【感想・ネタバレ】ストレス脳(新潮新書)のレビュー

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Posted by ブクログ

精神的な疾患や問題に対して、多角的な視点から説明があり、エビデンスがあることが嬉しい。自分自身も精神的に参ってしまった時期もあり、答えではないが考え方や対処の基準として役に立った。
私は医療関係者として働いているが、自己肯定感が低いといわれている現場の方々には読んでいただきたいと感じた。

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2024年05月25日

Posted by ブクログ

不安やうつの解消法だけでなく、なぜストレスが不安やうつに繋がるのか丁寧に解説しており、そのおかげで根本的な解消を期待できる内容だった。

(うつのメカニズムについて)
人間は昔、感染症による死亡率が高かった。そこから身を守るため、脳が危険を察知すると意図的に気分を下げ引きこもる指示を出すようにできている。
これがつまり、うつの症状である。
現代の人間の脳はその頃と変わっておらず、現代の外的ストレスを感染症の危険と勘違いすることで、脳の防衛本能が働き、うつになる。
つまり、うつになる人自身に遺伝要因などの不具合があるわけでなく、むしろ脳が正常に働くからこそ、うつになるとのこと。
この理論が100%正しいとは思わないが、目的はうつ解消であり、この理論で納得し安心することで目的は充分に果たせるはず。

(幸せに生きる方法)
不安やうつを回避し幸せに生きるには、
運動すること、仲間と過ごすこと、そして自分にとっての「生きる意義」を見つけて没頭すること。

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2024年04月20日

Posted by ブクログ

『スマホ脳』の作者が書いた本です。
かなり読みやすかったです。

『脳は原始時代と変っていない』というところが、一番衝撃的で印象に残りました。

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2024年03月28日

Posted by ブクログ

著者が外国人であることからも分かるように、本作は翻訳もの。とはいえ非常に読みやすく、また学生向けに書かれていることもあって内容も優しい。

近年、若者の「うつ」が深刻化していて、本作では例えば「悲しい」という感情がわき起こったときに、脳内ではどのようなことが起きているか?ということを分かりやすく説明してくれている。
怪我や病気なら治療や薬で痛みを取り除くことができるけど、心の病だとなかなかそうはいかない。そもそも「自分がどうなってしまったのか」すら分からないから不安になってしまう。本作はそういった不安を和らげるのに役立ちそう。

印象的だったのは、脳は脳自身がまだ「狩猟時代」にいると思っているという点。
どこかで音がしたら「獣がいるかも!気を付けろ!」というシグナルを発し、人を「不安」にさせる。また「孤独」を感じると不安になるのは、その昔はグループからの孤立=死であるため、脳が人間を守るために危険信号をだしているとのこと。
要するに、人間の感情の多くは脳がよかれと思って出した「危険信号」で説明ができる。
それが理解できるだけで、自分の感情が少しだけ客観視できて、心の平穏が保てると思う。

とても読みやすくて、かつ内容も役に立った。というわけで☆5つ。

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2024年03月16日

Posted by ブクログ

脳は狩猟採集のまま。今の時代に脳の進化が追い付いていない。職業欄は脳科学的には皆、狩猟採集と書くべきというのが面白い。
鬱症状は自己防衛、種の生存戦略だった。ハンセン先生の本を読んで人類進化に興味を持った。

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2024年02月15日

Posted by ブクログ

既知の情報も多いが、それ以上に新しい知識を得られた。
心配性の自分は他人より劣っている気がしていたのだが、本書を読めば観点が変わる。どうやら生き延びるために高機能のセンサーが稼働している状態らしい。

不安や恐怖は生き延びるための機能であり、ネガティブ感情を抱くのは生物として正常に機能している証左である。
幸福感がすぐに消えるのも、新しい食料を探すためのモチベーションが必要だからだ。現存する人類は、不安を感じた人間の末裔なのだから、不安を感じない人の方がおかしいのだ。

