【感想・ネタバレ】華竜の宮(下)のレビュー

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Posted by ブクログ

下巻は一気に読んだ。面白くなると、読むスピードがどうしても速くなってしまう。だから文庫版を選択して電車で読む作戦にしたのだが、目的の駅を何度通り過ぎたか。

今年(2024年)に入って直ぐに北陸で大地震が起きた。しかし復興支援は不十分。オリンピック誘致で国の金を湯水のように使ってIOCに賄賂を渡し続けた奴が知事をしているのだから、進むものも進まない。国もただ金を出すだけで、どの様に有効に使うべきかが判らないため非効率的な支援しかできない。とどのつまりが、GO TO トラベルまがいの旅行支援をまたも行おうとしている。これじゃあ、復興なんて夢のまた夢。そのくせ、バラマキキシダこと増税メガネはウクライナにまた兆レベルのお金をバラ撒こうとしている。こいつは日本国を潰す気か?早く総選挙をやってくれ!海外でも、ロシア・イスラエルの侵略は止まらず、紅海では海賊が勢いを増し、アメリカでの「もしトラ」で世界的に恐怖が高まっている。そうそう、志賀原発が無事でよかった、珠洲市に原発を建設しなくて本当に良かった。

こんな世界の悪政が世界の人々を恐怖に陥れている状況はデフォルトと思わなければならない。人間は悪政の中で生き抜いていく運命にある。平和な社会なんてありえない、なぜなら人間から私利私欲を取り除くことは殆ど無理だから。本作品の主人公の様なタイプの人間はほんの少し存在しているから現実味を帯びている。人間から私利私欲がなくなったら、精神的エントロピーは増大し続け、人間社会は滅亡するだろう。

エピローグでは予想通りの結末となったが、避難民全員を救出することなんて無理、これまで唯一上手くいったのは小松左京の日本沈没の日本人難民くらいだろう。いくら万全の準備をしたとしても、ある程度の犠牲はしょうがない。だが、生き残った人には未来に向けて頑張って欲しい。人間であるがゆえに間違いを繰り返すだろう。地球上で生きていかなければならないので大小の紛争は避けられないかもしれない。でも、人間には知恵がある。知恵だけが人間を救う。人間が人間であることを捨てても生きたい。全ては生きるために何をするか?に尽きる。この様な観点で人生を見直すと新しい発見が突如出現するかもしれない。しないかもしれない。さあ、どっちだ?

上田早夕里さん、純文学方面に向かっていますね。それが彼女の現在の選択。いつか、オーシャンクロニクルの世界に再び戻ってきて欲しい。

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2024年02月21日

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黙示録的な展開であるにも関わらず、鬱展開にならないのは青澄を始めとする最善を尽くそうとする人々の奮闘と希望に満ちているからだろう。
原作版「ナウシカ」のようなニヒリズムが無いところも読後感が良い理由なのかも知れない。

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2023年07月01日

Posted by ブクログ

「オーシャンクロニクル」シリーズ、初の長編!
華流の宮です。上下巻まとめてのレビュー。

前にも書きましたが、舞台は25世紀の地球。
未来少年コナンみたいな、ウォーターワールドみたいな感じです。

が、読んでみると、これはプロットがガッチリ出来てる。
良くある「温暖化の影響により極地の氷が溶けて」なんてヌルいものじゃありません。
地殻変動により海溝が隆起。海面が260mも上昇した後の世界から物語スタートです!(リ・クリスティシャス)
そして50年後、地球深部からのアレで「プルームの冬」が訪れる。
これに人類はどう準備、対応するのか?って話です。

物語は、青澄の人工知性体「マキ」による”三人称”で語られていきます。人工知性体なので当然、意識も感情も共有されているので、違和感が全く無い。
これは上手いと思います。

もちろんSFで、ファンタジー的な要素が多いんですが、少し”池井戸潤”の要素が入ってる。権力争い、共闘、裏切り、利益を貪りあうせめぎ合い。
「獣たちの海」と「魚舟・獣船」を読んでココにたどり着いたんですが、読み応えありますが、この手の物語は先が知りたくて先に先に。いつもより早いペースで読み終わりました。

