リリエンタールの末裔

リリエンタールの末裔

小説・文芸
748円 (税込)

3pt

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海洋黙示録『華竜の宮』が大反響! 今もっとも注目されているSF作家による初の本格SF短篇集。 彼は空への憧れを決して忘れなかった――長篇『華竜の宮』の世界の片隅で夢を叶えようとした少年の信念と勇気を描く表題作ほか、人の心の動きを装置で可視化する「マグネフィオ」、海洋無人探査機にまつわる逸話を語る「ナイト・ブルーの記録」、18世紀ロンドンにて航海用時計(マリン・クロノメーター)の開発に挑むジョン・ハリソンの周囲に起きた不思議を描く書き下ろし中篇「幻のクロノメーター」など、人間と技術の関係を問い直す傑作SF4篇

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リリエンタールの末裔 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    オーシャン・クロニクルシリーズの「リリエンタールの末裔」を読みたかったのがきっかけ。嬉しい誤算だったのは、どの短編作品も掛け値なしに面白かったこと。個人的にはオールタイムベスト級である。また、「リリエンタールの末裔」や「幻のクロノメーター」は男が一生をかける夢や仕事についての物語であり、単純な行動ではあるが男としてこのような生き方に共感を覚える。特に「幻のクロノメーター」については、途中から登場する一つの石が人類の文明を変えてしまうようなものになり、自分の想像をはるかに越える展開にセンス・オヴ・ワンダーを感じた。ずるいくらい楽しませる作品である。

    0
    2017年11月20日

    Posted by ブクログ

    異形物と独特の世界観が融合してる、作者の持っている一つの世界がここにある感じ。真似のできない独創性という言葉がとても似合う

    0
    2014年02月22日

    Posted by ブクログ

    テーマは可視化、ないしは具現化かな、と、読みしなにはおもっていた。

    民族の誇りを内包した背中の鉤腕をフルに利用した飛翔。脳の機能障害を補完するためにうみだされた、水盤上に脳波で描かれる磁石の花を見せる装置。無人探査機の触覚と感覚を超えて身体的にシンクロした科学者。天体と同レベルの精度でときを刻む時計を世に送り出す職人の生涯。

    繊細で美しい機械を媒介に、感情や思い、願いを増幅させる人間たち。その具現化がここで追い求められたテーマであり、その中心を担うのが人間の叡智たる科学でありマシンであろう、そんなふうに読み進めていた。

    すべてを読み終えて振り返ると、それら、物語のど真ん中に据えられたはずのマシンたちは実は一様に脇役であることに気づく。実際にマシンで実現したいものは、対人間であればいともたやすく日々のなかに埋没される感覚だったり、人間が創り出した虚栄心や競争だったり。マシンで補強してまで希求する人間の欠乏感が、すべての根っこなのかもしれないと。

    喪うから、求める。

    喪うことができるのはそもそも存在していたからであるが、関係や感情、思いを元に戻し得るかの問いは物理と違って常に質量保存の法則が及ぶべくもない。しいていえば可塑性・可逆性の問題であるはずなのだ。だがここにでてくる登場人物たちはみな一様に、とにかく足りないパーツを埋めればなんとかなる、と、単純な足し算を律儀に繰り返す。あるものはひたすらに時計を作り、あるものは死にゆくものを触り、という具合に。

    科学をベースにしながらも上田作品が繊細でしなやかなのはおそらくは、そのせいであろう。優美に詳細に生み出された科学の粋を尽くしたマシンたちは、あえて人への随意性を要件とされずに、人に柔らかにおもねる。

    さいごの短編は、ことさらに丁寧に読んでいただきたい。実際の人知と科学に、人とのつながりとファンタジーを詰め込んだ、まさに白眉。


    硬質な骨組みにしなやかな肉をまとった、優しいマシンたち。

    そうか科学はこんなにも、甘やかでいとおしい、あたしたちの隣人、だったんだ。

    0
    2013年07月14日

    Posted by ブクログ

    久しぶりにSFを読みました。かつ、上田さんの作品は初めてです。

    裏表紙の解説に載っているように、人間と科学技術の関係性、在り方について書かれた短編集で、考えさせられました。どの作品も論理的に組み立てられていて読みやすかったです。登場人物も、技術やモノづくりに熱心に関わっており、興味深く面白い作品集でした。

