【感想・ネタバレ】播磨国妖綺譚 伊佐々王の記のレビュー

あらすじ

播磨国に伝わる巨鹿の怪に、陰陽師兄弟が挑む!

室町時代、蘆屋道満の子孫として民と暮らす陰陽師兄弟。「嘉吉の乱」前夜の播磨国で、異形の式神と彼らが目にした巨大な陰謀とは。

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Posted by ブクログ

失敗して前の巻があるのに気づかずに読んでしまった。でも違和感なく読み進めて、半分以上読んだところで作者紹介のところで気づいた。室町時代、薬師と僧侶の兄弟。淡々と人々に寄り添い、傷ついたり病にかかった人々を助け、妖怪に対処する。途中で急に猿楽の「鵜飼」の話になったりしながら進むのが面白い。いかにも続きがある様子で終わっていて、後も気になるけど、それより前巻を読まないと!

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

シリーズ2冊目にして面白くなってきた!
1冊目は淡々として物足りなくて、設定とか時代背景とか面白そうなのになんでかな〜、登場人物にもいまいち魅力かんじないな〜という感じだったのが、あれは助走だったのか!と納得。
続きが楽しみ。

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2025年01月30日

Posted by ブクログ

シリーズ2作目。
今作は呂秀の宿敵とも言える蒲生醍醐が出てきて戦いへと向かっていく構図で展開されている。
ただその中でも清々しさみたいなものは前作と同じく醸し出されているのがこの作品全体の妙として残っているのがとても良い。
読む前は、この後の続編が出ていないのでてっきりこれで終わりかと思いきや続きのある終わり方で期待してます!

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2025年01月17日

Posted by ブクログ

シリーズ二作目にしての長編。
の、序盤、スタートって感じの位置付けかな。
蒲生醍醐のとの戦いがこれから始まってくるのか。
室町時代なんてさっぱりなので、なんのこっちゃなのだけどシリーズを読んで学びたい。
そしてやっぱり律秀と呂秀の兄弟いいなぁ。
瑞雲の猫ちゃんも可愛い。
あきつ鬼、過去が辛いものじゃないといいな。

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2024年11月18日

Posted by ブクログ

この巻は長編のスタート部分。

【突き飛ばし法師】製鉄の工程で川で砂鉄を採る者たちがなにかに転ばされ怪我する事件が続発。あきつ鬼を欲しがるガモウダイゴなる怪しい人物が出た。
【縁】父の蘆屋道延にガモウダイゴについて相談すると製鉄に関することを調べろ、そして守り刀をそれぞれ打ってもらうようにとのアドバイス。
【遣いの猫】守り刀を与えるに相応しいかどうか呂秀、律秀の為人を見るため猫型神様の瑞雲がやってきた。
【伊佐々王】巨大な鹿の姿をした伊佐々王をガモウダイゴが「この世の敵」として甦らせた。自然を体現する存在と言えるかもしれない。
【鵜飼と童子】伸び悩んでいる猿楽師の竹葉はある日見知らぬ童子と出会いともに舞う。
【浄衣姿の男】ガモウダイゴの正体とおぼしき人物について少しわかる。赤松教康が足利義教を弑逆し、播磨国に戦が起こりそうだ。

■簡単な単語集(第一巻から累積)

【青江政利/あおえ・まさとし】備中国の刀匠。呂秀、律秀の守り刀を討ってもらえるよう依頼した。
【赤松教康/あかまつ・のりやす】赤松満祐の嫡男。足利義教を弑逆した。
【赤松満祐/あかまつ・みつすけ】播磨、備前、美作の三つの領土を守護している忠臣だが足利義教に煙たがられており遠からず罷免されそう。
【あきつ鬼】蘆屋道満の式神。呂秀が使役することになり強大な力をあえて弱めるために「あきつ(トンボ)」と名づけた。どういう理由で呂秀を主と定めたのかは不明。
【足利義教/あしかが・よしのり】征夷大将軍。
【蘆屋道延】呂秀、律秀の実父。廣峯神社に勤める。
【蘆屋道薫/あしや・どうくん】赤松満祐に仕えている薬師。
【蘆屋道満】呂秀たちの血縁、播磨では人気が高い。
【伊佐々王/いざさおう】巨大な鹿の王。かつて人に殺されたが怨霊に近い存在として復活した。ガモウダイゴいわく「この世の敵」。自然を体現する存在と言えるかもしれない。
【温羅】備中国の鬼。吉備津彦に倒された。髑髏になっても叫んでうるさいので吉備津神社の地中に埋められたがついには吉凶を占うようになった。あきつ鬼の正体というわけではないようだ。
【大中臣有傅/おおなかとみありもり】燈泉寺に逗留している。都の星読博士。当初はいろいろ不満があったようだが今は播磨国が気に入っている。

