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1.この本を選んだ目的
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スマホを手放せない人の多さに、以前から強い違和感を抱いていました。
本を読む習慣のある人は比較的そうでもないのかもしれませんが、常にスマホを見続けている人の姿を見ていると、「これは本当に健全なのだろうか」と感じます。
歩きながら、食事中、トイレの中でもスマホを見ている。そうした光景は、もはや当たり前になっていますが、少し異様にも思えます。さらに生成AIが広がることで、人が自分で考える機会はますます減っていくのではないか、とも感じています。
自然を楽しむことや、その場の空気を感じることよりも、常に画面へ意識が向いてしまう。そうした現代社会のあり方に疑問を感じる中で、「スマホ脳」というタイトルに惹かれ、この本を手に取りました。
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2.概要
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第1章 人類はスマホなしで歴史を作ってきた
スマホの使用時間云々よりもはるかに大きな問題に直面している。それは、精神的不調を抱える人が急増していること。よい暮らしができるようになったのにむしろ不健康になる。
私たちを取り巻く環境と、人間の進化の結果があっていない
今のこの社会は、人間の歴史のほんの一瞬にすぎない。地球上にあらわれてから99.9%の時間を狩猟と採集をして暮らしてきた。私たちの脳は今でも当時の生活様式に最適化されている。脳はこの1万年変化していない。これが重要な鍵になる。
睡眠、運動、他者との関わりが、精神的な不調から身を守る3つの重要な要素。
第2章 ストレス、恐怖、うつには役目がある
@過度なストレスにさらされよう
ストレスのシステムは、私たちが正常に機能するためにも大切。無気力になり、何をする気もおきなくなることも考えられる。
@人前で喋る恐怖
周りの評判が気になるのはつまり、遺伝子に組み込まれていることであって、これもまた、脳が現代社会に適応していない一例。グループに帰属するのは安心感のためだけではなく、生存がかかっていた。
@うつ
スウェーデンでは、1023万人の人口に対して、96万9516人が抗うつ薬の処方をうけている。
不安はストレスのシステムを事前に作動させた結果。
第3章 スマホは私たちの最新のドラッグである
@スマホ
私たちは1日に2600回以上スマホを触り、平均して10分に1度スマホを手に取っている。
@脳は新しいもの好き
参加の観点から見れば、人間が知識を渇望するのは不思議なことではない。周囲をより深く知ることで、生存の可能性が高まるからだ。周囲の環境を理解するほど、生き延びる可能性が高まる。
私たちの先祖が生きたのは、食料や資源が常に不足していた世界である。
第4章 集中力こそ現代社会の貴重品
@注意残余
複数の作業の間で集中を移動させることで、気持ちが良くなる。これは私たちの祖先が、この世のあらゆる刺激に迅速に対応できるよう、警戒態勢を整えておく必要があったせいだ。
@マルチタスク
記憶は脳の様々な場所に保存される。例えば事実や経験は俗に記憶の中枢と呼ばれる「海馬」に入る。一方で、自転車に乗る、泳ぐ、ゴルフクラブでボールを打つといった技術を習得するときには「大脳基底核の線条体」という場所が使われる。
テレビを観ながら本を読むなど、複数の作業を同時にしようとすると、情報は線条体に入ることが多い。つまり脳は、事実に関する情報を間違った場所へ送ることになる。
第5章 スクリーンがメンタルヘルスや睡眠に与える影響
@眠り
なぜ私たちは頭を枕にのせた瞬間に眠りに落ちないのだろう。
夜ストレスを感じると眠りにつけないのは、眠るときに知覚情報を完全オフするのが危険だったから。狩猟採集民だった先祖は、サバンナで眠るとき、誰かに殺されたり動物に喰われたりしない安全な状態を確保することが重要だった。
@ブルーライト
眠りにつく前にスマホやタブレット端末をつかうと、ブルーライトが脳を目覚めさせ、メラトニンの分泌を抑えるだけでなく、分泌を2、3時間遅らせる。
私たちの先祖にとってブルーライトは晴れ渡った空から降ってくるものであり、「さあ、起きろ、油断せず警戒を怠るな」となる。
@食欲
ブルーライトの影響を受けるのは睡眠を促すメラトニンだけではない。ストレスホルモンのコルチゾールと空腹ホルモンのグレリンの量も増やす。グレリンは食欲を増進させるだけでなく、身体に脂肪を溜めやすくもする。
第6章 SNS-現代最強のインフルエンサー
@ゴシップ
私たちの会話の8割から9割は、自分の話か他人の噂。私たちはゴシップが大好き。
これも、先祖の影響で、人類は50〜150人程度の集団で暮らしてきて、いろいろな人に目を向けておく必要があったため。
他の人が何をしているのか、互いにどんな関係にあるのか。これを知っておくと有利だったため、人間にはそういう情報を得たいという強い欲求がある。
噂話をすると、満足感を感じるように脳のメカニズムが進化してきた。
第7章 バカになっていく子供たち
第8章 運動というスマートな対抗策
身体を動かすと集中力がなぜ増すのかは、私たちの先祖が身体をよく動かしていたからだ。狩りをしたり、自分が追われたりしたときには、最大限の集中力が必要だ。本当に必要なときにいちばん集中力を発揮できるように、脳は数百万年かけて進化した。
脳の大部分はサバンナの日々から変わっていないわけだから、身体を動かすことであなたや私の集中力は高まる。
ストレスの大部分が「逃走か逃走か」という類の危険に結びついていた。体のコンディションがよければ、あわてて逃げるにしても攻撃に出るにしても、その場を切り抜けられる確率が上がる。ストレスのシステム自体はサバンナ時代から変化していないため、結果として、体のコンディションが良い人ほどライオンから逃げるのが得意なだけでなく、現代社会のストレス源に対処するのも得意になる。
第9章 脳はスマホに適応するのか?
