誉田哲也のレビュー一覧

  • 月光

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    久しぶりの誉田作品。なかなかに情欲的だった!
    結果は最初から見えているものの、面白く読めたのは、人物設定の深さや、文章の軽快さと奥深さのバランス故だろう。
    大人気ない白々しさを抱えながらも、問題に真面目に向き合おうとしていた羽田(音楽教師)の心の揺れや、菅井(姉を事故で殺害)の若さゆえの考えの甘さや暴力性、好意を自分でも認めないわがままさ、その中にある純粋な部分。読み応えがあった。
    女性ウケはあまりよくなさそうだが、面白かった。

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    2024年05月21日
  • Jミステリー2024~SPRING~

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    光文社文庫編集部・編『Jミステリー 2024 SPRING』光文社文庫。

    第5弾となる人気ミステリー作家たちの新作書下ろし短編6編を収録した贅沢なアンソロジー。

    本体価格1,200円ということは6編収録だから1編200円に相当するが、書下ろしであれば妥当なところだろう。誉田哲也、五十嵐律人、真梨幸子と素晴らしい短編が並び、1編200円も破格ではないかと思ったのだが、青柳碧人、五十嵐貴久、澤村伊智と駄作と凡作が続き、前半と後半の余りの格差に驚いた。

    誉田哲也『心のお話』。姫川玲子シリーズの最新作。『ドルチェ』で主役を務めた魚住久江が姫川の部下として登場する。この短編の山場での姫川のLGBTに対する発言は当にその通りだと溜飲を下げた。中野の複合商業施設の女性更衣室で22歳の焼肉店の女性店長が刺殺体で発見される。監視カメラの映像からあっさりと容疑者は特定されるが、姫川は監視カメラに写っていた事件とは無関係の男性に目を付ける。★★★★★

    五十嵐律人『千鳥の契り』。実は五十嵐律人の文庫本を3冊ほど積んでいる。面白いという評判なので購入したものの、初読み作家というと躊躇してしまうのだ。本短編が読み始める切っ掛けになると良いのだが。と思いながら、本作の著者紹介を読むと、我が生まれ故郷の岩手県盛岡市出身ではないか。今の今まで知らなかった。さて本短編。まさかの展開に息を飲む。五十嵐律人、なかなかやるじゃないか。10年以上一緒に暮らす夫の哲治に不倫の疑念を感じた古浦仁美は偶然投函されていたチラシの浮気・不倫調査専門の千鳥探偵事務所に調査を依頼する。事務所に出向いた仁美に対応したのは、弁護士兼探偵の肩書を持つ千鳥暁。30万円という破格の成功報酬の代わりに千鳥は仁美に探偵の助手を務めて欲しいと依頼して来た。★★★★★

    真梨幸子『インクリボン』。ワープロ用の熱転写式インクリボンとは懐かしい。超弩級の詐欺のカモリストを印字したインクリボンを売却して大金を手に入れようとする女性。それに今流行りの頂き女子が絡むという昭和と令和をつなぐミステリー。最後の最後に真梨幸子らしいオチがある。★★★★★

    青柳碧人『空白の女』。ここまでの3作全てが面白かったのに4作目にしてズッコケた。余りにも面白くない。マンションのベランダで発見された女性の絞殺死体。事件を捜査する2人の刑事。★

    五十嵐貴久『THE KIDNAPPING』。五十嵐貴久にしてはキレの無い短編。ミステリーを描こうとしたのか、感動話を描こうとしたのか。6日後に選挙を控える政治家の幼い娘が誘拐され、犯人から五千万円が要求される。★★★

    澤村伊智『わたしの最後のホラーミステリ』。これもまた面白くない。心霊探偵は一瞬で相武紗季の真似だと思ったら、その通りだし。自身をモデルにしたような作家が登場したりとシッチャカメッチャカ。★★

    本体価格1,200円
    ★★★★

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    2024年05月19日
  • 主よ、永遠の休息を

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    ネタバレ

    重い内容。
    終盤にかけては、謎がどんどん明かされていって救いがなくなっていく感じがなんとも言えませんでした。
    子持ちの親が読むにはかなりしんどいです。

    救われて欲しい、救いがあってほしいと思うけれど、どんな事をしても被害者が救われるなんてないんだなと思いました。

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    2024年05月18日
  • 武士道エイティーン

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    今年ベストになりそう
    2人の章に加え今回は4人の章が入ってる、これが邪魔してない、そして粋な計らい、待ちに待ったインハイ、頂き、最高潮‼︎かっこよすぎかよ‼︎‼︎スタンディングオベーションよ
    私の中の熱が若干冷めて行こうとしていた…
    ほぅそうだったのね‼︎ポロッ
    唐辛子‼︎ポロッ
    尊いラスト
    他の作品を読んだことないから読書家さんからしたら推理小説の方が有名なんだろう、解説の有川浩氏のように飼ってると私も思ったw
    言葉遣い、試合運び、揺るがない姿勢、成長全部が熱い
    もし中学の時読んでたら良いも悪いも違う人生だっただろう

