あらすじ
会社役員刺殺事件を追う姫川玲子に、ガンテツこと勝俣警部補が15年前の事件を語り始める。刺された会社役員は薬害を蔓延させた元厚生官僚で、その息子もかつて殺害されていたというのだ。さらに、元刑事の倉田と姫川の元部下・葉山が関わった事案も、被害者は官僚――。バラバラに見えた事件が一つに繋がるとき、戦慄の真相が立ち現れる! シリーズ最大の問題作。
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Posted by ブクログ
姫川玲子シリーズ読んだ時の感想に、「ガンテツ主人公のスピンオフあったら良いのに」的な感想書いたんですが、ありましたね(汗
やっぱり、ガンテツ最高です。
ただのスピンオフではなく、短編スピンオフと思わせつつ最終章でそれまでの章をまとめるという内容。
楽しませて頂きました。
Posted by ブクログ
ん?倉田修二…本棚からシンメトリーを取り出しリンクしてるのを確認して読み始めた。事件を描くのに短編は物足りないかと思いきややはりテンポとリアリティにひきこまれてしまう。姫川玲子シリーズ読破はもう少し。久々にシリーズものにハマった気がする。
Posted by ブクログ
audiobookで聴了。
ガンテツこと勝俣が元官僚殺しを追う話。
絶対に正義だとか善人とは言えない警官が面白い。最初は短編かと思ったが、最後に全てが繋がって…
最後の姫川からの電話は笑った。
Posted by ブクログ
姫川シリーズ第5弾。今作はスピンオフということで、勝俣、倉田、葉山がメインのお話でした。テーマは「官僚殺し」。ですが、息子や恋人と向き合いきれなかった後悔や恨みが動機のように思います。個人的には今まであまり印象のなかった葉山の熱い一面が見れたこと、気になっていた倉田のその後が知れたことが良かった点でした。
Posted by ブクログ
読む順番間違えて、ソウルゲイジの後に読んでしまった・・・
あとがきを読んだら、シンメトリーの続編と書いてあり。
忘れないうちにシンメトリーとインビジブルレインを読まないと。
公務員に関しては思うところたっぷりなので、もっとやれー!!って思っちゃった。
Posted by ブクログ
勝俣ことガンテツがややメインの今作。
姫川玲子の登場が少なめなのでやや物足りない。
『シンメトリー』の倉田や部下の葉山も物語に関わっていて本当にパズルのピースがハマっていく感じ。
ネットが発展している今なら有り得ない話ではないなと思う。
特命班の西島、竹内、武田はキャストの西島秀俊、竹内結子、武田鉄矢から来てるのかな?
⚪登場人物
・未希
勝俣の一人娘。
・長塚淳
大手製薬会社「濱中薬品」の社員。何者かに襲われ失血死。
・長塚利一
淳の父。厚生省保健医療局長。後に労災施設事業団に天下る。
・ケイコ、森尾敬子
淳の彼女。淳と同じ東大卒。22歳。
・鈴木良江
家政婦。
・岩田
警部補。
・篠木忠晴、菊地憲二、住吉明
非加熱製剤が原因で死去。
・大友麻由
非加熱製剤による感染症をきっかけに自殺。
・大友慎治
57歳。一人娘の麻由を亡くす。淳殺害の容疑者。その後くも膜下出血で獄中死。
・志村晴彦
非加熱製剤によるウイルス感染に関わっていたため逮捕される。
・倉田修二
『シンメトリー』のすぎた正義で登場。息子の英樹が嶋田彩香を殺したあと嶋田彩香の父親に妻を殺される。吾妻照夫、大場武志を殺す。
・英樹
修二の息子。18歳。嶋田彩香を殺害した容疑で逮捕される。出所後自殺する。
・嶋田彩香
英樹の交際相手。
・嶋田勝也
彩香の父。修二の妻を殺害する。
・石澤琢斗
勝也が務める会社の社長の息子。
・野中紗枝子
34歳。旅行代理店勤務。松井の愛人。
・松井武弘
45歳。外務省経済局勤務。川上の痴漢騒動を計画する。
・井原基樹
37歳。争う声を聞き付けた通行人。
・タナカイチロウ
紗枝子への送金主。
・川上紀之
