久山葉子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ドイツの法律家フェルディナント・フォン・シーラッハは、作家自身の実務経験に基づいた現実的な素材を元にした短編小説が特徴であるが、スウェーデン作家レイフ・GW・ペーションは犯罪学の教授である。そしてシーラッハとは対極的に同じ実務経験で得たものを長編小説に加工して提示している。現実に起きる事件はこんなものであり、それはこうして小説の素材になってしまうんだ、と二人のスタイルの違う経験豊富な作家たちが別の表現でエンターテインメントの地平に提示しているかに見える。
長編小説としての本書は、シーラッハのように最小限の関係者だけで恐ろしい犯罪のエッセンスを数ページの掌編に込める方法ではなく、恐ろしく地 -
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Posted by ブクログ
可もなく不可もない、そんなミステリーになってしまった感がある。
解説にもあったが、見事にリスベットという難しいキャラクターを前作の作者から引き継いでいるという点は、お見事。ただ、扱うテーマが、少し安易で、結末が予想されてしまった。特に下巻は、上巻に比べ種明かしをしていくはずなのに、読むスピードが上がらなかった。それはきっとストーリーの絡みが薄かったからであろう。冒頭のイスラムのファリアの悲哀の話と、ダンとレイの話の絡みが、順序を絡ませ描いている割には、最後まで平行。その点がスピードが進まない理由でもあり、それぞれの話の落としどころもなんとなくわかってしまう、そんなちょっとしたところでスピード -
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