クリスティアン・リュックの作品一覧
「クリスティアン・リュック」の「人はなぜ自分を殺すのか(新潮新書)」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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小説・文芸
Posted by ブクログ
自殺について述べられる、書。
自殺の歴史から現代の安楽死問題、防止や予防はできるのか、日本の切腹文化など。
いろいろな人たちの自殺関連の話が書いてあり、その分量が少し多いような気がした。
私的に自殺は完全にナシと考えているが、様々な理由によってそうならざるを得ない場合もあるのかもしれない、という考えにはなった。
自殺によってその人はいろいろなことを終えられるのかもしれないが、残された周囲の人々に深い悲しみを残すことになるのは違いないし、その死に意味をつけて利用する人間もいたりする。
切腹文化に興味を持ったので少し勉強してみようと思いました。
Posted by ブクログ
スウェーデンで最も影響力のある文学賞アウグスト賞を受賞した一冊。受賞したことがスウェーデンでこのテーマへの関心が大きいことを示していると訳者は言っています。
原著タイトル「生きるに値する人生」だそうで、こちらの方が内容的には合っていると思います。でも原タイトルだと日本人は確かにあまり手に取らないかも。本書邦題タイトルはより印象も引きも強い感があり、あえてそのタイトルにしたのでしょう。
キリスト教などでは自殺を禁じていて、それは知っていましたがなぜなのかということは知りませんでした。本書第3章を読んで納得しました。
神があなたを創造したのだから、創造物(あなた)の命を絶つことは神への侮辱に当たると(p50)
無宗教である自分のような日本人にはその厳しさを実感としてはあまり感じられませんが宗教戒律の厳格さを感じる理由です。日本の切腹についても触れられていて、それがある種象徴として文化的に認められてきたことが自殺が他国に比べて日本で受け入れられているのてはないかと書かれています(p59)なるほど一理あるかもしれない。
やはり宗教や習俗を抜きに自殺という行動を一律には語れないとわかります。
安楽死と尊厳死の違いについても他の本で読んだことはありますが、主にヨーロッパで安楽死を認められている国でのその実例が紹介されており、単なる良し悪しでは測れない複雑さを感じます(それはそうですよね。取り返しもできないしやり直しも効かないし)
随分と若い年齢の人も基準に従って条件が満たされれば安楽死させられ、そういう人が実際にいたことが日本人である自分にはかなりショッキングに感じられました。
夫のいる女性で結局死ぬのをやめた人の話が出てきますが(p117〜)
本人よりも残されるはずだった夫さんの気持ちを思うと、夫さんのほうがむしろ死にたくなるほど辛くなってしまったのではとその気持ちは想像を絶します。
死にたくなる人はもう残していく人のことなど考えられなくなってしまうのだろうか、そのくらいでないと(?)死ねないよな…などと思ってしまいました。
死にたいと生きたいはほんの小さな振り幅で大きく揺らいてしまうものなのだと第8章を読んで震撼する思いでした。
第11章の、哲学者の奥さんとその不随になってしまった夫さんの話もショッキング。予言のように寄せられたコメントの通り最後はなったということにやりきれなさを感じます。
愛ゆえに…想像できないけれどなんて悲しいことなんだろうと現実の残酷さがしみました。
WHOは有名人が亡くなった場合は具体的な自殺方法を報道しないことを推奨している(p216)そうです。報道があると追うかのように自殺者が増えるのは日本だけではないようです。
本書巻末にも編集部付記で、著名人の自殺報道があった際によくニュースの最後に載っている自殺対策機関の連絡先が掲載されています。
こういう本を手に取る人は、何らかの形で自殺という行動に関心があるのでしょうけど(自分も含めて)学術的に関心を持って広く読まれるべき一冊だと思います。
Posted by ブクログ
「自殺は心の病気である」というスタンスを終始保っている。特に若い人の自由意志による自殺には否定的。自殺は取り返しのつかない行為であり精神の治療により自殺衝動を乗り越えられれば以後生きていられる。
自殺を防ぐには人生に意味が必要だという。これを人生に対する行為論という。人生の目的の消失や意味の崩壊から人生を終わらせるのが自殺。人生の意味は非常に難しい問題だが生きているだけでも価値がある。結果ではなく生きているという過程に意味がある、という。
だいぶあっさりとした内容でさらっと読めてしまう。
安楽死が合法化されている国なので自殺が身近な題材だと思われる。本書でも触れているが日本は切腹などの自殺によって責任を取る、人生を終わらせることにある種の美学がある。そのため自殺が根本的に悪であった他の国の文化とは異なるものだと思われる。日本における自殺の意味が知りたいなら、他の本を読む必要があるだろう。