【感想・ネタバレ】妖怪探偵・百目1~朱塗りの街~のレビュー

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Posted by ブクログ 2024年01月22日

とにかく読みやすい。文章がうまいので一気読みしてしまった。
登場人物(?登場妖怪か)もキャラがたっていて異形のものとしてとてもおもしろかった。
百目のヒューマンモードが「冷たい感じの美女」、これが百個の目が開くとき、背筋がザワッとするなんともいえない気持ち悪さがいいです。

個人的に「イズナ」ファミ...続きを読むリーがお気に入り。

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Posted by ブクログ 2014年10月25日

妖怪が跋扈する<真朱の街>で探偵事務所を営む妖怪・百目は絶世の美女。ある事情からこの街に逃げ込んできた相良は、自身が巻き込まれた事件を契機に、依頼報酬は人の寿命という百目に時折命を吸われながらも探偵助手を務めている。

人と妖怪、呪いと最先端科学、自然の霊力とサイエンス・テクノロジーが融合した、魔...続きを読む除けの朱に染められ無数のお札を貼りこめた建物に囲まれたこの街は、かつては医療特区だった。その名残で、最先端医療技術の研究開発が行われていたりもする。
そんな街で、人と妖怪は奇妙な共存関係にあった。
勿論、悪い出会い方をすれば、喰われるのは人間なのだが。

そんな街で探偵家業を営む百目だが、人さえ喰えれば(文字通り肉体を貪るか、ちょっと優雅に寿命を吸うか)生きていける妖怪のこと、気が乗らない依頼は一切受けない。彼女が乗り出すのは、妖怪絡みの事件に限られる。

百目と相良が関わる五つの事件。
特に興味深く読んだのは第四話『炎風』。人が開発したヒューマノイド・ロボット<明日香>に恋をした妖怪かまいたち<風鎌>が、消えてしまった恋人の捜索を依頼してくる。
人ならざる者同士ながら、かたや古来の妖魔、かたや先端科学の申し子。人の心の奥底までも覗き込む百目が見出す、かれらの恋の行方とは。

相容れない存在同士が喰いつ喰われつしつつも、それぞれに滅びてしまわぬよう、ぎりぎりのラインで共存する<真朱の街>(それでも、人は呪力や科学力を駆使して妖怪を排除する道を諦めてはいないし、妖怪も隙あらば人を喰うけど)に生きながら、人であることをやめ妖怪側にたつのか、それとも人の世界へ立ち戻るのか、揺れ動く相良。
妖怪も妖怪で、人の科学技術を便利に使っていたり(百目なぞ、全身の目を隠すために人工皮膚を使っている)もするのが面白い。
余談だが、妖怪の跋扈するこの街で、相良が通う妖怪酒場のマスター・牛鬼が提供する"人間用おつまみ"は結構おいしそうである。
続刊が待ち遠しいシリーズとなった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年09月28日

表紙に騙されてはいけない本。全身に百の目をもつ妖怪、百目が探偵事務所を開いているのは、妖怪と人間が共存する「真朱の街」。請け負う仕事はすべて妖怪がらみで、人間の助手を一人雇っている。この頼りない助手が狂言回しかと思ったらそうでもないようだ。なにせ探偵が妖怪、相手も妖怪だから事件も解決したようなしない...続きを読むような…と思ったらどうやら最後の一編が今後の展開における重要なプロローグのようだ。どう転がるのか誰が味方で敵なのか、そもそも敵味方があるのか続きが楽しみです。

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Posted by ブクログ 2022年01月05日

妖怪ミステリーなんでしょうか?さほどマニアックな妖怪は出てこないのでとっつきやすい。作者さんの華竜の宮が大好きでこちらも読んでみたけど、こちらは”ハヤカワSF”でなくて、”講談社ノベル”って感じ。

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Posted by ブクログ 2021年08月11日

上田さんの作品は、「華竜の宮」を最初に手に取り、次にこの本を読みました
最初に読んだ作品からは、妖怪のイメージは難しいですね…嫌いではないですけど
第1巻のこの本は、あくまでも2巻目の布石的な位置づけ?
正直、主人公が誰なのか、私にはよく分かりません(苦笑)
多分、2巻目以降で色々と解き明かされてい...続きを読むくのでしょう
楽しみです

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Posted by ブクログ 2017年08月15日

探偵ものかと思ったら妖怪ものでした。ミステリというか伝奇もの。上遠野浩平のソウルドロップシリーズと似たようなテイストを感じました。あまり共通点はないと思いますが。3部完結のようなので一気に読んじゃおう。

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Posted by ブクログ 2017年04月18日

うーん、微妙だなぁ。

連作短編集かと思ったら、続きモノで、話は次巻以降に続くらしい。

1巻だけ読むと、妖怪と人間の関係がイマイチ絡まなくて、物足りなさや裏切られ感が残るんだけど、2巻目以降はどうなるんだろうか。

どちらにしても、続編に手を出すのは、二の足を踏むな。

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Posted by ブクログ 2016年10月08日

人間と妖怪が共存する街で起こる、不可思議な事件を、人生に絶望した普通の人間相楽くんをワトソン役に、絶世の美女の姿を持つ妖怪探偵百目が鮮やかに解決〜、ナンテコトデハなかった。
世界が大きく壊れていく?未来を示唆しながら、一編ずつ話が進むにつれて、妖怪の生き方がとても自然に見えてくるから不思議。

1巻...続きを読むだけでは、SFらしい面白さがまだまだ出てこないので、2巻まですぐ読もう!

