【感想・ネタバレ】華竜の宮(上)のレビュー

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2024年03月06日

積ん読くずし

面白い!
描かれてる科学や技術は専門外であまり興味は持てていないが、話が面白い!
青澄、ツキソメ、タイフォンの全員がキャラ立ってていいね
汎アがわりと中心的舞台なので、中華系SFの情景が浮かぶなあ

この世界で災厄を逃れた大型コンピュータって一つだけ(シャドウランズ)なのかな
ああい...続きを読むうとこって電気が必要で、とすると水も必要なので、災厄で沈みやすい傾向にはあるのかなあと

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Posted by ブクログ 2023年06月29日

地球規模の大災害の後、人工的に人類や他の生命体を作り変えて無理矢理凌ぐ…という発想は、原作版ナウシカを彷彿とさせる。

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Posted by ブクログ 2022年05月08日

地球環境の変化を経た未来の世界。大きな戦争を経て、人類も変化している。地上民と遺伝子を変え、海に生きる海上民。彼らは双子で産まれ、人と「魚舟」として共生する。海は資源豊富だが、戦争の爪痕がそこかしこに残り、彼らを苦しめている。

壮大なスケールと、ありそうでない設定をもとに書かれた物語。地上民の官僚...続きを読むでありながら官僚っぽくない青澄を中心に、国家の謀略や生物学的危機を乗り越えていく。語り手は彼のパートナーである人工知能で、この設定が下巻でよい仕事をする。語り口は少し重いけれど、ひとつひとつの描写が的確でイメージしやすく、ひとつの映画のようでとても面白い。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年12月09日

地球の海面が上昇し殆どの国が海に沈んだ世界
マントルやら地殻やらの動き
新たに生まれた人類
すごく面白い
緻密な世界観

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Posted by ブクログ 2019年04月22日

人類に壊滅的被害を与えたリ・クリティシャス後、海面が約250メートルも上がってしまった25世紀の地球が舞台。地球の地表の多くが海底に沈み、生き残った人間は、わずかに残った地表に暮らす陸上民と広大な海に暮らす海上民に分かれて暮らしていた。
海上に住む海上民は海上での生活に身体を適応させており、彼らは人...続きを読む間の遺伝子操作により生み出された「魚舟」と呼ばれる生物を海の上で人間が生活する空間として利用していた。

陸上民と海上民との対立やごく普通にAIを身体に埋め込んだ人間の生活、そして身体を遺伝子的に改造された海上民の魚舟での生活などが詳細に描かれており非常に面白い。将来あり得べき未来を今見てきたかのように描写されている。

主要な登場人物は、海面上昇のため日本列島ではなく日本群島になってしまった日本政府の外交官の青澄誠司、海上民であり海上船団の女性オサで高齢であるも年を取らない謎の女性ツキソメ、そして海上民出身で異形の姿をした海上警備隊の隊長ツェン・タイフォンの三人を中心に話が進んでいく。

本書は、海面上昇後の過酷な地球環境や病潮(やみしお)と呼ばれる謎の疫病との戦い、人間を補佐する知的生命体(AI)の利用状況など、科学的にもリアルに描写しながら、過酷な運命を生き抜く人間の生き様を描いた一級のエンターテイメント作品として楽しめる。

ストーリーテリングも非常に巧妙で興味深い。物語の内容が非常に重厚でページ1枚1枚に込められた情報量が多いのでサクサク読めるという物語ではないが、ページを繰る満足感が非常に高い。

このような過酷な状況の中、地球にさらなる危機が訪れ、全人類が絶滅する可能性が極めて高いとの研究結果が出される。
人類に止める手立ては無く、宇宙へ人間を脱出させるような技術はすでに過去のものなり、今は無い。人類は座して死を待つだけなのか・・・。
以下、下巻、期待度MAX。

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Posted by ブクログ 2018年08月16日

「深紅の碑文」とセットで読んだ方がよい。ただし、「深紅」ほうが内容がハード(グロい)の苦手な人は注意です。

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Posted by ブクログ 2015年01月12日

面白い。
上級のSF作品であり、一部においてありうる未来の形かもしれないと思わせる。
衝撃が忘れられない作品。

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Posted by ブクログ 2014年02月23日

久々の読書で、すごい大作に出会ってしまった。
圧倒的に壮大な世界観。実現しない世界を、読者の頭の中に、こんなにも鮮やかに再現させられるなんて。想像力が掻立てられる文章につられて、どんどんページを捲ってしまう。

