【感想・ネタバレ】絶滅の牙のレビュー

あらすじ

近未来。野生の象は絶滅し、シベリアには遺伝子工学で復活したマンモスの保護区が創設されていた。かつて象を保護する生物学者だったダミラは死後一世紀を経て、その意識を一頭のマンモスに転送し、群れを率いる存在となる。一方、保護区には、マンモスを狙う密猟者の息子で広い世界を夢見る少年スヴャトスラフや、大金を積んで合法的にマンモス狩りの権利を得た富豪の夫で、狩りに疑問を覚えるウラジーミルらが集まりつつあった――大自然と人間の相剋をSFならではの視点で描ききった俊英のヒューゴー賞受賞、ネビュラ賞・ローカス賞候補作。/解説=勝山海百合

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Posted by ブクログ

マンモスに一世紀前にバックアップした象の専門家の意識をダウンロードするSF物語。
さくっと読めるSFなので初心者にもオススメです。
特に矛盾点もなくしっかりと最初と最後で伏線も回収されており読みやすい物語でした。

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2025年12月20日

Posted by ブクログ

2025年ヒューゴ賞中長編小説部門受賞作。中長編なので、比較的コンパクトだがインパクト抜群である。

2要素を組み合わせた近未来SF。要素の1つはマンモスの復活。もう1つは意識のデジタル移植である。
1つ目のマンモス復活は、実際、何年も前から試みられてきている。さて、実際に成功するかというと、そう簡単ではないし、そう近い将来でもないだろう。しかし、遺伝子工学の進歩で実現できる可能性はある。
2つ目の意識のデジタル移植、アップロードについても研究は進められている(cf:毎日新聞2022年2月22日(有料記事:無料で途中まで読める))。なるほど回路については同様のものを人工に作ることは可能だろうが、意識が連続して続くかというと個人的には疑わしいと思っている。が、まぁここは続くものと仮定する。
本作の卓越した点は、2つの組み合わせ方にある。
象の研究・保護にあたってきた生物学者ダミラが密猟者に殺される。しかし彼女の意識はデジタル保存されていた。その意識が、1世紀の時を経て、復活したマンモスに移植される。象について深い造詣を持つ彼女ならば、マンモスの群れが生き延びるよう導くことができるだろう、というのだ。
彼女が守ろうとしていた象は、人間の密猟により、とうに絶滅してしまった。
復活したマンモスは生き延びるための群れの記憶を持っていない。ダミラの知識はきっと群れをよい方向に導いてくれるだろう。

さて、どうなるのか、といえば、ダミラは最善を尽くし、確かに成果もあげるのだ。
だが、1世紀を経てもなお、人間の身勝手さは変わってはいなかった。
復活したマンモスを狙う狩猟愛好家、汚れた金であったとしても資金が欲しい動物保護研究者。さまざまな思惑が絡み合い、マンモス・ダミラは決然と立ち上がる。

設定は奇抜ではあるが、しかしこの物語には強烈な説得力がある。
ラストは希望も感じさせるが、どことなく哀しい。復活したマンモスがどこへともなく去っていく。その後ろ姿が余韻を残す。

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2026年03月09日

Posted by ブクログ

野生の象が絶滅した未来、シベリアでは遺伝子工学で復活したマンモスたちがいた。そこに象の保護に尽力したダミラの意識を一頭のマンモスに転送する。マンモスは保護区で生活しているが初期飼育は人間の手によってであり、野生では脆弱だった。そこで象ではあるが野生の生態を知っているダミラの意識を転送したのだ。しかもダミラが死んだのは1世紀前なのだ・・

これは、ジュラシックパークばりの手に汗握る展開なのか、と思いきやとても静かな人間の、生物の、生き延びる、子孫を残す、ということに対する哲学的ともいえる内容だった。

ダミラは群れの頭となって群れを先導する。
また、ひとひねりある矛盾なのだが、マンモス保護区の維持にはお金がかかる。そこで莫大なお金を払ってハンティングする権利を売っている。

ダミラたち復活マンモス、マンモスハンター、密猟者、の三方向から、種の維持、ハンティングビジネス、密漁といった人間の飽くなき業を描く。密猟者を父として育った少年に希望をもたせる終わり方がいい。

原題:The Tusks of Extinction 絶滅の牙
ヒューゴ賞ノヴェラ部門受賞

著者のレイ・ネイラーは1976生まれ。カナダ・ケベック州うまれアメリカ・カリフォルニア州育ち。ロンドン大学東洋アフリカ研究学院で国際外交楽の修士号を取得。ロシアなど世界各地で外交や平和維持活動、国際開発援助に携わった。

象の密漁の実態を知って、この本を書いたということだ。

2024発表
2025.10.10初版

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2025年11月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

象のとある学者が意識のバックアップをする。
→遺伝子工学で復活したマンモスにアップロードされる。
どういう存在になるのか、想像し難かったです。とはいってもSFというジャンルの割にはさらっと読めました。人間の心理も興味深いかたちで描写されています。

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2026年01月15日

Posted by ブクログ

マンモスを蘇らせその一頭に人の意識を移植して…という設定にくらわされて読み始めた。
内容としてはまずまず。
密猟と種の絶滅の問題について考えさせられる物語について考えさせられる物語。

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2026年01月12日

Posted by ブクログ

遺伝子工学で復活させたマンモスを進化させて象を作る??
群れの維持のためにリーダーの象に象学者の意識を移植する??
保護区の維持のため金持ちに資金提供を求めてマンモス狩りをさせる??

う~ん 不思議な世界観の物語でした

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2025年12月11日

Posted by ブクログ

①象を保護する生物学者の意識をアップロードする
②遺伝子工学でマンモスを復活する
③生物学者の死後、①を一頭のマンモスにダウンロードする
発想が面白い。でも、内容は思想が強めで、SFを楽しもうと手に取った自分にはちょっときつかった。

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2025年12月10日

Posted by ブクログ

SF。中編。
"遺伝子工学で復活したマンモスに、人間の意識をデジタル移植"という設定が素晴らしい。
が、ストーリーは正直あまり好きではなかった。
主人公ダミラの視点は面白いが、象牙ハンターや大富豪一行の視点には魅力を感じず。
個人的には、マンモスたちの生活の描写をもっと見たかった
科学者が象を救うために設計したすべての技術が、最終的に象を滅ぼした、という話が興味深い。
自然や動物の保護について、考えさせられる一冊。

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2025年11月09日

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