・絶滅するのが原則であり、生き延びるほうが例外である。
・私たちは感情をもつ思考マシンではなく、思考をもつ感情マシンなのだ。

<アンダーライン>
★★★トラウマというのは、脳がまだそれが起きている最中だと思い込む状態だ。
★★★忘れたい記憶は「重要な記憶」
★★★ストレスのせいで「怪我をする危険性が上がった」と脳が思い込む
★★★鬱は、ストレスを受けた結果、脳が「命が危険にさらされている」と誤解している状態。そこで脳は気分を下げる調整を行い、引きこもらせようとする。
★★★肥満がうつのリスクを高めるのは、脂肪組織の炎症のせいだという可能性もなる
★★★★独りでいると、脳はこれが誰にも助けてもらえない状態だと解釈し、危険に対して警戒しておかなくてはと考える。

★★★★★
ヒエラルキーにおける地位を確認するのをやめられないのは、脳が孤独を避けたいためだ。集団から追い出されないように、脳は常に「自分はこのグループに馴染めているだろうか」と問い続けている。

★★★★★
一日に数時間も他人の人生と自分を比較していれば、脳は「私はヒエラルキーの最下層にいる」というシグナルを受け取ってしまう

★★★★★
脳は反応するわけではな。予測するのだ。

★★★何が起きるかという脳の予測、それと実際に起きたことを延々と照らし合わせるのが私たちの人生なのだ。

★★★★★
私たちは少ないよりも多い方を好むのではなく、「隣の人より多い」のを好むのだ。

★★★★★
「幸せとは楽しい経験の積み重ねだ」と考えるのが、現代社会で最も有害な誤解だ

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2024年02月14日

Posted by ブクログ

私たちがなぜ精神病を患うのか、不安になり心配になるのか??人間の進化の過程から分析されていてとても納得だった。人間の長い歴史の中で生き延びるために必要な能力と、今の社会は適合しないから、そのズレからしんどさが生まれている。私たちが精神的にしんどくなるのは、言わば当たり前のことであると分かり、何となく生きやすくなる本だと思う。

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2024年01月08日

Posted by ブクログ

スマホ脳、運動脳、ストレス脳。
タイトルが一番ネガティブなので一瞬躊躇ったが
この3冊の中ではこの本が一番よかった。
ファラオも真っ青なくらいに豊かなクオリティの生活をしている私達が幸せを永続的に感じられない理由がわかりました。
それは我々が食べ物を探して歩いていた生き物の
子孫だったからなんて。
幸せは追い求めるものではなく気づくものなんですね。

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2024年01月08日

Posted by ブクログ

不安になるのは進化の過程で生き延びるために身についてきたもの
危険に対して反応し生き延び、子孫を残すために進化した

幸福感が消えるのは、感情は私たちの動機付けのため

運動する方が集中力も発想力も上がる

運動と仲間と一緒に過ごすことがうつから守ってくれること

スマホが問題なのではなく、他のことをする時間(睡眠、運動、人と会うなど)を侵食されていること

脳は精神的に元気にいるようには進化せず、常に最悪の事態に備え(不安)、場合によっては自分を守るために引き込ませる(うつ)ようにした

幸せは長期的に人生に意義を感じられるかどうか

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2024年01月04日

Posted by ブクログ

脳は反応するわけではない。
予測するのだ。
多くの人が幸せ=精神的に元気だと考えているだろう。常に楽しみ、満足を感じている状態だと捉えているわけだが、研究においては人生の方向性に対する満足度と定義されている。つまり幸せというのは常に最高の気分でいることではなく、長期的に人生の意義を感じられているかどうかなのだ。その定義に賛同できて、幸せになるために最大限の努力をしたいなら、一番重要なのは幸せを無視することだと私は思う。幸せなんて気にしてはいけない。その方が幸せになる可能性が高まる。

