【感想・ネタバレ】許されざる者のレビュー

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Posted by ブクログ 2021年03月28日

これは面白い、素晴らしい。脳梗塞で倒れ麻痺が残った凄腕の元警察長官のヨハンソンに、主治医が、25年前に起きた少女暴行殺害事件の相談を持ちかけてきた。9歳の女の子の強姦殺人事件だ。事件はすでに時効だが、元同僚のヤーネブリング、介護士のマティルダ、身の回りを世話してくれるマキシムなど周囲の仲間と一緒に捜...続きを読む査を始める。ヨハンソンはもちろんだが、全ての世代、男女ともに魅力的な人物たちが登場する。ヨハンソンは幸せなわけだ。ヨハンソンのセリフの後に本心の言葉が続く。不甲斐ない後輩たちへの不満や自分への叱咤、女性への気持ち、その繰り返しが面白い。犯人は比較的早い段階で特定される。誰もが殴り殺したくなるような卑劣な少女虐待強姦殺人犯。話の主題は時効切れの犯罪者にヨハンソンはどうケリをつけるのかに移る。一命を取り留めたヨハンソンが人生の集大成とも言える事件解決をし、彼の人生の晩年に関わった若者たちがバトンを受けて次の人生に進んで行く。この本はスウェーデンの重鎮作家の書くヨハンソン&ヤーネブリングシリーズの最終話であるが、ラストでは主人公に肩入れしたり感情が偏ることもなく描かれ、まるで大河小説の中の登場人物の1人のようにあっさりと時代の渦の中に飲み込まれ、次の人たちに舞台が譲られる。そのさりげなさが返って人間らしくて好ましい。CWA賞、ガラスの鍵賞など5冠に輝いた傑作警察小説。

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Posted by ブクログ 2021年01月31日

面白い小説だった。
解説によれば、この小説は「白鳥の歌」とのことで、世界の良い面を切り取ったのだろう。しかし、そういう本を読むと単純に楽しい。

登場人物も気持ちがよい。
ラーシュ・ヨハンソンのような人物はなかなかいない。
マックスが言ったとおり、ヨハンソンは善人として描かれている。
455ページの...続きを読むマックスとの会話や、マティルダへの言動など。

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Posted by ブクログ 2020年02月17日

スウェーデン人の聞き慣れない名前がいっぱい出てきて苦労した。
それでもだんだんと解明されていく事件にどっぷりハマった。
最後は丁稚ってことでいいのかな。。。

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Posted by ブクログ 2019年03月11日

 2018年秋に読んで、とても印象に残る作品だったので、昨年の『このミス』では5位に投票したのだが、今思えばもっと上位に入れてもよかったかもしれない。本国スウェーデンでは、いくつかのシリーズ作でヒットを飛ばし、うち何本かはTVシリーズにもなっているこのレイフ・GW・ペーションであるが、日本ではほとん...続きを読むど知られていない。本邦初訳となるペーションのこの作品は、各賞を総舐めにした傑作である。この作品に出会えて本当によかった。

 主人公は国家犯罪捜査局長官のラーシュ・マッティン・ヨハンソン。何と、この主人公、作品のスタート時点で、ホットドッグ屋台の前で脳塞栓を起こし、意識不明の状態で病院に運ばれてしまう。やがて意識は戻るが、元の体に戻る見込みは相当に薄い重病である。このヨハンソンは、シリーズ主人公であり、これはその最終作なのである。シリーズ読者は驚くだろう。ぼくのように邦訳作品を手に取る者は、初対面の主人公がいきなり病床で、未解決事件の捜査指示を開始しやがて解決に導いてゆく本書の構成を、普通のこととして読んでしまうが、巻末解説で各種シリーズの紹介がなされており、実は、これがこの存在感ある主人公の結末かと思うと、とても複雑な気持ちになった。もっと早くシリーズ初作から邦訳されていれば……。

 スウェーデン本国のファンには後れを取ったものの、それでもこの一作は素晴らしい。身体は動けないが、事件と生命への執念を燃やす頑固親父の主人公は、25年前の幼女殺しという未解決事件にのめり込む。彼を手助けする個性的なメンバーが集められ、古い資料が取り寄せられ、ここからは捜査の面白さの中で、最初は薄ぼんやりとしている人間関係の深淵が、次第に明確な真実の形を成してゆく様を読んでゆくことになる。捜査小説の王道である。ディテールから徐々に見えてくる真実。ほぼ捜査だけで、事件を終結させる一冊であり、その語り口に一切のけれんも感じさせない。

 しかもこの事件は、時効法成立前の未解決事件であるため、もし真犯人がわかったとしても法的処罰を下せない。罪と罰という因果に、この作品はどう決着をつけてゆくのか?