    好きなフレーズ引用
    緑子の気持ちくらい、俺、全部分かるよ
    その二人が約束の地で再び相見える…俺はただ、その場所ば見たかだけたい
    武運長久を祈る
    早苗は…磯山のこと応援しても…よかよ
    にわかに磯山さんにやられた被害者集団状態
    守破離
    あの唐辛子系の熱はシュワーッとくすぐったい波になって顔の方に舞い上がってきた
    すべての道はこの武士道に通じている

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    2024年04月24日
  • ヒトリシズカ

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    犯罪を繰り返す美少女が連作短編の形で描かれる。悪女である。『白夜行』の雪穂や『嗤う淑女』の美智留を思いだした。最後はもの悲しい『ヒトリシズカ』である。

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    2024年04月24日
  • 妖(あやかし)の華

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    作品順じゃなくて、掟に続いて時系列で読んだ2作目。いつもそうだけど、誉田哲也さんの作品読むときには、落語のごとく頭の中に描写が映像みたいに浮かぶんだけど、このシリーズは、いつものようにしすぎると吐きそうになるくらいは描写がエグい。けど、裏切られる話の運びで、読み進めるのが止まんない

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    2024年04月21日
  • Jミステリー2024~SPRING~

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    2024.04.21
    読み比べができることがよい。
    誉田哲也の姫川玲子の新作はうれしい。
    五十嵐貴久は昔からからファン。

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    2024年04月21日
  • 武士道セブンティーン

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    2作目
    あれから磯山編と早苗編の話はなくなってしまうのかと思われたが続きでよかった
    別々の学校になりいろいろな思いもあり、やっと再会よ、もおー尊くて鼻ツン
    どちらかと言うと自分もスポーツ枠として剣道やってたしそー思ってたけど武士の延長線枠かあ(通りで弱かったわけ)
    2人の再戦、因縁の再戦、待ってたがなるほど次のインハイ…焦らされた…
    自分を信じてこれからも真っ直ぐ進んでほしい

    好きなフレーズ引用
    なぁーにが羨ましいものか
    照れ臭そうに彼女はそう呟いた
    あなたに会えるのを励みにしたかったから、そうしたらがんばれると思ったから…
    武者の生業は戦うこと。武士の生業は戦いを収めることだ
    分かるだろお前ならそれくらい。なあしっかりしてくれよ早苗ッ
    うーむ どうも他人とは思えない武勇伝の持ち主である

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    2024年04月20日
  • 幸せの条件 新装版

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    自分を必要としてくれる人や場所があることがいかに尊いかを実感させられた。
    自分を必要としてくれる環境は今後も大事にしていきたいし、自分が必要としている人はさらに応援してあげたいと思った。

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    2024年04月18日
  • ノワール 硝子の太陽

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    ネタバレ

    ジウサーガ第6弾。姫野やガンテツと言った他作品の人気キャラも織り交ぜて、位置付けとしては娯楽テイストを高めた感じですね。ただ主要キャラクターをあっさり退場させてしまうあたり、いかにも誉田テイストという感じはするけれど。ジウから読み進めてる立場としては、娯楽の部分がガッツリ引っ掛かって、非常に楽しめました。

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    2024年04月14日
  • 増山超能力師大戦争

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    増山超能力事務所の続編
    今回は短編集ではなく、全体がまとまった一つの話になっている
    この本が示唆する一番怖いこと
    それは、人間は自分の自由意思で動いて生きていると錯覚しているが、もしかしたら他者のコントロールの基に動いているのではないか?
    ということ
    もしそうだったとしたら、とっても怖いと思いませんか?
    次回作も読んでみたいですね。

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    2024年03月31日
  • ノーマンズランド

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    いやー。
    痺れますねぇ。姫川玲子シリーズは大好物ですよ。全てが繋がって行く様が素晴らしいです。ストロベリーナイトから読み返そうかと思うくらいです。

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    2024年03月25日
  • ルージュ~硝子の太陽~

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    姫川玲子シリーズ第8弾。 
    強い正義感と直観力の主人公はある意味私の
    憧れに近いものがあります。男性社会でも
    自分の信念を通せるタフさ そして決して
    孤高な人ではなく 同僚もだんだんと姫川玲子を
    理解し 協力していくさまがこのシリーズの
    魅力だと思います。殺人事件の描写などは
    なかなかキツい時もありますが それよりも
    主人公の潔さに引き込まれます。