脳は何かが起きるのを待っているわけではなく、何が起きるかを予測している。それからその予測と実際に起きたことを照らし合わせる。例えばあなたが今、自宅でバスルームに入るところだとしよう。入る前にはもう脳がバスルームの記憶を取り出し、自分の知覚が感じるはずのことを心積もりする。そして実際にバスルームに入ったときには、自分の予測とバスルーム内で見えて聞こえたことを感じたことを照らし合わせる。あなたが受けた印象と脳の予測が一致していれば何も反応しないが、違っていたとしたら、あなたははっとするはずだ。
何が起きるかという脳の予測、それと実際に起きたことを延々と照らし合わせるのが私たちの人生なのだ。
2021年の春、ある調査でイギリス人の身体の健康に関する質問をしたところ、「健康状態は良好だ」と答えた人の割合が前年よりも上がっていた。しかし、2020年のパンデミックイヤーに高齢のイギリス人の健康状態が改善した要因はあまりないはずだ。国内で10万人もの人が新型コロナで亡くなったこの年、むしろ健康状態は悪化したと疑うべき真っ当な理由がある。医療が逼迫し、緊急の場合を除けば普段通りには機能していなかったのだから。それなのに、なぜ健康状態が良くなったと感じたのだろうか。考えられるとしたら、毎日のように病気や苦難のニュースを聞かされるうちに、「良い健康状態」の基準が変わったことだ。集中治療室や遺体安置所が溢れかえっているというニュースが日々報道される中、腰痛や頭痛や膝の痛みといった症状を大した問題だとは思わなくなった。脳の予測、つまり脳が自分の経験と照らし合わせる対象が変化し、それによって自分の健康に対する見方も変わったのだ。
つまり私たちは起きていることを客観的に分析しているわけではなく、自分の期待と経験を比較するよう、神経生物学的に厳密にプログラミングされているのだ。
私たちは「隣の人より多い」のを好む。つまりどのくらい幸せかは、周りの人の状態による。

「一生ずっと幸せに生きよう」「ここから幸せが始まる」「わけ合う幸せ」「自分を幸せにしてあげよう」「幸せの時間」など、広告のキャッチコピーはどれも次のような含蓄がある。幸せとは楽しい経験が真珠の首飾りのように連なったもので、自分で選ぶものである。あなたが幸せだと感じられないなら、何かがおかしいはず。
このようなキャッチコピー、本、セミナー、そして9億200万件のグーグル検索ヒット数により、私たちは幸せになれるし、ならなければいけないと思ってしまう。毎日最高の気分でいなければダメな気がしてしまうのだ。それによって脳は私たちの主観的な経験を、事実上達成不可能な目標と照らし合わせてしまう。恒常的な幸福感など人間にとって自然な状態じゃないというのに。美しく、ハッピーで、見た目には仲良さげな人々が南国の夕焼けをバックにしている写真を次々に見せられると、自分の情動への期待が非現実的に高くなってしまい、その期待に添えないことに気づくと(そんなこと誰にも無理なのだが)落胆する。つまり、広告が送りつけてくる非現実的な幸せへのメッセージによって、私たちは不幸になるリスクがある。そしてこれは単なる憶測ではない。
興味深いことに、ある国で広告にお金をかければかけるほど、2年後に国民の満足度が下がっていた。広告が情動への期待を非現実的なまでに高めてしまったのだろう。その結果として私たちは落胆し不満を感じる。現実的なレベルに期待を持っていくような広告のキャッチコピーなら、私たちの幸福感にポジティブな効果をもたらしてくれる可能性もあるが、「たまには最悪の気分でもいいんだよ」と語りかけても、炭酸飲料水やマスタードや住宅保険が売れることはないだろう。
私たちが追い求めているものは頑張れば頑張っただけ手に入る可能性があるが、こと幸せについてはまったく逆のようだ。追い求めるほどに、指の間をすりぬけていってしまうリスクがある。幸せになりたいと思っている人にひとつだけアドバイスをするとしたら、広告の虚無なメッセージには目を瞑ることだ。記事や本も閉じて、幸せという単語が出てこないYouTubeの動画を見る時でも、あなた自身のたわごと検知器の精度を上げていこう。
幸せになるために幸せを無視する以外にできるかのとはあるだろうか。ここはあくまで推測を書かせてもらう。「幸せとは楽しい経験の積み重ねだ」と考えるのが、現代社会で最も有害な誤解だ、ということだ。
祖先たちが幸せをどのように考えていたかは知る由もないが、狩猟採集民がアフリカのサバンナで走り回りながら果てしなく続く楽しい体験が人生の意義だと思っていたということはありえない。人類の歴史の大半では現代のような幸せのイメージはあまりに馬鹿馬鹿しく、妄想することすらできなかっただろう。今の私たちの幸せへの執着、そして幸せとは常に幸福を感じていることだという誤解。それはあくまでここ数世代だけの話だが、私たちのほとんどがそれ以外に体験したことがないのだから、どれだけ奇妙で非現実的なのかに気づきもしないのだ。
私にとっての幸せとは、終わりのない京楽を追い求めることでも、不快となのつくものを最小限に減らすことでもない。かといって、快適さや物質的な要素には意味がないというと嘘になる。そう思うくらいには快適だし物質的にも恵まれている。そう、私にとっても皆んなにとっても、それらに意味がないわけではないのは確かだ。なお、私が聞いたことのある中で最も建設的な幸せの定義は、「ポジティブな体験」と「自分自身に対する深い洞察」の組み合わせだ。自分は何が得意で、それをどんなふうにして自分そして他人のために使えるかを理解すること。そうすることで自分の外側に広がっているものの一部になれるからだ。多くの人が「なるほどこれが幸せか」と感じるのは、ゴールに到達したときではなく、自分の外側に広がっている世界に何かに一歩一歩近づいているときだ。そこに、他に適当な言葉が見つからないので使うが、幸せを見つけるのだ。
つまり幸せとは独立したゴールではなく、あくまで状況の一部なのだ。幸せが生まれるのは人生で何が重要なのかを理解し、それに沿った行動をしたときだ。自分や他人のために意義を感じられるものの一部になったときに。私たちの大半がそうだというのは、驚くことではない。私たちの生存は協力し合うことによってかかっているのだから。自然から与えられた試練を生き延びてきた人たち、だからこそ私たちの祖先になれた人たちは「一緒に」生き延びてきた。地球上で最も優勢な動物になったのは、一番強かったからでも、足が早かったからでも、賢かったからでもない。協力するのが一番得意だったからだ。だからこそ孤独に苦しむこともなかった。
アウシュビッツを経験した精神科医のフランクルは、いかに気力を振り絞って生き延びたかという質問に対して「生きる意義を一つでも持つものは、いかに生きるかという問いのほとんどに耐えられる。」何がその生きる意義に値するかは人の数だけあるだろう。しかしひとつ確かなことがある。常に楽しい体験をするというのは、その答えには入っていないということだ。だから幸せを追い求めてはいけない。幸せとは幸せについて考えることをやめ、意義を感じられることに没頭したときに生まれる副産物なのだ。