私的には、ツキソメ、ジェイドのタイフォン、月牙(ユェアー)に会って見たいです。
ちょっと期間を置き、反芻してから続編に挑みます。

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2023年02月25日

Posted by ブクログ

SFならではの話の壮大さに、肚の座った登場人物の仕事への意気込みを感じる掛け合い、多くのプレイヤーを動かしながら全体の調和を取る構成力、全てのレベルが高いと感じた1冊です。

ただでさえヤバくなってる地球が更にヤバくなる!(語彙力ゼロ)という状況となった下巻における序盤のハイライトは、理不尽だったり絶体絶命だったり、とにかく酷い状況に立ち向かおうとする人の気高さだったと思います。
登場する3者がそれぞれ3様の行動を取るものの、その行動はどこまでも自分のためではなく、所属するグループであったり、それ以上に人類全体であったりを想うがための行動。
限界の状況における職業倫理、あくまで誇り高くあろうとする意思。相手を思いやろうとする心。熱くて泣ける良い展開でした。
(ただ、「厳しめ」のストーリー展開は、あぁラノベじゃなくてSFだったなぁと痛感しました。どこまでもロマンチックではあるのですが)

SFであるからこそできる思考実験だなぁと感じたのは、「人間に似た何か(遺伝子操作の果て)」と「異形の人間(知性ある生命体)」、どう区別をつけてどう順位をつける?ということ。
AIがより洗練を極めつつある社会において、実際の課題になることもあるんじゃないか。個人的にはSFは尖った未来予測だと思っているので、良い課題提起を貰ったなぁという印象です。

しかし、自分が海上民をデザインするんだったら、ネットワーク通信機能は絶対につけるなぁ。

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2019年09月26日

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読み始めたら終わりまでやめどきが見つけられない
それくらい続きが気になるストーリーでした
海洋生活のリアリティが溢れています
アニメでガルガンティアみたいのがありましたが、あれが好きだった人は絶対に気にいると思います

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2019年08月18日

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ホントに面白いSF小説だった。これほど重厚で考えさせられるSFエンターテイメント大作を読ませてもらったのは久しぶり。

人類があと数十年で滅亡するかもしれないという状況で人々はどうやって生きるのか?

そんな究極の状態でも各国陣営は自分たちの利益をいかに守るか、そして自分たちがいかに生き延びるかということに汲々とする。
このお互いの腹の探り合いや政治的駆け引きの描写は行き詰まるものがある。

本書では日本はアメリカを中心とした国家連合ネジェスの中に含まれているが、いざという時にネジェスが本当に日本を救ってくれるかは分からないという状況。これは現在の日本の状況を皮肉的に描いているのだろう。

主人公である日本の青澄外交官のひたすら普通に人々を救うのだという生き方は共感できるし、他の官僚の「もう自分は十分に生きたから何もしないで死を迎える。その方が楽だ」という考え方もやむを得ないだろう。

ただ、青澄外交官に家族がいた場合はどうだろうか、ここまで自分を捨てて人に尽くすことができるだろうか。子供や孫に普通の生活をさせたい・・・普通の生活がダメなら、せめて生きながらえさせてやりたいと思うのが人間だろう。
ただ、それが人間の外観を失ってまでそうしたいかって考えると、う~ん、難しい。

地球環境が激変し、全人類が滅びた場合に備え、人間の元となる生物的な種を深海に仕込んでおいて、将来、地球環境が好転し、何百年後、何千年後、何万年後かに、その生物が進化していき、もう一度人間になるのを期待するとか・・・もう、壮大過ぎて・・・うっとりとしてしまう(笑)。

本書では地球環境激変開始までの40年くらいが端折ってあるが、そこは続編『深紅の碑文』『リリエンタールの末裔』で楽しもう。

それにしても「L計画」って凄まじい。人間をそんな風にしてしまうなんてね。
続編では青澄外交官やツキソメは出てくるのかな。人工知性体のマキのその後も気になる。オーシャンクロニクル・シリーズ、さらに楽しませてもらおう。

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2019年04月26日

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再読。
つらい記述が多くて、もう少しこう、とか思うけれども、、
一生懸命生きたい思いを、揺り起こす力を感じるなあ。

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2018年12月15日

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『交渉というのは価値観の異なる他者との対話だ。だから、ときにはまったく解決がつかない場合もある。どこまでいっても平行線にしか見えないことも……。