この世界を取り巻く環境やシステムが大きく変わっても、変わらない人間達、政治。
自分の信念...続きを読むを信じて、より良い世界の実現のために、時にぼろぼろになりながら、真摯に闘う主人公の生き方に胸が熱くなった。
「彼らは全力で生きた。それで充分じゃないか。」

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Posted by ブクログ 2014年01月13日

前情報なしで読み始めたので、最初は科学小説的なものかしらと思ったら突然の天変地異と殺戮知性体というメタルギアな世界。

虐殺器官ばりの殺伐とした展開かと思いきや、いろんな意味で人間性と人類のあり方について考えさせられると同時に、青澄や桂大使、マキといった登場人物(?)が魅力的でシンプルに楽しめる作品...続きを読むでした。

どういうラストにたどり着くんだろうと思いながら一気よ魅しましたがまあまあかなあという印象です。ツキソメの秘密あたりをもっと掘り下げてもよかったのかなーと個人的には思いましたがこれはこれで楽しめたのでよしとします。

ちなみにストーリー初めの頃に、地震についていろいろふれられているのですが、被害について、全く津波について触れられていないのがいまの時代には却って不自然な気がするのが、自分としてはちょっと感慨深かったです(あとがきにこの作品が東日本大震災前に書かれたことと、作者ご本人が阪神大震災で家族を喪ったことが添えられています)。

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Posted by ブクログ 2013年09月03日

初めての世界観、聞きなれない言葉の数々、頭の中で映像化しながら進みました。とんでもない世界の話なのに、いちいち心に引っかかるのは、どうしてなんだろうなぁ。特に陸上民の「iプローブ」が気に入りました。これって常に自分の中にいるもう一人の自分。アイデンティティーなんじゃないかな?なんて引っかかるわけです...続きを読む。人間の欲とか自己実現とか生き方とか、盛りだくさんで書ききれないけど、ストーリーも下巻でどうなってしまうのか、先は気になるのに遅読です。自分の処理速度が、R.Rやナンシーくらい凄かったらいいんだけど。

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Posted by ブクログ 2024年03月04日

SF、まさしくSF!という感想をもった作品。
ジャレド・ダイヤモンドの「文明崩壊」を読んだことにより、長期的な環境変動と人類の危機に対して以前とは違う感覚を得た私には、この世界観が突き刺さる。
プルームの上昇は、(小説用に)タイムスケールをいじっているので本来は起きえないことだが、それでも地球環境の...続きを読む変動、遺伝子・環境の改変、予想外の連鎖を引き起こす改変手段、人間の思考を補助する人工知性体(AI)に制御不能に陥っている生物工学兵器、と現代(近未来)を暗示するようなストーリーではないか。


ホットプルーム上昇による海底面の上昇、それに伴う海水面の急激な上昇による陸域の大幅な減少。こういう人類滅亡のさせ方もあるのかと思った作品。
ポストアポカリプス後の世界であり、遺伝子の改変や環境への人為的な介入も当たり前のように行われている。その一方で、人類は相変わらず協力しあうことができず、自然界への介入も予想外の反作用を引き起こす、というこれまでと変わらぬ歴史を歩む。

序盤は、過酷な世界の中で主人公青澄らが目の前の問題(生活の改善)に奮闘する物語かと思ったが、本書終盤では再度のホットプルームによって人類が存亡の危機に立たされていることが判明していく。
数世紀を経て発展した科学技術でもこれは回避できず、一方で、減ってしまった人的・物的資源を有効活用するために環境適用技術を集中的に進歩させた人類は、地球からの脱出手段を持たずその開発も間に合わない。逃げることも出来ず、止めることはおろか逸らすことも部分的に安全地帯を作ることすら出来ないという八方塞がりのなか、人類存続をかけて足掻くという壮大なストーリーへと発展していく。