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Posted by ブクログ 2014年10月23日

妖怪がほとんどを占める街。
そこの一角で『探偵』をしている人の
助手を務めている主人公。

連続短編になっているので読みやすいですが
これの前身は別の本に入ってる模様。
読んでいなくても十分読めますが、所々にある説明が
その話が暗いような救いがないような…?

主人公は人間ですが、周囲は当然妖怪だら...続きを読むけ。
思考回路の切り替えが早すぎて見事ですが
妖怪だから、でこちらの切り替えも終了。
知っている習性を持っていることから、読んでいて
相手の素性はなんとなく把握できます。
有名どころが出ている、とか?w

しかし主人公は無気力です。
そして事件は妖怪にとっての無事解決であり
人間にとっては解決した? 程度。
温度差のギャップがすごいですが、読んでいると
こんなものか、という納得が。
なので、納得あるハッピーエンドが欲しいなら
止めておいた方がよろしいかと。

所で、拝み屋との関係は何なのでしょう?
街に住む妖怪達と、の関係は分かったのですが
その時、いなかったのですよね…。
別件?

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Posted by ブクログ 2014年09月24日

SFチック。仲良しで和気あいあいな妖怪物語ではなく、ダークな雰囲気が漂っている。百目と相良二人の契約もシビア。
「魚舟・獣舟」を先に読めばもっと世界に入りやすかったかも。
まだ序章という感じ。今後の展開が楽しみ。

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Posted by ブクログ 2014年08月28日

「真朱の街」その後の短編連作。
妖怪と人間が共存する未来の世界。
ありきたりな要素にもさすがの世界観。
彼らのストーリーよりもラストの播磨遼太郎に釘付け。

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Posted by ブクログ 2015年11月21日

妖怪と人間が共存する“真朱の街”

妖怪と人間が共存する時代設定としては、江戸時代や平安時代がよく使われますが、この本の時代設定は近未来。しかも「見る」ことに長けた妖怪が人捜しをする探偵小説。
京極夏彦さんの人の記憶が見える探偵を妖怪にしてしまった感じ。他にない新しい設定の小説だ。

平安時代や江戸...続きを読む時代は社会が安定し、文化が発展した時代だが、さてこの本で設定された社会は、どうなのだろう。
まだまだ社会やこの社会で生きる人々のわずかな断片しか見えないので、この後、断片がどのように繋がって全体が見えてくるのか楽しみ。

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Posted by ブクログ 2014年08月23日

妖怪が跳梁跋扈するようになった元医療特区の実験都市〈真朱の街〉、オカルトとサイエンステクノロジーが雑じり合う都市を舞台にした連作短編集。同著者の短編集「魚舟・獣舟」収録の「真朱の街」に連なる作品となっている。作中で言及はあるものの「真朱の街」が収録されていないのは残念。
相反する要素が混然となってい...続きを読むる舞台設定が一番の特徴だと思うのだが全編にわたってそれを前面に押し出しているわけではないようだ。ハードボイルドと銘打っているようだがメインの探偵役たちには残念ながらその雰囲気は感じられなかった。拝み屋など気にいった登場人物もいるので、今後舞台設定をより活かした特異な話が紡がれていくことを期待したい。

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Posted by ブクログ 2015年05月03日

『獣船・魚船』に収録された短編「真朱の街」のその後を描いた連作短編。

 続編ものとなっていますが、邦夫がなぜこの街にやってきて百目の助手を務めるようになったかは、これだけ読んでも分かるように書かれています。

 妖怪が多数登場する作品で、SF作品の多い上田さんの作品群の中ではちょっと異色な感じもあ...続きを読むりますが、作品から浮かんでくる問いかけ、というものは共通しているものも多いと思います。

 序盤の短編は近未来の設定なのに、SF要素が少なくてちょっと寂しかったのですが、四話目の「炎風」は妖怪、人間、ヒューマノイドが登場しこの世界観でしか描けないような物語になっていて面白かったです。

 そして本のタイトルにも〈1〉とあるように、今後この妖怪と人間が共存する未来世界に大きなことが起こることを示唆され物語は閉じました。こういう世界観の作品は唯一無二だと思うので次巻が楽しみです。

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