上田早夕里のレビュー一覧

  • 夢みる葦笛

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    上田早夕里著の本をほとんど読んだ上で読んだから世界観に没入しやすかった

    現実のようで近未来のようで過去。

    個人的には伊藤計劃の「The Indifference Engine」を読んでる時と同じ感覚になったかな
    不思議だったのは「眼神(マナガミ)」
    どっかで存在してそうだな〜

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    2026年03月17日
  • 深紅の碑文(上)

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    『獣たちの海』を手に取ってから知ったオーシャンクロニクルシリーズ
    『華竜の宮』→『リリエンタールの末裔』→『深紅の碑文』とシリーズ全部読んだけど
    全部読むからわかる設定だったりしっかり全部が繋がっていて本当にすごい作品だと思った

    青澄の人間らしく人間らしくない陸上民なのに海上民のような分け隔てない考えは2026年の現在に必要な考えだよ…

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    2026年03月11日
  • リリエンタールの末裔

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    4つの短編
    タイトルの「リリエンタールの末裔」は『華竜の宮』とつながる物語。
    「マグネフィオ」「ナイト・ブルーの記録」は現代のようで近未来の物語。
    「幻のクロノメーター」は打って変わって18世紀ロンドン。
    一つの作品でいろんな世界観に行けるのは楽しかった。

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    2026年01月30日
  • 華竜の宮(上)

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    「獣たちの海」を読んでオーシャンクロニクルシリーズを知ったので原点を読んだ
    陸上民と海上民と知性体と魚舟と獣舟…国籍でなくこういった括りなのは面白い
    色んな立場や人が出てくるのにこんなにうまくまとめられてところどころを紐付けで話を進めることが出来るのかとびっくり

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    2026年01月21日
  • 薫香のカナピウム

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    熱帯雨林という設定のものは初めて読んだかもしれない。ならではの面白さ、不気味さがある。
    敢えていえば、オーシャンクロニクルシリーズや中国モノを読んだ今、やや物足りなさを感じる。素材としてはもっと膨らませられるのでは、と思う。

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    2025年12月01日
  • 成層圏の墓標

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    ・化石屋の少女と夜の影
    ・ヒトに潜むもの
    ・封じられた明日
    ・成層圏の墓標
    ・車夫と三匹の妖狐
    ・龍たちの裔、星を呑む
    ・天窓(書下ろし)
    ・地球をめぐる祖母の回想、あるいは遺言
    ・ゾンビはなぜ笑う
    ・南洋の河太郎(書下ろし)
    SF全10編。久しぶりの上田早夕里。  
    どの作品も面白く読んだが、 
    どこか切なく、悲しみがにじむファンタジーとして完結している。
    南洋の河太郎だけは続編が読みたいと思った。

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    2025年11月28日
  • 魚舟・獣舟

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    ネタバレ

    著者初読。パイセン本。

    上田早夕里『魚舟・獣舟』は、ページをめくるたびに“生き物としての人間”が静かに姿を現してくる、深い余韻を残す短編集だった。どの物語も独立した世界を持ちながら、共通して流れているのは、変わりゆく環境とそこに必死に生を繋ごうとする人々の確かな息づかいだ。

    表題作「魚舟・獣舟」では、異形の存在と共に生きる海上民の姿が印象的で、未知の生命に抱く畏れと敬意が見事に交錯する。変容していく世界へ向き合う彼らの姿に、読者は“適応して生きる”という言葉の重さを思い知らされる。一方でそこには、厳しい現実を越えてなお、未来を切り拓こうとするしなやかな希望が宿っている。

    「くさびらの道」や「小鳥の墓」といった作品では、人の心の脆さと強さが同時に描かれ、読後に深い静けさが残った。上田早夕里の筆は、苦しみや孤独すらもどこか透明な光の中に置き直し、人間の内側にある微細な感情を、丁寧にすくい上げていく。

    全体を通して感じるのは、厳しい世界を描きながらも、人と世界が持つ“可能性”を信じる視線だ。それは強烈な設定や残酷さを中和するものではなく、むしろその奥底に沈む確かな人間性を、よりくっきりと浮かび上がらせる力となっている。

    重厚な物語群でありながら、不思議な温度をもって心に染み渡る短編集。読後には、はるかな海の音が胸の奥で静かに響き続けるような、そんな深い読書体験が待っている一冊だった。