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    2024年03月25日
  • 武士道エイティーン

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    ネタバレ

    【自分の子供の成長をみているように、主人公達の高校最後の1年を見守れた】

    有川浩が解説に書いているように、2人の主人公の性格を嫌らしくなく描ききる作者のキャラクター力はただごとではない。

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    2024年03月14日
  • 妖の掟

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    過去の感想を読み返してみたら一作目は可もなく不可もない印象だったようですが、本書は面白い。生意気なコメントながら17年間でそれだけ誉田氏が成熟されたのかも。
    闇神と人間が共存する日常や、長生きならではの時代感覚など、細かな描写や会話がちゃんと作り込まれていて、もし自分がこんな場面に遭遇したらどんな反応をするだろうか。
    最後は少し展開を急ぎ過ぎた印象ですが、既に前日譚が上梓されているので文庫化されるのを楽しみにしています。

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    2024年03月04日
  • Qros(キュロス)の女

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    芸能事務所スマッシング・カンパニーに勤務する、極々普通の女の子 市瀬真澄
    彼女は、タレントでもモデルでも無い、ましてや有名になる事すら望んでいない。
    そんな内勤の彼女が、スポット的に所属タレントの撮影現場にマネージャーとして(人手不足による兼務)に同行してしまったが為に・・・
    あれよあれよという間に、ファストファッションブランド『Qros(キュロス)』の最新CMに出演してしまい、運良く(本人にとっては運悪く)好評を博し、謎の『Qrosの女』として、テレビや週刊誌で取り沙汰される様になってしまう。
    更に、ネットでは、プライベートを晒され、誹謗中傷とも取れる書き込みも増え始め、真澄は外出も躊躇われる程の精神的苦痛を受ける。
    当初、取材対象としての興味で調べ始めた芸能記者、栗山孝治は真澄を助けるはめになっていくのだか・・・

    この物語は、人間が人間に興味を持つという本能に根ざし、知りたいという強い欲望と知られたいという自己顕示欲、承認欲求への飢餓を登場人物を通して、自画像の如く見せてくれているのでは無いかと思います。(解説より引用)

    どんな物語を書いてもページ・ターナーとして、リーダビリティを遺憾無く発揮する誉田哲也氏。

    誉田哲也氏の作品は、毎回楽しく読ませて貰います。(楽しく読ませられている?)

    今回も時系列を並べ替えたり、視点人物を変えながらその人物像をあぶり出し、矢口(栗山の後輩記者)、保子(矢口の彼女?)志穂(栗山の妹)をコミック・リリーフとして要所、要所に配置して飽きのこない良作に仕立てあげてくださいました。

    最後に昨今のネット社会の弊害でもある、誹謗中傷や無責任な書き込みによる精神的な暴力について、自身を鑑み、考えさせてくれる作品だと思います。

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    2024年02月18日
  • ヒトリシズカ

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    女はいつでも大人になれる
    つくづくそう感じる事を再認識させられる内容だった。先にカンボジアの少女が売春宿に売られ、その後今度はそんな少女らを救うボランティア活動に営む人の本を読んでも思ったが男は心の底からクズだなぁと感じずにはいられない。誉田さんは癖のある登場人物を描かせたら天才だなぁ。
    グイグイ引き寄せられて一気読み出来ました。

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    2024年02月11日
  • 武士道セブンティーン

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    青春〜。
    私もこんな剣友、欲しかった。
    今回は早苗が悩み、香織が支える、と言った感じで友情がさらに熱くなっている。
    同じ学校ではないのに、交流する時間は激減してるはずなのに、毎日ベタベタ会ってやり過ごしてる同世代の女子たちとは比べものにならないくらい、つながりあってる。
    そして、シックスティーンより香織は地に足をつけ始めた武士道になっていて、早苗は香織からの刺激を受けてか、以前よりも武士道にずぶりと浸かり始めてて、、、。
    競技(スポーツ)としての剣道ではなく、「道」としての剣道っ、て感じが強く感じる話だった。

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    2024年02月02日
  • ヒトリシズカ

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    バラバラな殺人事件がパズルのように繋がっていく構成が面白かった!
    育った環境と大人が悪いのだけれど、それを踏まえても巧妙で残酷と思い読み進めると...終盤で明かされる素顔。
    読後題名を見ると切ないな。

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    2024年02月01日
  • 新装版 ジウIII 新世界秩序

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    読み終わった!と達成感。笑
    Ⅲは、サクサク読めて、展開も良く良かった。
    登場人物が多いのでおっと?これは誰だっけ?笑
    となることもあったが、とても楽しく読めた。

    続き感もあるのも良かったし
    まだシリーズは続きそうなのでそちらも読みたい。

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    2024年01月27日