【感想・ネタバレ】魚舟・獣舟のレビュー

あらすじ

現代社会崩壊後、陸地の大半が水没した未来世界。そこに存在する魚舟、獣舟と呼ばれる異形の生物と人類との関わりを衝撃的に描き、各界で絶賛を浴びた表題作。寄生茸に体を食い尽くされる奇病が、日本全土を覆おうとしていた。しかも寄生された生物は、ただ死ぬだけではないのだ。戦慄の展開に息を呑む「くさびらの道」。書下ろし中編を含む全6編を収録する。

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Posted by ブクログ

映像が浮かぶ不穏美しい作品。
上田さんの作品まだまだ読めてはいないけど、読んだ中ではの一番好きな世界線。

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2025年11月29日

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どれも設定が素晴らしい珠玉のSFだった...
タイトルの魚舟・獣舟はかなり荒唐無稽かつ複雑な設定なのにすんなり世界観を理解させる導入が凄い。著者の文章力の高さ、そして人間への解像度の高さがふんだんに発揮されていた。

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2025年05月04日

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ネタバレ

表題作は最初の33ページ。この作品だけでも良いと思い買った。
華竜の宮を読んでいるので世界観や背景は分かっている。火薬で魚舟を傷つけるところは「ああ・・」となった。獣舟が進化する描写も良く、買った甲斐があったと思った。
華竜の宮では見られなかった魚舟に対するドライな感情を持った人物が主人公であったので、共感する部分があった。遺伝的にイジられているとはいえ「皆が皆魚舟に執着するわけでは無いだろう」と思っていた違和感が払拭された。
他の作品を読んでからでないと分からないが、この作者の作品はいつも悲しい。物語の背景に悲しさや寂しさが濃淡を変えながら漂っている様に感じる。

解説には「傑作(短編)選」や「その年の最高の短編」の文字があるが、これが誇張ではないと感じる。
どの作品もバイオサイエンスを強固な基盤としているのだが、第二軸として人間の心理やファンタジーを絡めることで驚くような広がり、多様さを感じる。
それでも読んで感じる雰囲気は一貫しており、(作品の幅を持たせるために)無理に要素を追加している感じはせず、作者の度量、手腕に感嘆する。

最後の書き下ろし中編では心理描写の巧みさに舌を巻いた。異常心理でありながら共感してしまうような描写に、思春期のエネルギーや心の揺らぎ、賢い主人公を完全に包括する社会実験の枠組み。SF作品であるが、そう分類したくないほどに強烈な人間の描写がある。この作品はSFを描画不足の隠れ蓑にしていない秀作であると感じた。

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2024年03月24日

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OCシリーズの原点である「魚舟・獣舟」。現代社会崩壊後の世界、異形の生物と人間の関わり合いがわずかなページにぎゅっと込められた良作。「くさびらの道」は映画化されるそうなので楽しみ。「真朱の街」は妖怪探偵百目の前日譚かな?そして「小鳥の墓」、すばらしい!極端な管理社会の元で生きる二人の少年の話。なんと火星ダーク・バラードの彼の少年時代のお話ということがラストに明かされ暫し呆然。これがあの物語に続くのかと。上田氏の他作品を読んでいる方には、驚きも発見も感動も更に深まる短篇集ではないかと思う。

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2019年10月18日

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タイトルにもなっている魚舟・獣舟は白眉の出来。鮮やかな描写と展開が余韻ある悲しいドラマを生み出している。短編集+中編が1つで、どの話も面白かったのだが、「くさびらの道」のおぞましくもどこか美しい奇病の描写が特に気に入った。中編「小鳥の墓」は「火星ダーク・バラード」と関連があるらしいのでそちらも読んでみたい。

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2019年03月08日

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ネタバレ

 30歳を過ぎてからSFを読み始めた。
 コアなSFファンの方は10代にドハマりする方が多いので、かなり遅咲きなほうではある。
 さらには読み進めていくうちに気付いたことがある。

 基本、女流作家しか受け付けない。

なぜかはよくわからないのだが、女流SF作家の本がいちばん読みやすい。男性作家でも好きな作家さんもいるんだけど、読むとよきにつけ悪しきにつけものすごく消耗が激しい。
 もちろん、「女流」といったところで、さまざまなスタイルの人がいるわけで、一概にそれでくくるのは無理があるとしても、である。

 そんななかで、上田 早夕里氏は気にはなっていたがなかなか手が出なかった作家さんであった。
 しかし、先日読んだ火星ダーク・バラードが面白かったので、そのスピンオフ的な作品が載っている「魚舟・獣舟」を読むことにした。
 上田氏の著作は、設定の「ハード」な部分とキャラクターたちの情緒的な「ソフト」な部分が、いい塩梅なんだと思う。
 たぶん、男性作家の場合は前者にやや偏りがちに感じるんだと思う。

