あらすじ
虫けら同然の人生で、初めて落ちた本気の恋。それは俺に心からの幸福と、地獄を招いた――。大手外食企業役員と店長が誘拐された。練馬署強行犯係の魚住久江は、一課時代の腐れ縁・金本らと捜査に召集される。だが身代金受渡しは失敗、切断された体の一部が送りつけられる。やがて捜査線上に浮かんだのは、一人の中国人女性。一課復帰を拒み所轄を生きる女刑事が事件の真相を追う!
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いつものようにグイグイ引っ張られる。
魚住久江はどれくらいの歳なんだろう。
何だか姫川とは違って、落ち着いた40代かな。
ちょっと年寄り臭い感じがする。
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魚住久江シリーズの長編。犯人側の人の語りと事件捜査側の視点が交互に語られるのは真骨頂〜!という感じがして安心して読めます。展開にハラハラしつつも、この捜査に魚住さんがいるんだから人が死ぬことはないのだろうなという安心感もあり、読み進めるのは苦ではありませんでした。恋愛に視点が寄りすぎじゃない?と思いつつもたしかに愛は偉大だよなと思わせてくれます。魚住さんのおかげでやさしくあたたかな物語になっている。
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誉田さんの作品で痛々しい描写と胸糞悪過ぎる描写が多いのだけど、今回の作品は愛に溢れてたので救われました。
最初は村瀬の事を瑶子を付け回して、勝手に一人で盛り上がってる奴なのかと思ったのだけど、瑶子との間に愛が芽生えて、偽りの関係を本当の関係にする為に誘拐されて、指を斬り落とされて、なんかもう村瀬の瑶子に対する愛情がすごかった。
まあ結論は人騒がせな事件だったんだけど、村瀬と瑶子の純愛が守られて良かったなあと思った。
あと、副島は言う事もする事も全部がクソだった。
村瀬と瑶子と副島の三角関係がどうなるのか、誘拐犯を捕まえる事はできるのか、どきどきの展開が続いて面白かった。
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魚住久江シリーズの長編。姫川玲子シリーズほどの興奮はないが、人の情がよく描かれていて良かった。最後も、ハッピーな終わり方がこのシリーズらしく良かった。
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魚住久江。
警視庁練馬署の組対課強行犯係所属。階級は巡査部長で年齢は 42 歳。まさに油の乗った捜査官だ。その女性警察官の活躍を描く警察サスペンス。シリーズ2作目。
◇
外食チェーンの専務が誘拐された。犯人は専務の携帯を使い、身代金2千万を要求するメールを社長の携帯に送りつけてきたという。さらに店長の村瀬も専務とともに拉致されているこもわかった。
事件を所轄する中野署に本庁との合同捜査本部が設置され、他の所轄にも1人ずつの応援要請があった。練馬署から召集された久江が捜査本部に駆けつけると、かつて同僚だった金本の顔が。はからずも懐かしいコンビが復活し、極秘裏に聞き込み捜査が始まった。
序章及び終章と本編24章段からなる。
なお物語は、久江と村瀬、双方の視点で交互に描かれる。
* * * * *
キーパーソンになったのは、不法滞在の中国人女性。本名は楊白瑶で27歳。( 作品タイトルは「白の女」という意味で白瑶を指す。)
白瑶は留学のため来日したものの、学業が続かず退学。在留資格を失っても帰国せず、瑶子という源氏名でキャバ嬢をしながら日本に留まり続けていました。仮に不法滞在が発覚すれば強制送還となります。そこで浮上してくるのが偽装結婚。
ここまでは、他の警察ミステリーでもよくある設定です。
でも誉田さんはそこにきちんと味付けをしてくれました。
偽装結婚の関係のはずの2人に純愛を絡ませ読み応えのあるストーリーに仕立てているし、副島専務の小悪党感も2人の愛を引き立てるのに十分。さすが誉田さんです。
白瑶の純愛の相手となるのが天涯孤独な41 歳の村瀬邦之。まじめではあるが人生に対してさしたる希望もなく、とりたてて社交的ではないという面白みに欠ける男です。
本来なら村瀬は影が薄い存在だっただけに、この純愛ストーリーは村瀬の存在感を格段に引き上げたと思います。
そして、主人公の魚住久江について。
姫川玲子のようなキビキビ (暴走?)した行動力は見せないものの、捜査対象者に配慮しながら相手に心を開かせていく独特の人間力を発揮する捜査官です。想像力と洞察力に富むところは、天祢涼作品の仲田蛍巡査部長に通ずるものがあります。
そのうえ、玲子を下品にしてデリカシーを失わせたような相方、金本巡査部長のイラチぶりにもさほど動じないところが頼もしい。
派手さはないけれど、そんな久江の人間性がきちんと味わえる作品だったと思います。
さて、その魚住久江巡査部長。
殺人事件が起こる前に動きたいということで所轄の強行犯係に配属されていたけれど、ついに本庁の捜査一課殺人犯係に異動することに。しかも姫川玲子班に入れるなんて、誉田哲也さんのサービス精神に謹んで感謝の意を表します。
玲子−久江 コンビ。アクセルとブレーキを完備した最強レディース捜査官。もう楽しみしかないですね。
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「オムニバス」(姫川シリーズ)読んで、最後に登場しそうなこと書いてあったので、魚住シリーズも完読!