【勘解由小路家/かでのこうじけ】加茂家の主流。庶流の数が増えたので主流は勘解由小路を名乗るようになった。
【ガモウダイゴ】怪しい陰陽師らしき人物。あきつ鬼のことを知っているらしく自分の式神になれとスカウトした。呂秀の母の魂を連れ去った。蒲生醍醐という字かもしれない。真名ではない。記録では南北朝時代の宮中に勤めていた陰陽師で恨みを残す形で斬首された。
【漢薬】生薬、決まり多し。
【吉備】鉄づくりの発祥の地であり、陰陽師発祥の地でもある。
【吉備津彦】温羅を倒した朝廷の武将。
【吉備真備】陰陽師の始祖。
【恐怖】呂秀《人は皆、何かが怖いのです。怖いこと自体は構わない。怖さに気力を奪われ、判断を誤るのがまずいのです》第二巻p.219
【弦澄/げんちょう】燈泉寺の僧。呂秀とは親しい。
【寿座】播磨国の猿楽の一座。座長は常磐大夫。紅扇、白扇、蒼柳、竹葉が所属する。
【理】手順が基本。

【三郎太】大中臣有傅の部下。
【式神】主の好まない行為はなるべくしないように心がける。
【慈徳】燈泉寺に所属するデカい僧。腕は立つ。心やさしい。
【時代】足利義教の時代。
【貞海和尚】師匠。
【浄玄/じょうげん】燈泉寺の僧。呂秀とは親しい。
【しろね】大中臣有傅が飼うことになった猫。当初は瑞雲が憑依していた。
【瑞雲】備中国の西方を守護する神。猫の姿でやってきた。大中臣有傅をあっさり籠絡した。《この都人は、もはや吾が下僕だ。》p.92
【蒼柳】猿楽の寿座メンバー。

【竹葉/ちくよう】猿楽の寿座メンバー。
【土御門家】安倍家の主流。庶流の数が増えたので主流は土御門を名乗るようになった。
【伝承薬】一症状一種類。
【燈泉寺】貞海和尚や滋徳がいる。
【常磐太夫】猿楽の寿座メンバー。

【なぎ】薬草園を手伝ってくれている女人。

【白扇】猿楽の寿座メンバー。
【人】呂秀《でも人は違います。いつも負けています。負け続ける者は己の弱さを知り、他の人にも優しくなれる。》第二巻p.141
【法師陰陽師】役職としての陰陽師でなく市井の呪い師的存在。

【水瀬丸/みなせまる】青江政利が呂秀のために打った守り刀。太刀。人の魂を救う刀。錫杖として使えるような仕様になっている。刀身は魔物が触れるだけで浄化されそうだが、呂秀は抜いて使うことはしないだろうと思われる。

【薬師神鬼丸/やくしじんおにまる】青江政利が律秀のために打った守り刀。脇差し。穢れと禍を祓う刀。
【薬草園】呂秀と律秀が世話をしている。

【律秀】呂秀の兄で薬師、法師陰陽師。見えない人。
【呂秀】律秀の弟で僧侶。この世ならざるものが見える。

【和剤局方/わざいきょくほう】漢薬のテキスト。

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2024年07月17日

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ネタバレ

播磨国の薬師と仏師の陰陽師兄弟シリーズ第2弾。おそらくシリーズ通じてのヴィランとなるであろう強敵蒲生醍醐登場。

短編6編を収録するが、前章を読んでないとよくわからないということは短編というより章立てという感じ。連載物と考えて読む方が良い。この1冊では完結せず、ここから先はシリーズ物として順を追って読んでいく方が良いのだろう。

外伝的な話、「鵜飼と童子」が良い。下手でも好きならやり続ける方が良いというテーマは、今趣味で抱えている忸怩たる思いに沿っていてとてもとても沁みた。

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2024年06月04日

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上田作品の中では比較的ほんわかした雰囲気の陰陽師モノ…なんだけれども、明らかに終わってない場合にはタイトルに<上>とか<1>とかつけられないものでしょうか??

