白夜に沈む死 下
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白夜に沈む死 下

小説・文芸
1,200円 (税込)

6pt

4.0

油田の開発に各国の石油会社が群がり、利権と欲望が渦巻く町ハンメルフェスト。石油産業のダイバーは危険と背中合わせだが、信じられないくらいの高給が支払われる花形の職業だ。亡くなったサーミ人のトナカイ所有者の幼馴染は、腕利きのダイバーだった。伝統と利権に引き裂かれるサーミの人々。トナカイ所有者、かつて石油会社に関わっていた市長に続き、スウェーデンとアメリカの石油会社の代表者二名が減圧室の事故で悲惨な死を遂げるに至り、クレメットとニーナは一連の出来事のつながりを疑い始める。数多くの賞を受賞したシリーズ第2弾。

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〈トナカイ警察〉シリーズ の一覧

1~4巻配信中 1巻へ 最新刊へ
1~4件目 / 4件
  • 影のない四十日間 上
    1,100円 (税込)
    クレメットとニーナは、ノルウェー、スウェーデン、フィンランドにまたがるサーミ人居住地でトナカイ関連の事件を扱うトナカイ警察の警察官。二人が配置されたノルウェーのカウトケイノで、サーミ人のトナカイ所有者マッティスが殺された。直前にクレメットたちが、隣人からの苦情を受けて彼のもとを訪れたばかりだった。トナカイ所有者同士のトラブルが原因なのか? サーミ人を排斥しようとする勢力、サーミ人の権利を主張する勢力、様々な思惑が入り乱れるなか彼らは捜査を進めるが……。フランス批評家賞など23の賞を受賞した傑作ミステリ。
  • 影のない四十日間 下
    1,100円 (税込)
    トナカイ所有者殺害の前日、カウトケイノの博物館から世界的に貴重なサーミの太鼓が盗まれるという事件が起きていた。実は殺された男は数少ないサーミの太鼓のつくり手でもあった。二つの事件に関連はあるのか。クレメットとニーナは盗まれた太鼓のルートをたどる。寄付主はかつてフランス人探検家がこの地を訪れた際に同行して、サーミ人のガイドから件(くだん)の太鼓をもらったというのだ。七十年以上前のその探検では、ひとりの隊員が亡くなっていた。一年の内四十日間太陽が昇らない極北の地で、トナカイ警察コンビが悲しみに満ちた事件の真相に迫る。
  • 白夜に沈む死 上
    1,200円 (税込)
    石油景気に沸く沿岸の町ハンメルフェスト。町に侵入するトナカイをめぐりトナカイ所有者と住人とのトラブルが絶えない。そんななかトナカイ所有者の青年が、本土から島の餌場にトナカイを移動させている最中に狼湾(ヴアリギスンド)で事故死した。数日後、同じ湾で市長が死体で見つかる。偶然かそれとも? 腑に落ちないものを感じたトナカイ警察のクレメットとニーナだったが、青年が死亡した日にクレメットの叔父が撮った写真に怪しげな動きの人影が写っていた。日の沈まない夏の北極圏、北欧三国にまたがり活躍する特殊警察所属の警察官コンビが事件を追う。
  • 白夜に沈む死 下
    1,200円 (税込)
    油田の開発に各国の石油会社が群がり、利権と欲望が渦巻く町ハンメルフェスト。石油産業のダイバーは危険と背中合わせだが、信じられないくらいの高給が支払われる花形の職業だ。亡くなったサーミ人のトナカイ所有者の幼馴染は、腕利きのダイバーだった。伝統と利権に引き裂かれるサーミの人々。トナカイ所有者、かつて石油会社に関わっていた市長に続き、スウェーデンとアメリカの石油会社の代表者二名が減圧室の事故で悲惨な死を遂げるに至り、クレメットとニーナは一連の出来事のつながりを疑い始める。数多くの賞を受賞したシリーズ第2弾。

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白夜に沈む死 下 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     ノルウェー北部。北極圏を舞台にした『影のない四十日間』に続くトナカイ警察シリーズ第二弾が登場した。個性という意味ではこれ以上ないほど珍しい舞台設定。観たこともない大自然の環境。入り組んだフィヨルドと沈まない太陽。辺境ゆえの捜査の困難さ。アイヌ民族やエスキモー同様、同和政策により絶やされようとしている先住民族サーミ人の血脈。あまりにも独自な材料を溢れるほど携えて、新鮮この上ないミステリーを展開してくれる圧巻のシリーズである。

     前作では、太陽がまったく昇らない冬の四十日間を背景にしていたのが驚愕であった。本作では、春を迎えた同地域を舞台に、太陽が沈まない白夜の季節を背景にして、またまた物語世界の辺境性に興味を注がれることこの上ない。しかも石油開発景気に沸く海辺の小村を背景に、潜水夫という極めて特殊な作業に携わる男たちの宿命に焦点を当ててゆく物語。ページを開いた途端、強烈に引き込まれるのは、登場する人物たちの個性でもあり、石油景気という異常なまでの状況ゆえでもあろうか。

