【感想・ネタバレ】スウェーデンの保育園に待機児童はいない 移住して分かった子育てに優しい社会の暮らしのレビュー

あらすじ

1歳の娘の理想の子育て環境を求めて、9年前、家族3人で東京からスウェーデンへ移住した著者。スウェーデンの保育園に持っていくものは? 育児休暇は何日とれて、その間のお給料は? スウェーデンのママたちに教わった手抜きメニューって? 実際に日本から移住した著者だから書ける、スウェーデンで暮らして良かったところ、悪かったところ。無理なく共働きで子育てできるとされる国での移住・子育て・日常生活を綴った、楽しく気軽に読めるエッセイ。/はじめに/《スウェーデンに移住を決める》/東京での共働き生活/移住先はどこに?/高まる移住への不安/東京を引き払う/【コラム】スウェーデン語って?/《見知らぬ街での新生活》/これから暮らす街に到着……/スンツヴァルってどんな街?/引っ越し後の手続きとアパート探し/民間の託児施設がない!?/二度目の育児休業生活/洗濯事件とスウェーデンの三大タブー/スウェーデンの週末の過ごし方/専業主婦イコール失業者/意を決して起業!/これがうわさのフィーカ(お茶)タイム/やっと春に/【コラム】Gumman/《とうとう保育園に入園!》/テンションの低い娘/持ち物がない!?/入園式のない入園日/あくまでマイペースな慣らし保育/慣らし保育期間終了、のはずが……/親も試練のとき/やっと慣れてきた日常/保育園での一日/ヴァルプルギスの夜/慣れたと思ったら長い長い夏休み/娘とスウェーデン語/数少ない保育園のイベント/保育園は何を学ぶところ?/子供主体のプロジェクト/保育園の先生たちの労働環境/【コラム】Mysig/《スウェーデンで子育てするということ》/スウェーデンに来て楽になったこととは/慣れない海外暮らしにやられる/スウェーデン式子育てに思うこと/スウェーデンのお誕生日会/離婚率の高さ/なぜ男も家事ができるのか/ママ友がいない!/転勤のない社会/風邪は寝て治せ/スウェーデンの病院事情/育児休業とVABについて/子育てとキャリア形成の両立例/夢の一軒家購入/ついに見つけた!/かくして引っ越しへ/そして保育園卒業/【コラム】Lagom/《本当のところ、スウェーデンって住みやすいの?》/この本の最後に/スウェーデンの女性はなぜ働くのか/隠された専業主婦願望/それではスウェーデンは本当に男女平等か?/消費者の我慢の上に成り立つ快適な社会/地方暮らしで得たもの/子供は社会が育てるもの──スウェーデン人のお金の使い道/あとがき

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Posted by ブクログ

あまり取り上げられないスウェーデンの本当の姿。
実際き移住した人が、自分の目で見て経験したありのままが書かれていてとても楽しいし面白い。
あっと言う間に読み終わった。

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2021年09月01日

Posted by ブクログ

スウェーデンで暮らして「親になっても、自分のやりたい仕事を週に四十時間やる権利がある」と断言できるようになったという久山さん。
子供は生まれる家を選べないからどんな子供にも平等に教育の機会を与えるのが社会の役割、子供は親だけでなく社会全体で育てるものという思想が根付いているスウェーデン。

他にもスウェーデンで女性の社会進出が進んだプロセス(アファーマティブアクションの考え方から皆を平等に扱うことから生じる”関節差別”も禁じており、女性はいわゆるゲタを履かせてもらうことで社会進出が進んだ)や、有名なフィーカ文化はただのティータイムではなく実はシャイだと言われているスウェーデン人達の交流を促す重要な時間であること等、知らなかったスウェーデンのエッセンスを知ることができて面白い。