けれども、それに対して知恵を絞り、言葉を絞り、体力を絞って、両者が進むべき道を模索しなさい。その行為は、人間が最も知的である瞬間なんだよ。

たとえその場で、どれほど乱暴な、どれほど感情的な言葉が飛び交ったとしても、最後まで決してあきらめるな。間接的な効かせ方とはいえ、言葉は暴力を止められることもある。それを忘れてはいけない。』

人類滅亡が迫る中、言葉の力だけで平等で人々が安心できる社会を築こうとする青澄の行動原理に共感はできないけれども、共感できないからこそ物語が面白くなっているのですごく良かった。

人間の複雑な感情が織りなす物語をAIの視点で描いているところが秀逸。そのAIにこそ感情移入してしまう不思議な作品。

人類滅亡が始まるまでの40年間を描いた続編も読みたい!
久しぶりのSFだったけど、素敵な作品だったなぁ。

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2017年03月29日

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いまを生きる世界から少しあと、もしくはかなりあとに起こりうるかもしれないテンペスト。異形の者たちが生き生きと(殺伐と)暮らす世界で、それでも外交官や海の生き物など現実世界の香りが残っているのがとてもいい。
練りこまれた物語に引き摺り込まれたらあっというまでした。

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2014年06月03日

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ネタバレ

同じく、次作の深紅の碑文を読んで、文庫本かで再読。碑文の時にも思ったが、本作では碑文で詳しく語られる人類の主としての記録を伝えるべき建造された宇宙船や、ホットプルームに至るまでの人類の葛藤等はあっさりと語られるにすぎなかったことを再認識。ただし、碑文を読んでいるときには忘れてしまっていたことを思い出すことができ、両作品ともに続けて読めば更に、この世界観に浸ることができるだろう。碑文の際にも記載したが、ぜひ、同じ世界観で取りこぼしてるエピソードを含め、次回作を上梓願いたい。

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2014年05月05日

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新たな地球規模の危機。
皆、それぞれのいる場所で出来る役割を果たして行く。
外交官の青澄をメインに話は進むが、私が心惹かれたのはツェン・タイフォン。
体制の中にいて、高官である兄、海上民や部下を守り、海に生きる。
相棒であった人口知能のマキが、遠く離れた場所から言う最後の言葉が、すべてだと思う。
彼らは全力で生きた。それで充分じゃないか」

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2014年05月02日

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ネタバレ

感想
人間が作り出した装置に苦しみ、それと戦い、殺し合いながら、しかし何とか生きていく。

最後の一文、彼らは全力で生きた。それで十分じゃないか。これにこの本の全てが入っているように思えた。

あらすじ
青澄はツキソメを調べていくうちに、獣舟が人間の形に変異していることを知る。日本の上位組織のプロテウスは青澄に世界滅亡の情報を知らせ、ツキソメこそが人類の生き残りに必要な情報を持っている可能性があるという。

プロテウスと青澄どちらが早くツキソメにアクセスし、データを確保出来るのか?

結果的に終末世界が訪れ、ツキソメのデータが役立ったかどうかは不明。

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「何としても生き延びねば」からのタイフォン爆死が1番衝撃でした。結構好きなキャラだったのに。。

続編がある事を知らなかったのでこれは読まねばと思いましたが、どう考えても滅亡に向かう世界の話なんて暗重いに決まってるw
宇宙に飛び出したAIたちのその後も知りたいけど出てくるかな。

魚舟、獣舟、獣舟変異体、人間など世界観と設定がすごく面白い。前半が設定・世界観を緻密に描いていたので後半が結構かけ足だったかなーと思うけど、面白い作品でした。

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2023年03月07日

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人間と人間じゃないものの境界線とは何か

ここは、圧倒的な世界が広がる、地球と人類の未来。
それは、いまあるものがない世界。
でも、確かに現在の環境破壊からシミュレーションした未来の地球の姿……。

遺伝子操作による生物科学的人類の変容
人工知能補助による機械工学的人類の変容

そんな世界を舞台に、ひとりの辺境の外交官が、陸上民と海上民の対立、不思議な海上民の“オサ”をめぐる各国の思惑の狭間で、自己の意思を貫こうとする。

ちょっとした地球の動きであっという間に死滅していく生き物のはかなさ。
他の生物が環境変化に対して自然に淘汰や変化していく中、人間だけが自らの力でもがき足掻く……。
そこが功罪合わせて「人間らしさ」なのかも。

