久山葉子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「うつ」は脳の正常な反応、という点については、すごく納得できました。
その背後に、「ヒトは、幸せになるのではなく、生き延びるようプログラムされている」という点も、すごく納得できました。
ただ、本書で何度も出てくる「ヒトの脳はいまだにサバンナを生きている」のような表現には、個人的には違和感があります。
「ヒトの脳はいまだに、サバンナで生き延びることを前提(目的)にプログラムされている」のような表現であれば、しっくりきますが。
ただ、これについては、著者の問題ではなく、訳者の問題かもしれませんが。
個人的に、進化論の視点は、本書に限らず、生きていく上で多くの場面で使える視点だと思っているのですが、本書を読み進める上では、必須の視点かもしれません。
その視点があるかないかで、本書に対する納得度に、大きな差が出るような気がします。 -
Posted by ブクログ
スウェーデン人で食文化を専門とするジャーナリストが、脂肪について書いた本。スウェーデンなど北欧を中心に脂肪に焦点を当てて、その考え方や食生活について歴史的に分析している。定量的ではないが、脂肪についての考え方の変遷が面白い。
「原始の祖先たちは肉を目当てに狩りをしたわけではない。求めていたのは脂肪だ。脂肪は生きるために欠かせぬ存在、命そのものだった」p11
「脂肪は栄養であると同時に、身体の一部でもある。目に見える豊かさ、そして権力の証。胴回りがでっぷりとしているのは富の象徴で、女性なら子を宿し育む余地を示したものだが、今では1キロ増えるごとに「我慢する知性を欠いた人」だと思われてしまう」p11
「ロンドン下水道の「ホワイトチャペルの怪物」はその地区に多く並ぶレストランによって育まれた。130トンの巨大なファットバーグは62%が脂肪、19%が灰と塵、10%が水で、その他の9%にウェットティッシュが含まれていた。80トンの脂肪の約半分がパルミチン酸つまり調理した肉やバター、それにコンディショナーや保湿剤にも含まれる飽和脂肪酸だ。18%はオリーブオイルやアーモンドオイル、石鹸に含まれるオレイン酸だった」p19
「(1856年、ロンドン大悪臭)窓の外を流れる悪臭の凄まじさに議会を招集できないほどだったのだ。「我々はこの地球上で遥かかなたの国々を植民地にし、インドも征服した。しかしテムズ川を浄化することはできない」。イラストレイテッド・ロンドン・ニュース新聞にはそんな文字が躍った」p20
「重さにして1.5キロにも満たず、成人なら体重の数%にすぎないが、その脳が身体に必要なエネルギーの約1/4を消費しているのだ。脳の神経1グラム1グラムが筋肉の16倍のエネルギーを貪る」p23
「人間は大人になってからも他の霊長類より脂肪を溜める能力が抜群に高く、平均的な体重の男性なら体脂肪が15〜20%で、女性の場合は30〜35%。このレベルを維持できるのはアザラシなど海に生息する哺乳類だけだ」p24
「(デンマークのトランス脂肪酸の厳しい規制)デンマークでは1980年以降心血管疾患による死者が70%も減少していて、その傾向はまだ続いている。同じ傾向が他のEU諸国にもみられるが、デンマークは特に顕著だ」p143
「地球上には食べられる植物が5万種以上存在するが、人間が食料としているのは数百種程度だ。その中でわずか15種類の作物が人類のエネルギー供給の90%を支えている。国際食料農業機関(FAO)によれば、米、トウモロコシ、小麦だけで今日の世界人口79億人の栄養の半分以上を担っているという」p150
「私は本書を読んで、スーパーで売っているベーコンはもう食べたくないと思った。スウェーデンでもかつては家庭で豚を飼い、年に一度屠殺して余すところなく食していた。一匹解体するにも何日もかかる大仕事だが、そうやってできあがるラードやソーセージは今でいうところの「完全自家製のオーガニック」で、さぞ美味しかったことだろう(子供の頃に読んだ『大草原の小さな家』でもローラが年に一度豚のしっぽをあぶって食べるのを楽しみにしていたのが印象に残っている)」p222