誰かの死の謎を解き明かすことより、誰かが生きていてくれることに、喜びを感じる。
そういう刑事さんなんで、血ドバドバは少な目なのは、残念な気もする(^^;;
しかし、捜査一課のラブコールを何度も受けるだけあって、鋭い洞察力はさすが!
今回は、誘拐事件を解決!
しかし、身代金2,000万とか、小悪党過ぎて何か、犯人に知的さが…
何か、はじめから、魚住さんに色々気付かれて、解決される運命にあった感じの稚拙さが寂しい。
まぁ、彼女の本来の目的は達成できてるから、ええんかな。
さて、これで、姫川シリーズ絡みのは、ほとんど読んだ!
次から、彼女も絡んだ作品待ってま〜す!
いつでもかかって来い!笑
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人生に虚を感じている男の独り言のような始まりの中、ストーカー?強姦?と想像しながら読み始めた。ささやかな幸せを感じ、障害を乗り越え幸せを願い、誘拐の片棒を担がされる。恋愛と警察捜査と両方楽しめました。死者の出ない魚住作品は心温まる場面もありとても良かった。
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「まったく人騒がせな事件だったな」
強引な金本とサポートしながら魚住らしい捜査で
無事解決そしてハッピーエンド( ̄▽ ̄)
中国人女性との偽装結婚…
浅田次郎の「ラブ・レター」思い出しますね!
あれには泣かされました。゚(゚´Д`゚)゚。
短編「鉄道員」に入っている作品です。
ぜひ読んでみてください!
あ…誉田さんゴメンなさい♪(´ε` )
姫川と魚住いい感じで共演させてください♪
峯岸お気に入りなんでそっちも期待してます〜
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魚住シリーズ二作目。
現在と回想録の二つの章が交互に書かれ、最後には交わっていく書き方が、シンプルで長編でも飽きさせない内容であった。心理描写や内面にフォーカスしているからか、肚という文字が何度か使われており印象的だった。
一部二部とイタリア語の作品名称で続いていることも気になる。
今後色んな誉田作品をみることでそれらも読みとることができれば嬉しい。
客観的には馬鹿げているような犯人だが、こういう狂気にも似た自分勝手な輩は実際の世界でもいないとは思えない。自分は大丈夫だと思っていても、巻き込まれた時は予想外に抜け出せない状況に陥ると思う。そんなリアリティさも感じられた。
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「魚住久江」シリーズ二作目。誉田作品の女性警官シリーズとなると当然ながら「姫川玲子」と比べてしまう。
魚住には姫川にはない優しさというか、尖りがなく全てを包み込むような柔らかさを感じる。その分、姫川とは違いダイナミックさはないけれど、そこが逆にいいのかもしれない。物語にもどこか救いがある。
魚住と姫川、作品を越えた出会いを是非見てみたいものだが、これからも交わることはないだろうなとこの作品を読んでなんとなく思う。
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魚住久江シリーズ第2弾。本作は長編。
前作「ドルチェ」同様、派手さはなく地味な展開だが、それだけに人と人との繋がりが丹念に描かれている。
魚住を中心とする警察関係者の視点と、事件に至るまでと事件自体を体験している被害者・加害者の視点が交互に描かれている。その分、人が人を思う思いや人の性などが描かれ、事件に至る経過が徐々に分かるようになっている。よく犯人逮捕後の自白で事件の真相が見えるという小説があるが、本作はそうした急な流れではなく、徐々に本質に近づいていくという印象。そのため本来なら切羽詰まる誘拐事案ではあるが、そこまでのスピード感はなく、むしろじっくりとした感じを受ける。
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魚住久江シリーズの長篇。外食チェーン専務副島と大塚店店長村瀬が誘拐される。
しかしこの誘拐は自作自演。村瀬は副島の愛人、キャバクラ勤めの中国人瑶子と偽装結婚させられていたが、いつしか互いに愛し合う仲になっていた。副島は偽装結婚に関わるヤクザとのトラブルから会社の金を持ち出すために自作自演の誘拐劇を企てる。そして、人質の証拠として村瀬の指を切り落とし、送りつける。
村瀬と遥子のプラトニックな恋の行方が何とも切ない。ラスト、村瀬と瑶子が本当の夫婦となる未来を予想させる終わり方に何とか救いを得た気持ちとなった。
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もちろん、
何にせよ犯罪に手を染めるのは間違った選択ではあるのだが、この方の描く作品の犯人の中には共感は出来なくても憐憫の情を掻き立てられる者が多いように思う。
今作のイントロでも犯人と思しき人物の回想にいたたまれない結末を想起させられたのだか、いやこれは陰鬱な警察小説ではなく、純然たるラブストーリーだった!