本書の良いところ、というかすごいところはタイムスケールではないかと思う。見所をつくるためには、1週間、数ヶ月、数年、といった比較的短いタイムスケールでコトの顛末を描くのが普通だろう。
ハリウッド映画のように長期戦になりそうなテーマでも「主人公の英雄的行動で救われる」というオチになることが多い。主人公らの寿命が尽きてもイベントが起こらないような物語はかなり珍しい。
しかし、本書はその珍しい部類で、最長50年後に起きる大異変に対応していくという、より現実的で、それゆえ複雑でとても難しい内容にチャレンジしている。
本書の中では滅亡の危機に瀕しても人類は一枚岩ではないので(これも残念ながらとても現実的)、進むほどに状況は絶望的に、それとは対照的に登場人物達は(小さな)希望を持って活動している。(下巻の冒頭で世界情勢が主人公らに明かされるのだが、)上巻末は悪い意味で「戦術的勝利の連続は戦略的勝利に結びつかない」というむなしさを覚える展開になっている。
とは言っても、ただ暗いだけの話では無く、下巻を読み終えるのを待たずに続編購入を決めるほどに面白い話になっている。
プルームの再貫入がなくても過酷な世界で、人間同士の争いに邪魔されながらも前に進もうと足掻く主人公らの熱い物語には引きつけられるものがあるし、海洋民の生態も面白い。環境が安定すればすぐに力を盛り返す人類に対して、旧世界の負の遺産としての生物兵器や、ドライブされた遺伝子変異(敵が比較的短期間に変異することで対策が変わる)というギミックで制限を掛けているのも上手いと感じる。

大きな絶望の中、小さな希望以外には見いだせそうにない世界観だが、最後にどういったオチを持ってくるのか楽しみな作品である。

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Posted by ブクログ 2024年02月03日

感想
SFだから当たり前だが、人間も変容し、高度な人工知能と自然が融合した独特の世界観。天変地異が起こっても人はやはり、土地争いと戦争に明け暮れるのかと思うと少しウンザリしてしまう。

人間が作り出したものに翻弄され、人間が歪み合う。人間のカルマのなれの果てを描いているよう。ありえるから怖い。

...続きを読む盤は細かい話から一気に壮大な話へ、人類に第二の危機が生じる。

あらすじ
近未来、海底が260m隆起して、人々は土地の奪い合いを始めた。それぞれが連合国を形成し、そのうちに陸上民と海上民に分かれて人は生活するようになった。

青澄は陸上民で、海上民とのトラブルを解決する外交官だ。今回政府から、ツキソメという海上民を日本政府に帰属させ、税金を納めるように交渉せよとお達しがあった。一方のツキソメは、日本に帰属する気はないが、海上ステーションの建設により生まれる利益を納めても良いと言ってくる。青澄の交渉が始まる。

海上民は魚舟と共に生活する。ツキソメは多くの魚舟を操れる結手だった。パートナーのいない魚舟は陸に上がって、餌を食い散らかす問題になっていた。

細かい政府の縄張り争いにとどまらず、地底のマグマが大量に地表に噴き出す可能性が予測されたこれにより、噴火による直接の影響だけでなく、空が粉塵で覆われることにより、太陽光を得られず極寒の中、人類が滅亡する可能性が出てきた。

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Posted by ブクログ 2023年12月11日

久々で本格SFを読みました。短編でこの世界にはちょっと触れていたが、おもしろい。長いお話で、難しいところもありますが、引き込まれました。
まだ、お話しはプロローグなので、今後どうなっていくのか非常に楽しみです。

椎名誠の「水域」みたい。
全世界が海に沈んだ世界の地球のお話。

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Posted by ブクログ 2023年07月31日

(上下巻あわせた感想です)

舞台は地殻変動による海底隆起によってほとんどの陸地が水没してしまった25世紀の世界。人類は陸地に暮らす「陸上民」と、海での暮らしに適した身体となった「海上民」に分かれ、それぞれの社会を形成していた。
日本政府の外交官・青澄と、彼のアシスタントである人工知性体マキは、陸上...続きを読む民と海上民の間で深まる対立の仲裁に奮闘するが、近い将来地球に訪れる更なる危機が、彼らの運命を大きく変えていく、という物語である。

陸地が海に沈みゆくお話としては小松左京『日本沈没』や映画『ウォーターワールド』がすぐに思い浮かぶけど、SFの設定という点ではこれら先行作を凌駕している印象で、細部まで練られた世界観はとても興味深かった。
個人的にいいなと思ったのは陸上民と海上民の対立構造が、現代社会の国家間のパワーゲームとリンクしているように感じられた点で、過酷な状況下でも互いの相容れない言い分がきっちりと描かれているあたりが、物語に厚みを加えているように思う。戦闘シーンも迫力があるし、場面転換が上手いので上下巻という長さを感じさせずに一気に読めるのも素晴らしい。
ただ主人公の青澄の言動に関しては、外交官とは思えないほど純粋まっすぐで、あまりのピュアさっぷりに読んでいて正直鼻白んだ。以前『破滅の王』を読んだ時にも感じたんだけど、せっかくこれだけスケールの大きな物語なのに、作者の意図をあからさまに反映させた主人公の「本音」が物語のリアリティを損ねているように思う。

