた作品でした。
古本屋で上下巻が売られていたという不純な動機で読み始めた本書ですが、これがなかなか面白い。
舞台は未来のタイ・バンコク。この時点でワクワクさせられるのですが、本書はもっと刺激的。環境破壊で海面が上昇し、ニューヨークなど世界各地の沿岸都市は水没。石油が枯渇し、伝染病が蔓延し、遺伝子組み換え作物しか栽培されない世界。バンコクでは伝染病の広がりを防ぐ環境省配下 -
Posted by ブクログ
そうだよな~
「火星の人」では(ほかの作品でも)生存可能な施設から
物語がはじまるけど、何もないところに、
それも死と隣り合わせの、救援も期待できない、
何か欠けても年単位で待たなければならない、
戻ることすら困難な、そんなところに
一歩を踏みださなければならない、そういう人が
必要なんだよな~、と。
ミステリーサイドは正直ちょっと期待外れ。
でも読み終わってみて、章の初めに書かれている
記録が何を意味しているのか、読み終わったあとに
読み直して、物語を背景、舞台裏から完全にして、
囚人たちの、火星での人類のサバイバルが
いかに過酷であるのか、って思いにつながる。
続編は気になります。