 表題作の「魚舟・獣舟」も面白かったけど、いちばんキたのは「くさびらの道」。
 これは、久々に読んでよかったと感じるより、ヤバかった。

 なんでしょうね。
 短編ながらもかなりパンチが効いていて、菌とホラーとSFの相性をまざまざと見せつけられた、っていうか、、、
 ヤバい。これはヤバい。

 映画秘宝が青春の友だったB級映画大好きな元ダンナにいわせると、「つまり、マタンゴやね」ということらしい。

でかい捕食動物に食べられるのももちろんいやだけど、内側から食い荒らされていくのももちろん、コワい。 
 でも、キノコが菌糸を伸ばして繁殖していくさまが、浸食を思わせるのか、菌に食われゆく人体というイメージは「ざらっ」とした手触りが残る。 

 ちょっと異色なホラーが読みたい、という人にはおススメです。

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2019年02月04日

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SF大賞候補作に挙がっていたので読んでみた
文句なしに良くできたサイエンスファンタジーとしてのSF
星野之宣的おちついた大人な感じの作風
それぞれの短編ごと異なるファンタジー的な奇想を含む素材を
きっちり落とし込む手腕が見事
別の作品も読んでみよう

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2019年01月11日

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深紅の碑文を買ってきたので、序盤から読み直し、「20の短編小説」を読んだばかりで短編頭にもなってるし、

と思って読み始めたが、
中身すごい。
いまいまの現代をとらえているとしか思えない中編あり。

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2018年12月15日

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海洋生物からキノコ、妖怪まで、あらゆる異形が登場するSF短編集。飛び抜けて面白いのは、表題作品の「魚舟・獣舟」だ。オリジナルの世界観が、人の心の純粋さを語る。他の作品も解説するまでもなく面白い。好みは人それぞれだろうが、個人的には「ブルーグラス」がお気に入り。また、「真朱の街」は妖怪の言葉が真実すぎて心に刺さる。

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2017年05月19日

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ネタバレ

著者初読。パイセン本。

上田早夕里『魚舟・獣舟』は、ページをめくるたびに“生き物としての人間”が静かに姿を現してくる、深い余韻を残す短編集だった。どの物語も独立した世界を持ちながら、共通して流れているのは、変わりゆく環境とそこに必死に生を繋ごうとする人々の確かな息づかいだ。

表題作「魚舟・獣舟」では、異形の存在と共に生きる海上民の姿が印象的で、未知の生命に抱く畏れと敬意が見事に交錯する。変容していく世界へ向き合う彼らの姿に、読者は“適応して生きる”という言葉の重さを思い知らされる。一方でそこには、厳しい現実を越えてなお、未来を切り拓こうとするしなやかな希望が宿っている。

「くさびらの道」や「小鳥の墓」といった作品では、人の心の脆さと強さが同時に描かれ、読後に深い静けさが残った。上田早夕里の筆は、苦しみや孤独すらもどこか透明な光の中に置き直し、人間の内側にある微細な感情を、丁寧にすくい上げていく。

全体を通して感じるのは、厳しい世界を描きながらも、人と世界が持つ“可能性”を信じる視線だ。それは強烈な設定や残酷さを中和するものではなく、むしろその奥底に沈む確かな人間性を、よりくっきりと浮かび上がらせる力となっている。

重厚な物語群でありながら、不思議な温度をもって心に染み渡る短編集。読後には、はるかな海の音が胸の奥で静かに響き続けるような、そんな深い読書体験が待っている一冊だった。

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2025年11月18日

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「この世に存在しないものを、まるで在るかの如く魅力的に創造する……。これは、とてつもなく手間とセンスがいるんだよ。」_p197小鳥の墓

映画監督の父が息子に言った台詞ですが、小説家である上田早夕里さんが創作活動において目指すところなのだろうと感じました。

どの作品も設定がよくわからないままその世界に放り込まれてはじめは少し読みにくいなと思うのですが、読み進めるうちにだんだんと魚舟や幽霊や妖怪が当たり前に存在する世界に入り込んでいくような感覚でした。まさに"この世に存在しないものを在るかの如く創造する"ことに長けた作者だと思いながら読んでいたので、その思惑を感じ取れていたことが嬉しかったし、それが素人の私にも伝わるほどに努力と才能の人なのだと思います。

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2024年08月01日

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短編集
どれも、読みやすくおもしろい。
オーシャンクロニクルシリーズである表題の「魚舟・獣舟」は短いながらも世界観、物語の奥深さを感じる傑作。

「真朱の街」これは別で3冊シリーズ化している妖怪探偵・百目の始まりの物語。個人的に、人ではない異形の物語にひかれるのでかなりおもしろかった。シリーズ化したものも読んでみたい。

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2024年01月22日

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魚舟の世界観、足りない!!
「オーシャンクロニクル」シリーズの最初の1冊

