上田早夕里のレビュー一覧

  • 妖怪探偵・百目2~廃墟を満たす禍~

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    ただの妖怪戦争ではない。
    人間ドラマの方が強い小説です。
    主人公が百目より播磨遼太郎ですね。

    でもおもしろい、次が最終巻なのが残念だと思えるくらいの傑作です。

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    2024年01月28日
  • 妖怪探偵・百目1~朱塗りの街~

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    とにかく読みやすい。文章がうまいので一気読みしてしまった。
    登場人物(?登場妖怪か)もキャラがたっていて異形のものとしてとてもおもしろかった。
    百目のヒューマンモードが「冷たい感じの美女」、これが百個の目が開くとき、背筋がザワッとするなんともいえない気持ち悪さがいいです。

    個人的に「イズナ」ファミリーがお気に入り。

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    2024年01月22日
  • 魚舟・獣舟

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    短編集
    どれも、読みやすくおもしろい。
    オーシャンクロニクルシリーズである表題の「魚舟・獣舟」は短いながらも世界観、物語の奥深さを感じる傑作。

    「真朱の街」これは別で3冊シリーズ化している妖怪探偵・百目の始まりの物語。個人的に、人ではない異形の物語にひかれるのでかなりおもしろかった。シリーズ化したものも読んでみたい。

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    2024年01月22日
  • 華竜の宮(上)

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    久々で本格SFを読みました。短編でこの世界にはちょっと触れていたが、おもしろい。長いお話で、難しいところもありますが、引き込まれました。
    まだ、お話しはプロローグなので、今後どうなっていくのか非常に楽しみです。

    椎名誠の「水域」みたい。
    全世界が海に沈んだ世界の地球のお話。

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    2023年12月11日
  • 華竜の宮(上)

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    (上下巻あわせた感想です)

    舞台は地殻変動による海底隆起によってほとんどの陸地が水没してしまった25世紀の世界。人類は陸地に暮らす「陸上民」と、海での暮らしに適した身体となった「海上民」に分かれ、それぞれの社会を形成していた。
    日本政府の外交官・青澄と、彼のアシスタントである人工知性体マキは、陸上民と海上民の間で深まる対立の仲裁に奮闘するが、近い将来地球に訪れる更なる危機が、彼らの運命を大きく変えていく、という物語である。

    陸地が海に沈みゆくお話としては小松左京『日本沈没』や映画『ウォーターワールド』がすぐに思い浮かぶけど、SFの設定という点ではこれら先行作を凌駕している印象で、細部まで練

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    2023年07月31日
  • 深紅の碑文(下)

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    ネタバレ

    華竜の宮のラストでコピー・マキが言った「彼らは全力で生きた。それで充分じゃないか」と
    マキの「(アキーリ号にコピー・マキを乗せるという)それを選択なさったのはあなたです。これだけで、もう充分ではありませんか」が重なって泣いた。

    結局作中でプルームの冬はこなかった。
    陸と海が手を取り合うとか、全く綺麗に物事が進まなくてもどかしい。リアル。でも、実際には絶対にそうなるだろうな。海と陸にわかれてなくても世界中が一丸になって、みたいな想像出来ない。

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    2023年07月28日
  • 夢みる葦笛

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    ネットで評価が高かったので読んでみました。
    SFと伝奇がミックスされた感じで、昔でいうなら星新一(読んだことないですが)さんの感じに近いのかもしれません。
    短編集ですが個人的には「眼神」「氷波」「滑車の地」が好きです。

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    2023年07月25日
  • リラと戦禍の風

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    昨年からちょっとずつ読み進めて、1月に読み終えてたのに感想書かずに放置状態。
    第一次世界大戦中、床屋さんから従軍し、死の淵で怪しきものに出会い半分人で亡くなったドイツ人のお兄さんが、人でありながら妖に育てられたポーランド人の少女の護衛となりやがて本物の妖になる。
    世界史知識が中学生レベルで止まってるものの、色々あの時代興味深いわ。
    更にその妖ことシルヴェストリ伯爵が妖になったきっかけがワラキアの串刺し公ヴラド3世とか、なんというかほんと個人的にご縁を感じます。(結局その辺りの歴史が好きなんだなあという。皆川博子先生とか、佐藤亜紀先生とか)
    2023年3冊目。

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    2023年06月11日
  • 妖異幻怪 陰陽師・安倍晴明トリビュート

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    本家シリーズ読んだことないのだけど、本家もトリビュート作品も面白かった。一押しはキャラも歌という小道具も効いてた「遠輪廻」。

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    2023年06月04日
  • リリエンタールの末裔

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    上田早夕里さん、初読みです。
    しっかりしたSFが読みたいと思って手に取りました。

    短編集ですが、どれもいい。外れなしでした。
    全編に女性らしさが感じられるとっても優しく、心が温かくなる物語。でもちゃんとサイエンスしていて、現実?とも思えるような書き込み(「幻のクロノメーター」は実在した人が出てくるから余計に思う)これはものすごく面白い小説だ。

    次は「リリエンタールの末裔」の舞台となった『華竜の宮』を絶対に読むぞ!