いやぁ〜しかしこんな女性が身近にいたらオジさん達は皆んなやられちゃうよな。
惚れてまうやろ!
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3.8
魚住久江シリーズ第二弾
例によって、
一人称が不明の男の述懐で物語は幕を開けるが…
誉田さんの長編刑事物では珍しく、なんと人が死にません‼︎ (笑)
特に親孝行な訳でもないが、水商売で自分を育てた母親を看取り、人生の目的を見失った男が出会った中国人のキャバクラ嬢は、取引先の役員の愛人だった。
大それた希望も持たず、彼女とのほんのささやかな時間の共有を糧に生きる男に齎された提案とは…
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TVドラマを見てからこの前作である「ドルチェ」を読んでから本作に至る。きっとこの頃は中国人の偽装結婚が事件になっていた頃なんだろうなあ。このシリーズは以後続編が出ていないことから姫川玲子シリーズのように人気が出なかったんだろうなあと思う。容姿も分からない40過ぎのおばさんでは人気でないだろうなあ。やはり誉田哲也と言えばエロ・グロ・バイオレンスがなきゃ読者は納得しないだろう。人情デカシリーズは打ち切りかな、それとも刑事の三角関係シリーズで蘇るか?TVドラマの方はちょっといじり過ぎたかな。
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誉田哲也の姫川玲子シリーズやジウサーガでは、まぁまぁハードなシーンが描かれることもありますが、この作品では、そこまでハードな話は無いっぽいですね。むしろ、魚住久江の優しい人となりが描かれている様な感じで、どこかしら安心する感じがします。
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誉田哲也氏の警察小説、謎解きとその緊迫感か、と思い読んだら、見事に裏切られました。いい意味で。
ドンナ ビアンカ。白い女性とかの意味だそうです。さえない虫けらのような社会の片隅にいた中年の村瀬とどこかぬけていて、はかなく、憎めない中国人遥子との切ない恋。
すごく良いですね。
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魚住久江シリーズ第2作です。
前作は短編集でしたが、今回は長編。
誘拐事件を捜査する久江達と、
誘拐事件に関わる村瀬の話が交互に展開されます。
しかも、久江達は現在進行形、
村瀬は過去からの話と、時間軸が異なります。
まぁ推理物というより、純愛物ですね。
生き方が下手すぎだよ村瀬! ってとこでしょうか。
誘拐犯が脅迫の手口として、あるモノを送りますが、このやり方はジウ第1作と同じですね。
作者的には遊び心?