 本作で最も素晴らしいのは、いわゆる「キャラが立っている」ことだ。多くの人物が登場するのに、それぞれに見事なほど存在感があり、個性がある。アンナ・ホルト刑事もエーヴェルト刑事も、それぞれが主役でのTVシリーズになっているらしいので、人物像がしっかりしているのもむべなるかな。さらに本書も、3話構成でドラマ化されており、この作家は、小説のみならず映像作品でも本国では著名であるようだ。

 最後に、緻密な捜査について。作者自身が犯罪学者として、国家警察省長官の補佐役まで勤めた経歴のある現実に根を下ろしたという、文芸界では極めて稀有な存在であるため、地に足のついた捜査模様が積み重ねられてゆく、本書ならではの着実なリズム感も、そうした素地から生み出されたものだろう。

 北欧ミステリの面白さは、歴史的かつ社会的事実に、時間軸かつ地形軸で、しっかり考証された現実味というところあるように思う。現実は、小説世界と読者の側の世界とを結びつける共通のものだからである。本書の犯罪一つとっても他人事とは思えぬリアルな事件であり、いくつもの真実の要素を身に纏っているからこそ、我々読者側の真剣さを引きずり出してくれるものなのだろうと思う。

 折角の機会だ。この作品を機に、ペーション作品が多く邦訳されることを強く願ってやまない。

追記:ちなみにタイトルの『許されざる者』だが、ジョン・ヒューストン(1960年)、クリント・イーストウッド(1992年)、李相日(2013年)、いずれの監督作品とも無関係である。

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Posted by ブクログ 2018年06月28日

時効を迎えた犯罪の犯人を罰することはできるのか。これを主題にしてラーシュ・マッティン・ヨハンソンは捜査に取り組む。ラーシュはすでに引退し、しかも脳梗塞で死の縁から甦った老人。彼を中心にしたチームが、25年前の幼女強姦殺人事件の犯人を追い詰める。健康に不安を抱えた探偵が膨大な資料から推理をし、仲間の助...続きを読む力もあって解決へと相成るのだが、その過程の描写が素晴らしい。緊迫と弛緩の間で、緊張感を持ちながらテンポ良く読める。犯人の確定はあっさりしているが、それ以上に登場人物のドラマに目が釘付けになる。

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Posted by ブクログ 2018年05月05日

面白かった。幕切れも潔いです。リスベットみたいに、とかカッレくんとか、ミレニアムネタが放り込まれるところなど、北欧ミステリーの懐の深さを感じました。しかし、北欧ものにはこういう犯罪ストーリーが多いですね。陰鬱になります。目には目を、で終わらないところも印象に残りました。この作者の初の邦訳とのことです...続きを読むが、また読みたいです。

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Posted by ブクログ 2018年04月08日

国家犯罪捜査局の元凄腕長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ、命は助かったものの麻痺が残る。そんな彼に主治医が相談をもちかけた。牧師だった父が、懺悔で25年前の未解決事件の犯人について聞いていたというのだ。9歳の少女が暴行の上殺害された事件。だが、事件は時効になっていた。ラーシュは相棒だった元刑事らを手足に、...続きを読む事件を調べ直す。スウェーデンミステリの重鎮による、CWA賞インターナショナルダガー、ガラスの鍵賞等五冠に輝く究極の警察小説。

これは収穫。ユーモラスな筆致が、事件の悲惨さや理不尽さを和らげている。他の作品もぜひ。

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Posted by ブクログ 2018年03月27日

時効が成立した事件。元国家犯罪捜査局長官ラーシュは、犯人を見つけ出すことができるのか?そして犯人は裁かれるのか?
物語の始まりから、ラーシュは危機的状況である。
「状況を受け入れろ」彼は戸惑いながらも、順応し仲間達と捜査を開始する。