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2024年05月03日

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ネタバレ

法師陰陽師の律秀と呂秀、そして式神のあきつ鬼は新たなる敵蒲生醍醐なるものと出会う。全てを呪う蒲生の強力な呪詛の力と闘うべく守り刀を手に入れる兄弟。人の魂を救う刀「水瀬丸」と穢れと禍を祓う刀「薬師神鬼丸」。闘いの行方は次巻に持ち越しのようだ。
足利義教の赤松満祐への冷遇が招いた謀反、史実と伝承、神話が混ざり合って非常に面白い。

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2024年03月02日

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ネタバレ

続いたんだが!?ちゃんと続編刊行されるよね!?途中で本筋に関係の無い話を挟んで残りのページ数が見えてきたあたりで察しはしたんですが、めちゃくちゃ続きましたね…。しかもまだあきつ鬼の素性もわからんし蘆屋道満の本心もわからん!という。ちゃんと続編が出るなら結構ですが、最近の本はシリーズ化してても打ち切られることあるので心配です…みんな、読んだ感想はここに上げるだけじゃなくて作者や出版社に需要があるよ!!と直接伝えようね…。
話は邪悪の元凶らしき人物が出てきて物語を引っ掻き回しておりますが、そこらへんの話より途中で挟まった鵜飼役をすることになった人間と死ぬ間際の蝶のお話が好きでしたね…。交われないはずの2人が交わって何も残らないけれど確かにあったという話はいつだって胸を温かくしてくれます。
ラノベと言えばラノベという読みやすさなんですが、ラノベであった方がみんな読んでくれたんかなあ…。読みながら脳内で勝手にアニメ化して人物を動かしているんですけど、イケメン陰陽師兄弟と異形の鬼、麗しいラスボスって画面映えはあるのになあ。盛り上がりがあるのがこの次だろうから1作ごとにラノベのような極度な盛り上がりに欠けるのは否めないが。

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2025年10月26日

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時は室町、六代将軍足利義教の治世(義教は作中で死ぬが)。

薬師・陰陽師の兄律秀と物怪あきつ神の主にて僧侶の弟呂秀が巷に蔓延る怪異と対峙する。

本書で向き合う敵蒲生醍醐は巨鹿の物怪伊佐々王を蘇らせるなど強力な妖力の持ち主。
本書では決着がつかず、次巻へ持越しとなった。

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2025年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

シリーズ第二巻目。

前作の短編集とは異なり、宿敵「蒲生醍醐」との戦いの序章という感じ。
前巻の時代背景でも感じていたが、本巻のラストでついに「嘉吉の乱」が発生する。
これってもしかして、「蒲生醍醐」と対決しつつ応仁の乱まで行くのでは?
室町時代中期の勉強にもなりそうなので、次巻にも期待します。

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2024年07月26日

Posted by ブクログ

今回はあきつ鬼はもちろんのこと、
瑞雲(しろね)、慈徳
伊佐々王(いざさおう)」、温羅、蒲生醍醐・・・
たくさん登場しました。
第3弾、いつ出るかな。
マツリカのデジタルペインティング、
あきつ鬼もよかったけど、伊佐々王も良い!
ちゃんと、瑞雲(しろね)もいる!

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2024年07月11日

Posted by ブクログ

あきつ鬼の本来の姿はどんなものなのか
恐ろしいものだとしても、呂秀たちはもちろんあきつ鬼自身も戻ることを望んでいないように思うから、ガモウダイゴは引っ掻き回さないでほしいな
世を呪うようになってしまった背景を知ると同情心がわいてしまうけれど
まだまだ先がわからない不安な状態で終わってしまった…早く続きを!

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2024年03月17日

Posted by ブクログ

【収録作品】突き飛ばし法師/縁/遣いの猫/伊佐々王/鵜飼と童子/浄衣姿の男

室町時代、蘆屋道満の子孫として民と暮らす薬師の律秀と僧の呂秀。二人は陰陽師でもあり、術者として優秀なのは律秀だが、異形の者が見えて会話できるのは呂秀。呂秀は式神・あきつ鬼を使役している。舞台となるのは、「嘉吉の乱」前夜の播磨国。

敵方登場。

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2024年03月08日

Posted by ブクログ

播磨国妖綺譚の第二弾。読切かと思って手に取ったら思いっきり続きものだった。先が気になります。あまり室町時代にフォーカスを当てた話を読んだことがあまりなかったので新鮮でした。まだ応仁の乱も始まってない頃の話ですが、かなり血腥い感じです。イメージ通りというか。
この話がどういう顛末になるのか、次が出たら必ず読みます。
他の方も書かれてますがネコの神様がかわいい。

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2024年01月12日

Posted by ブクログ

「私は仏の言葉を伝える者であって、自身が仏なのではありません」(p.161)

真言宗の坊主は自身が仏になるために修行するんじゃないんですかね?
絶対者たる大日如来と衆生の間を取り持つ預言者であると自認してる?

まぁ、所詮はファンタジーだし、当たり前に三部作になるようではあるけど、なんだかなぁ、と思う。

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2024年01月06日

シリーズ作品レビュー

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