36歳。元新聞記者。痴漢を行い依願退職。野中紗枝子に強制わいせつで訴えられる。後に修二に松井の入院している病室を教えてもらい滅多刺しにして殺す。
・谷川千尋
大学生。
・谷川正継
千尋の祖父。辰夫に殴られる。一時期『年金のゴッドファーザー』などと呼ばれていた。厚生省の年金局年金課長を務めていた。今は社会福祉医療機構の理事長。後に自殺。
・堀井辰夫
三軒茶屋将棋サロンで正継と顔見知りになる。妻をてんかんの発作による溺死で亡くす、
・堀井隆仁
辰夫の息子。
・杉村
辰夫が当時務めていた工場の社長。
・ケンジ
・水島三郎
強行犯捜査係統括係長警部補。
・加納裕道
25歳。公平を刃物で切り付ける。
・中谷公平
70歳。元郵政省の官僚。
・岡田芳巳
元農林省。
・岡田晃一
芳巳の息子。妻に貴子。
・増谷
総務経理課。
・辰巳圭一
コンピュータ絡みの違法捜査を行う。
・高島平
圭一を殺す。
・安藤斗真 「新野」
辰巳圭一の代わり。
・イーリン
・志田昌之
長塚利一殺害の容疑者。
・辻内眞人
サイト管理者。
学習塾の講師。
Posted by ブクログ
姫川玲子シリーズで姫川玲子はちょっとしか出てこない。
倉田修二、出てきたよね?短編の「シンメトリー」だけど、あの時のこの結末てあったっけ?と、繋がりが出てきて、確認したくなった。
ガンテツにおどおどしなくて渡り合える葉山。大人になったなぁ。
Posted by ブクログ
”がんてつ”のスピンオフ小説かと思って読んだら第一話しか出てこない。相変わらず心の声が酷すぎるのが好きなキャラクターだけに残念だ、と思っていたら最終話でまた出てくる、刑事ものの人情短編集かと思いきや、ああ、これ一連の話だったんだってようやく気付く。
これら仕込みを終えて本編(最終話)に入る作り方はさすがだ、しっかり姫川もちょろちょろ出てくるし笑
日本の官僚の酷さは今に始まったことじゃないし、それを言い出すと太古から天皇、将軍の臣下なんて魑魅魍魎の世界だったんだから今更潔白執行なんてできるはずもないし、親から子へ、子から孫へ悪銭は受け継がれるし、神も仏もいないんだから悪行で罰が当たることもない、むしろ善人のほうが苦行を負わされ早死にするのが常なんだから。そんな憂いの中、国民のヒーローなるべく官僚殺し、ここでは天誅と言っておこうか笑、が登場したんじゃ国民も沸くわな、しかもそれが掲示板にターゲットとなるべく官僚の情報が克明に晒されているんだから殺りたい奴にとってはまさに神の啓示よろしくだ。そんな薄寒い情報社会を相手に刑事が奔走する様はかっこよくもあり滑稽でもある。そう、警察は常にヒーローではないからだ。地方公務員の警察官にはささやかな恩恵しか当たらないが、国家公務員の警察官は天下り、渡りが約束されている、そう官僚と同じだからむしろ守らねばならない、自分の未来のポストのためにも。そんな上司の下で働く警察官にいかほどの力があろうか?それを姫川、がんてつが活躍するからこのシリーズは痛快で面白い。しばらく姫川シリーズを寝かしていたけどまた読みたくなったな。
Posted by ブクログ
姫川玲子シリーズですが それぞれ違った3人の刑事が主人公になっている短編が 最後の中編では
点と線が絡み合うように 3人同時に登場して
解決への糸口を見つけ出します。このシリーズは
いつも現代社会の不条理が底辺にあると思います。
今回は国家公務員への許し難い怒りです。
裏金 天下り 必要のない公共工事…そのどれもが
もしかしたら これが今の日本なのか⁉︎とも
でも そういう暗い部分もありながら
今回も一気読みでした。誉田哲也さんの
違うシリーズも読んでみようと思ってます。
Posted by ブクログ
「ヴィンチェンツォ」っていう韓ドラで、悪は強力で正義は弱すぎる。だからこっちも悪で対抗するしかない、っていうのがあったけど、正にそんな世界線だった。でも恨みや憎しみは伝染する。やっぱりどこかで止めないと、っていう気もする。難しいね。倉田がどんどん深みにはまっていく様はなんだか哀しい。息子の英樹の話も哀しすぎた。◇この本で外務省のイメージがすごく悪くなった。真由が外務省勤めと聞いて、もしや他の人に感染させられたのでは...と勘違いしてしまった
