久山葉子のレビュー一覧

  • 影のない四十日間 上

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    先日NHKで放送されたテレビ番組(早春のヨーロッパ鉄道旅)にて、スウェーデンのラポニア地域に居住するサーミ人の暮らしぶりが紹介されていたので、作中の風習は割かしイメージし易かった。<トナカイ警察>とは随分と可愛らしいネーミングだが、調整役さながらの業務は必要以上に神経を擦り減らしそう。サーミの伝統的な太鼓の盗難事件に始まり、トナカイ放牧者の殺人事件、そこへ金鉱の在処を示した地質図が登場し、上巻の時点ではまだ着地点が見えない。派手さの欠片もない地味な作風だが、こういうの嫌いじゃないんですよね。続けて下巻へ。

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    2022年03月19日
  • スウェーデンの保育園に待機児童はいない 移住して分かった子育てに優しい社会の暮らし

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    タイトルから、保育園や教育についてもう少し社会情勢的な内容を期待していたけど、内容は移住体験記に近い感じでした。

    また、導入部の日本での話は、大都市のママ独特のマウンティングな話に何度か読むのを辞めようかと思いましたが(笑)、スウェーデンに移ってからの話はとても興味深かったです。

    もうひとつ考えさせられたのは、スウェーデンと日本における、平等に対する考え方の違いです。同じ条件にするのが平等なのか、ハンディをつけて結果的な平等を目指すのか。日本人の多くが不足しているのはココで、ココが分かち合えれば、日本ももう少し心豊かに生活できる気がします。

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    2022年02月23日
  • ミレニアム6 死すべき女 上

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    人物の主観視点がここ変わる描写と設定は読者を飽きさせなくてとてもいい。ストーリーもミステリーが徐々に明らかになり、犯罪者が裁かれ、新たなスタートを予感させるハッピーな結末。終盤の攻防は非常にリアルで迫力ある文章でいい。作家が変わってもまた続編を出してほしい作品。

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    2022年01月30日
  • ミレニアム6 死すべき女 下

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    ホームレス死亡事件、リスベットとミカエルの関係性とカミラの対決の行方の展開が非常に面白そうだし、サスペンスの展開はスローペースだが非常にわかりやすくていい。

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    2022年01月28日
  • 見習い警官殺し 下

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    ネタバレ

    (上巻より)

    しかも、事件の方は、
    警察官の卵の女性が酷い殺され方をするという、
    警官を怒らせるような事件だと言うのに。

    犯人逮捕までの道のりも紆余曲折というかうだうだだし、
    裁判の結果も精神病院への隔離で終わってしまったし、
    被害者の母親が自殺してしまったのも、
    全く共感できない主人公が、
    最後に大して痛い目に遭っていないのも、
    全く納得がいかない。

    何が良くてこの主人公のシリーズが続いているのは、
    どういうことなのか、誰か教えてほしい。

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    2022年01月20日
  • 見習い警官殺し 上

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    ネタバレ

    「許されざる者」と同じ作者だったので。

    この作品はミステリーでもなければ、
    警察小説でもないし、さらに言えば娯楽でもない。
    忍耐力テストだ。

    四分の三ぐらいまで延々ととそれが続く。
    (上巻の四分の三ではない、全体の四分の三!)
    とにかく捜査は進まないし、
    主人公の差別的な態度、
    下ネタ発言、そして経費のごまかしや飲酒と
    ひたすら不愉快な内容に耐えなければならない。

    (下巻に続く)

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    2022年01月17日
  • 影のない四十日間 上

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    北欧の先住民族が住む地域を舞台にしたミステリ。トナカイ警察のクレメットと新人のニーナの2人が殺人事件とシャーマンの儀式に使う盗難事件の解決に挑んで行くと言う内容。本作を読むにあたり、サーミ人について調べたが、極寒の地でのサーミ人と北欧人の軋轢は根深いものらしく、それがそこかしこに描かれていて辛かった。

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    2022年01月11日
  • メッセージ

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    ムーミンとは違ったトーベと出会えた。自伝的要素のある作品もあるが、あまりそこを意識しないで読みたい。

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    2021年12月28日
  • こどもサピエンス史 生命の始まりからAIまで

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    私たちホモ・サピエンスの歴史を振り返る。

    人類の歴史をまとめた『サピエンス全史』に触発されて書かれた子ども向けの歴史本。語りかける文体とイラストレーションは子どもを想定している。日本語訳の際に、日本の情報を加えたとあるが、元のスウェーデンの方が書いたのが感じられる北欧的な考え方(特に環境に関して)も見られる。大人が読んでも読み応えのある本。

    ホモ・サピエンス、かしこい人、という意味が強く訴えてくる。その名に恥じない行動を取れるだろうか。

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    2021年11月28日
  • こどもサピエンス史 生命の始まりからAIまで

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    人類史をこどもにもわかりやすく解説してくれている。サピエンス全史を読む前の入門書。
    サピエンス全史はこどもに読み聞かせるのは無理だけど、この本なら聞いてくれたしわかってくれたし、議論と討論のテーマにちょうどよかった。

    認知革命、農業革命、科学革命、産業革命、そして今、IT+情報革命の真っ只中、どんどん革命の周期が早くなって、未来の予測が前倒ししている。インターネットの次にくるものは何か。資本主義と経済成長の次にくるものは何か。時代に波乗りして生きていくか、堅実なその日暮らしで満足するか。自分を見つめ直すきっかけになる一冊だと感じた。

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    2021年09月20日
  • スウェーデンの保育園に待機児童はいない 移住して分かった子育てに優しい社会の暮らし