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    2025年11月18日
  • 上海灯蛾

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    ネタバレ

    最後まで読み終わってから最初の数ページを読み直すと楊直の人となりがわかった後なので、この遺体を流すシーンに最初と全く違う印象を受ける。

    「魔都」という響きに相応しい世界を見ることができるし、何故このタイトルなんだろうと思っていたが途中でそこに触れるような描写(次郎がそう思う)シーンがある。
    そして楊直がとても魅力的。

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    2025年10月04日
  • 成層圏の墓標

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    様々なタイプの10作品を収めた短篇集。基本的にはSFだが、バリバリのジャンル小説ではなくて、肩肘張らずに読めるタイプの作品だ。
    初出は6篇がアンソロジーシリーズ「異形コレクション」、中国の「春節SF祭り(科幻春晩)」とアンソロジー『地球へのSF』から1篇ずつ、そして2篇が書き下ろしだ。アンソロジーに収録された作品が多いので、作者の熱心なファンだと既読が多いかもしれない。
    どれも愉しく読めたが、「封じられた明日」、「車夫と三匹の妖狐」、「ヒトに潜むもの」がもろにツボだった。

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    2025年08月04日
  • 成層圏の墓標

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    化石屋の少女と夜の影
    ヒトに潜むもの
    封じられた明日
    成層圏の墓標
    車夫と三匹の妖狐
    龍たちの裔、星を呑む
    天窓
    地球をめぐる祖母の回想、あるいは遺言
    ゾンビはなぜ笑う
    南洋の河太郎

    いつのながら、上田早友里さんの異端者物語は面白い。
    この短編集もどれをとっても外れなし。面白かった。

    お薦めはすべてですが、特にといえば
    「ゾンビはなぜ笑う」
    「南洋の河太郎」

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    2025年07月07日
  • 成層圏の墓標

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    読み応えのある小説でした。
    南洋の河太郎は河童をテーマにしたストーリーですが、リアルで説得力のある内容になってました。

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    2025年06月15日
  • リラと戦禍の風

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    幼いリラが言う。
    「戦禍の風は、子供や大人の区別なくあらゆる人間を怪物に変える」

    物語は第一次世界大戦の西部戦線、ドイツ軍の塹壕の中で無常感に蝕まれていたイェルクを、シルヴェストリ伯爵が拾う、リラという少女の護衛役とするために。

    “国”とはいったいなんだろう。
    どんな状態であっても、国の人のことを第一に考える……時には敵対する国の人を必要以上に憎んでまで。
    必ずしも“戦争”という特殊な事態の中だけではなく、常日頃に思いがけなく顔を出す。

    そして「経済」……人の世に巣作る魔物とは……

    魔物以上に残酷な人間たちを救うために、イェルクたちは動き出す。
    その手段が諜報活動って、俗人っぽく“魔物”らしくないところが現実的。

    やがて戦いは止む、
    でもまたさらに酷い戦いが始まる。

    「人間であるとは、どういうことなのか」
    魔物を通じて考える……

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    2025年06月15日
  • 成層圏の墓標

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    ネタバレ

    中短編10作
    どこを切り取っても作者らしい解釈で、その世界観は唯一無二だろう
    単に悲観的なだけではなく、そこにある人情模様というか、ベタベタするわけじゃないけど突き放さない、絶望の中に光を探す、そういうところが好き

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    2025年06月12日
  • 上海灯蛾

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    当時の魔都上海とは勿論街並みは変化しているものの、上海には実際に行ったことがあり、イメージし易い環境で読破できたが、当時の日中の関係性をより理解した上であれば、より能動的に愉しむことが出来たかもしれない。

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    2025年05月11日
  • 上海灯蛾

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    ネタバレ

    <目次>
    序章上海1945
    第1章阿片の園ー上海1934
    第2章田
    第3章栄華
    第4章交戦
    第5章鵬翼
    第6章詭道の果て
    終章夢と枯骨
    後記

    2023/3単行本発行
    2025/3/15第1刷(文庫)

    P94(上海に戻る日本人の男が教えてくれた)
    都会には、いいことばかりあるわけではない。
    だが、未知の世界への渇望を抱いているなら、
    思い切って心を解き放てと。

    著者、上海三部作の第3弾。
    この本の新聞広告を見て、3冊購入し順に読んで
    いったもの。第1・生物兵器・感染症、
    第2・和平工作、第3・麻薬取引
    上海の旧フランス租界に住んでいたからわかる。
    魔都というが、その感覚が。
    怨念や情念が残っていて、人をひきずりこむ。

    <覚書>
    上海自然科学研究所
    徐フイ区岳陽道320号、に今も現存
    1931設立
    霞飛路⇒今のワイ海中道
    愛多利亜路⇒今の延安東路
    上海租界
    南京条約1842年にて
    1870~日本人の進出、パスポート不要、最大10万人
    共同租界の日本人居住区あり

