あらすじ
空飛ぶ自動車にロボットメイド、宇宙観光……かつて人々が夢見た輝かしい未来が実現したもう一つの2016年からぼくはやってきた。きみたちの"間違った世界"に。この世界がディストピアになったのは、すべてぼくのせい。クリーンなエネルギーを無限に生みだす革命的装置ゲートレイダー・エンジン起動の瞬間に、ぼくが立ち会わなければ……。世界を変えてしまった残念な時間航行士の冒険を描く、可笑しくも哀しい時間SF
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Posted by ブクログ
時間旅行により世界を現在の世界に変えてしまった主人公の物語。主人公は、現在の私たちの住む世界はディスピア、元の世界こそ科学が発展し、人々の暮らしが豊かなユートピアであると言い、元の世界を消してしまった罪悪感に苛まれる。
主人公によって語られる、元の世界の中での家族や友人との関係についての悩みは、現在の世界にも通ずるものがあり、主人公が違う世界から来ているのにもかかわらず共感してしまう。
自分の世界を変えた所為で存在が亡くなってしまった元の世界の人々への罪悪感、反対に存在が生まれた現在の世界の人々への愛着の中で、主人公が自分の所業に対してどのような結論を出すかが気になり読み進めていたが、最後はちょっと安易な結果に落ち着いてしまった感があり、少し残念。
Posted by ブクログ
結局、面白いのかどうかも分からず読み終わってしまった、というのが正直な感想。
仮想とか、起こり得ない比較だとか、ちょっと凝り過ぎの感じ。その辺が、物語の中にすんなり入っていけない。
もう一度最初から読み直せば、もっとある程度理解できて楽しめるのかもしれないけど、そこまでするほどのものではない。
Posted by ブクログ
開始から100ページほどはコンプレックスに満ちたは30代男が、バラ色の未来を変えてしまったとクドクド、グズグズ振り返る。
事件を起こしてしまってからの100ページほどは自分が変えてしまった別の未来である別の現在で罪の意識から投げやりになったり。
自分は何をやってもダメな人間だと憐れんでみたり、起こしてしまったことの重大さと責任から自分を否定したり、ネガティブな主人公の語りが鬱陶しく感じる。
ゴールを目指して先に進む物語の真のスタート地点は本の半分を超えたあたり?何を行い、どこに戻るのか、どうやって着地させるのか、アイディアなど結構楽しめるので、前半をもう少し明るく、軽くしてもらいたかった。
Posted by ブクログ
いじけた青年の私小説。時間航空士がテクノユートピアを壊しちゃったなんてのは伏せといて、これはSFなのか精神疾患なのか???ぐらいのノリで語らせるか、時間SFとしてならバサッと切って中編、否、短編ぐらいにしていたらもっと面白く読めたかも…
Posted by ブクログ
タイムトラベル。
この小説で一番インパクトがあったのはタイムトラベルとは空間も移動しなければならないという考え方。なぜなら地球には自転と公転があり、たとえ1分前であろうと時間軸だけを移動してしまうと違う場所になる。なるほどと感じた。
ストーリーは冒険活劇風。結論としては過去へ行こうと都合の良いようにはならないという事。