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    2023年05月12日
  • 破滅の王

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    生態系の頂点に立った人類にとって、最大の敵は細菌、ウイルス。

    これを兵器として開発するという愚かさ、実現しない理由は「兵器として実用するためには治療方法を確立して秘密にしておかなければならない」ということ。
    実はこれがものすごく経済的に負担がかかるから、というのが文中にも描かれている。

    これまで、旧日本軍731部隊などのドキュメントがあっても、正直、よくわからない恐ろしさがまとわりついている感じだった。
    ところが、2020年のコロナウイルスで世界は「パンデミック」を経験した。
    これで、もう、脅威は目の前に直接イメージされた。

    物語の舞台となったのは、満州事変から太平洋戦争終戦までの上海な

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    2023年05月07日
  • 獣たちの海

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    オーシャンクロニクルシリーズ、良い。
    読む間が開いていたので関連があるかもしれないけれど覚えてなくて分からない残念。
    最後色々語ってたけど何が言いたかったんだろう。

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    2023年04月09日
  • リリエンタールの末裔

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    「オーシャンクロニクル」シリーズの短編、
    「リリエンタールの末裔」を含むSF短編集です。

    目的はもちろん、「リリエンタールの末裔」
    海上都市で働く山の民の話です。これも良かった。それぞれに生活があるよね~。

    リリエンタールの末裔★×4
    マグネフィオ★×2
    ナイトブルーの記憶★×4
    幻のクロノメーター★×4

    な感じ。
    「ナイトブルーの記憶」に関しては、「オーシャンクロニクル」に関係あると言ってももイイ内容だと思いました。

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    2023年03月25日
  • 妖異幻怪 陰陽師・安倍晴明トリビュート

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    ネタバレ

    晴明様特集をしていた『オール讀物』2022年8月号を既読だったので、純粋に初読だった作品は『哪吒太子』くらいだったかもしれない。
    他も上記のものを読んでいると既視感のある作品だったし。
    それでも、一冊で様々な方の晴明様、もしくは陰陽師話が読めるのはお得である。
    そして、改めて夢枕獏先生の晴明様と博雅様の抜群の安心感と安定感が身に染みるという。

    個人的にはやはりこの二人を見たいと思ってしまうので、他の作家さんが書かれた話でも二人が出てくるとつい思い入れが。
    ゆえに『耳虫の穴』と『博雅、鳥辺野で葉二を奏でること』は特にお気に入りである。
    第三者視点から見るとあの二人はああ見えるのかと思えたのもよ

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    2023年03月18日
  • 華竜の宮(下)

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    ネタバレ

    「何としても生き延びねば」からのタイフォン爆死が1番衝撃でした。結構好きなキャラだったのに。。

    続編がある事を知らなかったのでこれは読まねばと思いましたが、どう考えても滅亡に向かう世界の話なんて暗重いに決まってるw
    宇宙に飛び出したAIたちのその後も知りたいけど出てくるかな。

    魚舟、獣舟、獣舟変異体、人間など世界観と設定がすごく面白い。前半が設定・世界観を緻密に描いていたので後半が結構かけ足だったかなーと思うけど、面白い作品でした。

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    2023年03月07日
  • リラと戦禍の風

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    戦争をファンタジーで描いた物語。
    途中まではどう落とし込むのか分からなかったけど、ちゃんと終わってた‥
    解説のメタファが指しているものが分からない。
    それにしてもあんなにたくさんの資料を元に書いたの作家さんほんとに凄い。普通に読んだら何年もかかりそうなので必要な部分だけ読んだのだろうけど…

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    2023年02月18日
  • 魚舟・獣舟

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    魚舟の世界観、足りない!!
    「オーシャンクロニクル」シリーズの最初の1冊

    関連するのは「魚舟・獣船」だけで、他は別なSFで全部で6編が入ってます。
    「魚舟・獣船」★★★★(ストーリーは出来てて、あえてこのシーンを初出しで使ったんだな。作戦成功ですね。)
    「くさびらの道」★★★★★コロナ禍で身につまされる。
    「饗応」★★★★疲れたAIの話
    「真朱の街」★★★妖怪の話
    「ブルーグラス」★★★★近未来の黄昏
    「小鳥の墓」★(この文庫の約半分がコレですが退屈で、途中で止めた。)

    でした。

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    2023年02月03日
  • 獣たちの海

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    ネタバレ

    オーシャンクロニクルの続編が出たの嬉しい。面白かったです。
    〈プルームの冬〉が近付いてても、陸上民と海上民は相容れないままなんだな。マルガリータ・コリエ育ちはまた違う立ち位置で。。
    「獣たちの海」「カレイドスコープ・キッス」が好き。表題作、魚舟の心が描かれてるのが面白かった。魚舟だったころは色々考えてるけど、獣舟になってしまうと飢えを満たす事だけを考えてて、完全に違う生物なんだなとつくづく感じました。
    「老人と人魚」、ザフィールのその後を読めてそれも良かったです。

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    2022年11月26日
  • 華竜の宮(下)

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    人間と人間じゃないものの境界線とは何か

    ここは、圧倒的な世界が広がる、地球と人類の未来。
    それは、いまあるものがない世界。
    でも、確かに現在の環境破壊からシミュレーションした未来の地球の姿……。

    遺伝子操作による生物科学的人類の変容
    人工知能補助による機械工学的人類の変容

    そんな世界を舞台に、ひとりの辺境の外交官が、陸上民と海上民の対立、不思議な海上民の“オサ”をめぐる各国の思惑の狭間で、自己の意思を貫こうとする。

    ちょっとした地球の動きであっという間に死滅していく生き物のはかなさ。
    他の生物が環境変化に対して自然に淘汰や変化していく中、人間だけが自らの力でもがき足掻く……。
    そこが功

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    2022年10月12日
  • 華竜の宮(上)

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    上下一括感想
    下巻にて

    凄まじいほどのシミュレーション
    その全ては、「今」の延長…

    地球の息吹に対して、
    人間の科学の無力な事、
    ましてや、
    政治や経済活動の愚かさ。

    どうなる……これから……

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    2022年10月08日