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    2025年05月03日
  • ヘーゼルの密書

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    ネタバレ

    <目次>
    序章上海1931
    第1章上海1939
    第2章榛の花
    第3章合議
    第4章ミッション1
    第5章ミッション2
    第6章ミッション3
    終章散花

    2021/1単行本出版
    2024/1/20第1版

    著者上海3部作の第2弾本。和平工作活動。
    第3弾の上海灯蛾の新聞広告を見て、著者のことを
    知り、上海3部作と著者本人が言っている小説の文庫を
    まとめて購入したもの。

    P133大陸に渡ってきた日本人の大半は内地にいた頃と
    同じ暮らし方をする。~中には「内地でやれないことを
    やる」という、野望に燃え、傍若無人に振る舞う者も
    少なくなかった。異文化に馴染もうとせず~

    P162国同士はともかく、末端にいる庶民はもっと
    えげつない動機で動いているぞ。和平工作に成功=
    民族間の争いの消失ではない。

    P336「日本人を」(信用したのでなく)あなたを
    信用したのです。

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    2025年04月28日
  • 破滅の王

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    ネタバレ

    <目次>
    序
    第1章風根
    第2章上海1943
    第3章遺された言葉
    第4章血と闇夜の城
    第5章焦熱の地
    第6章眩耀
    第7章ベルリン市街戦前夜
    第8章祈望
    補記

    2017/11単行本発行、直木賞候補
    2019/11/17第1刷 文庫
    2023/3/27第2刷

    著者上海3部作の第1弾。
    第3弾書籍の文庫化の新聞広告を見て、まとめて購入。

    1930年代~1945の上海租界の上海自然科学研究所と
    満州の生物兵器研究所が舞台。
    生物兵器として開発した、ワクチンのない感染症を、
    情報漏洩で各国の研究者が秘密裏に薬を作ろう
    また、感染症をばらまこうという、話。
    文庫本で500ページ。

    2020のコビットの前に、この話が出ていたとは。
    なぜ、SF作家である著者が上海租界に魅せられたか。
    上海の旧フランス租界地区に住んでいたので、
    思うところはいろいろある。。。。。

    P424誰かが生物兵器だと宣言しない限り、世界的には、
    R2Vは新種の伝染病にすぎないのです。
    病気であればその情報は世界中で共有され、ごく普通に
    治療薬の開発が始まります。~年単位の時間が必要です。
    でも、特定の国家に情報を押さえらてしまうよりは、
    ずっといいと思いませんか。

    P426人は国家のためにあるわけではない。~世界中の
    子供たちの将来をあなたはどう考えているのですか。
    ~科学者にとっての正道は、人そ幸せにすることだ、
    死人の山を作ることじゃない。世の中を破壊すること
    じゃない。~科学者としてのあなたの良心を信じて
    いる。~科学を兵器として使うのではなく、本当の
    幸せのたまに使ってほしい。

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    2025年04月25日
  • 播磨国妖綺譚 伊佐々王の記

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    シリーズ2冊目にして面白くなってきた!
    1冊目は淡々として物足りなくて、設定とか時代背景とか面白そうなのになんでかな〜、登場人物にもいまいち魅力かんじないな〜という感じだったのが、あれは助走だったのか!と納得。
    続きが楽しみ。

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    2025年01月30日
  • 播磨国妖綺譚 伊佐々王の記

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    シリーズ2作目。
    今作は呂秀の宿敵とも言える蒲生醍醐が出てきて戦いへと向かっていく構図で展開されている。
    ただその中でも清々しさみたいなものは前作と同じく醸し出されているのがこの作品全体の妙として残っているのがとても良い。
    読む前は、この後の続編が出ていないのでてっきりこれで終わりかと思いきや続きのある終わり方で期待してます!

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    2025年01月17日
  • 播磨国妖綺譚 あきつ鬼の記

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    新年1発目はこちら。
    物の怪話なのでちょいとおどろおどろしいモノなのかなと思ったけれど全然そんなことはなく、逆にほのかな暖かみを与えてくれる作品でした。

    呂秀と律秀の関係性が非常に心地良い。
    あきつ鬼も見た目は異形だけどそれに反してなんともいえなない優しさも持っていて、呂秀とのやり取りは微笑ましく感じる。

    八島の亡霊が現れた理由がクスッとせずにはいられなかった。

    新年を穏やかに迎えるのに相応しい作品

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    2025年01月06日