上田早夕里のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレタイトルから想像されるようなオカルト・ミステリー要素だけの物語ではない。本書の著者はハードSFの名手である。SF要素がどうしても嫌いという場合には注意が必要だ。
本書の著者の短編集『魚舟・獣舟』に、第0話に当たる話(『真朱の街』)が掲載されている。内容としては相良が真朱の街に現れて百目と出会い、その助手となる経緯を描いた作品だが、未読でも本書を読むのに特に困ることはないように作られている。
プロローグとして読んでから本書に入っても良いし、本書を読んだ後に前日譚として読んでも良いと思う。
オーシャンクロニクルシリーズやデビュー作の『火星ダーク・バラード』、短編集に収録されている作品がどれも美しく、面白く、多彩だったので、本書の著者を良質なハードSF(+ 人間描写)作品を生み出す作家だと思っていたが、短編集の中にはSFテイストでありながらオカルト(ホラー?)じみた内容を含む作品も散見され「この路線も面白い!」と気になっていた。
そのうちの一つが独立して続き物となっていることを知り、読んでみたいと思っていた。
「(タイトルや帯にある文言のように)これは本当にファンタジーなのだろうか?」そう思いながら読み始めたが、1話の終盤で、『(妖怪が突如現れ、消えるような空間移動を実現するには)多次元と空間の謎を解明する必要がある』のような一節が前触れもなく挟まれたことで、「これはファンタジーとSFの境目を行ったり来たりする作品だ」と思いを改めた。
本書を読んでいるうちに、以前読んだ『イギリス怪談集』の編者あとがきの内容が思い出された。
そこには、『ミステリーは推理により合理化し、解決し、闇を白昼に戻す。幻想やオカルトはその反対で白昼を闇に置き戻し、超常のものの日常への関与・浸透を予感さす。前者は合理と日常の勝利であり、後者は堅固な合理と日常の崩壊であるが、その過程における不安と恐怖とを、ベクトルの方向は逆であっても、ともに共有することは注目されてよい』という、ミステリーとオカルトは根を同じくした背中合わせの存在である旨や、それらジャンル分けは『かつての優れた物語が含んでいた諸要素を純化して分業化したに過ぎない』というようなことが述べられていた。
この解説を「私がミステリーもオカルトも好きであることの理由が上手く分析・表現されているな」と感服しながら読んだ覚えがあるが、本書はこれと似た構造を感じられる作品であった。
ファンタジーとSF、オカルトとSFには明瞭な境界線が引かれているわけではなく、入れ子になっているのだと感じる。作風によって科学がファンタジーに食い込んで解明したり、オカルトが科学を侵食したりするので境界は流動的でもある。普通の作品はどちらかに主体を置いて物語が展開されるので、この境界の侵犯は起きたとしても自然に、さりげなく行われるのだが、本書は敢えて境界領域に陣取って物語を進めていくので、科学技術とオカルトが大きく振れたり混在一体となって現れたりする。
第3話のようにミステリー・ホラー寄りの内容があったと思えば、次の第4話はSFを前面に押し出した導入になっている、という具合に、世界観は一緒ながら各話で表に出ている特色が異なっていたりもする。
本書に登場する妖怪達がなじみ深いためか、違和感なく妖怪という存在をオカルトだと思ってしまうのだが、”妖怪”を、”異星人”や”地球外の知的生命”に置き換えてみると、急に印象が変わり、近年のSFのど真ん中のテーマのひとつである「コミュニケーションはとれるのに全く分かり合えない地球外生命とのコンタクト」のお話となる。その手の作品は、ファーストコンタクトものとしてはもっともらしいと思う反面、どうしてもとっつきにくく難解な作品になりがちである。しかし、本書では”妖怪”という皮を被せることで親しみやすく、拒絶反応が出ずに難しいテーマに馴染んでいくようになっている。これはスゴイと思った。