それにしても、日本SF大賞も受賞したのに発表から10年以上実写化もアニメ化もされなかったのは結構意外。やっぱり震災の津波を想起させるからだろうか。間違いなく映像向きの作品なのに何とももったいないなあと思う。

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Posted by ブクログ 2022年10月08日

上下一括感想
下巻にて

凄まじいほどのシミュレーション
その全ては、「今」の延長…

地球の息吹に対して、
人間の科学の無力な事、
ましてや、
政治や経済活動の愚かさ。

どうなる……これから……

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Posted by ブクログ 2021年06月30日

ここではまだ伏線を張っている段階。それでも一筋縄ではいかない人物たちの絡まり合いが読ませる。とはいえこの手のポリティカルフィクションを読んでると感じるのが官僚機構の救いのなさだよなあ。以前、高橋和巳や埴谷雄高といった戦後の左翼作家を読んでいて、彼らが揃って「電子計算機」を使って官僚機構(と代議制)を...続きを読む全廃するという構想を語っているのに驚いた記憶があるが、やっぱりそれしかないと言う感じになってくるね。

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Posted by ブクログ 2021年06月24日

ホットプルームによる海底隆起で海面が250メートル以上上昇し、広大な海域が広がる世界。
人々はわずかな土地で暮らす〈陸上民〉と、海上生活に適応し、居住する〈魚舟〉を自ら生み出せる〈海上民〉とに分かれて生きている。
一度滅びかけても、陸上に残った陸上民はかつての国家の代わりに連合を作って、覇権争いが激...続きを読むしくてどっと疲れます。中心人物として描かれる青澄と、彼に関わる人たちがもがきながらもなんとかして陸上民も海上民も助けたい…となっているのが尊いです。気持ちの良い人たち。
ツキソメも気高くて好きです。魚舟、いろいろなのがいてどんな感じなんだろう…サンショウウオっぽい魚のようですが大きいので。歌うのもいい。
獣舟は怖い…けど海上民の想いもわかります。
終盤で、今度こそ人類は絶滅する大災厄に地球は見舞われるという予測が立てられたので下巻もハラハラ読みます。

青澄が記念パーティーの出席者について鬱陶しそうに「連中は己の下劣さに自覚がない。自覚がないから、際限なく下品な言葉を繰り出せるんだ」って言ったの、現実を思い出してしまいました。

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Posted by ブクログ 2019年09月21日

とにかく壮大!
日本SF大賞受賞作で、遠い未来の地球を舞台にした、人類の生き残りを賭けた物語です。人間って何なんだろう、生きる意味って何なんだろう、ということを(上巻にして既に)考えさせられます。

冒頭のプロローグは2017年が舞台。この時点で豆腐は合成プロテイン製になるほど異常気象の影響が出てい...続きを読むるのですが、本編の舞台はなんと25世紀。
わずか数ページで4世紀飛ぶというこのダイナミズム。この間に地球は大きく変貌し、海底が隆起して多くの陸地は水没し、辛くも生き残った人類は陸上民と海上民に(見た目もライフスタイルも)分かれ、変わらないものはと言えば日本(まだあった!)の政治のドロドロ感とノロマさくらいのもの。この舞台装置にまずは驚かされます。
そんな世界の中で、骨のある外交官がいたり、海上民の長や戦士がいたりの人間ドラマがあり、厳しいながらもそれなりに美しい世界の姿が描かれていくのですが、上巻の終わりにはとんでもない問題が明らかになります。

世界の構築からストーリーの構築まで、これだけの話を良く描けるなぁと思ってしまうレベルで、登場人物も多いのですが話が散らかることなく、読ませる本だなぁと思います。本著の肝である地球科学的なくだりは少々難解ではありますが…。
少しネガティブな感もありますが、これも有り得べき未来なのか。下巻が楽しみです。

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Posted by ブクログ 2018年12月15日

再読。
ストレスフルだがエンターテインメント。
電脳戦?なんてもう。
主人公?のセリフがいい。
一つだけネタバレにならないはず?のものを。
「彼女のことを、目の前で下等な生物のように言われてみろ。おまえだって気分が悪くなるぞ。連中は己の下劣さに自覚がない。自覚がないから、際限なく下品な言葉を繰り出せ...続きを読むるんだ」

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Posted by ブクログ 2018年12月03日

数世紀後の未来,海面の上昇によって平野部の大半が水没した世界.人類は水上都市を中心とした陸上民と遺伝子工学によって生まれた「魚舟」とともに海に生きる海上民にわかれていた.主人公青澄は水上都市の外洋公館に所属する官吏で陸上民と海上民,海上民同士のトラブル解決に奔走していた.彼はある事件をきっかけに海上...続きを読む民のオサ ツキソメと交渉することになる.