「子供がいたら早く帰ったり急に休んだりするのは当たり前のことであって、迷惑をかけていると感じる必要さえなかったはず。ただ、そう感じるような社会に住んでいただけのこと。子供に対しても「親になっても、自分のやりたい仕事を週に四十時間やる権利がある」と断言できる。そう思えるようになったのはやはり、共働きでも二人、三人と子供を育てていて、誰もそれを迷惑だとかかわいそうだとか思わない社会をスウェーデンで体験したからだ。」

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2020年04月13日

Posted by ブクログ

スウェーデンで育児(二歳~就学前)をした方の、スウェーデンのお話。とはいえ、日本で育児をしている身として発見が多かった。
なぜかというと、たとえば、スウェーデンでは子供に暴力を振るうことは法律で禁止されている、とのこと。これは、日本でも法令化されようとしていることではないですか。それをスウェーデンでは遥か1975年より施行されてるんです。日本ではしつけとの区別云々(親から目線)で語られる法律ですが、スウェーデンでは子供の権利として、つまり子供からの目線としも語られる法律なんです。その法律だけがポツンとあるのではないんだと。
また男性の育児にしてもスウェーデンでは男女ともに育児をします。それも子供の権利「子供は同じ価値がある」ところから「比べない」につながり、「男だから~~」「女だから~~」「お兄ちゃんだから~~」という考え方がない。その延長に男女育児する、に繋がっているように思う。もちろん、男女働く。今のように育児休暇が三年もあるのとは真反対。
現代の日本の「働き方改革」が薄っぺらいものち見えて仕方ない。
もちろんスウェーデン方式でも悪いところはあるだろう。でも今は見習うべき点に目を向けてみたい。
あと、この著者で検索するとミステリーがでてくるように、現在はスウェーデンミステリーの翻訳家として活躍されています。そのせいか、とても読みやすい文章となっています。
育児をしていなくても、スウェーデンが好きな人にもスウェーデンで暮らしているかのように感じられて楽しく読めると思う。

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2019年12月08日

Posted by ブクログ

「日本・スウェーデン両方の保育園を経験した著者だからこそ書けた、スウェーデン子育て事情解説書」
とことん合理的なスウェーデン社会。政府や保育園の取り組み、パパママたちの育児・仕事両立方法、保育士さんたちの労働環境など、わかりやすく紹介されています。
同時に、北欧ミステリー等を翻訳されている著者の紡ぎだす文章はとても情景描写豊かで、エッセイとしても楽しむことができました。
スウェーデンで実現している仕組みをうまく日本社会に取り入れるにはどうすればいいのか、もっと深く考えてみようと思います。

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2019年11月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

日本ではなぜ待機児童問題が解決しないのか。
その解決方法の糸口をスウェーデンから学べる一冊。
とにかく母親に負担が多い日本での子育て状況のひとつに、父親の参加の比重が少ないということがある。スウェーデンではちゃんと参加できるよう、社会全体で支え合っていて、その状態が当然、しなければむしろ疑問を持たれている。
エッセイ風なので読みやすく、また、良い面ばかりでなく悪い面もきちんと書かれていて、とても勉強になった。

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2019年08月03日

Posted by ブクログ

スウェーデンの地方都市に移住した日本人家族の子育てについて書いてある。
タイトルの待機児童の話よりも、スウェーデン社会の考える平等とは、社会の責任とは、についてのほうがコンテンツも充実していて、個人的には興味深かった。
また本書の最後の方に記載があるが、必ずしも子育てについてスウェーデンがよく日本が悪い、というわけではなく、目指すところと価値観によってやはり一長一短であることもわかった。

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2020年02月07日

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SL 2019.9.23-2019.9.28
スウェーデンのいいとこ、悪いとこ。
当然どちらもあるんだけど、社会の基盤としての考え方はやっぱりスウェーデンのほうが優れていると思える。
日本だけではなく、スウェーデンから学べる国は世界にたくさんあるのではないかと感じた。