また、著者は現代科学の延長線上にあるようなリアリティのあるSF設定が素晴らしいのはもちろんなのだが、人間の内面描写も巧みだと思っている。本作では、意思疎通はできるが非人間的な思考の妖怪達と対比することで様々な人間性を描き出しているようにも見える。
物語の内容としては、
第1、2話は相良の身の回りで起きる出来事からこの物語の世界の様子や主要なキャラクターの紹介をするような内容となっている。派手なアクションや駆け引きは無く、特に緊張する場面もなく、(相良の性格もあって)比較的淡々と話が進む。
第3話からはミステリーっぽい内容になり、妖怪の探偵業(?〉がはじまる。これまでのなんとなく抜けたコミカルな様相からホラーテイストを含んだ気味の悪い雰囲気が漂うようになり、科学だけでなくオカルト的知識も現れてくる。
第4話では一転、ロボットが現れて「SF!?」となる。この4話はオカルトとSFのハイブリッドだ。呪による防御が出てくる一方で、妖怪の力と呪の干渉では重力レンズが生じる。空間を自在に移動し、何も無いところから物を取り出すこともでき、それに対するエネルギーの収支も合っていない、一見デタラメに見える妖怪の力だが、それでも物理に制約されうる存在だとわかるシーンだと思っている。
第4話自体のテーマ「高度に発達したプログラムは心を持っていると言えるのか」というのはSFのみならず、実在の科学の分野でも問題として取り扱われている事柄である。このロボットの問題を妖怪の意識から見るというのは面白い。他に類を見ない発想ではないか。
最後の第5話は百目も相良も登場しない、播磨遼太郎の物語。播磨を50代くらいの人物かと思っていたので意外に若くて驚く。この話はオカルト的なアクションが山盛りだが、その舞台は真朱の街のほか、人工浮島が浮かぶような近未来のSF世界。ロボットが存在し、無線通信も完備の未来世界で陰陽師が呪や式神を当たり前のように操って活躍する、ちょっと常識外れの組み合わせだ。ともすれば浮いてしまいそうなアンバランスな状況を著者の優れた筆致で違和感を生じさせていない。
本書では何も解決せず、謎と因縁を残して次巻へ続いていく。 -
Posted by ブクログ
「この世に存在しないものを、まるで在るかの如く魅力的に創造する……。これは、とてつもなく手間とセンスがいるんだよ。」_p197小鳥の墓
映画監督の父が息子に言った台詞ですが、小説家である上田早夕里さんが創作活動において目指すところなのだろうと感じました。
どの作品も設定がよくわからないままその世界に放り込まれてはじめは少し読みにくいなと思うのですが、読み進めるうちにだんだんと魚舟や幽霊や妖怪が当たり前に存在する世界に入り込んでいくような感覚でした。まさに"この世に存在しないものを在るかの如く創造する"ことに長けた作者だと思いながら読んでいたので、その思惑を感じ取れていたことが嬉しかったし、それが素人の私にも伝わるほどに努力と才能の人なのだと思います。 -
Posted by ブクログ
日本が満州事変から第二次世界大戦に突き進む時代に中国本土で細菌兵器が開発されつつあった、ということは事実だったのだろう。兵器と治療薬は必ずセットであるべき、そう考える人と世界滅亡も辞さないという急進的な考えの人との間の世界レベルの鬩ぎ合いは非常にスリリングだが、この複雑な勢力図、人間関係、国家間の駆け引きを果たして自分はどれだけ感じ取ることができたのだろう。
著者の上海ものを読むのは2作目だが今回も読者の力量を試されて、途轍もなく大きなストーリーの中に飲み込まれてしまった。もっとリアルに感じたい、いや感じたくはないか。この時代より今はいい時代と言えるのだろうか、などと思う自分が情けなくなる。