脳は成り行きで今のようになったわけではない。脳は私たちに世界をあるがままに見せてはくれない。実際に起きたようには出来事を記憶させておいてくれない。自分自身をあるがままに見せてもくれない。そうなのだ。脳は私たちの記憶を変える。脳は最悪の事態を起点にし、大惨事のシナリオを描き出す。時にはわたしたちを実際よりも能力が高く社交的であると思い込ませる。その一方で自分は完全に無価値だと思わせることもある。そして実際のところ、単なるサバイバルマシンにすぎない。いくらでもバグがある。しかし進化の見地からすると意外と賢いバグだったりする。
「頭の中がそうなってるだけだ」、かつてはよく、うつや不安障害の人にそんな言葉をかけたものだった。私が子供の頃、それは「しっかりしろ」という意味だった。そんな言葉をかけられても救われる人はいなかっただろうに。それから「脳にセロトニンが少なすぎる」という意味になった。確かに患者さんを軽視する態度から一歩前進である。だが今度は自己成就的予言を生むリスクが出てきた。それを今こそ「頭と身体がそうなっているだけ。しごく正常に機能している証拠でもある」と変える段階に来ているのだ。
これほど快適な暮らしをしているのに精神状態が悪いのは、自分達が生物であることを忘れているからだと思う。私がこの本を書いたのは生物としての基本条件を思い出し、脳の中ので情動がどのようにつくられているかを解説し、魂のメカニズムを覗いてみるためだ。なお、人類の幸福という深淵な問いを扱う本ではテーマを限定しなければならない。その理由から本書ではあくまで生物学と脳に限定し社会学系の説明モデルには触れなかった。社会格差や疎外感、不平等や失業率を軽視しているわけではないが、自分達が生命であることが殊更忘れられがちだ。
運動をして孤独を避け、他の人が孤独にならないように助けること。多くの人が軽視している要素だが、それらが健康な精神を作る主な材料だ。今回はそれ以外にあれこれアドバイスするのはやめておく。代わりに自分自身、そして自分の情動を見つめるための方法を提示したつもりだ。そこからあなたが重要な結論を引き出せることを願っている。私の経験上、確かなのだが、その方法がドラマチックさを抑制し、赦しを与えてくれる。