関連するのは「魚舟・獣船」だけで、他は別なSFで全部で6編が入ってます。
「魚舟・獣船」★★★★(ストーリーは出来てて、あえてこのシーンを初出しで使ったんだな。作戦成功ですね。)
「くさびらの道」★★★★★コロナ禍で身につまされる。
「饗応」★★★★疲れたAIの話
「真朱の街」★★★妖怪の話
「ブルーグラス」★★★★近未来の黄昏
「小鳥の墓」★(この文庫の約半分がコレですが退屈で、途中で止めた。)

でした。

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2023年02月03日

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上田早夕里も私の好きな作家だ。
ホラー、SFはたまた現代への警鐘を鳴らすディストピア小説。奢った人類の行き着く先を暗示しているような小説たちに、背筋を凍らせながら引き込まれる魅力を堪能した。

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2022年07月30日

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再読でも面白かったです。
同じ世界感でお話が書かれた「魚舟・獣舟」、改めて読むとこんなに短い頁数だったんだと驚きました。惹かれてもっと読みたくなります。
「くさびらの道」「真朱の街」も好きです。くさびらの道は新型コロナウイルスが蔓延しているこのご時世に読むと前より恐ろしいです。
どの作品も、どこか冷めた目線なところも良かったです。一歩離れたところから、描写している。

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2021年06月12日

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上田早夕里さんの短編集。ジャンルで言えばSFホラーということになるのかな。
やはり、表題の『魚舟・獣舟』と『くさびらの道』が良かった。
読後に感じる一抹の喪失感とちょっと背中が寒くなるような感じ。嫌いじゃない。

この短編集の全体の雰囲気として遺伝子操作された人間が普通に暮らし、アンドロイドが人間の代わりに危険な仕事をし、そのような中でも妖怪や異形の者が当たり前のように存在する。非常にダークな未来観でありながらも何となく古風な日本の雰囲気も醸し出している。映画『ブレード・ランナー』のような猥雑な感じでもなく、すべてがクリーンで管理された未来都市とまでは行かない。このどっちつかずなリアルな雰囲気、すごく好きですね。

上田早夕里さんの著書はかなり前に『火星ダーク・バラード』を読んだ記憶があるのだけれど全然覚えていない。本書の約半分を占める中編の『小鳥の墓』が『火星ダーク・バラード』の前章譚らしいのでいつかもう一度読んでみよう。
次は、『魚舟・獣舟』の世界観が引き継がれている『華竜の宮』をじっくり読んでみたい。

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2019年04月16日

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 短編集なんだけれども、1話1話ががっつり濃くて読み応えがある。
 獣舟から華竜の宮の構想を得たというけれど、どんな世界が見えているんだろうね。
 小鳥の墓の後味の悪さもすごい。

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2014年11月29日

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かなり上質のSF短編集。ホラー色が強いものもあれば人間心理を深く抉る作品もあり、どの話も読者を休ませず楽しませてくれる。表題作は別格。中編「小鳥の墓」も読み応え有。

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2015年07月07日

Posted by ブクログ

上田氏の小説はこれが初めてだが、いい作家を見つけた気分。
魚舟・獣舟 、くさびらの道、ブルーグラスなどがお気に入りで、どうやら生態系がらみが気にいっているようだ。

特に、ブルーグラスにはなんともいえない心の奥に響いてくるものがあり、琴線にふれるのである。

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2021年02月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

近未来的な世界を舞台とした短編5編と中編1編の構成。短編ごとに「妖怪と共存する世界」「人間でありながら異なる生物へと進化する人種が存在する世界」など、SFという共通ジャンルの中でも、ホラー寄りのものや切ない恋物語など、まったく異なる趣の物語が揃っている。
いちいち個別に感想を書くのも面倒なので、「どれもそれなりに面白かった」ということでまとめておく。

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

購入して10年以上読まずに本棚にしまっていた1冊。当時ファンタジーものだとなぜか思い込んで購入したものの苦手なSF要素を感じて読まずにそれきりになっていた。あの頃よりいろんなジャンルを読み漁るようになって改めて読んでみるとあっとう間に作者の世界に引き込まれた。
タイトルから想像してたものとはまったく違う、冷静で容赦なくじっとりした話達だった。
本棚にしまいっぱなしにしなくてよかった。
作者の他の作品も読んでみたい。

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2025年09月05日

Posted by ブクログ

ずっと気になっていた上田早夕里さんのオーシャンクロニクル・シリーズ。いきなり「華竜の宮」といきたいところだけど、まずは順番通り中短編集の本作から。とは言えリンクするのは表題作の1編だけ。ほんのさわりだけという感じながら、陸地の大半が水没した未来の地球を舞台にした独特な世界観は味わえた。他も妖怪探偵シリーズに繋がる「真朱の街」、デビュー長編「火星ダーク・バラード」の前日譚という読み応えある中編「小鳥の墓」、ゾッとするバイオ・ホラー「くさびらの道」など粒揃いで、様々な形態のSFを楽しめた。