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Posted by ブクログ 2017年12月27日

薫香のカナピウムを読んだ時に、何人かの人が華竜の宮を上げていたので気になっていました。
プロローグが現代日本みたいで、思ったのと違う?あれれ?なんてやっていたら一気に物語の舞台へ立っていました。
ロイディみたいなアシスタントが出てきたり、魚船のシステムもすごい。
政治の部分とか、研究成果とか難しい部...続きを読む分も多いですけど、それでも世界に引き込まれました。
新たな問題発生で、下巻も楽しみです。
それにしてもなんでヤングアダルトコーナーに配架されているのか謎。

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Posted by ブクログ 2017年03月25日

『ひとつだけ断言できることがある……。いまの姿を保っているからこそ人間だ、これが人間の最も理想的な形なのだ、という価値観は、これからの時代、幻想に過ぎないわ。

もちろん、思考は身体の形状に影響される。体の形が変化すれば、感受性も考え方も、すべてがいまのままではいられないでしょう。でも、一個の生物と...続きを読むしては、だから何だという気もするの。人間は、他の生物と比べたとき、たいしたことをしたわけじゃない。唯一、宇宙に行けた生物だ ー とは言えるけれども、外に出たから偉いというわけでもない。

何もしないで滅びるというのも、もしかしたら、生物の在り方として自然なのかもしれないわね。でも、そう思いつつも、私は、やっぱり家族のことを考えてしまう。人間も生物の一種である以上、生きる道を、簡単に捨ててはいけないのではないかと……。』

人類の営みレベルで迫る危機と地球規模で迫る危機。上巻で材料は揃ったので、下巻が楽しみ。

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Posted by ブクログ 2016年05月07日

予想以上のハードSF。期待以上の面白さ。陸地の多くが水没した未来が舞台。陸上民と海上民の対立が進む。さらに近い将来に大規模な環境変動が予測され・・・。下巻でどのような結末を迎えるのか、楽しみで仕方がない。

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Posted by ブクログ 2015年08月05日

地球環境の激変がもたらす地球上の生命の危機。ヒトは自らを変化させることで乗り越えようとする。ほとんどの命が変化に対して無力な中で、大きな変化を獲得できる ヒト とは‥‥。縮小された国、社会という制度の中で出来ることをしていく外交官青澄はとても魅力的。

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Posted by ブクログ 2014年11月29日

 おお……現代社会の延長線上に未来がある!とときめく。
 SFなんだけれども、あり得る未来と社会がそこに構築されている。
 叙述トリックっぽいところが何点かあるのだけれど、下巻どうなるんだろう?
 素直に楽しみたい。

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Posted by ブクログ 2014年02月22日

独特の世界観が取っ付きにくいかもしれないが、SFの醍醐味でもあると思う。後で読んだ短編を先に読んでおけばもっとすんなり入り込めたかも。

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Posted by ブクログ 2013年01月25日

陸地の大部分が水没してしまった世界で生き残る人間たちの悪戦苦闘ぶりが描かれています。
「魚舟・獣舟」と同じ世界観で描かれていますが、今となっては発売のタイミングが良かったなあと思ってしまいます。地震の後だとちょっと難しかった気もしますし。
この上巻は状況説明、背景説明のような感じなので、イマイチ盛り...続きを読む上がりに欠けるのですが、更なる地球環境の激変で存亡の危機に立たされた人類がそれをどう切り抜けていくか、下巻に期待が高まります。

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Posted by ブクログ 2020年05月25日

海と獣の共存。海で暮らす人々と、政府との接点。オサの話。彼らを繋ごうと動く青澄とそのアシスタントAI。

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Posted by ブクログ 2015年05月05日

おすすめされてて気になってたSF

未来は温暖化じゃなくてマントルが盛り上がって(よくわかってない。笑)水没する
ウォーターワールドみたいな

でも遺伝子の操作とか
有害物質の影響で
魑魅魍魎がばっこする

ちょっと「新世界より」風

主人公とその相棒はいいかんじ

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Posted by ブクログ 2013年08月18日

多くの陸地が水没した25世紀。青澄は外交官として、陸上民と海上民間のトラブル等の交渉を行う。

よくある設定なのかな、とも思うけれども、SF苦手な私からしても読みやすい。

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