10の最も重要な気づき

1あなたはサバイバルを生き抜いた人の子孫だ。健康や幸せのためではなく、生き延び、子孫を残すために進化した。だから常に精神的に元気でいるのは非現実的な目標た。

2.感情はあなたに行動させるために存在し、すなわち変化していくものだ。脳があなたの周囲と身体の中で起きていることをまとめたものが感情であり、体内の状態は思っている以上に重要なのだ。

3.不安と鬱はたいていの場合、防御メカニズムである。どちらも人間の本質としては正常であり、あなたが壊れているとか病気だとかいうことではない。なによりも、絶対にあなたの性格のせいではない。

4.記憶とは変化するもの。そうあるべきなのだ。トラウマになった記憶は安心できる環境下で語ることこそ変化し、脅威を減らすことができる。

5.睡眠不足、長期的なストレス、じっと座っていること、ソーシャルメディアで他の人の修正写真をみすぎることで、脳が自分は危険な世界にいる、自分は充分ではないというシグナルを受け取る危険性がある。脳はそれに対して、あなたを引きこもらせなければと思い、精神状態を悪くしてしまう。

6.運動はうつや不安からあなたを守ってくれる。あなたは運動するようにできていて、今の時代は運動量が少なすぎる。一方で、だらだらしたいと思うのも正常な反応だ。

7.孤独はいつも病気に影響するが、小さな努力が大きな違いをうむ。健康の見地からは、親しい友達が少ない方が、浅い知人が多くいるよりも良いと思われる。

8.遺伝子の影響もあるが、大抵は環境のほうが重要だ。遺伝子的にそうだからといってうつや不安を防げないわけではない。あなたの生き方が脳の機能に影響する。

9.幸せなんか無視しよう!常に幸せでありたいと思うのは非現実で辛いだけ。しかも逆効果だ。

10.そして最も大事なのは精神状態が悪いなら受診すること。肺炎やアレルギーで病院に行くのと同じことだ。医学があなたを助けてくれるし、あなたは一人ではない。

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2023年12月31日

Posted by ブクログ

ストレスに起因するうつについて主に書かれた本。自分や周囲の人がもし、そういう精神状態になったときの接し方や振る舞いについて考える機会になった。

とりあえず運動はしたほうがいいな。

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2024年06月08日

Posted by ブクログ

精神医学と生物進化学の掛け合わせが何とも美しく、ここまで見事な心理を導き出せることに感動した。
『スマホ脳』ではスマホやSNSの悪性が主眼となっていたが、本書ではストレス、不安、孤独といった、より根源的な人間の症状について論じられていている。
最終的に導き出されている「幸せの定義」は説得力のある結論だ。
他の本を読んでいく中で漠然と感じていたその心持が言語化されている。
即ち、「幸せは独立したゴールではなく、あくまで状況の一部である」。

周囲の広告や画一的な幸せ像の押し付けが蔓延る中、自らの幸福を見つけるのは中々大変な作業だ。
自分は何が好きなのか。何を心地よいと感じ、何を幸せと感じるか。それを見据えて行動し、結果を評価し続けるループの中で、自分の幸せの断片が定まっていく。
これまで、その断片を物理的に増やして人生を埋め尽くせばより幸福になると思い込んでしまっていた。
しかし実際にはそのプロセスに意味がある。今この一瞬、楽しかったり感動したり努力したり夢を見たりすること自体が、幸せということになる。
まだ自分はこれを知ったばかりである。