お話は、「お仕事小説」箇所の下りや突然のアクションシーンなど、SFであることを忘れそうになる。
また、たくさんの登場人物のなかには、もう少し掘り下げてほしかったようなキャラクターもあったりして、読後も少し心残りがある。

関連する物語が他にも出版されているよう、ちょっとそそられる。

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2022年10月12日

Posted by ブクログ

SF的な世界観の記述もそうですがそこに暮らす人々の描写と、政治的な様相も非常に丁寧で世界に入りやすい。個人用には、終盤急ぎ過ぎてる感じがしましたが、それは周辺作品で補完されるんですかね。

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2022年06月26日

Posted by ブクログ

人類を含む全ての生物が絶滅する程の危機を前に、人類は何ができるのか。
それでも、自分たちが生き残る為に他は犠牲にするという政治闘争や連合間権力闘争に明け暮れる政府に対して、青澄やツェン・タイフォン上尉の姿勢が心に残りました。上尉と月牙の最期悲しかった。
避けられない絶滅に、人間であることを捨ててルーシィとなって魚のようになる人もいる。それでも生き延びられないかもしれない。
マキのコピーを含む人工知性体は宇宙へ。彼らは地球で生物が生き延びたかを知ることはないだろうけど、「彼らは全力出生きた。それで充分じゃないか。」という言葉はこの物語の締めくくりに相応しい救いでした。

プルームテクトニクス理論、検索してみたけどよく理解できなかったので、わたしのプルームテクトニクスは「華竜の宮」の描写でインプットされています。
海上民と陸上民や、政治的な駆け引きの人間ドラマと、どこまでも広がる海と唄う魚舟、何もかもを貪る獣舟が迫ってきて、再読でも圧倒される世界でした。
「深紅の碑文」も読みます。

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2021年06月29日

Posted by ブクログ

主人公の青澄さんの熱い志に心動かされる作品です。こんな外交官がいたらいいのになと思います。
また、とても印象に残っているのは、国家間を跨いだ組織であるNODEが、あらゆる国家に政治的に深く干渉し、支配していると言っても過言ではないような行動をしていたこと。この組織は、世界中のエリートが結集して成立したものということでしたが、実社会でも、GAFAが将来的にこうならないとも限らず、読んでいてなんだか薄ら寒い感じがしました。
発表された当時は震災のことを配慮し、刊行にあたって注意されていたこともあったそうですが、今はこの作品のワクチンのことがより注目されそうです。少し前の作品ですが、次にどうなるのかというドキドキ感と、社会問題に対する様々な示唆を得られる作品でした。

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2021年05月06日

Posted by ブクログ

ものすごく壮大な物語だった。壮大すぎて、読むのに2週間もかかってしまった! そして、まさかの二段組み!

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2019年05月07日

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数世紀後の未来,海面の上昇によって平野部の大半が水没した世界.水上都市の官吏,主人公青澄が担当した事件は,水没世界を分割支配する各勢力の思惑をよそにやがて人類の運命を左右する大変動へとつながっていく.危機を目の前にして「外交力」により運命を切り開こうとする主人公.遺伝子工学,情報工学の発展によるSF要素がちゃんとSFっぽく説明されている.ドゥーガル・ディクソンの著書「マン・アフター・マン」や,眉村卓氏の「司政官」シリーズも再読したくなります.

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2018年04月07日

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ヒーローではなく、一人間としてのお話なんだというのは上巻で分かっていたことではあるんだけど、事件が大きすぎるからか、ヒーロー的活躍をどうしても期待してしまいました。
意味深な登場人物たちも、それほど活躍の場はなく、その辺が少し不完全燃焼のような…。
それでも久しぶりにゆっくりと世界観に浸れる作品でした。
世界観を同じくしたシリーズがまだあるそうなので、そちらもチェックしたいところです。

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2017年12月28日

Posted by ブクログ

ネタバレ

スミマセンm(_ _)m なんか時間つぶし的な気持ちで読み始めましたが、なめてました。心から謝りたいです。素晴らしかったです。出逢いに感謝したいです。科学的な部分で理解が充分でなかったところも多々ありますが、人類の存亡をかけてのあらゆる駆け引きというか水面下での駆け引き。面白かった。私には無理だけど。最後の終わり方も良かったですし。「深紅の碑文」も読みます!