科学者の宮本、諜報機関の灰崎の友情が美しくも悲しい。 -
Posted by ブクログ
この巻は長編のスタート部分。
【突き飛ばし法師】製鉄の工程で川で砂鉄を採る者たちがなにかに転ばされ怪我する事件が続発。あきつ鬼を欲しがるガモウダイゴなる怪しい人物が出た。
【縁】父の蘆屋道延にガモウダイゴについて相談すると製鉄に関することを調べろ、そして守り刀をそれぞれ打ってもらうようにとのアドバイス。
【遣いの猫】守り刀を与えるに相応しいかどうか呂秀、律秀の為人を見るため猫型神様の瑞雲がやってきた。
【伊佐々王】巨大な鹿の姿をした伊佐々王をガモウダイゴが「この世の敵」として甦らせた。自然を体現する存在と言えるかもしれない。
【鵜飼と童子】伸び悩んでいる猿楽師の竹葉はある日見知らぬ童子と出会いともに舞う。
【浄衣姿の男】ガモウダイゴの正体とおぼしき人物について少しわかる。赤松教康が足利義教を弑逆し、播磨国に戦が起こりそうだ。
■簡単な単語集(第一巻から累積)
【青江政利/あおえ・まさとし】備中国の刀匠。呂秀、律秀の守り刀を討ってもらえるよう依頼した。
【赤松教康/あかまつ・のりやす】赤松満祐の嫡男。足利義教を弑逆した。
【赤松満祐/あかまつ・みつすけ】播磨、備前、美作の三つの領土を守護している忠臣だが足利義教に煙たがられており遠からず罷免されそう。
【あきつ鬼】蘆屋道満の式神。呂秀が使役することになり強大な力をあえて弱めるために「あきつ(トンボ)」と名づけた。どういう理由で呂秀を主と定めたのかは不明。
【足利義教/あしかが・よしのり】征夷大将軍。
【蘆屋道延】呂秀、律秀の実父。廣峯神社に勤める。
【蘆屋道薫/あしや・どうくん】赤松満祐に仕えている薬師。
【蘆屋道満】呂秀たちの血縁、播磨では人気が高い。
【伊佐々王/いざさおう】巨大な鹿の王。かつて人に殺されたが怨霊に近い存在として復活した。ガモウダイゴいわく「この世の敵」。自然を体現する存在と言えるかもしれない。
【温羅】備中国の鬼。吉備津彦に倒された。髑髏になっても叫んでうるさいので吉備津神社の地中に埋められたがついには吉凶を占うようになった。あきつ鬼の正体というわけではないようだ。
【大中臣有傅/おおなかとみありもり】燈泉寺に逗留している。都の星読博士。当初はいろいろ不満があったようだが今は播磨国が気に入っている。
【勘解由小路家/かでのこうじけ】加茂家の主流。庶流の数が増えたので主流は勘解由小路を名乗るようになった。
【ガモウダイゴ】怪しい陰陽師らしき人物。あきつ鬼のことを知っているらしく自分の式神になれとスカウトした。呂秀の母の魂を連れ去った。蒲生醍醐という字かもしれない。真名ではない。記録では南北朝時代の宮中に勤めていた陰陽師で恨みを残す形で斬首された。
【漢薬】生薬、決まり多し。
【吉備】鉄づくりの発祥の地であり、陰陽師発祥の地でもある。
【吉備津彦】温羅を倒した朝廷の武将。
【吉備真備】陰陽師の始祖。
【恐怖】呂秀《人は皆、何かが怖いのです。怖いこと自体は構わない。怖さに気力を奪われ、判断を誤るのがまずいのです》第二巻p.219
【弦澄/げんちょう】燈泉寺の僧。呂秀とは親しい。
【寿座】播磨国の猿楽の一座。座長は常磐大夫。紅扇、白扇、蒼柳、竹葉が所属する。
【理】手順が基本。
【三郎太】大中臣有傅の部下。
【式神】主の好まない行為はなるべくしないように心がける。
【慈徳】燈泉寺に所属するデカい僧。腕は立つ。心やさしい。
【時代】足利義教の時代。
【貞海和尚】師匠。
【浄玄/じょうげん】燈泉寺の僧。呂秀とは親しい。
【しろね】大中臣有傅が飼うことになった猫。当初は瑞雲が憑依していた。
【瑞雲】備中国の西方を守護する神。猫の姿でやってきた。大中臣有傅をあっさり籠絡した。《この都人は、もはや吾が下僕だ。》p.92