ストレスの真実を知ったことによる安心感も大きいが、分かったとしても脳はそのストレスに反応してしまい、身体は悪影響を受ける。運動、社交、脱SNSという強い味方はあれど、仕事や生活環境などを大きく変えるのにはハードルが高い。
今後ここで知ったことを踏まえてどのように生きるか、そのアクションがQOLを左右するのだろう。

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2024年06月07日

Posted by ブクログ

「脳は生きのびるために進化したのであって、
幸福を感じるためではない」に衝撃をうけた。
日々の生活で、時々、落ちこむ時もあるけれど、そんな時こそ、運動しようと思った。

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2024年05月12日

Posted by ブクログ

脳がどんなふうに機能するかだけでなく、なぜそんなふうに機能するかを知っておくことが重要だ。精神障害と呼ばれる症状の中で軽度なものは必ずしも病気ではない。進化の過程や脳が現代社会に適していないことを知れば、うつや不安に対する理解が深まる。

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2024年04月26日

Posted by ブクログ

私達の脳は幸せに生きるために進化したのではなく、生き残るために進化した。
この言葉にひどく感銘を受けた。だから常に幸せな状態で無かったり不安やうつになることは不自然なことではないことが分かり勇気づけられた。
この言葉とあとがきの後の10の最も重要な気付きは都度見返し、少しでも生きやすく生活出来たらと思う。

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2024年04月07日

Posted by ブクログ

不安やうつの傾向がある人にも読んでもらいたい本です
毎日インスタでキラキラの人を見て落ち込んでしまう人にもおすすめです

私たちは短命の昔の時代を生き抜いてきた人達の子孫であること
いかに生き延びるかという脳であること

不安、うつは防御メカニズム
運動することがうつを減らすこと
孤独はよくない 浅い友達たくさんよりも、深い信頼できる友達数人が大切
幸せの定義を考え直すこと!

アンデシュ・ハンセンさんの本はとても勉強になるし、専門的なこともわかりやすく書いてくれていて読みやすいです!

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2024年04月05日

Posted by ブクログ

新書によくある事だけど、スマホ脳の内容とかなり重複してる。復習できて良い。
前書きと後書き読んで興味が湧いたら中を読んでもいいかもしれない。
非常にタメになる。幸せを目標とするのが、如何に非現実的なのかと言う件が目から鱗。

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2024年03月17日

Posted by ブクログ

以前読んだ「運動脳」の著者の方の本。
今回も読みやすい語り口で、ためになりました。

脳のメカニズムから、不安やうつ、孤独がなぜ起こるのかを書いた本。
『脳は狩猟時代から進化しておらず、うつ病は脳の正常な脳の防御メカニズムである』
メンタル弱めなのでこの言葉でちょっと気持ちが楽になった。


〇脳は「生き延びる」ために進化した。
 ⇒「幸福を感じる」ことは脳にとって必須ではない
 ⇒脳による記憶の改ざんはより生き延びる可能性を高めるために行われる


〇うつ状態 ⇔ 活力にあふれた状態 (not幸福)

〇なぜうつ状態では活力がなくなり、外に出なくなるのか?
 =脳がストレスにより誤反応を起こしているため。
  ※長期的なストレス=怪我や感染の脅威にさらされ続けていると脳が判断。
   生き延びるために外に出ずに引き籠るように脳が支持を出す=うつ状態

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2024年03月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

・人は孤独と運動不足でうつになる
・幸せになろうとするのではなく、生きる意義を感じることに没頭した先に幸せがある
・SNSにより自分はヒエラルキーの最下層にいるというシグナルを受け取ってしまい、自尊心が低くなりうつに繋がる
・皮膚には軽く触れられた時に反応する受容体が存在する。秒速2.5cmの速さで動く時に最大限に反応=愛撫(動物の毛づくろい)によりエンドルフィンが放出(鎮痛作用、強い幸福感)

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2024年03月04日

購入済み

脳の本来のシンプルな存在意義

脳は人を生かせるためだけに、機能している。
2000年前から、ほぼ進化していない〜変わったのは、人を取り巻く生活環境。
脳が生物学的には進化していないため、その変化に順応しないのは、ごく当たり前の事。
幸福感がかつてからほとんど向上していないのも、ごく当たり前の事。
その現実を受け止めて、生きていくことが今の人々には必要な事だという事が、よく分かりました。