北欧ミステリらしい作品ではあるのだが、ウィッドに富んだ会話、ユー...続きを読むモアセンス、読み心地が抜群にいい。
お気に入りの介護士マチルダ(家庭的な刺青っ子)も含めた彼ら彼女らの正義。それに向かうまっすぐな希望と断罪の戦い。

幼女殺害、時効成立、初動捜査の失敗。スウェーデンの社会問題に言及し、現実感のある事件。
安楽椅子探偵、名探偵の挫折と復活。

着実に証拠を集める。読者は終盤における決断に期待するだろう。
私としては、展開の落とし所が予想通りだったので、そこまで過度な期待はしてはいけない。

なんと母国では、派生したシリーズがたくさんあるらしい。翻訳が望まれる。

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Posted by ブクログ 2021年03月23日

渋い。渋すぎる。

まず、主役が
脳梗塞を患い
右半身に麻痺が残っている
元警察庁長官。

治療やリハビリを受ける中で
ある時効を迎えた
女児殺害事件に行き当たります。

主治医である女医から

牧師だった父親が
生前「事件の犯人を知っている」
という懺悔を耳にしたらしい

と 告白され
犯人探しが...続きを読む始まるのですが

いわゆる
『安楽椅子探偵モノ』に近く

自らは ベッドに横たわったまま

当時の捜査資料などを紐解きながら
想像力と経験値で 
推理を進めていきます。

ピアスやタトゥーを施した
介護士の若い女性や

同じく年金生活者で
元警察官の親友

非常に細かい
元会計士の義弟

孤児で 並外れた
体格の持ち主である
ロシア人の若者など

脇を固める配役も
一癖あって 魅力的。

主人公が 

酸いも甘いも噛み分けた
中年以降の男性警察官で

男同士の友情や
どうにもならない理不尽さ
などが入り混じる

決して 手放しで
ハッピーエンドとは
言えない

苦み走った
翻訳ミステリーが
大好きな私にとっては

たまらない作品でした。

CWA賞など5冠に輝く
警察小説。

好みは かなり偏ると
思われますが…



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Posted by ブクログ 2020年05月13日

北欧ミステリー。

退官した大物警官が関係者からの新情報を手掛かりに25年前の事件の真相を突き止める。

直観と洞察力を頼りに捜査するところはちょっとモースに似ている気がする。

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Posted by ブクログ 2020年04月04日

引退した警察官が、既に時効を迎えた事件の捜査をする・・・。

そんなプロットの作品は、他にもあると思いますが、この作品で興味深いのは、その引退した警察官が国家犯罪捜査局の長官であったと言う事と、脳梗塞の影響で半身が不自由だと言う事。

動けない捜査官と言うと、リンカーン・ライムシリーズがありますが、...続きを読むライムほど動けないわけでは無く、最後は自分で事件に幕を引くために動いていたりする訳ですが。

時効を迎えていたものの、真相が見え、犯人に選択を迫るわけですが・・・。

そういう結末ですか。中々興味深い結末です。

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Posted by ブクログ 2019年10月10日

通りの向こう側を見通せるといわれた元犯罪捜査局長官が犯人を追う。体調の悪さと闘いながら。ののしりながら。
すでに時効の切れた事件、見つけてどうする。
武器は、的確な指示と判断力。
物語は脇へそれることなく、事件の中心をグイグイ進んでゆく。飽きさせない。

垣間見える頑固さがかわいい。
いい仲間たちだ...続きを読む

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Posted by ブクログ 2019年07月19日

退職した警官が過去の事件の調査を依頼され‥
スウェーデンの人気シリーズの最終作。
ガラスの鍵賞など、各賞総嘗めにした作品です。

警官と言っても、このラーシュ・ヨハンソン、ただの警官じゃない。
凄腕で知られる、国家犯罪捜査局の長官だったのです。
退職後のある日、脳梗塞で倒れます。

入院先の担当医の...続きを読む女性から、父親が気にしていたという、昔の事件を調べてほしいと頼まれます。
牧師だった父が、犯人を知っているという懺悔を聞いたというのです。
懺悔は本来秘匿すべきものなので、犯人の名前まではわからないのですが。
すでに時効になった、25年も前の未解決殺人事件。
かっての部下にも連絡を取り、少しずつ調べるうちにのめり込んでいきます。
不自由な身となり命の危険を感じつつ、生への執念を燃やすように。