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2017年06月26日

Posted by ブクログ

極限の状況下において、何をなそうとしたか、生き様ともいえるもの貴さが描かれた作品。物語中で何かが解決したわけでもなく、結末も決してハッピーエンドではないが、清々しい読後感にひたれた。

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2016年05月07日

Posted by ブクログ

壮大な設定の中で、個人的な視点から書かれている。それでいて、やはり世界の広さを感じさせる。読み終えるのに随分時間を掛けてしまったが、最後まで読みたい、という気持ちは無くならなかった。幕切れも、すべてを語り尽くさず、良い意味で読者が想いを馳せる余地を残している。面白かった。

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2016年02月06日

Posted by ブクログ

ヒトの遺伝子情報がどれだけの割合で残っていたらヒトと言えるのだろうか。見た目がまるで違ったら、それはもう別種の生物としか言えない気がする。この地球が再び息を吹き返した時、そこに住まうものは全く新しい生物だろう。

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2015年08月05日

Posted by ブクログ

 そうきたか、さすがSF!とわくわくした。
 普段の日常生活で思い通りにならないことが多いせいか、ファンタジーやらSFやらで「スペシャルスキル(魔法とかSF的アイテム)」で問題 を解決することにあこがれを抱きがちだけれど、この話で書かれているのは、ほんとに地味な交渉ごと。けれども、大きな力での解決を「暴力」と し、粘り強く交渉を行う姿は尊い。うわーってなる。

 アシスタント知性体ちょう萌える。
 アンドロイド萌えの人におすすめする。

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2014年11月29日

Posted by ブクログ

テンポよく、最後まで面白く読めた。
ラストの台詞はあとがきによると物議をかもしたように見受けられるが、それができる精一杯なのだと私は腑に落ちた。
ツキソメやタイフォンといった魅力的な人物をはじめ、設定も豊富に盛り込まれておりこれで何冊も書けるんじゃないか、というところを惜しみなく詰め込んでいて、でも個人の人生すべてには言及しないために、主役が全体(群像劇ということではない)であることが見えやすくなっているのかもしれない。ミドルネームもほとんど説明がないので、唐突に話題に出てくる感じがするが、あまり触れないのは他者との関係構築の形を限定しないためなのだろうか。
何にせよ久しぶりに面白い本を読んだ!関連作品もぜひ読みたい。

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2014年07月26日

Posted by ブクログ

これは、おもしろかった。
ラストシーンがいいですね。壮大で我々人間って本当にちっちゃな存在だな。と痛感します。

読み終わってみると「地球」という惑星の物語だったのか。人間がどう生き残り、どうすればいいのかなんてエゴは地球には関係ない。
ただ、生き物は生きるために動き、喰らう。
なんか清々しい気持ちになった物語でした。

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2023年12月26日

Posted by ブクログ

日本沈没のようになかなか世界規模のすごい話になってきた。そういう時の人類の選択は。
話が壮大でAIや海の人と地の人や魚船やワクチンなどよく作り込まれているのに、SFというよりはファンタジーな感じ。もっと社会の仕組みとか概念の説明とかギッシリしたものが欲しかった。
情報を集めて光る小石を追いかけるところの話は抽象的で良かった。

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2020年05月25日

Posted by ブクログ

本書で登場する「魚舟」なるものをどこかで読んだ記憶がある。あとがきにて、井上雅彦監修 『異形コレクション・進化論』に『魚舟・獣舟』なる短編を発表し、これが本編へとつながっていると著者がコメントしている。なるほど、謎が解けました笑 読後の感想:主役の官僚とその上司、統治機構との間のやりとりが無駄にながいと感じた。

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2018年03月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

頭脳への介入とか
サポートする知性体とか

進化(?)する生命とか

未来がこんなんだったら
いやだなぁ…

海中生物になる人類はやりすぎ…
こわい

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2015年05月05日

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