Posted by ブクログ
・読み終わって感じたこと
誘拐側がそれに至った経緯の話と、刑事側目線の話が交互に書かれていたので、刑事が犯人を追い詰めるようなガッツリ刑事小説では無かった。
緊迫感は無い。
・面白いと思ったシーン
刑事が犯行に対して、いろんな仮定するところ。
刑事同士の信頼、コンタクト。
・好きなシーン
・オススメの人
ガッツリ刑事小説が苦手な人。
Posted by ブクログ
面白かった。
私はグロいのが好きですが
グロさもなくスラスラ読めます
ただただ胸糞悪い専務のせいで
遥子と村瀬が可哀想だなと思いました
魚住シリーズはこの作品が初めてです
姫川とは違う温かさを持っているなと
思いました。
村瀬も遥子が幸せになってほしいと
思える温かな話でした。
Posted by ブクログ
狂った男と狂いそうだった男の均衡に目が離せなかった。陰惨でも血生臭くもないのに漂うやけに不穏な空気にハラハラしながら読み進める場面と、ほっこり癒される場面と。両面とも楽しめて読めた。
Posted by ブクログ
前作が好きだったので読んだ。
村瀬たちの純粋な恋はとても応援したくなったし良かったが、久江が2人の男に揺れる女みたいなのがちょっとうーんて思ってしまった。
ちょっと自惚れてるなって感じ。
Posted by ブクログ
恋の物語と刑事物語
それぞれのお話は面白かったんだと思うけど、どれも中途半端に感じてしまった。
割と早い段階で種明かしされていたのでドキドキハラハラという感じはなかった。
Posted by ブクログ
誉田哲也さんと言えば…姫川玲子シリーズやジウシリーズが有名ですよねー
『ストロベリーナイト』なんて衝撃だったからなぁ
今作もシリーズ化されてるんですね
『魚住久江』シリーズは初めてでした
・
姫川玲子やジウシリーズが強烈だったので今作も少なからず精神を削られる覚悟で読みましたが、意外にも読後感はホッとしました
『魚住久江』シリーズはそんな感じなのかな?
・
孤独な中年男と魚住久江が主観で一章ごとに交互に描かれています
中年男のささやかな幸せが切ない…
思いもかけずこんな風に事件に巻き込まれて行くものなのかなぁと思いました
・
タイトルの『ドンナ ビアンカ』の意味は文中では言及されていないのでどういった意味なのか分かりませんでした
解説で勿体ぶった言い方してたので、私の期待は最高潮に高まり、タイトルの意味を知った時どんな衝撃を受けるんだろー!とワクワクしながら調べました
あ、ふーん…という感想でした
Posted by ブクログ
何の取り柄もなく、されど取り立てて食うに困る程でもなく。職を転々と転び、さる酒屋に勤めることになった主人公。そこで珍しく数年続く中で、配達先のキャバクラで一人の中国人の娘に出会う。
慎ましく質素で純朴な日々を過ごす。
大手企業役員と転調が誘拐され、切断された体の一部が送り付けられる。
誉田氏の警察ものだが、牧歌的とは言わないが、温かさが漂う一冊でした。
ひたむきさと健気さに心を打たれるってのは、心が病んでるのか健全なのか微妙なところだな。
Posted by ブクログ
シリーズ第2段。
“白い誉田”に分類されるはずだと思ってたら、なんのなんの、目を背けたくなる場面もしっかりあった(苦笑)。
……でもまあ、それでも誰も死んでないし、一応“白”の側ではあるのか・・・
誉田作品には珍しく、地味~なヒロイン。
基本的には先輩刑事にくっついて回るだけ。
捜査会議で特に主張を掲げるわけでもなく大きな閃きを見せるわけでもないのだけれど……、最後にはしっかりいい仕事魅せてくれた♪
“仕掛け”を成立させうるための必然ではあるのだろうけれど……登場時の描写から一転して、正体を表した『副島』の薄っぺらさと小心者ぶりに、やや興醒め。
峰岸くんの“できるヤツ感”が随所にちりばめられ、金本とのやり取りなども描かれたのは……次作からの展開へ絡めるつもりなのだろう。
次作は……長編ならば絶対読むけど、短編なら…どうしよっかな…
結末が気になり夢中になって読んだのは間違いないが……
誉田作品史上、最低評価タイの、
★3つ、7ポイント。
2016.09.09.新。
※いや、面白かったけどっ!
「誉田哲也に外れ無し」という思いに陰りはないけれど!
他の作品と比べると相対的に……
※もはや誉田スタイルとでも名付けたい【2パート段違い平行進行】で描かれた(?)、中年男の純情話のパートは……裏ヒロイン(?)の“カタコト日本語”が、なんとも可愛らしくて仕方がなかった(笑)。
※肩書きは、係長?いや、管理官だったか……劇中に誰かの台詞で名を呼ばれただけだが、「イマイズミ」の名が出てきて、ニンマリ。これってきっと、あの人でしょ?
(2016年9月時点の)最新作は、“苺”と“セブン”のコラボ作だとのことだが……
魚住さんのお話も、いつか“苺”のシリーズと交錯させる構想があるのかしら?
※文庫巻末の解説文が、チープ。
ただ題材が誘拐モノだというだけの理由で、「『ジウ』と読み比べるのをお薦めする 」って・・・ね・・・。