#深い #タメになる #共感する

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2024年03月02日

Posted by ブクログ

面白かった、、そして、これを読むと、何度も何度もいろんな本で言われていることだが、改めて運動の凄まじさを痛感する。10,000歩の散歩や15分程度のランニングを改めて徹底していこうと思わされた。

「睡眠不足、長期的なストレス、じっと座っていること、ソーシャルメディアで他の人の修整写真を見すぎることで、脳が「自分は危険な世界にいる」「自分は充分ではない」というシグナルを受け取る危険性がある。脳はそれに対して、あなたを引きこもらせなければと思い、精神状態を悪くしてしまう。」

「運動はうつや不安からあなたを守ってくれる。あなたは運動するようにできていて、今の時代は運動量が少なすぎる。一方で、だらだらしたいと思うのも正常な反応だ。 孤独はいくつもの病気に影響するが、小さな努力が大きな違いを生む。健康の見地からは、親しい友達が数人のほうが、浅い知人が多くいるよりも良いと思われる。」

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2024年02月16日

Posted by ブクログ

幸せの状態は結果ではなく、行き着くまでの過程。
ストレスは孤独と運動不足が要因。
運動と孤独回避することで、ストレスも軽減される。
人間の脳は狩猟時代の生き残ることをベースに作られている
今のネット時代に対応はできていない。
鬱状態になるのは自然な状態。
生き残ることをベースに作られているのだから正常な状態なのだ。

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2024年02月12日

Posted by ブクログ

脳は狩猟採集民の時代からほとんど変わっていないという事実。私たちは、便利なものに囲まれているのにもかかわらず、脳はサバンナにいる時代と変わりはないのだ。
この事実をもとに、私たちがなぜ不安を感じるのか、感情があるのか、鬱の症状になるのかを、客観的なデータから分析されていた。脳はあくまで、生き延びるという役割のもとに機能していることを知ったことで、不安に対して過剰に意識することも減りそうだ。
鬱に対する対処法は、人と交わること、運動をすることに尽きるとのこと。色んな病気の治療法も確立された時代において、原始的だとは思うが、一番鬱の症状には有効である。
私たち人間は、生物である。便利になりすぎた社会に置かれ、そのことを私たちは忘れてしまっている。そのことを念頭に置けば、不安や鬱状態になるメカニズムも理解できるだろう。

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2024年01月20日

Posted by ブクログ

なぜ、こんなにゆたかな世界になっているのに不安は消えないのか?悩みながら生きているのだろうか?と漠然と疑問に思っていた。
その理由が、この本を読んで理解できた。長い歴史を辿る事で見えてくる生存戦略、身体の仕組みから心を見るのはとても面白い。
一味違った視点からストレスや脳を俯瞰できました。

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2023年12月29日

Posted by ブクログ

まとめ:進化の横暴な理屈によれば大事なことはただ一つ、生き延びて子供をもうけることだ。

ポイント:1、脳が最優先するのは何しろ生き延びることである。2、現代社会にしても、身体と脳は今でも自分は狩猟採集民だと信じている。3、鬱、不安、ストレスは祖先達が生き延びる為に不可欠な手段だ。

学習:鬱、不安、ストレスが客観的に捉えるようになって、自分の性格のせいとか、自分の脳がおかしいとかではなく、全部合理的な存在である。

感想:タイトルは「ストレス脳」であるが、不安、鬱、記憶などいろいろな方面にも書かれている。作者は生物学で人間はなぜ鬱を患っているのか?なぜ不安なのか?そして以前の人間と現在の人間の精神状態が違うのか?を解きる。読み終わった後、なるほどと納得できるようになった。

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2023年12月26日

Posted by ブクログ

ストレスを感じる原因と対処が普遍的な脳の作りと言う観点から分かりやすく説明されている良書。一万年前から現代人の脳は殆ど変わりがない。生死を彷徨い生きる為に必死だった昔と比べ今は安心して生活できる豊かな世界だ。不安やストレスは形を変えて現代人を襲うのである。孤独とsns による劣等感、過食は現代の新たなストレスになっている。それを打開するのは先人達の生活様式である適度な運動と安心できる人間関係、適切な量と栄養のある食事である。先人達を過去の歴史として見るだけでなく生き方を学ぶ意味でも勉強する価値はあるのだろう。