「今では定期的に農場に通うようになりラードやヘット、くん液や亜硝酸塩を使っていない本物のベーコン、穏やかに生きた豚や牛の各部位が常に冷凍庫にある。そんな美味しい肉を焼いて出た油は捨てずにとっておき、他の炒め物にも使っている。昔のスウェーデンの家庭のようにコンロの横に油脂を集める壺ならぬタッパーを常備しているのだ。なぜタッパーかというと、蓋をしておかないと飼い猫がやってきてぺろぺろ舐めてしまうから。スーパーで買った肉の油には興味を示さないのに、本物の肉の美味しさは猫にもよくわかるらしい」p223 -
Posted by ブクログ
ネタバレ
スマホ脳の子供向けな本。以前に同著者のスマホ脳を読みスマホの危険性について理解していたが、時間が経ち最近また依存傾向にあることを自覚したため購入して読んだ。
わかりやすく例を用いて説明されているため、子供でも読みやすい。
特に気をつけようとかんじたのは、スマホはそこにあるだけで集中力を削ぎ、時間を奪うということ。「スマホを手に取らないように」と意識するだけで、集中を途切れさせる力があり、脳のリソースを取られるなんて...。スマホは使用する以外は他の部屋へ。何度も書かれているが、これは是非実践しようと思った。
新しく知ったのはデジタル健忘とグーグル効果について。聞いたことあったが、なるほどと。
確かに、写真に撮っているなら大丈夫か、データに残っているなら、Googleですぐ検索できるし。と思っているものはすぐ忘れてしまう。脳が省エネだからなのか。うまく出来ているなぁと思う反面、大切なことは覚えよう。と注意深く意識しなければ簡単に忘れてしまうのだと再認識した。
スマホはなくてはならないが、こちらでうまくコントロールして付き合っていく必要のあるデジタル機器。気を抜けばスマホに自分の時間を乗っ取られるぞと肝に銘じておこうと思った。 -
Posted by ブクログ
書籍末尾にある「10の最も重要な気づき」
①あなたはサバイバルを生き延びた人の子孫だ。健康や幸せのためではなく、生き延び、子孫を残すために進化した。だから常に精神的に元気でいるのは非現実的な目標だ。
②感情はあなたに行動させるために存在し、すなわち変化していくもの。脳があなたの周囲と体の中で起きていることをまとめたものが感情であり、体内の状態は思っている以上に重要。
③不安と鬱は大抵の場合、防御メカニズム。どちらも人間の本質として正常で、あなたが壊れているとか病気だとか言うことではない。何より絶対にあなたの性格ではない。
④記憶とは変化するもの、そうあるべき。トラウマになった記憶は安心できる。環境下で語ることで変化し、脅威を減らすことができる。
⑤睡眠不足、長期的なストレス、じっと座っていることなどで、脳が「自分は危険な世界にいる」「自分は自分ではない」と言うシグナルを受け取る危険性がある。脳はそれに対して、あなたを引き困らせなければと思い、精神状態を悪くしてしまう。
⑥運動はうつや不安からあなたを守ってくれる。あなたは運動するようにできていて、今の時代は運動量が少なすぎる。一方で、ダラダラしたいと思うのも正常な反応。
⑦孤独はいくつもの病気に影響するが、小さな努力が大きな違いを生む。健康の見地からは、親しい友人が数人の方が、浅い知人が多くいるよりも良い。
⑧遺伝子の影響もあるが、たいていは環境の方が重要。遺伝子的にそうだからといってうつや不安を防げないわけではない。あなたの生き方が脳の機能に影響する。
⑨幸せなんか無視しよう!常に幸せでやりたいと思うのは非現実的で辛いだけ。しかも逆効果。
⑩最も大事なのは、精神状態が悪いなら受診すること。医学があなたを助けてくれるし、あなたは1人ではない。