【蒼柳】猿楽の寿座メンバー。
【竹葉/ちくよう】猿楽の寿座メンバー。
【土御門家】安倍家の主流。庶流の数が増えたので主流は土御門を名乗るようになった。
【伝承薬】一症状一種類。
【燈泉寺】貞海和尚や滋徳がいる。
【常磐太夫】猿楽の寿座メンバー。
【なぎ】薬草園を手伝ってくれている女人。
【白扇】猿楽の寿座メンバー。
【人】呂秀《でも人は違います。いつも負けています。負け続ける者は己の弱さを知り、他の人にも優しくなれる。》第二巻p.141
【法師陰陽師】役職としての陰陽師でなく市井の呪い師的存在。
【水瀬丸/みなせまる】青江政利が呂秀のために打った守り刀。太刀。人の魂を救う刀。錫杖として使えるような仕様になっている。刀身は魔物が触れるだけで浄化されそうだが、呂秀は抜いて使うことはしないだろうと思われる。
【薬師神鬼丸/やくしじんおにまる】青江政利が律秀のために打った守り刀。脇差し。穢れと禍を祓う刀。
【薬草園】呂秀と律秀が世話をしている。
【律秀】呂秀の兄で薬師、法師陰陽師。見えない人。
【呂秀】律秀の弟で僧侶。この世ならざるものが見える。
【和剤局方/わざいきょくほう】漢薬のテキスト。 -
Posted by ブクログ
初めてのSF。非常に面白かった。これまではどんでん返しが待つミステリーなどを中心に読んできたため、楽しみ方が分かっていなかったが、表題にもなっている短編である夢見る葦笛を読んですぐ、SFの楽しみ方が分かった気がする。SFは世界観を楽しむものなんだと思う。
その世界に読者を入り込ませる表現力が見事で、次々と頭に像が浮かぶような文章であった。
また最初入り込むのが難しかったとしても、信じて読み進めるべきだ。「プテロス」がそうだったが、読み進めるうちに、当初イマイチしっくりこなかった表現が、だんだんとイメージができるようになる。
全てが傑作なこの短編集が初めて読むSFで良かった。 -
Posted by ブクログ
ネタバレSF、まさしくSF!という感想をもった作品。
ジャレド・ダイヤモンドの「文明崩壊」を読んだことにより、長期的な環境変動と人類の危機に対して以前とは違う感覚を得た私には、この世界観が突き刺さる。
プルームの上昇は、(小説用に)タイムスケールをいじっているので本来は起きえないことだが、それでも地球環境の変動、遺伝子・環境の改変、予想外の連鎖を引き起こす改変手段、人間の思考を補助する人工知性体(AI)に制御不能に陥っている生物工学兵器、と現代(近未来)を暗示するようなストーリーではないか。
ホットプルーム上昇による海底面の上昇、それに伴う海水面の急激な上昇による陸域の大幅な減少。こういう人類滅亡のさせ方もあるのかと思った作品。
ポストアポカリプス後の世界であり、遺伝子の改変や環境への人為的な介入も当たり前のように行われている。その一方で、人類は相変わらず協力しあうことができず、自然界への介入も予想外の反作用を引き起こす、というこれまでと変わらぬ歴史を歩む。
序盤は、過酷な世界の中で主人公青澄らが目の前の問題(生活の改善)に奮闘する物語かと思ったが、本書終盤では再度のホットプルームによって人類が存亡の危機に立たされていることが判明していく。
数世紀を経て発展した科学技術でもこれは回避できず、一方で、減ってしまった人的・物的資源を有効活用するために環境適用技術を集中的に進歩させた人類は、地球からの脱出手段を持たずその開発も間に合わない。逃げることも出来ず、止めることはおろか逸らすことも部分的に安全地帯を作ることすら出来ないという八方塞がりのなか、人類存続をかけて足掻くという壮大なストーリーへと発展していく。
本書の良いところ、というかすごいところはタイムスケールではないかと思う。見所をつくるためには、1週間、数ヶ月、数年、といった比較的短いタイムスケールでコトの顛末を描くのが普通だろう。