@可塑性
学習によって海馬が成長し、物理的に大きくなる。つまり、脳は変化する。
第10章 おわりに
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3.感想
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精神科医である筆者の視点と、さまざまな研究・検証を交えて語られる内容がとても興味深かったです。
そもそも、人間の脳がどういう仕組みでできているのかを理解することで、現代社会の見え方や、自分の行動の選択肢も変わってくるのだと感じました。
特に印象的だったのは、サバンナ時代を生き延びるために形成された「カロリーを求める本能」の話です。現代では食べ物が簡単に手に入る一方で、脳は昔のままなので、過剰摂取へ向かいやすいという構造は非常に納得感がありました。
うつや不安に関する話も興味深かったです。
不安やストレスも、もともとは生存のために必要だった仕組みであり、人間の脳は現代社会に最適化されているわけではない、という視点は印象に残りました。
また、「不確かな結果のほうが、脳は強くドーパミン報酬を感じる」という実験の話も面白かったです。
ドーパミンの重要な役割は、人間に“行動する動機”を与えることだそうですが、SNSやスマホは、まさにその仕組みを巧みに刺激しているのだろうと感じました。
コルチゾールの話も印象的でした。
ストレスを感じると脳が「闘争か逃走か」のモードに入るというのは、人間が今もなお、サバンナ時代の仕組みを引きずっていることを実感させられます。
睡眠の話も興味深かったです。
ストレスを感じると眠れなくなるのは、危険な状況で無防備に眠ることを避けるためだったという説明には納得しました。
ちなみに私は、昔から「のび太レベル」と言われるほど寝つきが良いので、ある意味では、原始時代でも生き延びられなかったタイプなのかもしれません(笑)。
生成AIについても、いろいろ考えさせられました。
形式的な作業をAIに任せ、人間は戦略的な部分に集中するべきだ、という話をよく耳にします。しかし実際には、AIに頼ることで「考える機会そのもの」が減っていく危うさも感じています。
便利になる一方で、人間は何を考え、何を鍛え、どう生きていくべきなのか。
そんなことを改めて考えさせられる一冊でした。
また、「1万年前の先祖と会ったらどう感じるか」という話も面白かったです。
私たちは先祖を見て、「なんて鍛えられた肉体なんだ」と感じる。一方で先祖から見れば、「なんて貧弱な身体なんだ」と思われるだろう、という話には思わず苦笑しました。
実際に会うことはありませんが、「もっと身体を鍛えないとな」と感じさせられました。
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4.具体的にどのような点を学習したか?
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人間の脳は、数十年や数百年で急激に進化するわけではなく、基本的にはサバンナ時代の仕組みを土台として動いている。
その前提を理解しておくことで、現代社会における自分の行動や感情を、少し客観的に見られるようになると感じました。
「なぜ自分はこう感じるのか」を、進化や本能の視点から考えられるようになったのは、大きな学びだったと思います。
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5.具体的にどのような行動をするか?
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まずは運動です。
最近は走る頻度を増やしており、1週間平均で見ると、1日の歩数は12000〜13000歩ほどになってきました。今後は15000歩程度まで伸ばしていきたいと思っています。
仕事柄、完全なデジタルオフは難しいですが、少なくとも「常にスマホを見続ける状態」にはならないよう意識したいです。
よく寝る。
よく運動する。
食べすぎない。
適切に人とコミュニケーションを取る。
結局は、そうした当たり前のことが、人間にとって最も自然で大切なのだと感じました。