    次は表題作「リリエンタールの末裔」の舞台となった長編『華竜の宮』を読んでみたいと思います。

    0
    2013年06月30日

    Posted by ブクログ

    ―――彼は空への憧れを決して忘れなかった。
    長篇『華竜の宮』の世界の片隅で夢を叶えようとした少年の信念と勇気を描く表題作ほか
    18世紀ロンドンにて航海用時計の開発に挑むジョン・ハリソンの周囲に起きた不思議を描く書き下ろし中篇「幻のクロノメーター」など
    人間と技術の関係を問い直す傑作SF4篇。


    長編SF「華龍の宮」を書いた上田 早夕里の短編集

    表題作の爽やかな雰囲気好きやなー読んでて澄みきった空気吸ってるような感じやった。

    人の心を「見る」装置にまつわる「マグネフィオ」は一転切ない雰囲気やったな。
    白乙一が好きな人にはいい感じやと思う。話の構成とかアイデアが似てる。

    人と機械が深くつながる未来を描いた「ナイト・ブルーの記録」は描写が詩的で非常に鮮やかやった。

    伝記のようなSFのような「幻のクロノメーター」もなかなか素敵。
    実在の人物を取り入れつつ、仕掛けもうまく機能してる




    世界全体が降ってくるんです。私の上に。

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    2012年12月30日

    Posted by ブクログ

    大規模海面上昇以後、リ・クリティシャス。睡蓮の花が水面の上でまるで咲いているように構築された海上都市、ノトゥン・フル。その上空を風を探し、上空気流に乗り、グライダーで自由を摑んだ鳥のように大空に向かい両翼を広げ滑空する様は、青年チャムの信念と勇気がどこまでもどこまでも続いている青という青の中で尊厳であり美麗である。
    大空に憧れを抱く者、大空に思いを馳せる者、全てリリエンタールの末裔である

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    2012年10月05日

    Posted by ブクログ

    全編が技術をテーマにしている作品です。
    表題の「リリエンタールの末裔」では、主人公は多くの理不尽な困難にあう立場にあるものの、それでも悩みながら苦しみながら、でも最後には笑って進むだろうと感じた作品でした。
    爽やかな読後感のもののほか、テーマである技術に対して考えさせられるものもあるのでぜひ読んでみてください。

    0
    2012年08月02日

    Posted by ブクログ

    今まで、読む機会を逸していた作者の作品で、華竜の宮の評判が良いのは分かっていたが、読めていなかったので、こちらが初読になった。同じ世界観で描かれた表題作は、長編を読んでいなくても素直に読むことができ、良くある、分かっている人にしか分からないという狭隘な世界でなく、単独作品として十分に楽しめる。その他の作品もSFの体裁を取りながら、人間が主役で、そのために世界観を構築しているので、実に読みやすい。テーマは技術と人間との関係で、近い将来、人と機械の在り方が融合に近づいていくであろう世界で、それでも人間は人間なのだという話が良い。他の作品も読みたくなったのは久しぶりである。

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    2012年07月27日

    Posted by ブクログ

    4つの短編
    タイトルの「リリエンタールの末裔」は『華竜の宮』とつながる物語。
    「マグネフィオ」「ナイト・ブルーの記録」は現代のようで近未来の物語。
    「幻のクロノメーター」は打って変わって18世紀ロンドン。
    一つの作品でいろんな世界観に行けるのは楽しかった。

    0
    2026年01月30日

    Posted by ブクログ

    上田早夕里さん、初読みです。
    しっかりしたSFが読みたいと思って手に取りました。

    短編集ですが、どれもいい。外れなしでした。
    全編に女性らしさが感じられるとっても優しく、心が温かくなる物語。でもちゃんとサイエンスしていて、現実?とも思えるような書き込み(「幻のクロノメーター」は実在した人が出てくるから余計に思う)これはものすごく面白い小説だ。

    次は「リリエンタールの末裔」の舞台となった『華竜の宮』を絶対に読むぞ!

    0
    2023年05月12日

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