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    スウェーデンの子どもの権利についての教育の話、そもそもの価値観や正義の教えK田の違いなどの話は、面白かったです

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    2021年09月16日
  • メッセージ

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    ネタバレ

    トーベ・ヤンソンをきちんと知りたいと思い読んだ。
    印象に残った作品についてメモ。

    芸術に対する極めて真摯な考え方は、青春譚と重ねて描かれ、心を洗われる。
    随所に出てくる自分勝手で迷惑な人物たちは、マンガであれば戯画化され滑稽さを楽しめるものの、小説の形式だとおもしろくはあるのだけれどもリアリティというか生々しさを感じた。
    海や冬や、それら情景描写は確かに北欧感がある。


    ***


    ■コニコヴァへの手紙
    トーベが友人エヴァ・コニコフに宛てた実際の手紙を下敷きにしたとされる作品。
    アメリカに旅立ったエヴァに対する主人公からの手紙という形式で描かれる。
    芸術について熱く語ること、それを語りぶつ

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    2021年05月29日
  • ミレニアム6 死すべき女 下

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    先代の作者スティーグ・ラーソン没後、ダヴィド・ラーゲルクランツが引き継いでからの3作目
    ミレニアムのその後が読めてうれしいのだが、今作はどうもしっくりと来ない作品であった
    話の展開が緩慢であることに加えて、登場人物が多すぎる
    これはまとまりのない印象につながり、一人一人の魅力が薄れてしまう
    ミカエルしかり、リスベットしかり、
    今作から読み始めた読者は遡ってミレニアムを読んだときに戸惑うのではないかと思う
    クールに実行あるのみのリスベットに関してはかなり印象が違うのと、過去の事実をかなりなぞっていることで逆に今作の焦点がぼけている気がする

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    2021年05月26日
  • ミレニアム6 死すべき女 上

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    スティーグ・ラーソンがミレニアムの3部作を発表後、亡くなってしまったので後のミレニアムを引き継いだダヴィド・ラーゲルクランツの三作目
    比べるのも何だが、スティーグ・ラーソンの描くミレニアムが息をつく暇もなく主人公たちをおいつめるのに対してダヴィド・ラーゲルクランツの展開は緩慢に感じる
    主人公の一人、リスベット・サランデルの心情を多く描いているからかもしれない
    そして今作のリスベットは決断しない、なかなか決断しない
    物語は変死した浮浪者がミカエルの電話番号を持っていたことから始まる
    浮浪者はなぜミカエルの連絡先を持っていたのか、そしてなぜ亡くなったのか、指などが損傷している浮浪者は何者なのか?

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    2021年05月26日
  • 許されざる者

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    始まりは慣れるまで読みにくく、その後にどんどん面白くなり、最後はまたあっけなく終わって拍子抜け。解説でこの原作はシリーズだとわかり、その最終巻にあたるのだと知った。現時点ではシリーズ自体は翻訳されていないようだ。賞を獲った作品なので、これだけ独立して読んでも面白いはずなのだろうが、自分には今ひとつ入り込めず、熱量がクライマックスまで保てなかった。

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    2021年05月05日
  • スマホ脳(新潮新書)

    購入済み

    スマホにつかれる前に必読

    ここ数年、自分の集中力が格段に落ちている事には薄々気がついていました。パンデミック宣言以降、YouTubeで短めの動画を次々見る時間も増え、長い文章を読むのが辛くなっている自分に気がつきました。
    かなりショックでこの本を読みましたが、当面の対応策が見つかりました。

    この本は、
    脳が人間の進化の過程でどのように発達してきたか、
    だから今のスマホ環境に対し、どう反応しているのか、
    分かりやすく説明してくれます。

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    2021年04月13日
  • 許されざる者

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    リタイアした高位の元警察官が時効を過ぎた残虐な殺人事件に関わる羽目になる。
    その明察な推理と行動力によって犯人を見つけたが、主人公は呆気なく急死してしまう。
    最後まで飽きさせない面白さ。
    他の作品も読みたい。

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    2021年03月15日
  • スマホ脳(新潮新書)

    ネタバレ 購入済み

    考えさせられた一冊でした。

    スマホが心身の健康を脅かしている…
    健康ではないなら、スマホとの付き合い方も考えてみる必要があると思いました。

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    2021年01月12日
  • スマホ脳(新潮新書)

    購入済み

    スマホ認知症の次はスマホ脳

    スマホ依存症と呼ばれ始めて注目されたが、
    さらに脳を削っている、
     とでも言うべき事態になりつつあるようだ。
    新聞を、線を引いて2度読みしていると、
     霧が晴れるように、理解できることがある。
    スマホなどでネットの世界を泳いでいると、
     溺れそうになり、脳が苦しむ。
    自分の自覚に自信がある間に、脳が削られないように、
     注意しよう。

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    2020年12月29日
  • 許されざる者

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    ネタバレ

    国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン67歳。
    引退して悠悠自適だが脳梗塞で倒れ、後遺症の麻痺が残る。
    入院中に女医から過去の迷宮入り事件を相談される。
    女医の父は牧師で、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。でも誰の懺悔か?誰を指したのかもわからず。
    9歳の少女が強姦されて無残に殺された事件だが、時効になっていた。
    ラーシュは相棒だった元刑事、義弟、介護士、兄から送られたボディガードらを手足に、事件を調べ直す。
    長編だが一気に読んでしまった。

    解説を読むと、このヨハンソンはシリーズ物らしくて、これが最終巻とのこと。
    なんでこれが一番初めに訳されて出版されるのか?

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    2020年07月26日