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2019年09月29日

Posted by ブクログ


子どもにとって大事なのは「愛情」である。これに異を唱える人はいないのではないかと思う。

でも「愛情」は目に見えない。どうにかして形にしなければ「愛情」は表現できない。だから我々は「愛情」を表す行動をする。

たとえば,日本では,小さい頃は子どもと母親とが一緒に過ごすこと=「愛情」であり,手の込んだ弁当を持たせること=「愛情」である。子どものために親が犠牲になること=「愛情」という考えがいくらかあるのではないかと思う。子どもにとっての「愛情」は親(特に母親)の責任である。

でもスウェーデンは違う。母親だけでなく父親も一緒に過ごすことが「愛情」であり,たとえ親が離婚して別々に住んでいたとしても父親母親と過ごせる時間を作る。子どもに偏見を植えつけないことが子どもにとっての「愛情」であり,子どもに体罰をしないこと(感情に任せて叱ることを含む)も「愛情」である。子どもが安心してのびのびと生きていけるようにすることが「愛情」であり,だからこそ大人も安心してのびのびと生きている。子どもにとっての「愛情」は社会=大人の責任である。

何が「愛情」なのかはそれぞれの文化で違う。日本で「愛情」だと思っていたことはスウェーデンでは「愛情」ではないし,日本で「愛情」がないと思われることは,スウェーデンで過ごすとそう思われない。日本で過ごす我々が「愛情」だと思っていったことは本当に「愛情」なのであろうか。本書を通して気づかされることがいっぱいあると思う。

本書の前半は保育園入園までの筆者の子育て日記,後半は子育てにまつわるスウェーデンの社会情勢の解説が多めな形式になっている。なので,スウェーデンという社会の子育て事情を知りたい場合は後半(スウェーデンで子育てするということ)から読み始めることもできると思う。逆に前半は日記形式なので,最初から読み進めたほうがいいように思う。

1点だけ本書を読む際の前提を書くのであれば,スウェーデンの地方都市での子育てエッセイということである。本書でも言及されている通り,筆者の「余裕あるスウェーデンでの子育て」は,スウェーデンの社会制度に地方都市という要素が加わったからこそ実現されているものであり,都会ではまた違ったものになるであろう。スウェーデンの都会事情と地方都市事情を簡単に調べた上で本書を読むと,単純に読むよりも違った「景色」を味わえるかもしれません。

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2019年08月25日

Posted by ブクログ

北欧は社会保障がしっかりしているというイメージをもっていた。この本に出てくるスウェーデンのシステムも、日本人の私から見るとうらやましい限りだった。

この本は、スウェーデンの保育について語られたものではあるが、固い本ではない。むしろ、エッセイではないかと思う。著者夫妻のような生活を今の私はしているわけだが、著者夫婦が日本での生活をやめ、スウェーデンに引っ越したのがうらやましくもあるが、そこまでの決断と能力はないなぁと思った。

この本のいいところは、スウェーデンの社会のよいところと、悪いところが両方書かれているところだ。税金の高さには驚かされるし、不便なことも多そうだが、できることなら(仕事と言葉の能力があれば!)スウェーデンで生活(子育て)したいと思った。

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2019年07月30日

Posted by ブクログ

感想
日本の良さを維持したまま待機児童を減らす。保育園を増やす、職業家政婦を増やす。手段は多くある。しかし実行しなくては意味がない。

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2023年06月03日

Posted by ブクログ

タイトルから、保育園や教育についてもう少し社会情勢的な内容を期待していたけど、内容は移住体験記に近い感じでした。

また、導入部の日本での話は、大都市のママ独特のマウンティングな話に何度か読むのを辞めようかと思いましたが(笑)、スウェーデンに移ってからの話はとても興味深かったです。

もうひとつ考えさせられたのは、スウェーデンと日本における、平等に対する考え方の違いです。同じ条件にするのが平等なのか、ハンディをつけて結果的な平等を目指すのか。日本人の多くが不足しているのはココで、ココが分かち合えれば、日本ももう少し心豊かに生活できる気がします。

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2022年02月23日

Posted by ブクログ

スウェーデンの子どもの権利についての教育の話、そもそもの価値観や正義の教えK田の違いなどの話は、面白かったです

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2021年09月16日

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