ハリウッド映画のように長期戦になりそうなテーマでも「主人公の英雄的行動で救われる」というオチになることが多い。主人公らの寿命が尽きてもイベントが起こらないような物語はかなり珍しい。
しかし、本書はその珍しい部類で、最長50年後に起きる大異変に対応していくという、より現実的で、それゆえ複雑でとても難しい内容にチャレンジしている。
本書の中では滅亡の危機に瀕しても人類は一枚岩ではないので(これも残念ながらとても現実的)、進むほどに状況は絶望的に、それとは対照的に登場人物達は(小さな)希望を持って活動している。(下巻の冒頭で世界情勢が主人公らに明かされるのだが、)上巻末は悪い意味で「戦術的勝利の連続は戦略的勝利に結びつかない」というむなしさを覚える展開になっている。
とは言っても、ただ暗いだけの話では無く、下巻を読み終えるのを待たずに続編購入を決めるほどに面白い話になっている。
プルームの再貫入がなくても過酷な世界で、人間同士の争いに邪魔されながらも前に進もうと足掻く主人公らの熱い物語には引きつけられるものがあるし、海洋民の生態も面白い。環境が安定すればすぐに力を盛り返す人類に対して、旧世界の負の遺産としての生物兵器や、ドライブされた遺伝子変異(敵が比較的短期間に変異することで対策が変わる)というギミックで制限を掛けているのも上手いと感じる。
大きな絶望の中、小さな希望以外には見いだせそうにない世界観だが、最後にどういったオチを持ってくるのか楽しみな作品である。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ感想
人間が作り出した装置に苦しみ、それと戦い、殺し合いながら、しかし何とか生きていく。
最後の一文、彼らは全力で生きた。それで十分じゃないか。これにこの本の全てが入っているように思えた。
あらすじ
青澄はツキソメを調べていくうちに、獣舟が人間の形に変異していることを知る。日本の上位組織のプロテウスは青澄に世界滅亡の情報を知らせ、ツキソメこそが人類の生き残りに必要な情報を持っている可能性があるという。
プロテウスと青澄どちらが早くツキソメにアクセスし、データを確保出来るのか?
結果的に終末世界が訪れ、ツキソメのデータが役立ったかどうかは不明。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ感想
SFだから当たり前だが、人間も変容し、高度な人工知能と自然が融合した独特の世界観。天変地異が起こっても人はやはり、土地争いと戦争に明け暮れるのかと思うと少しウンザリしてしまう。
人間が作り出したものに翻弄され、人間が歪み合う。人間のカルマのなれの果てを描いているよう。ありえるから怖い。
終盤は細かい話から一気に壮大な話へ、人類に第二の危機が生じる。
あらすじ
近未来、海底が260m隆起して、人々は土地の奪い合いを始めた。それぞれが連合国を形成し、そのうちに陸上民と海上民に分かれて人は生活するようになった。
青澄は陸上民で、海上民とのトラブルを解決する外交官だ。今回政府から、ツキソメという海上民を日本政府に帰属させ、税金を納めるように交渉せよとお達しがあった。一方のツキソメは、日本に帰属する気はないが、海上ステーションの建設により生まれる利益を納めても良いと言ってくる。青澄の交渉が始まる。
海上民は魚舟と共に生活する。ツキソメは多くの魚舟を操れる結手だった。パートナーのいない魚舟は陸に上がって、餌を食い散らかす問題になっていた。
細かい政府の縄張り争いにとどまらず、地底のマグマが大量に地表に噴き出す可能性が予測されたこれにより、噴火による直接の影響だけでなく、空が粉塵で覆われることにより、太陽光を得られず極寒の中、人類が滅亡する可能性が出てきた。