Posted by ブクログ
勝俣警部補や葉山巡査部長、元警察官の倉田が主人公のスピンオフ作品。姫川玲子が主人公の作品と比べるとそこまで盛り上がらないが、まずまず面白かった。
Posted by ブクログ
姫川シリーズ
短編だけど、ガンテツ中心に繋がっていく。
倉田元刑事の描写、前作に軽く出てたね。
読み返すと、あ~そう言うことかぁ、ってなるね。
Posted by ブクログ
姫川シリーズのスピンオフ
一息つくのにちょうどいい作品
ただ登場人物が多く、貴方は何を抱えて…?となる
ガンテツ中心のストーリー
彼の傲慢な捜査態度はいかがなものかと思いつつも、本質を見抜くセンスや経験値は群を抜いていて面白い
薬にまつわる役所・会社の重要人物が被害者となる短編集
短編一つ一つで加害者・被害者の関係はしっかりと描かれていて、各被害者の個人情報の出処を最終章で解いている
恨み憎しみなんてものではなく、その時にとった行動の1つ。
本当に深い意味を持った行動ではなく、そうしてしまった程度のことが始まりだった。
報われるとは…。という気持ちになった
Posted by ブクログ
姫川玲子が主役でなくても面白い!
それぞれの短編が繋がっていて読み応えがあった。
ありそうな話ではあるけど、ネット規制もやや強化されてきているわけで、どうなんだろう。
Posted by ブクログ
緑川製薬役員殺人事件を捜査中の姫川玲子。
『ガンテツ』こと勝俣警部補が、『15年、か。よく逃げ回ったと、褒めてやるべきか』と、告げる…
勝俣が担当した、15年前に担当した殺人事件。
厚生労働省薬事局長の息子が被害者であったが、犯人の本当の狙いは、薬事局長だった父親だったことが…
息子が殺人事件を起こしたため、刑事を辞めた倉田が、8年前に担当した麻布十番路上殺傷事件。
被害者のひとりは、外務省のノンキャリ職員だった…
北沢署強行犯係・葉山は、老人同士の傷害事件を担当することに。
被害者・谷口は元厚生労働省で、『年金のゴットファーザー』と呼ばれる年金のエキスパートだった。
加害者・堀井の過去が…
一見、何のつながりもなかった3つの事件がつながっていく…
官僚への復讐か…
どうやって…
インターネット時代に個人情報が晒される。
個人へのテロか…
官僚への不満が爆発したのか…
確かに何も変わらないのかもしれない、省庁で不祥事があっても、変わるのは大臣や事務次官だけ。
末端までは変わらないのだから…
姫川はほとんど登場せず、最初はスピンオフの短編かと。
すべてがつながるとは。
Posted by ブクログ
シリーズ第5弾やけど、姫川さんはほぼ出て来ない…
姫川さんの周り、ガンテツさん、葉山さんらがメインの短編集。
はじめは、バラバラやけど、パズルのピースのように繋がっていく。
腐った官僚組織の悪を退治するという名目かと思いきや、やっぱり個人的に辛い事があった訳ね。いくら、官僚が悪いとは言え、自分の後悔したのをそっちに当たってる感があっては、大義名分が揺らぐ!
でも、その方が納得感はあるな。
こういう、ネットでの個人情報を含んだ公開は、今もあるから真実味はあるな。
義憤に駆られて、処刑もどきな犯罪とかが感染していく〜
この時代より、更に厳しくなっているとは言え…
官僚さ〜ん!己を正して下さいね〜
そうしないと感染が拡大しますよ〜
Posted by ブクログ
ガンテツさんメインのお話。口が汚いから嫌いやけどこの本読んでちょっと好きになったかな(^^)
ノリも出てくるのが嬉しい!!
読んでると次から次へと負の連鎖が起こって本のタイトル通り感染していく様が描かれていた…なんだかなぁ〜って感じ、、その気持ち分からんでもないが殺人はあかんよ(;_;)
次はブルーマーダーだ!!!
