金子浩のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ありゃりゃ。ジャック・ケッチャムとラッキー・マッキーのコンビでイヤミスに走ったのか。『ザ・ウーマン』の出来が非常に良かっただけに期待を大きく裏切られた。ケッチャムの序文に寄れば、映画化を前提とした短編であるようだ。
表題作の『わたしはサムじゃない』と『リリーってだれ?』の二つの短編で一つの作品となっている。『わたしはサムじゃない』の解決編が『リリーってだれ?』である。幸せな結婚生活を送るパトリックとサムが見舞われた悲劇。或る日、突然、妻の検死医・サムがリリーと名乗る幼い少女になってしまう…
物語の冒頭に妻のサムがスティーヴン・バックマンを解剖するくだりがあるのだが、もしかしたら、スティーヴ -
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Posted by ブクログ
ネタバレ前巻のラストもキツい展開だったけれど、物語はさらに鬱々してきて最終的にかなり疲労感を覚える読書となった。
ジェイディーと対話するカニヤの姿の痛ましさ。
虐げられ続けてきたエミコの暴発。
大きな不運と少しの幸運に振り回されるホク・セン。
図らずも急転直下の事件の引き金を引いた形になってしまったアンダースンの失敗。
…それぞれの行動が一気に絡み合いながら迎えた大流血の惨事。
決してバッドエンドではないのだろうけど、結局最後の勝者となるのは新人類であることが示唆されていて、何とも言えない気分になる。
この過酷な世界を生きる上では当たり前なのだろうけど、登場人物たちはかなり即物的な生き方を強いられ -
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Posted by ブクログ
「オリバーストーンが語る…」全三巻を読み通した。
第一次世界大戦から始まる二十世紀=戦争の世紀から二十一世紀のオバマ政権まで、世界においてアメリカの果たした役割でありながら、アメリカ国内における歴史認識とはいささか異なる面を語る。
日本人にとってわかりやすいのは、ヒロシマ、ナガサキの原爆投下の話だろう。現在のアメリカの一般的な歴史認識では、百万人以上の死傷者を生んだであろう言われる日本本土決戦を回避するために必須であったとされる事が多い。しかし、実際に当時のアメリカ、トルーマン政権は日本は既に戦争継続の国力を欠いており、ソ連へ終戦交渉を始めている事知っていながら、戦後の冷戦時代を見越して、ソ -
Posted by ブクログ
インターネットの物理的な場所を辿ったルポ。
IXから、光ケーブル、データセンターまで、自分は仕事上ある程度は意識しているが、たぶん多くの人はインターネットを使っていてもほとんど意識をしないインターネットのその「場所」とさらには歴史的な意味での「時間」をその足で世界中訪ねている。
面白かったかと言われると何とも言えない。分かるが、何を読ませようとしているのかが伝わってこないんだ。せっかくいい題材に目を付けたっぽいんだけれど。
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ロンドンのテレハウスが「ヒースロー空港のインターネットビル版」とまで言われているとこの本で紹介されているのは驚いた。KDDIが1990年に開設した、と書かれ -
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Posted by ブクログ
インターネットを機能させている通信線や光ファイバー、ルーター、大小のネットワーク接続ポイント、海底ケーブル、データセンターといったインターネットの物理インフラを見たいと思い立ち、世界中を旅した著者のルポ。
ある事件を機に、著者は、自宅のパソコンやモバイル機器がインターネットに「つながっている」ことを実感し、実際に、どこでどうつながっているのか、そもそも、インターネットの実態は何かを調べ始める。社会の重要なインフラとなったインターネットは、セキュリティの関係から秘密ばかりかと思いきや、案外オープンで、著者は、高性能の通信機器や光ファイバーだらけの施設を見て歩き、それを本書で報告しつつ、その歴史に -
Posted by 読むコレ
前評判から分かっていたので、胸の奥が刺し込まれるような
痛さが終始付き纏う、読みながら本気で辛くなる作品でした。
分かっていて読んでるので、仕方ないですが、まさか
ここまで....とは。ここまで読み途中でシンドくなる作品は
過去に出会ったことないかも。
なのに、最後まで読んでしまうのは、自分もこの
語り手である「デイヴィッド」同様に残酷な傍観者に
なりうる可能性が充分にあるから...なのか?
内容やあらすじを書こうとするだけで、辛くなるので
書けませんが...決して人に「是非!」と勧める作品ではなく、
人間の残酷さ、狂気、そして子供といえども、こういった
部分を支配下 -
Posted by 読むコレ
自分にとってケッチャム作品はこれが2作目。
構えていたよりも鬼畜度は抑え目で、どちらかと
いうと人間の内面がジワジワと崩壊していく様を
かなり冷淡に根気強く描いた、ある意味陰湿な
作品のような気がします。
もともとイカれていた? 主人公の「レイ」のある夏の
殺人事件の冒頭から入る今作ですが、そもそも、
その「レイ」が人格破綻者に至る経緯も一切なく
どこの都市にも普通にこういったヤツは普通に
暮らしているんだぜ...的な描き方が恐い。
鬱屈して行き場のない若者の苛立ち。
その冒頭の事件の犯人である「レイ」にたどり着きながらも
決定的な証拠を挙げれずに放置させている -
Posted by ブクログ
前作の「オフシーズン」、結構ケチョンケチョンな感じの感想を書いてしまいましたので
続編はさらに「2冊まとめて買って失敗したか」と思いながら
期待せずに読んだのですが、ハードルを下げまくったせいか、
ストーリーというか登場人物のキャラクターが前作より生きていたせいか
こっちの方が良いかも~、と感じました。
続編でガッカリさせられるパターンの方が多い気がするので
そこは得した気分というか・・やはりハードルの調節の問題でしょうかね。
前作と比べて、生き残り率が高いし、「爽やかエンド」と言っても良いので
ひたすら鬱々を希望して読むと「そんな都合の良い話あるかー」と
感じるかもしれませんが、私としては、