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Posted by ブクログ
下巻も読み応えがある世界でした。人の業は深い。
人類滅亡が避けられない未来がやってくるのを知りながらも、分断と闘争はなかなか止められないないというのが…血塗れの「深紅の碑文」という言葉が重くのしかかりました。
陸・海・空をそれぞれ、青澄・ザフィール・ユイという登場人物が中心になって描かれていました。
青澄は救援活動、ザフィールはラブカでの陸との闘争、ユイはアキーリ号を宇宙へ放つ、というそれぞれの闘いは悲しい結末や消息不明にもなったけど、それでも、アキーリ号出発は救いでした。青澄は脳内で見てたんだな…再読で、意識不明中だったのに気付きました。副脳凄い。
連作で続編も構想されているようなので楽しみです。
「反対意見を持つ者を社会から排除したり、力ずくで叩き潰したりするような真似は、どこの誰にもさせてはなりません。それこそが、あの闘争から私たちが学び、最後まで担うべき仕事ではないでしょうか」…今の状況に重なる気がするので覚えておきます。
Posted by ブクログ
大河ドラマって子供のころは親が満てたから一緒に観てたけど、まぁ永らく観てなくって、でも一年を通して見続けると思い入れも出てきて、最後はけっこうぐっとくるのかな、と思ったり。
この話はけっこう長い時代を語っているから、読み切った後で似たような感慨があるような。
ああ、頑張ったよなぁ、って。
こういう感覚ってもしかして年を取らないと分からないのかもね。
子どもの頃ってあれじゃん、年を取ってやり切って、なんてのが想像できないし。まぁ人によるか。
一番気に入ったのは、出てくる人たち、いちいち不器用というか、華々しくすごい解決策が出てぱーっと解決したりとかはなくて、頑固で、一途で。
自身を振り返れば、どうでも良いところで頑固だったり、大事なところで妥協したり。
はー、もうちっと頑張ってみるか、と思ったのであった。
Posted by ブクログ
「獣舟・魚舟」『華竜の宮』「リリエンタールの末裔」そしてこの『深紅の碑文』と続いてきたオーシャン・クロニクルシリーズですが、そこにはSFの面白味が詰まっているといっても過言ではない気がします。
アンドロイドや遺伝子改変といったテーマは、どこまでが人間なのか、どこからが人間ではないのか、といった古くからあるテーマを、より深く追求しているように思われます。
技術が進んだ上での戦闘兵器の発達、地球の陸地の多くが海に沈んだことによる海上民と陸上民との紛争は、人間の業の深さを考えさせられます。
SFとしての壮大な世界観をバックに、そうしたテーマをしっかりと浮かび上がらせていくのです。
そして、世界観の面白さや、倫理面だけにとどまらないのがこの作品のすごいところ!そこに住む人の生き様も、世界観に負けず劣らず濃密に描かれています。シリーズを通して、濃密に世界観が構築されただけあって、そこに生きる人々の生き様もより濃く描けるようになったのだと思えます。
救援活動を続ける青澄。海上民としての誇りを胸に突き進むザフィール。そして宇宙という夢に希望をつなげようとするユイ。それぞれが全く違う道を突き進んでいるのに、いずれの生き様にも説得力があり、そしていずれも、長編一作品くらいのドラマがある。これもまた、すごいことだと思います! そして、それを通して、過酷な世界に負けない人間の熱意や夢の部分にも光を当ててくれるのです!
設定負けもせず、世界観を丹念に描き切り、そしてそれぞれの人間ドラマも熱い!
本当にSF史に残るシリーズだってといっても、過言ではないと思いました!
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