出口治明のレビュー一覧
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出口氏が日本史を論評する対談本
出口氏は日本の世界史への影響をほぼゼロと評価しているらしいと思ってました。
本著は、この考えを裏付けるものでした。
・昨今メディアに氾濫する日本特殊礼賛番組
→反対。日本は、世界史的にみて平凡、受け身でしかなかった。
・戦時中の日本政府、軍部のシステム的な不備
→軍閥入閣必須も酷いが、ガバナンスが皆無というのが致命的。
(満州国を溥儀で建国したことも、関東軍の独断で低レベルな謀略に過ぎない)
・さらに、出口戦略のないまま、開戦、戦線拡大。
→実は、リットン調査団の報告を受け入れ国際連盟に加盟継続していれば、満州の権益の実質的維持と国際的孤立を免れたはず。
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・決断ができないと思っている人は、意思決定と、提案を通すこととの区別がついていない。大切なのは正しい提案(決断)をすることと、提案を通すこととはまったく別の領域の話だということを理解しておくこと。意思決定の「あと」の話を一緒に考えてしまうから混乱する。
・「新しいことをやる」ことは、「既存勢力に嫌がられる」ことと同義。既存勢力に嫌われるのがイヤなら新しいことをやらなければいい。世の中「いいとこどり」はありえない。トレードオフ。捨てるものがあってこそ得るものがあるのだから必要以上に怖がらない。客観的に。
・社内で正しく早く決めるためのルールとして、「数字(データ)・ファクト(データに関連する -
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冒頭に、本書の目的が説明されている。まさに出口会長がいつも言われているタテとヨコとはどういうことなのかがよくわかった。最近志向がビジネスにあまりに偏りすぎていたので、学生時代の問題意識を思い出させてくれた気がする。若い人が読むべき本である。
「僕は何事であれ、物事を考えるときは必ず『タテ軸とヨコ軸』を持つことを心がけています。
タテ軸とは時間軸・歴史軸。主に過去にさかのぼって同じような問題に直面した人はいないのかどうかを調べます。ヨコ軸は空間軸・世界軸。『他の国ではどうなのか?』『ライバル企業ではどうなのか?』といった情報を集めて比較することで、判断の精度を高めるようにしているのです。
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出口さんによると、これまでの経験、スキル、人脈を活かしつつ、現実的な判断ができる50代は、起業に適した世代なのだそうです。本書では、実際に50代で起業した方々と出口さんの対談を通して、50代で働くことの実態を紹介しています。
やはり、子育てが一息つき、家族の理解が得られやすい環境にあることが、共通のファクターな気がする。さらには、出口さんのように、40代までにバリバリのビジネスマンとして活躍し、実力だけでなく、各方面に広く深い人脈を持つこともポイントですね。とすると、やっぱり、50代だからといって、誰にでもできることではないんじゃないかな、というのが感想です。 -
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お金には、稼ぐ時より使う時にこそ、その人らしい個性が強く出る傾向がある。それを教えてくれる本である。人は教育や世間の影響を受けながらお金を使うが、この本は、自らの内なる声に従った使い方の達人を紹介している。
本書は、現代の富裕層だけでなく、実際の財産の大小に限らず、「お金の使い方に生き方が現れる」という考えに共感できる人であれば、誰にとってもおすすめだ。まわりに惑わされない生き方に興味ある人に向けた本である。
戦前の6名、梅屋庄吉、薩摩治郎八、大倉喜八郎、土倉庄三郎、山崎種二、御木本幸吉と戦後派の足立全康を足した7名のミニ評伝と出口氏の解説で各章にまとめてある。新書のページ数なので、簡易な -
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昨日放送された「情熱大陸」に出演された細川護熙さんもそうでしたが、やはり「読書」をしている人は深みがある。そして、なんでこんなにも読んだことをしっかりと記憶にとどめておけるのかを一番知りたい。。。笑
本書から外れてしまったが、やはり読書において「古典」は得るものが多い。
でも、いきなり手を取るのはちょっとという方は、熟読されている方が目に留まったフレーズなどをまとめた一冊は便利だ。
その中で、「これは!」と刺さったものがあれば原著を手にするという流れはとてもいい。(実際に、僕もそうすることが多い)
それにしても、面白いことを仕掛ける方は、やはりちょっと外れていないとだめですね。笑