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Posted by ブクログ
幼いリラが言う。
「戦禍の風は、子供や大人の区別なくあらゆる人間を怪物に変える」
物語は第一次世界大戦の西部戦線、ドイツ軍の塹壕の中で無常感に蝕まれていたイェルクを、シルヴェストリ伯爵が拾う、リラという少女の護衛役とするために。
“国”とはいったいなんだろう。
どんな状態であっても、国の人のことを第一に考える……時には敵対する国の人を必要以上に憎んでまで。
必ずしも“戦争”という特殊な事態の中だけではなく、常日頃に思いがけなく顔を出す。
そして「経済」……人の世に巣作る魔物とは……
魔物以上に残酷な人間たちを救うために、イェルクたちは動き出す。
その手段が諜報活動って、俗人っぽく“魔物”らしくないところが現実的。
やがて戦いは止む、
でもまたさらに酷い戦いが始まる。
「人間であるとは、どういうことなのか」
魔物を通じて考える……
Posted by ブクログ
昨年からちょっとずつ読み進めて、1月に読み終えてたのに感想書かずに放置状態。
第一次世界大戦中、床屋さんから従軍し、死の淵で怪しきものに出会い半分人で亡くなったドイツ人のお兄さんが、人でありながら妖に育てられたポーランド人の少女の護衛となりやがて本物の妖になる。
世界史知識が中学生レベルで止まってるものの、色々あの時代興味深いわ。
更にその妖ことシルヴェストリ伯爵が妖になったきっかけがワラキアの串刺し公ヴラド3世とか、なんというかほんと個人的にご縁を感じます。(結局その辺りの歴史が好きなんだなあという。皆川博子先生とか、佐藤亜紀先生とか)
2023年3冊目。
Posted by ブクログ
「『人間である』とは、どういうことなのか。おそらく人間は、常にそれを己自身に向かって問い続けていなければ、容易に、人でないものに変わってしまうのだ」
かのワラキア公ヴラド3世の血を受けて、不死となった「伯爵」以下の魔物の目を通して描かれる、第一次大戦。庶民の窮乏など知ったことかで、戦争の継続を選ぶドイツの上層部には歴史と分かっていても怒りが募るが、2022年4月現在、似たようなことがリアルタイムで起きてるからなあ。ヒロインのリラが伯爵に、「私たち、美味しいパンと寝床があれば、それだけ充分なのに」と言うのだが、これはもちろん「どうして」と続く。ホントにどうしてなんだろうね。
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