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2023年12月07日

Posted by ブクログ

この人の考え方は、はるか昔の環境と生活スタイルから、人間としての進化の過程で得てきた機能が今の私達に影響していることを説明してくれる。
だからか、少しホッとする。

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2023年12月03日

Posted by ブクログ

ストレスがいかに脳に影響与えるかという内容かと思ったが、身体と脳は密接に結びついて、身体や習慣を変えることで精神が安定するという内容だった。例えば、職場まで歩くとか自転車に乗るとか、エレベーターではなく階段を使うとか。何でもいいから習慣にすればいい。いつの間にかやっているようなことがよく、深く考えずに毎日歯を磨くように体を動かす。週に2時間ほど心拍数が上がる運動するのが最も効果的。アンデシュ・ハンセンさんの本は、長期スパンで調べているしっかりしたエビデンスに基づき、さらに20年間精神科医として患者を診てきた見地からも語っているので信頼できそう。鬱の予防として、運動で鬱になるリスクを下げられる。強い不安を感じたときに確実に効くのは呼吸を意識する方法。普段から生活の中に瞑想を取り入れておくのもいいかもしれない。
「生きる意義を1つでも持つ者は、いかに生きるかという問いのほとんどに耐えられる」何がその生きる意義に値するかは人の数だけ答えがあるだろうが、確かな事は、「常に楽しい体験をする」というのは、その答えには入っていない。だから幸せ追い求めてはいけない。幸せとは幸せについて考える事を止め、意義を感じれることに没頭したときに生まれる副産物である。

結論:運動して孤独を避け、他の人が孤独にならないように助けること。



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2023年10月15日

Posted by ブクログ

この著者の本は、4冊目、いつも、前に読んだ本と多少重複しているので、それに苛立たないようにしながら、読み進める。
この本のテーマは鬱。人間はなぜ鬱になるのか、それは、かって危険が迫った時に、活動レベルを下げて、見つからないような場所に掛けれているタイプが生き残る確率が高ったから、という説。
また、かつては、集団から排除されたら生命が危険になったので、他人とのコミュニケーションがないことを、脳は生命の危機と評価して、鬱状態を起こす。
科学的証拠があるわけでは無いが、説得力のある説だと思う。

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2024年03月12日

Posted by ブクログ

ネタバレ

豊かな社会になってから医療は発展してきたが、昔にはあまり出ていなかった「うつ」は現代病として増加してきている。
なぜかと対処法について書かれている。
古来から狩猟採集民であった私たちは進化をしてきたといっても生存本能はそこまで変わらず、危険なことや心が拒否反応を示していることには警戒信号を発するため、それが現代では過剰な反応であっても起こってしまう。そもそもそういうものであり、自分だけがおかしいのではない。
昔や今の発展途上国でさえも「うつ」の人はほとんどいないかあっても軽い症状の人しかいなかった。
昔と今の違いとして、運動量と孤独が原因と考えられる。
運動は週に1時間程度のウォーキング等軽い運動でも効果がある。孤独については人によるが孤独を感じたときに話ができる誰かがいればいいようだった。

本著はスウェーデンでヒットし、日本でも話題になった「スマホ脳」での精神の不調について掘り下げた内容とのことだが、日本のみならず、スウェーデンでも大人の8人に1人が抗うつ剤を処方されているということに驚いた。
今や精神病は世界規模で問題になっており、対策として運動と人との関わりを重要視していく取り組みが課題だということ。

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2024年01月13日

Posted by ブクログ

理屈的には納得させられた。
揚げ足取りでもないが根本的に孤独である小生も毎日軽く運動はしている。でもそこまでストレスから解放された気はしない。むしろ押し付けられたような家のローンが消えれば孤独だろうが孤立だろうがストレスはだいぶ薄まるのだが。

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2023年11月08日

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