     ノルウェー南部から派遣され、同じ国内でありながら極めて異質な日照時間や生活環境に圧倒されるニーナ。彼女とペアを組むトナカイ警察のクレメットはサーミ人の血を引く先輩警察官。二人の主役コンビは、スノーモービルで、氷が解けかけた危険な水辺や雪原を疾駆しつつ、辺境の仮野営設備の小屋を拠点に、日々を過ごす。あまりにワイルドな職場環境に圧倒されながら、彼らならではの活躍に胸躍らされるのが、本シリーズの個性でもある。

     今回は、石油開発を背景にした海辺での事故を探るうちに、思いがけぬ過去の暗闇や亡霊の存在が浮き彫りにされてゆくという内容である。原作者がそもそもノルウェー駐在のフランス人ジャーナリストであるゆえに、彼の取材活動から浮上してきたであろう様々な事実が、作中でも生々しい。先住民のサーミ人は国境や私有地を持たず、トナカイを放牧させて暮らしてきたのだが、開発や同化政策が進むにつれ、土地の私有化や企業誘致が進む北辺の村では、古い歴史と新しい文明との利害が様々な形で衝突し合うようになった。

     中でも石油開発が端緒に着いたばかりの近海では、巨大資本をバックにした企業と、町の政治家たち、先住民と新住民との文化的対立、その他ノルウェーが現実に山積みにしてきた問題が、様々な階層で浮き彫りになりつつあった。本書の凄みは、ミステリーとしての構造を確立させながら、知られざるノルウェー北部の現実を読者に突き付けてくるところである。登場人物たちの個性も素晴らしく、町そのものが良く活写されて見える点も好ましい。

     我々は、ノルウェー南部育ちのヒロインであるニーナの眼を通して、改めてこの国の地理的、経済的、民族的問題を驚きや発見とともに体感してゆくことになる。ちなみに人口がノルウェー540.8万人、北海道が528.1万人。面積は、ノルウェーが385㎡、日本が378㎡。如何にノルウェーの人口密度が低いかがおわかりかと思う。一部が北極圏という特異な環境も大きく影響しているのだろう。

     この国の北部。その暗夜と白夜と、二つを、作品で示してくれたこの作者。本書では潜水夫に課された驚くべき過酷な労働環境、後遺症などに関しても徐々に記述されてゆく。本書は、ジャーナリスト魂の十分にこもった、熱血作品でもある。作者の怒りや公平な視線を存分に感じながら、過去と現在を去来する壮大な物語と、二人のトナカイ警察たちのバイタリティ溢れる活躍とを、思い切り楽しんで頂きたいと思う。

    0
    2023年02月14日

    Posted by ブクログ

    上巻では遅々として事件の捜査が進まなかったが、下巻では面白い様に展開していく。
    利権に群がる市民とサーミ人の伝統を重んじる精神世界の分断だけでなく、油田会社の手先となったダイバーの哀しい行末にも心が重くなった。

    0
    2023年02月26日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    (上巻より)

    二作目のせいか、サーミ人の生活のインパクトが小さい。
    前作で登場していた昔ながらに暮らすサーミ人、アクラスの存在がないからか。
    それでも、愛する人に求婚する際、秘密の岩に供えるために、
    去勢された雄ではなく、去勢されていない雄の角を手に入れようとする場面は、
    その意味合いが理解できないが、いやできないがゆえにほほえましい。

    全然本編とは関係ないが、
    グロッキーが不正確で正しくは「グロッギー」だと知らなかったので
    グロッギー、という言葉が出てくるたびに?となっていた。
    恥ずかしながら。

    事件の方は、酷い扱いだった潜水士たちの復讐だったというのがわかったが、
    今一つすっきりしないままに終わってしまった気がする。
    裏で糸を引いていた不動産仲介業者、人々の情報の収集家である
    ティッカネンの存在感が強すぎたからか。

    0
    2023年09月30日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ・あらすじ
    連続不審死調査で浮かび上がる伝統と発展の問題、過去と現在の課題、油田開発による被害者たちの終ることのない苦しみ。
    幼馴染(?)3人のサーミ人の思惑、未来への諦観や希望、過去を受け止めて進む道は?

    ・感想
    ハッキリしないというかフンワリしてる文章で中々クセがあった。
    ミステリー要素はあまり無かったけど北極圏での民族、生活、トナカイ放牧、文化、商業など社会問題を軸にした話でそっちの話は結構興味深く読んだ。
    白夜での生活って想像付かないけど夜が3.4時間しかないって凄く辛そう…そりゃ鬱も多くなるよね。
    幼馴染と言っても仲良くない3人だから道を違えてることになっても別に悲しいとかいう感情は無かったw
    作品内の人間関係が大体淡白な印象。

    でも伝統をどうやって守るかと言うのはどこも難しいよね
    人間が今よりもっとと求め続ける限りは…。

    0
    2024年03月02日

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