上田早夕里のレビュー一覧
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主人公の青澄さんの熱い志に心動かされる作品です。こんな外交官がいたらいいのになと思います。
また、とても印象に残っているのは、国家間を跨いだ組織であるNODEが、あらゆる国家に政治的に深く干渉し、支配していると言っても過言ではないような行動をしていたこと。この組織は、世界中のエリートが結集して成立したものということでしたが、実社会でも、GAFAが将来的にこうならないとも限らず、読んでいてなんだか薄ら寒い感じがしました。
発表された当時は震災のことを配慮し、刊行にあたって注意されていたこともあったそうですが、今はこの作品のワクチンのことがより注目されそうです。少し前の作品ですが、次にどうなるのか -
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ラブカのお話。
救援団体の理事長青澄、ラブカのリーダーザフィール、宇宙船を作る夢を持つユイの目線。
シガテラが食い詰めた人々の強盗団で、ラブカは食い詰めた人々を救うために強奪行為するテロリストみたいな感じ?
一回読んだけど、ものすごい時間がかかってしまい、モブが誰だっけこの人といちいちなってしまったので、読み終わって下巻読む前にもう一度読みました。
大異変ほどじゃあないけれど、コロナで買い占め~みたいなの思い出したり。
買い占めするから家族の物資が手に入らない~→輸送会社襲う。の流れまで現実はいかなくて良かった。
次は忘れないうちに下巻読まなきゃ。 -
Posted by ブクログ
とにかく壮大!
日本SF大賞受賞作で、遠い未来の地球を舞台にした、人類の生き残りを賭けた物語です。人間って何なんだろう、生きる意味って何なんだろう、ということを(上巻にして既に)考えさせられます。
冒頭のプロローグは2017年が舞台。この時点で豆腐は合成プロテイン製になるほど異常気象の影響が出ているのですが、本編の舞台はなんと25世紀。
わずか数ページで4世紀飛ぶというこのダイナミズム。この間に地球は大きく変貌し、海底が隆起して多くの陸地は水没し、辛くも生き残った人類は陸上民と海上民に(見た目もライフスタイルも)分かれ、変わらないものはと言えば日本(まだあった!)の政治のドロドロ感とノロマさ -
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Posted by ブクログ
上田早夕里さんの短編集。ジャンルで言えばSFホラーということになるのかな。
やはり、表題の『魚舟・獣舟』と『くさびらの道』が良かった。
読後に感じる一抹の喪失感とちょっと背中が寒くなるような感じ。嫌いじゃない。
この短編集の全体の雰囲気として遺伝子操作された人間が普通に暮らし、アンドロイドが人間の代わりに危険な仕事をし、そのような中でも妖怪や異形の者が当たり前のように存在する。非常にダークな未来観でありながらも何となく古風な日本の雰囲気も醸し出している。映画『ブレード・ランナー』のような猥雑な感じでもなく、すべてがクリーンで管理された未来都市とまでは行かない。このどっちつかずなリアルな雰囲気