ヨハンソンは兄との共同の事業でも成功しているし、年の離れた美人の妻もいる幸せ者。
頑固なヨハンソンのもとへ、見た目が派手な若い女性の介護士が来たり、ヨハンソンを上回って押しが強い兄が心配して送り込んだ屈強な若い男性が傍に付き従ったり。
思わぬ闘病&安楽椅子探偵生活を描く筆致はユーモラスです。

当初は雲をつかむような話だった昔の事情が、微妙に違った角度で見え始める。
部下たちが全幅の信頼を寄せている様子も微笑ましい。
さぞ豪胆で頼りになる上司だったんだろうな、と。
しかし倒れたというのに、好きなものを食べるのを全然やめないの、この男。
引退したとはいえ、時効とはいえ事件を抱えているのだから、もう少し健康に気を配ったほうが!という気はしますが。

最終作なのでオールスターキャストなのでしょう。
この作品からの翻訳で、これっきり?なのかどうか。
ちょっと、惜しいですねえ。
次はどの作品が翻訳されるか?楽しみにしてますよ。

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Posted by ブクログ 2019年05月26日

時効となってしまった殺人事件を、引退した警官が捜査していく物語です。

犯人自体のめぼしは割合早くついてしまうのですが、時効になっているケースだからこそ、「犯人をどう罰するのか?」というテーマについても触れられていて、これが中々興味深かったです。

また、事件と同じくらいのボリューム感で、主人公の人...続きを読む生模様についても同時進行で話が進んでいきます。

個人的には事件の真相に迫っていく一連の流れは面白く、読むのを止められませんでしたが、主人公の自身の話の割合がちょっと多いかなと思いました(途中で中だるんでしまいました…)

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Posted by ブクログ 2019年03月02日

スウェーデンの小説は初めて読んだとおもうが、こんなの表現が面白いとは思わなかった。ストーリーも単純ではあるが引き込まれる。

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Posted by ブクログ 2019年02月27日

福祉国家、人権重視国家でさえ、子供への性犯罪は止められぬと思うと、絶望的になる。スウェーデンミステリは陰鬱な印象があるが、本作はユーモア系といってもいい程。
そういえば、『名探偵カッレくん』、読み逃していたな。
ラーシュの長兄とダメ捜査官のファーストネームが同じなのは何か意味があるの?綴りが違うのか...続きを読む
警察幹部の妻が銀行重役なんて、まず日本ではあり得ない。
マックスの存在は真犯人の邪悪さを際立たせる。
ラストで、真犯人に下されたのは人の手によるものだが、ある女性を見舞った運命は天意なのだろうか。
<いかなる慈悲も与えるな>

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Posted by ブクログ 2018年09月26日

25年前の未解決の某事件を、退職した元犯罪捜査局長官が解く。
しかし、事件はすでに時効。主人公の元長官は、物語の冒頭で右半身麻痺になる…。

どのように真相に辿り着き、その結末をじっと待った。

時効と刑罰。「目には目を歯には歯を」とあるが、結末と、結末の結末…。


本書の著者は、この作品が初邦訳...続きを読む
後書きによると、海外では人気があるらしく、この『許されざる者』もシリーズものの最終作のよう。
魅力溢れる、登場人物たちの前回までの活躍を読みたいと思った。

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Posted by ブクログ 2018年08月23日

国家犯罪捜査局の元長官ヨハンソン。脳梗塞で倒れ命は助かったが、麻痺が残る彼に、主治医が25年前の少女暴行殺人の未解決事件の捜査を依頼する。有能な捜査官だったヨハンソンは、友人や元部下の力を借りながら、犯人を見つけ出そうとする。

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Posted by ブクログ 2018年04月03日

定年退職した老刑事が、時効を迎えた殺人事件の謎を解く。犯人は分かっても、その先がスリリング。なかなかの収穫だった。

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Posted by ブクログ 2021年05月05日

始まりは慣れるまで読みにくく、その後にどんどん面白くなり、最後はまたあっけなく終わって拍子抜け。解説でこの原作はシリーズだとわかり、その最終巻にあたるのだと知った。現時点ではシリーズ自体は翻訳されていないようだ。賞を獲った作品なので、これだけ独立して読んでも面白いはずなのだろうが、自分には今ひとつ入...続きを読むり込めず、熱量がクライマックスまで保てなかった。

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