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2023年06月04日

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ネタバレ

魚舟
ウォーターワールドみたいな世界。プラス、人が魚に進化?する。海と陸で生きるものの葛藤みたいな。。
壮大だけど、初期設定が広大過ぎてまとまりがない気がする。

くさびらの道
九州に真菌感染症が発生。キノコが生えて死者多数。
近い人を見せる菌の成分で被害拡大。

饗応
AI ロボットの束の間の休暇

真朱の街
子どもが妖怪に拐われて百目鬼と探索。

ブルーグラス
海に沈めたドームグラスを探しに行く。

小鳥の墓
未来。教育特区に馴染めず外の世界に染まる少年。最後は殺人を繰り返す。

総じて初期設定は面白い。ただ、人間の残念な所は変わらない、、なんか後味が悪い。
読んじゃったけど。

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2023年06月03日

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不思議な非現実的なストーリーの世界観であり、一方で説得力のある内容であるため、読み終えた後になんとも言えない満たされない気持ちが残る笑(読めば共感してくれるのではと)。読む中で、ストーリーの背景・設定にあるメッセージ性を強く感じた。個人的には、作者の思いをあまり感じず、考えずに、ストーリーの世界を想像しながら読みたい派なので、ここは好みが分かれる気がしたが、読み応えがあることは間違い無く、評価も高いことも納得。

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2023年06月02日

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華竜の宮を読もうと思い、こちらを先に読むと世界観がわかりやすいということで読みました。私にとっての初の上田早夕里作品です。
※著者の上田先生いわく、「魚舟や獣舟という生物がなぜ存在するのか、その誕生史が、最も詳しく、コンパクトにまとめられている作品」とのことです。
この短編を読み終わった後、すぐに華竜の宮を読みましたが、独特な世界観が頭に入ってきやすく、先に読んでいてよかったなと思いました。
また、この短編集の最後の作品である小鳥の墓はかなりのボリュームがあります(火星ダークバラードの登場人物の過去の話です)。こちらが書籍のタイトルでも良かったのでは…。
小鳥の墓は私のとても好みに合っており、監視社会とは何だろうと考えさせられる作品でした。
華竜の宮や、火星ダークバラードを読もうかなと思っている方は是非ご一読を。

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2021年01月12日

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表題作用に編集された作品集とあってか、設定の秀逸さが突き抜けている。今作が後のオーシャンクロニクルシリーズの土台になるらしいが、政治外交色が強い印象の当該シリーズを少々敬遠気味ではある。収録作の出自を見る限り、所謂寄せ集め的な作品集に思えるが、全編【喪失】というテーマが一貫しているのは意図的か否か。SFというよりホラーや幻想文学の色合いが強いが、文章のタッチは純然たるハードボイルドである。書き下ろしの中編はデビュー作のスピンオフらしいが、本編未読の所為なのか、この敵役の凡庸な悪の美学に物足りなさを覚える。

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2020年12月11日

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SF。中短編集。短編5作と中編1作。
短編ではやはり表題作が秀逸。30ページに満たないボリュームで、壮大な世界観を表現し、しっかりとしたストーリーを展開。同じ世界観の長編があるらしいので、読んでみたい。
他の短編作品はそれなり。多少ホラーテイスト。
中編は『火星ダーク・バラード』の前日譚らしい。あまりSFらしくない。人間の悪意を描くのはうまいと思う。

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2016年12月17日

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ネタバレ

「魚舟・獣舟」★★★★
「くさびらの道」★★★
「饗応」★★
「真朱の街」★★★
「ブルーグラス」★★★★
「小鳥の墓」★★★

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2015年08月07日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ホラー寄りのSF。結構この系統は好き!
読売新聞の読書コーナーでこれの続編的なのをお勧めされていたので、そちらも読んでみたいです。

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2025年05月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

六編で構成される短編集。
どれもが終わりや喪失といったテーマに含んでいる。そのテーマゆえに、作品全体に幻想的な雰囲気がある。
後ろ髪を引かれるような独特の悲哀は、読んでいて「悲しい」というより「淡く儚い」という印象を受けた。

SF的なギミックは随所に見られますが、それらはあくまでもアクセント。ストーリーが主軸にあってそれらを彩るためにSFが存在している的な。
説教臭くもなく、SF初心者でも気兼ねなく読めそう。どの話も収束に向けた流れが綺麗でストレスなく読める。

個人的に一番面白いと思ったのは「真朱の街」。
妖怪が人類に関わるようになったくだりの設定を読むとクラーク三法則の第三法則を思いだす。

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2015年04月10日

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