金子浩のレビュー一覧
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ネタバレまずジェィディーがあっさり処刑されてしまったのがすごく残念でした。
しかし亡霊となってカニヤに付きまとってたせいであまり死んだ感じがしなかったんで少し嬉しかったです。
あの後ジェイディーがちゃんと成仏してくれていることを願います。
カーライルがナーガの鱗をなぞりながら階段をのぼる場面や、戦闘用メゴドントがホク・センを襲う場面など細かな場面まで書かれているので映画をみているようでした。
特にエミコがソムデット・チャオプラヤを殺す場面ははっきりとは書かれていませんがスピーディーで爽快でした。
正直世界観や種子バンクのことは半分分かったような気がするレベルでしたが、
登場人物が個性的でギ・ブ・セ -
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SFはまったく読んだことがなかったので、世界観についていけるか不安だったのですが無用の心配でした。
最初はこの世界の用語が多すぎてなにがなんだか訳が分からない状態でしたが話が進むにつれ個性的な登場人物と結構エログロかつアクティブな展開のある話に引き込まれました。
意味不明の用語も何度か使われるうちになんとなく意味が分かってきて、
普段は現代日本作家しか読まないので目新しい読書体験でした。
日本ではねじまき少女のあとに発売された第六ポンプの方が、執筆順は反対だったみたいなので、先に読んでおけばよかったかと思いました。
下巻どうなるかすごく楽しみです。 -
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2025年ヒューゴ賞中長編小説部門受賞作。中長編なので、比較的コンパクトだがインパクト抜群である。
2要素を組み合わせた近未来SF。要素の1つはマンモスの復活。もう1つは意識のデジタル移植である。
1つ目のマンモス復活は、実際、何年も前から試みられてきている。さて、実際に成功するかというと、そう簡単ではないし、そう近い将来でもないだろう。しかし、遺伝子工学の進歩で実現できる可能性はある。
2つ目の意識のデジタル移植、アップロードについても研究は進められている(cf:毎日新聞2022年2月22日(有料記事:無料で途中まで読める))。なるほど回路については同様のものを人工に作ることは可能だろうが -
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食人族の恐怖を描いた『オフ・シーズン』『襲撃者の夜』に続く続編的な内容。
ハンティングに出かけた弁護士のクリスが半裸の女(ザ・ウーマン=食人族)を見つけ、自宅の倉庫に手足を拘束して監禁。自分の家族も巻き込んで、ウーマンを家畜のように飼育し始める。レイプはするわ、暴力は振るうわ、やりたい放題だったが、もちろんウーマンの反撃を食らうことになり…。
3作目にして初めて、食人族に肩入れしてしまった。それほど、クリスと息子のゲスでクズっぶりが酷かった。
後日談を描いた「カウ」も収録。こちらの結末はおぞましいの一言。こんな状況になったら、男としての自信、いや人間としての誇りを失いますね。 -
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野生の象が絶滅した未来、シベリアでは遺伝子工学で復活したマンモスたちがいた。そこに象の保護に尽力したダミラの意識を一頭のマンモスに転送する。マンモスは保護区で生活しているが初期飼育は人間の手によってであり、野生では脆弱だった。そこで象ではあるが野生の生態を知っているダミラの意識を転送したのだ。しかもダミラが死んだのは1世紀前なのだ・・
これは、ジュラシックパークばりの手に汗握る展開なのか、と思いきやとても静かな人間の、生物の、生き延びる、子孫を残す、ということに対する哲学的ともいえる内容だった。
ダミラは群れの頭となって群れを先導する。
また、ひとひねりある矛盾なのだが、マンモス保護区の維 -
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ネタバレジャック・ケッチャム著、金子浩訳、『地下室の箱』のレビューです。
むかし読んだ『隣の家の少女』よりもマイルドな(といっても普通にエグい)内容でした。
被害者は40代前半の美しい女性、サラ・フォスター。不倫相手との子供を堕ろそうと病院に向かっている途中に拉致されます。
モデルというか着想を得た事件があるようで、「箱」が特徴的に使われます。
しかし、原題はRight To Lifeみたいですが、邦訳タイトルは何とかならなかったのでしょうかね。
―サラが徐々に壊れていくさまを想像した。時間がかかるのはわかっていたが、だからこそやりがいがあるのだった。なぜなら、いちばんおもしろいのは壊れるまでの過程 -
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上下巻まとめての感想。
タイの首都バンコクを舞台にした近未来ディストピア小説。
最初は少し世界に入り込むのに時間がかかったけど、この世界に慣れてくるとだんだん面白くなっていった。
ディストピア小説でありながら、政治劇であり、尚且つ複数の登場人物を描いた群像劇でもある。
国家規模の物語と、個人の物語が同時に描かれていて、はっきりした悪人や善人がいるわけでもなく、それぞれがそれぞれの目的のために行動しているのが面白い。
最終的にそれらの人物が一つに集結する感じもワクワクした。
そして、なんと言っても人工生命でタイトルにもなっているねじまき少女の存在が良いアクセントになっている。
ブレ -
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ネタバレバチカルビという名前、舞台がタイ、ヒューゴー・ネビュラ受賞、バイオSFと聴いて、「ひょっとしてアド・バード的なSFか?」と思い手に取ってみた。半分正解といったところだった。
水位上昇で沿岸核都市が水没している近未来、石炭石油は枯渇してゼンマイが主力のエネルギーとなっている。遺伝子操作の動植物や人造人間が闊歩している、魑魅魍魎なタイの都市の政変劇を複数視点で描く。
主人公の一人、秘書型アンドロイドが表題の「ねじまき。少女」のエミコ。
環境省直属のパトロール隊「白シャツ隊」の副隊長で笑わない女カニヤ。
この二人の後半の活躍が、この物語の核心読ませ処。
正直、前半は世界観を把握するのに時間がか -
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家族や人間の繋がりを奇怪な世界観で描く! ホラーの巨匠、ジャック・ケッチャムの短篇集 #冬の子
■きっと読みたくなるレビュー
ホラー作家、ジャック・ケッチャムの短編集です。恐怖で震えあがるって作品というより、じわっと心に沁み広がっていくような作品ばかり。
奇怪な世界観を背景にはしているものの、描かれているのは家族や人間の繋がり。全部で19編、読みやすく日本人好みのお話でバラエティに富んでます。余韻深くジーンとする作品もあれば、切れ味が鋭くスパっと突き放される作品もある。きっと最後まで読み飽きずに楽しめると思いますよ!
■おすすめ作品
○冬の子
山奥の村、父と二人暮らしの僕、ある日見知らぬ -
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ゾクっとするホラーではない。
非現実的というわけではなく、日常の延長にありそうな、ちょっと嫌な感じ。
とくに好きだったのは、最後の「炎の舞」。
森の中でいろいろな動物たちが弱肉強食の摂理に反し、焚き火を囲んで輪になって踊っている。
恐怖を抱いた男たちが銃に弾を装填するけれど、子どもと女たちが輪に加わって踊り出す。
やがて、男たちも諦めたように輪に加わる。
原始の人間がそうしたように。
動物たちは、火を受け入れ、互いを受け入れ、踊る。
新たな自然の始まり。
人間が特別だった自然の終わり。
これが、平和な王国なんだと、はっきり言えない。
ここからどんな自然が始まるのか。
火の破壊性になぐさみを感じ -
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