Posted by ブクログ
”Unmask your laughing neighbors”
この頃より更に官僚への眼は厳しくなってるぞ。
"55 Stones"のオープニングは'BEHIND THE MASK'だしな。
Posted by ブクログ
姫川玲子スピンオフ集。
普段は良い味を出してる名脇役たちに、スポットライトを当てた作品。複数の短編がそれぞれの主人公を描いてるだけと思いきや、な、なんと、全ての短編に相関関係があり、素晴らしい作品を作り上げてました。姫川主任も最高だが、ガンテツも最高だわ。かなり面白い。スピンオフは本編のつなぎ的なイメージしかなかったけど、これはその感覚を裏切ってくれた。かなりオススメ。
Posted by ブクログ
姫川シリーズ第5作
姫川シリーズだがスピンオフの中短編のため姫川はほとんど登場せず。
過去作の人物ともリンクし、そして主役も編ごとに変わるため読み応えがありました。ガンテツの人となりが存分に味わえる作品でしたね。
Posted by ブクログ
バラバラなストーリーのようで実は繋がっている。姫川玲子が主役でなくても面白い。この本を読んでから他の姫川ストーリーを読み返すと、脇役たちが際だって見えてさらに面白くなるかも。
Posted by ブクログ
姫川玲子シリーズ5作目。
警部補の勝俣、刑事の葉山、元刑事の倉田がメインの話。
姫川は出番が少ない。
シンメトリーの倉田修二の短編を読んでいないと少し物足りないかも。
辻内眞人は松井武弘、長塚利一が殺害されたことで、自分の目的を達成し、官僚の谷川正継が自殺したことでアンマスクも役目を終えたと考え最後は自分を標的にした。
最後まで自分の手を汚さないという、官僚のやり方で。
アンマスクは最初ありえないと思ったが、ネットの普及で
可能性はあるかなと思ってしまった。
2009年に自民党→民主党に政権交代しました。この作品は2011年に初版発行だから、その影響を受けてるかなと思う。
Posted by ブクログ
読み始めてすぐ、
「あ、ドラマで見たな」と思いましたが、本では読んでなかったので全部読んでみました。
ドラマとは違った…というか、ドラマが原作と違う纏め方をしたわけですが、この原作をあのように纏めたドラマの制作も見事かな、と思います。
「ストロベリーナイト」の名脇役、ガンテツこと勝俣がかつて関わった事件など、時期も担当刑事も異なる事件を短編として描き、最終的に1つの人物・事件に帰結していきます。
あり得そう、だから面白いなと思って読みました。
題材が題材なので、面白いというのは不謹慎なのかもしれませんが。
あっという間に読めます。
Posted by ブクログ
姫川シリーズ5、短編集だが、姫川はほんのちょっとの出番だけ。いつも姫川にセクハラや恫喝するガンテツと元姫川班で若干の距離があった葉山がメイン。二つ前の短編集で殺人を犯したと姫川が看破した元刑事も登場。姫川から聞いたガンテツが、この元刑事を脅してこき使う。短編集ながら、一つの事件として続いて行く。ストーリーは面白いが、ガンテツが余りにも悪度過ぎて引いてしまう。
Posted by ブクログ
姫川玲子シリーズ5作目
非常に昭和の男臭い作品 作中から汗、タバコ、酒の強い臭いが立ち昇ってくる気がする
刑事という職業がこんなに大変な仕事というのが事実なら誰も目指さなくなってしまうのではないかと思ってしまう
そして特筆すべきは姫川玲子シリーズでありながら姫川玲子はほぼ登場しない
姫川の周りの男性職員が主軸になった短編集の形を取りながら、最後にはジグソーのパズルがぴたりとハマりひとつの作品になるという形式をとっている
今作で活躍するのは玲子のライバルのガンテツ氏 よほどコアなファンが多くて作者がリクエストに答えたのではないかと見てしまう
一見ルール無視のように見えるが、彼なりの正義の軸に従って彼のやり方を通し、解決に導くだけでなく落とし所を見極めるあたりが読み手のの気持ちを揺さぶるのだろう
読後は男臭さから解放され深呼吸をしたくなる